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■2割の支持で5割の議員

7月23日の東京新聞によると、自民党は、参院の選挙区で「絶対得票率」(注)の2割以下しか支持されてない。それなのに、選挙区の自民党議席は5割を超えた。

投票率が低かったこともあるが、小選挙区制だからだ。こんなにも民意を反映しない結果を出す選挙制度に怒りを覚える。あらためて、「小選挙区制は非常に悪い制度である」(石川真澄)。

■重いハンディキャッパー2人当選

そんな中でうれしかったのは、比例区でれいわ新選組の候補2人が当選したことだ。「これぞ比例代表制選挙のたまもの」とひざをたたいた。


6月末、たまたま木村英子さんの会見を聞いた。赤ん坊の頃大けがして手足が不自由になり、脳性麻痺で首から下が動かせない。「19歳ではじめて地域で生きることを選んだ」「私の同級生の仲間の障害者達は皆いま施設にいます。施設に50年も、いる人もいます」と言った。介護サービス充実政策を訴える、これ以上ない候補者だ。

公示直前に、山本太郎党首は、ALS患者のふなごやすひこさんが1番、木村英子さんが2番で、2人は「特定枠」だと発表した。特定枠とは、政党が決めた「優先的に当選させたい候補」のことだ。参院比例制の新ルールだ。

さて、ここで、北欧をはじめヨーロッパ諸国がとる”本来”の比例代表制選挙をちょっと。

■支持する政党の候補者リストを選んで箱に入れるだけ

ノルウェーでは、選挙の半年前に、選挙区の政党が決めた候補者リストを選挙管理委員会に出す。候補者リストは形を整えられて、投票用紙そのものとなる。だから、投票用紙には、政党名と、その党の候補者名が1番からズラリと印刷されている(写真下)。

有権者は、投票ブースに並んでいる全政党の候補者リストから支持する政党1枚を選ぶだけ。とってもシンプル、とっても簡単。

とはいえ投票者に候補者の順番を変える余地は残されている。候補者リストの空欄にチェックを入れたりするのだ(写真下)。だけど、国政では候補者リストが変更されることはほとんどない。地方議会選でも、それほど多くない。なぜなら、支持する政党の投票用紙(=候補者リスト)を変更せずに投票箱に入れる人が多いからだ。


■政党が決めた候補者リスト順に当選する

投票が終わったら、各政党の得票率にほぼ比例して、まず政党の議席数が決まる。3人だと、1番、2番、3番の候補が当選する。「特定枠」などという優先枠ではない。

つまり、北欧の比例代表制の候補は、日本のほぼ「特定枠」候補といえる。候補者個人が必死に票を獲りに行くのではない。政党が決めた候補者リストの上位に載れば、育休中でも病気療養中でも当選する。だからノルウェーには、国会に身体障がいの女性がいたし、サーメ出身や移民系議員がいる。県議会には、脊髄性筋委縮症SMAの男性議員がいる(写真最下)。 

■もしも「特定枠」がなかったら

一方、日本の比例代表制は違う。参院選の比例区では、個々の候補者が全国各地から1票でも多く票を勝ち取ったかで、当落が決まる。

もしも、「特定枠」がなかったら? ふなごさんも木村さんも全国遊説や連呼やらの過酷な選挙戦を戦い抜かなければならなかっただろう。「ふなごやすひこ」「木村英子」と書いてくれる人を一人でも多く見つける、これが選挙だからだ。たとえ山本太郎党首でも、立候補をすすめなかったと思う。

山本党首は、2人を当選させるため3番になった。北欧の選挙では、票を伸ばすために、著名な党首や党員を当選圏外(リストの下のほう)に登載することがよくあるが、それだ。山本党首の周りにはこうした北欧の選挙に通じている人がいたと思う。

たとえば、2014年、スウェーデンの新党フェミニスト党からEU議会議員が1名当選した。彼女はロマ人系のマイノリティだった。その時、カリスマ党首グードルン・シューマンGudrun Schyman は当選圏外に名前を載せていた。


バカ殿様たちの再生産装置

以上のように比例区枠でさえ、日本の選挙制度は、問題だらけだ。何より日本の選挙の最大の問題は、ごっそり死に票を生む小選挙区制がメインだということだ。衆院選はむろん、参院選さえ、小選挙区制がかなりある。小選挙区制では1票の格差も解消されるはずもない。いつまで、このバカ殿様たちの再生産装置を続けるつもりだろう


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【注】絶対得票率は、投票に行かない人を含む全有権者に対して、その党がどのくらい票をとったかを示す。

【写真最上:2019年7月20日、渋谷駅頭での立憲民主党比例区・佐藤かおり候補の選挙運動。有権者に名前を書いてもらって票を獲得しなければ当選にむすびつかないのに、「べからず選挙」ゆえ候補者名は小さな白い布1枚のみ。ポスターもはれない。これでは大組織や世襲など三バンがないと難しい。佐藤かおり候補は惜敗】
【写真下:ノルウェーの国政選挙で使われた投票用紙。1番の候補は育休中で選挙運動はしなかったが当選した】


by bekokuma321 | 2019-07-24 17:46 | 北欧

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614日、三井マリ子さんの講演会「投票率80% ノルウェーの楽しい選挙」に行ってきました(注)。立ち見の人も出る盛況ぶりでした。演題を意識してか、いつものちょっと早口の語り口調にジョークを頻繁に交えながらの楽しい三井講演でした。


首相が女性、国会議員の4割が女性という憧れの国ノルウェーの選挙の様子を20年以上視察してきたマリ子さん。その実際の選挙の様子を写真で見ていると、国全体が選挙をお祭りのように取り組んでいると感じました。

なにより羨ましいと感じたことは、そのお祭りに、小学生から加わっていることです。授業で政党の選挙公約調査をするとか、「子ども選挙ソング」もあって、子どもの時から政治をタブー視しない、むしろ馴れ親しむ環境が作られているのです。こうして民主主義が育つ土台が作られているのだなあと思いました。

次にお店で売られているお菓子。お菓子の包装にも選挙ムードを盛りあげる工夫がされています。人気のお菓子の包装に「あなたはどちらに投票する?」「赤?」「青?」とお祭り気分です。ノルウェーでは政権がいくつかの政党でつくられていて、赤は左派連合、青は右派連合だというのです。

そして学校内で選挙運動をしたり、模擬投票をする高校生のスクールエレクションも楽しそうでした。

ノルウェーは選挙制度が比例代表制です。民意が反映されやすく、死に票が出ない選挙です。政党が選挙候補者名簿をつくって、それが投票用紙になります。

参加者から「比例代表では候補者リストの上位に気に入らない候補者がいるときはどういう対処法がありますか?」と質問。候補者リストの候補者名の横に空欄があって、当選してほしい議員には「1」と書くとか、気に入らない議員には「×」を書くことができる、と回答がありました。

実際、先日、ソマリアからの難民マリアン・フセインという女性が国会議員になったというのです。ノルウェーでは、国会議員にも育休や病休があって、その間、同じ政党の同じ選挙区の次点候補(代理議員)が国会議員を務めます。彼女は、政党の候補者リストでは5番目でしたが、選挙の結果3番目に上がったと推測されるとのことです。党が決めた候補者の順番を、投票によって変えることができるのも素晴らしいと思いました。

講演が終わって会場を出る方々の顔が明るく、「楽しかった」という声が聞こえてきました。他国の話でも楽しい話を聞くと、心が晴れやかになります。

山城 和代(東京都小金井市民)


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【注】日本国民救援会東京都本部主催、ノルウェー大使館後援で開催された
【写真】1枚目は高橋三栄子撮影、他は匿名希望者撮影

by bekokuma321 | 2019-06-16 08:44 | ノルウェー

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100歳女性が政界進出、地方議会選でトップ当選 ドイツ」。先日届いたCNN日本版の見出しだ。女性の名はリーゼル・ハイゼン。動画見た。その、かくしゃくとした姿。人生100年時代にふさわしい議員だ。


このニュースに、多くの日本人やアメリカ人は、「100歳の、しかも女性がトップ当選だなんて。どんな選挙をしたんだろう」と思ったに違いない。


両国では、名前と顔を売るためにし烈な選挙戦をかいくぐらなければならないからだ。そう、日本もアメリカも小選挙区制だ(中選挙区制など複数当選の変形も含む)。


一方、ドイツは、日本やアメリカと違って、基本的に比例代表制だ。有権者は政党に投票する。投票所では、たくさんの政党の「候補者リスト」から、有権者は自分の支持する政党の「候補者リスト」を1枚選んで、それを投票箱に入れる。それぞれの政党の票の獲得率に比例して、政党の議席数が決まる。候補者個人は、朝から晩まで必死に頑張らなくていい。だから、産休で家にいて一度も選挙運動をしなくても当選した女性だっている。


北欧の場合は、当選してほしい候補者個人に印をつけると、その候補者に票が加算される。ドイツも北欧と似ているようだ。今回は、ニュースの主100歳のリーゼル・ハイゼン候補に印をつけた有権者が非常に多かったのだ。


上の表を見よう。彼女の選挙区における政党別の得票率と議席数だ。全部で24議席。7政党に及んでいる。メルケルのキリスト教民主同盟(CDU)や社会民主党(SPDなど国会議員を出している政党は、地方でも強い。CDUは8議席、SPDは5議席だ。一番下にあるのが、リーゼル・ハイゼンの所属する「私たちのキルヒハイムボーランデン」、Wir für Kiboわずか2議席のミニ政党(政治団体)だ。


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その政党「私たちのキルヒハイムボーランデン」のホームページ に、候補者リストがアップされている。議会の定数24議席に26人もの候補者を立てている。そのうちリーゼル・ハイゼン20番目。ずいぶん下だ。


党首にあたる候補は、「わが党は、完璧なバランスを誇る政党です。男女は半々で代わる代わる並んでいます。しかも100歳のリーゼルは市議会で最高齢となります」と、多様性や男女平等を強調し、彼女を積極的に宣伝している。


ドイツの報道によると、リーゼル・ハイゼンには、長年の教員勤務で教え子は多いし、孫やひ孫など家族も多い。何といっても御年100歳のチャレンジに敬意の1票を投じた人が多かったのだろう。結果、順位20番から1番目にはねあがった。


リーゼル・ハイゼンの立候補の動機は何だろう。ドイツの報道によると、ドイツの南西部ラインラントプファルツ州キルヒハイムボーランデンに住む。人口は8000人ほど。元教師で、水泳大好きのスポーツウーマン。長年、公営スイミングプールで泳いでいたが、2011年プールが使えなくなった。「身体にとっても精神にとっても最高のものがなくなった。なぜ」と疑問に思った。大勢の仲間たちも同じ疑問を持った。そこでプールの再開を市に求めて、100歳記念に議会に出る決意をした。


とはいえ突然、政治に目覚めたわけではない。地方議員だった父は、ユダヤ教会破壊に反対して、収監された。そんな家庭に育った彼女は、常に政治的だった。EU派であり、マクロン仏大統領のファン。若者の地球温暖化反対運動も応援する。「テレビはくだらない番組が多く、政治的に重要な番組は寝静まったころに放映される。これでは、政治的判断に必要な情報が十分得られない」と嘆く。


私の母親だったら、不満があっても近所の人たちに愚痴をこぼすだけだったろう。本当に見事なチャレンジだ。何度でも言うが、彼女のチャレンジ精神を生かしたのは、比例代表制という土台だと思う。



by bekokuma321 | 2019-05-31 00:20 | ヨーロッパ

6月14日(金)午後6時半、御茶ノ水駅近くです。どなたでも、お気軽にご参加を。

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by bekokuma321 | 2019-05-26 10:21 | ノルウェー

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2019年統一地方選が終わった。県会レベルで女性は割合にして10%ちょっとだった。人口の半分以上が女性なのに、県会議員の9割が男性! 著しい男性偏在といわずしてなんと呼ぼう。


この極端な男女格差を生みだしている元凶、それは選挙だ。


一方、選挙を経ても、男女比が人口と極端に変らない議会の国がある。北欧諸国だ。そのひとつノルウェーでは、女性議員は、全県会議員の42%を占める。

なぜこんなに違うのか。最大の理由は、ノルウェーは日本と異なり、比例代表制選挙だから。比例代表制は、女性やマイノリティを当選させやすい。


この、極端な男性偏在に加えて、無投票当選の増加、投票率の低下に次ぐ低下・・・日本の議会がこのままでいいと思う人は少ないはずだ。選挙制度を考え直すときがきたと思う。


【図表は、報道各紙の統計や下記リンク先の数字をもとに作成した】
Statistisk Sentralbyrå / Statistics Norway


民主主義度世界1はノルウェー、日本20位(2016)

絶望の小選挙区制選挙(2017衆院選)

市民に優しい選挙制度(ノルウェー)
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」





by bekokuma321 | 2019-05-03 16:04 | ノルウェー

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フィンランドの国政選挙で、過去最高の92人の女性が当選した。全200議席の46%。


北欧5カ国は平等・福祉で世界の覇者だ。バロメーターのひとつ、国会議員に占める女性の割合は、IPUによると、スウェーデン47.3%、ノルウェー40.8%、アイスラン38.1%、デンマーク37.4%。


今回、フィンランドは、北欧諸国中スウェーデンに次いで第2位となった。


政党別では、中道左派の社会民主党が40人当選して、第1党。この社会民主党の候補者リストのトップに登載された党首が首相となって、連立政権を組閣する予定だ。


一方、社会民主党と異なったイデオロギーを持つ極右フィン人党は、39人が当選した。社会民主党との獲得票の差はわずか02ポイント。その僅差は1人の差となって表れて、社会民主党が第1党、フィン党が第2党となった。まるで、オリンピック競技のように正確だ。


比例代表制選挙は、政党ごとの得票率で、その政党の当選者数が決まるので、有権者の意思がほぼ正確に議席に反映するのである。


男女比はこうだ。各選挙区の政党内で候補者リストの話し合いが行われる→クオータ制内規によって女性は40%以上とされ、リストの登載順が決まる→選挙区の候補者リストが決まったら、政党ごとの決定機関で最終決定される→選挙区の選挙管理委員会にリストを提出する→選挙になると、有権者は政党の候補者リストを見て気に入った政党に投票する→政党ごとに候補者の上から当選するので女性は例外を除きほぼ5~4割となる


前回2015年のフィンランド総選挙では、国会議員200人に2146人が立候補して、そのうち女性は845人、全候補者の39.4%を占めた。結果は、女性83人が当選し、全体の41.5 %だった。おそらく、女性を候補者リストの上位に登載した政党があり、女性当選者の割合は、候補者割合より多くなったのであろう。


今、日本列島は、候補者11人が1票の獲得に死に物狂いの選挙運動を繰り広げている。小選挙区制型の選挙は、新人女性やハンディをかかえた人には過酷きわまりない、と思う。

【写真はフィンランドの「男女半々議会にしよう」というポスター。フィンランド語の意味は「叫ぶ芸術」第30回リップスティックで男女平等





by bekokuma321 | 2019-04-16 11:04 | 北欧

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国際女性デーを祝って、35日、IPUは男女平等の議会に向けて記者発表をした。要約する。


国会に女性議員を増やすため、世界130カ国以上の国々がクオータ制を採用している。とりわけ、ラテンアメリカにおいて1990年代30%クオータ制を採用した国々の多くは、政党の選挙候補者を男女半々に改正した。その結果、国会の女性率は、コスタリカ45.6%(世界8位)、 メキシコ48.2%(世界4位)である。両国の国会は、男女半々に近づく勢いだ。


さらに、女性議員増には、選挙制度の影響が強いことが、あらためて強調されている。比例代表制選挙、または比例代表制が加味された混合型選挙のほうが、小選挙区制選挙より、女性議員率が明らかに高い。


さてと、日本の選挙は混合型だ。では、なぜ、日本は世界165番目などと目もあてられないほど低ランクに位置しているのか。


理由は、日本は混合型とされるものの、ドイツニュージーランドに代表されるような小選挙区比例代表併用制ではないからだ。日本の選挙は、小選挙区比例代表並立制である。併用制(ドイツ、NZなど)と並立制(日本)は、根本的に違う。併用制の基本は比例代表制。並立制の基本は小選挙区制である。つまり、日本は、小選挙区制に比例代表制がおできみたいにくっついているようなものなのである。



女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」

選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)





by bekokuma321 | 2019-03-06 23:16 | ヨーロッパ


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ノルウェー政権に、キリスト教民主党がはいることになった。これで、首相(保守党)の悲願だった多数内閣となった。


ノルウェーは、一昨年秋の選挙後、保守党と進歩党に加え、小さな自由党が加わっての3党連立政権だった。3党の党首がたまたま全員女性なので、ノルウェーから届く政治ニュースの映像を見ては「女ばかり! 日本とのなんという違い」と口に出してしまうことが多かった。


日本との大きな違いは、もうひとつある。ノルウェーの国会は、日本のようにひとつの政党が強大ということがない。だから何党かで連立を組まないと政権をとれない。しかも、右派ブロックと左派ブロックで議員数が拮抗しているので、内閣といえども多数は珍しい。今回、169議席中88議席で52%の多数内閣になった。これは、1985年以来、34年ぶりだという。驚いた。


これは、ノルウェーを含む北欧諸国は、完全な比例代表制選挙だからだ。この選挙制度下では、日本のような1党の圧勝はない。大きな政党は大きな政党なりに、中・小政党は中・小政党なりに、議員が選ばれ、民意を反映した議会となる。これを、政治の安定性を欠くとか言う人がいるが、民主主義には、政治の安定性より、国民の多様な政治的意見を反映した議会構成であるほうが大事だと、私は思う。


今回、政権与党にキリスト教民主党を閣内に入ってもらうために、女性の権利が取引材料にされたようだ。これまで長年、合法だった妊娠中絶に何らかの制限が加わることになるらしい。女性団体や労働組合は、ただちに、新政権に怒りをあらわにしているようだ。


38日の国際女性デーは、異議申し立てする女たちで広場や路上があふれかえるだろう。連立を組む4党の党首がたまたま全て女性なので、「女性同士の闘い」だーーーとの古めかしい表現は、ノルウェーではあまり使われない。なぜなら、男性と同様に女性もさまざまなイデオロギーを持っていることが当たり前になっているから。


【写真:一昨年秋の国政選挙後に行われた全政党の党首討論会。党首にいかに女性が多く就いているか一目瞭然だ】



国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」報道

市民に優しい選挙制度(ノルウェー)

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女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」

ノルウェー国際女性デ―、例年にない高まり





by bekokuma321 | 2019-01-23 21:14 | ノルウェー

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2019年、FEM-NEWS(三井マリ子編集主宰)は、マスメディアにはない世界の女たちの闘いや心躍るニュースを中心にお届けしてまいります。

今年は統一地方選。「候補者男女均等法」施行後初です。この法律は、男女半々の議会をめざして、女性候補を増やす目的で作られました。今、国連の目標は男女半々(5050)ですが、かつては30%でした。30%は重要です。クリティカル・マスと呼びます。


クリティカル・マスとは、女性が構成員の30%を越えて初めて女性の影響力が出始めるという理論です。ロザべス・モス・カンターが理論化した言われています。カンターは、クリティカル・マスの必要性について、絵本『O(オー)の物語』(三井マリ子訳、レターボックス社)も書いています。昨秋、「怒れる女子会」 で越谷に行ったら、松田典子議員がこの本を掲げて説明していました。うれしかったです。


日本で、女性は地方議会の10%ほど。ですからクリティカル・マスの30%だって大変です。


なぜ日本で女性が政治に少ないか。最大の障壁は、日本の選挙制度が、北欧はじめ多くのヨーロッパ諸国がとる比例代表制ではなく、小選挙区制(1人当選の衆院選だけでなく複数当選も含む)だからです。


比例制の国では、候補者は、選挙区の政党の会議で決まります。その政党会議で、候補者リストの順番を男女交互にしよう、若者を当選圏である上位に入れよう・・・と話し合って決めます。女性だけでなく、障害を持つ人、先住民族など社会的弱者も、当選圏となるリスト上位に入れるよう話し合われます。


一方、日本では、いち早く手を挙げた人から決まっていくーーおもに現職議員、国会議員の秘書、土地の有力者・・・。しかし、「候補者男女均等法」を生かすには、選挙区の政党の会議で、現職議員の男性に代わって、新人女性を候補にしなければなりません。罰則がないせいか、政党は知らんぷりのようですが、法が政党に期待しているのは、そういうことなのです。


一昨年の秋、ノルウェーに飛び、国会議員選挙を取材しました。ノルウェーでは、投票日の夜、党員が一堂に会してテレビを見ながら得票結果に一喜一憂するイベントがあります。「選挙夜鍋パーティ」 です。


そのパーティにトシュタイン・レホールが参加していました(写真)。脊髄性筋委縮症SMAの彼には、24時間のケアが必要です。常時10人のチームが交代で彼をケアします。どこに行くにも写真のようなベッド型車いすです。


余命数年と言われたそうですが、今30代。趣味は旅と料理。自虐ユーモアたっぷり。大学で歴史学の修士をとり、会社の社長だとか。同時に熱心な中央党党員で、県会議員もしています(ノルウェーの地方議員は無給。学業や仕事との兼務が多い)。


それだけでも腰を抜かしそうな私に、最近、「これまで市にどれだけ助けられてきたか。今度は、ぼくが市長になって恩返しをする番」というニュースが届きました。


地方議員のほとんどは無報酬で、月に何回かの会議出席で済ませられますが、市長は違います。フルタイムの忙しい仕事です。それに挑戦しようというのです。


トシュタイン・レホールの人生と暮らしは奇跡としか言いようがありません。これは、彼のたぐいまれな才能と努力なしにはなしえません。でも、それだけではない。かゆいところに手の届く福祉サービス、そして、個人的負担の非常に少ない公平な選挙制度――比例代表制――のたまものだと思います。


今年も、そんなノルウェーから目を離せません。どうぞ、おつきあいをよろしくお願いいたします。



【写真:2017年9月11日、中央党の「選挙夜鍋パーティ」で投票結果を見るトシュタイン・レホール。撮影三井】




by bekokuma321 | 2019-01-05 01:49 | FEM-NEWSについて

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先日、ニュージーランド首相ジャシンダ・アーダーンが(写真上の中央)、赤ちゃん連れで国連総会に乗り込んだ。どれだけ多くの人たちが、そのニュースに小躍りしたことか。


ジャシンダ・アーダーンは、首相になったばかりのころ、「子どもをほしいですか」と聞かれて、「2017年の女性にそんな質問をするのはおかしい」と切り返した。そして妊娠、出産、育休、復職。そんな彼女の一挙手一投足に世界が目をこらす。


30代の女性が一国の政治のかじ取り役となれる国、かたや世襲議員から派閥の力学で首相が選ばれる国。国会に女性が40%座る国、かたや国会(衆院)にわずか10%しか女性がいない国。ニュージーランドと日本の現状には驚くばかりだ。


しかし、かの国の女性より、この国の女性がダメなわけではない。相違を際立たせている背景には「NZは比例代表制、日本は小選挙区制」という選挙システムの違いがある。


ジャシンダは、労働党員である。20代で国会議員に初当選した。


そもそも彼女は社会主義青年部の活動で頭角を現し、選挙区の労働党から立候補した。比例代表制選挙では、選挙区の各政党がつくる候補者リストの上位に登載されると、当選にむすびつく。お金も名声も地位もない若者でも当選が可能となる。選挙運動は候補者個人ではなく政党中心だから、候補者ひとり一人は、日本のような”ブラック企業”顔負けの選挙運動などしない。その結果、女性や若者やハンディを持つ人も候補者に増え、議員にもなる。


「選挙が変われば暮らしが変わる」 のである。この4月、東京飯田橋で行われた国際シンポでは、ニュージーランドの選挙制度が詳しく報告された。参加できなかった人のために、以下の2ホームぺージに、当日の内容がアップされている。Aは主催団体のひとつ「全国フェミニスト議員連盟」、Bは協力団体のひとつ「さみどりの会」。


A 国際シンポジウム「選挙を変えれば暮らしが変わる」


B 国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」

チラシ  

講演録

プログラム  

宣言文

報道記事 (毎日新聞、I女のしんぶん、朝日新聞)  

国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して



【写真は、NZ大使主催「女性参政権150周年記念の夕べ」 にて接写】



女性に優しい政治をかなえる比例代表制選挙(NZ)

選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)

 



by bekokuma321 | 2018-09-26 12:48 | アジア・アフリカ