全国フェミニスト議員連盟(代表小磯妙子/ まきけいこ、事務局脇礼子)は、林文科相と野田

男女共同参画相あてに、9月14日、医大などの女性差別入試に関して意見を出した。


◆◆医大・大学医学部の女性差別入試をなくし男女共同参画推進を求める意見書◆◆


文部科学大臣 林 芳正 様

内閣府 男女共同参画推進特命担当大臣 野田聖子 様


全国フェミニスト議員連盟は、男女平等社会の実現をめざして活動する市民と議員の団体です。


去る8月、東京医科大学が入試において、女性受験生を合格しにくくするよう得点を不正に操作していたことが判明しました。


国内外に批判が沸き起こり、文部科学省が全国81大学の医学部を調べたところ、過去6年間、毎年、6~7割の大学で、男性の合格率が女性の合格率を上回っていました。すなわち男性の合格率は、女性の平均約1.2倍であり、順天堂大1.67倍、東北医科薬科大、昭和大1.54倍、日本大1.49倍、九州大1.43倍など、その他の大学においても不自然な実態が明らかになりました。


女子合格者数を減らすための得点操作は、性差別の禁止(憲法第14条)、性別を問わず等しく教育を受ける権利(憲法第26条)、職業選択の自由(憲法第22条)を保障する憲法に違反します。さらに教育基本法第4条の「教育の機会均等」に明確に反します。


また、法的拘束力を持つ国際文書「女性差別撤廃条約」は、第1条で「女性に対する差別とは性に基づく区別、排除又は制限」と規定しており、これは、ただちに是正すべき女性差別にあたります。第10条「教育における差別撤廃」に向けて「遅滞なく」具体的措置がとられるべきです。


中には、長時間労働や宿直に耐えうるのは「男性医師」であるとの意見もあります。しかしながら、それは、女性が家事育児負担をして当たり前とする固定的性別役割分業の押しつけや家事育児を女性に任せて長時間労働を当たり前とする男性の働き方を当然視したものです。こうした現状追認こそ、「女性差別撤廃条約」が懸念する固定的性別役割分担意識の表れであり、実際に日本政府は、女性差別撤廃委員会から「懸念表明」を幾度となく受けてきました。


OECDにおける医師の女性割合 を見ると、加盟国平均で約4割です。しかし日本では女性は全医師の2割しかおらず最低です。どの国でも年々女性医師の割合が伸び日本も例外ではないものの、日本の伸び率は極めて低く深刻です。労働時間の短縮、短時間勤務の導入、保育施策の充実など、他国に学びながら、女性医師が働き続けられる環境整備こそ、急務です。


よって私たちは、東京医大をはじめ医科系大学の入試における女性差別に抗議すると共に、以下のことを強く求めます。


1)疑念が指摘される今回の調査結果について、厳密、厳正な追加調査、訪問調査を徹底して実施し、その結果を詳らかにすること

2)すべての医大、医学部の入試における女性差別防止のための対策を講じ、その行動指針を示すこと

3)女性が働き続けられる環境改善をはじめとする男女共同参画施策のより一層の推進を図ること



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▲女性差別が暴かれるまでPRしていた東京医大の講演会。内閣府男女共同参画局の共催



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by bekokuma321 | 2018-09-24 23:54 | その他

医師の46%は女性(OECD)

東京医大の女性差別入試スクープは、あらためて政府の「女性活躍推進法」なるものがいかに空疎なものかを露呈した。

OECDから発表された「Health at Glance2017」に興味深い記述がある。和訳する。

「2015年、OECD加盟国において、医師の46%は女性である。2000年は39%だった。少なくとも11カ国で、医師の半数は女性となっている。なかでもラトビア、エストニアでは、女性は70%以上を占める。増加率が高かったのは、オランダとベルギーであり、それぞれ49%、47%である。それとは異なり、日本と韓国では医師の5人に1人しか女性がいない。」

OECDの足を引っ張っているのは、わが日本とお隣の韓国のようだ。原文は下の表紙をクリックしてどうぞ。

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by bekokuma321 | 2018-08-04 19:13 | その他

東京医大の露骨な女性差別を知った。8月2日の読売新聞によると、

「東京医科大(東京都新宿区)が医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点していたとみられることが2日、関係者への取材で分かった。不正な操作は2010年前後に始まっていたとみられ、最近まで続いていた可能性がある。女性は結婚や出産を機に職場を離れるケースが多いため、女子合格者を全体の3割前後に抑え、系列病院の医師不足を回避する目的があったという。」

8月3日の朝日新聞は「東京医大 女子を一律減点 合格3割以下に抑制か」「女子減点 差別と偏見」と見出しをつけ、次のようにフォローした。

「東京医科大の入試で秘密裏に、女子受験者の点数が一律に減点されていた。時代に逆行する差別の発覚に、同大幹部も『とんでもない話で、許されない』と憤った。一方、女性医師らからは、構造的な問題を指摘する声も出た。」

女学生を何が何でも減らしたい東京医科大はどんな方法をとったか? 女子の合格者を3割程度に抑える目的で、いつからかは不明だが、「マークシート方式の一次試験の結果に一定の係数をかける手法で長年にわたって行われていた」という(朝日 2018.8.3)。

c0166264_113257.jpg女生徒たちは、そんな女性のみの減点操作が秘密裏に行われていることを知るはずもない。受験対策上、安全策をとって志望大学を変える女子受験生もいただろうが、必死に頑張った女性は多かったのだだろう。減点されても、女性は4割弱になったという。

そこで2010年、驚くべきことに、大学側によって女性へのさらなる減点策が編み出されて操作された。その企みの成果だろうが、2011年以後、女子の合格率は男子を下回る。男女の合格率の推移が示す(右図、朝日新聞2018.8.3)。

2018年の受験者は、おおよそ女4割、男6割。しかるに合格者は、女2割以下、男8割以上だ。朝日によると、大学関係者はこう証言する。

「2010年の一般入試で、女子の合格者が38%に上昇。『学内で困ったな、という話になった』(関係者)といい、翌11年からは、女子の得点がさらに減るよう、係数を変えたという」

燃えるような意思と高い才能が備わっていても、たまたま女に生まれたというだけで、医学の道を狭められてきた受験生たち―――なんという女性差別だろう。

教育は、雇用や社会的・政治的権利の基礎をつくる。だからこそ、教育では、男女平等と女性の地位向上の精神をもっとも徹底させなければならない。

憲法11、13、14、26条、教育基本法4条、女性差別撤廃条約1条に男女平等の教育が掲げられている。東京医科大における女子のみ減点制度は、これらすべてに違反する。

そのなかから、女性差別撤廃条約1条をかかげる。

第1条 この条約の適用上,「女子に対する差別」とは,性に基づく区別,排除又は制限であつて,政治的,経済的,社会的,文化的,市民的その他のいかなる分野においても,女子(婚姻をしているかいないかを問わない。)が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し,享有し又は行使することを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。

同条約は、「教育課程の男女同一」「固定的役割分担意識の克服」のため、「すべての適当な措置をとること」と明文化している。さらに「女子に対する差別とは、性に基づく区別,排除又は制限である」としたうえで「事実上の平等促進目的の特別措置をとることは差別とみなしてはならない」と、平等のための暫定的特別措置(アファーマティブ・アクション)をとることを認めている。

たとえば、男女平等政策に熱心なノルウェーでは、70年代から、大学において女性教員が少ない分野(学部)への女性教員の優遇策をとってきた。これは、長年の女性差別を解消する方策として認められる。

このたび発覚した東京医科大の女子のみの減点は、この真逆であり、絶対に許されない。

筆者は、男女共学の都立高校教員だった。その後、東京都議会議員になり、1990年ごろ、都立高校のいわゆるナンバースクール(もと旧制高校)の女子募集枠の極端な少なさを問題にして、改正を訴えた。

90年当時、都立高校全体で普通科の募集は女24998人、男27740人。女が2742人少なかった。私たちの抗議に対して、東京都は、「男女別々に募集してきた定員を撤廃して男女合同定員制にする」と応じた。しかし、男尊女卑が残存するなかで、性別定員が不明となれば、結局、内々に男女比が決められる恐れがあるため、男女別定員を堅持したうえで、男女半々にとさらに要求していった。

あれから4半世紀。日本の女性差別は、教育分野でさえこのように露骨であり、根は深い。

その最大の要因は、日本の政治が女性差別撤廃にきわめて弱腰だからだ。教育分野でいえば、安倍政権は、弱腰どころか女性差別を容認しているとしか見えない。2006年、日本最大の改憲運動体といわれる日本会議(注)や日本会議ダミー団体を支えに、安倍内閣は教育基本法を変えた。旧教育基本法第5条は、男女平等のために男女共学を保障していた。しかし、もとの5条は削除されて、男女共学の保障は消えてしまった。男女平等原則を一応否定していないものの、男女共学をあるべき教育の姿としてはいない。

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▲朝日新聞2018.8.3

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by bekokuma321 | 2018-08-03 12:00 | その他