2018年7月6日、長野県の「女性ゼロ議会」川上村を訪ねた。レタスで成功した富裕な村として知られる。12人議員はすべて男性のみ。女性は候補にも出ていない。

役場の応接室で行政担当から、実情を伺った。

中島企画課長(男)、由井係長(男)、原男女共同参画担当(女)の発言を要約する:
「(女性議員ゼロの件)隔絶されてる地理的特徴から、外の情報がはいってこなかった。封建性が残る」
「(昔は嫁が来なかったという佐々木都さん(注)の話に対して)今は、川上村に魅力があり、外から嫁になる人が多いようだ。後継者不足はない」
「女性は出ていっちゃう。農家の後継者に女性しかいない場合もいるが、後継女性が、男性に負けないくらいやっている人は、知らない」
「(家族経営協定に対して)やっていない。そんなことするとギクシャクするのでは。うまくいっている。若夫婦、老夫婦という分け方はあると思うが、嫁に対して給与とか休暇とかということはない。まったく、うまく行っている」
「(DV、セクハラについて)デリケートな問題なので私どもは把握していない」
「(DVセクハラの中身ではなく窓口の有無は)保健福祉課が担当。窓口はあると思うが…」
「(男女共同参画計画・条例)つくってない」
「(男女共同参画施策について)元気づくり支援金を活用して、女性が参加できるイベントをした。外部から講師を呼んで、女性が女性を支援するもの。『もうそう会議』という名。こんなことをしていきたいねという女性の声を出し合った」
「川上村女性応援チームWAO ができた。よそからきた若いお嫁さんが中心」

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レストラン「樹木里(きぎり)」で村の女性たちから実情を伺った。そのポイントを要約する。

「子育てで忙しくて、村の議会に興味を抱くことはなかった。選挙がやってきても、男の人が出るもんだ、と見ていた。何か言ったところで何か変わるのかな、という思いはある」
「県外から川上村に嫁いで、一番びっくりしたのは『まけ』。親戚グループでつくる集団のことで、要するに苗字でまとまっている組織。昔から村にある。その『まけ』から今年は議員を出す、と決める。その『まけ』に女性がはいることは絶対ない」
「今年はうちの『まけ』から選挙に出るとすると、1000万くらいかかるらしい。立候補する人が用意する。選挙の前の飲み食いに使う。『まけ』の代表になるまでにカネがかかるということだ」
「(飲み食いや会合に)長靴をはいて行くと聞いた。長靴だと中にお金をいれてもらえるのだ」
「(議員は月16万1000円だ)初めて議員がいくらもらっているかを知った。けっこういい額ではないか。他人ごとだから、全然知らなかった」
「この『まけ』にオンナの人がはいることは絶対ない」
「何につけ、女性が出るという風習は、この村には絶対ない。女性が一歩出ることは絶対ない。子どもは男女別なく宝だ。でも、大人になって、嫁さんになったら夫に従うものだ、と観念している」
「葬式など行事も『まけ』が手伝う。葬式でも女性が後から食べたりする。お手伝いするのが女の人だから」
「男尊女卑大好きな村だ」
「農業の家の嫁の待遇が過酷だ。嫁は舅姑から、遊びに行ってはいけないとか言われる。農家の嫁というスタイルが確立していて、はずれると変な目で見られる。3世代同居もあり、昔はこうだったと、今の女性たち(嫁)の生活を制約しようとする」
「当主が座る場所や嫁が座る場所が決まっている。嫁の位置は決まっている。一番身分が低いのは嫁」
「夫が死んでも、長男が喪主になり、彼女は喪服も着られず平服で参加、葬式にも参加させてもらえなかったと聞いたことがある。川上村は8地区あり、その中でも封建的な地区ではそうだった」
「出る勇気が出ない。疲れるんです。ある会議に行って、相手の人が私に先にあいさつした。それを見た〇〇という肩書の男性が、私に『今度、〇〇に出たらいいじゃないか。女の〇〇に出てみやがれ』と言った」
「昔、この村では、郵便で新聞に投稿するとき、自分の近くのポストには入れないと聞いた。誰かに見破られないように」
「自殺された方が何人かいると聞いた」
「女性同士で、文句言ったり、愚痴をこぼしたり、しょっちゅう。それが外にもれて大騒ぎになった」
「父ちゃんをさしおいて何事かと言われる」
「お姑に止められたとも聞いた」
「男の人だけからの声を聞くと、農家がうまく行っているように思ってしまうのでは」


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 ▲全国フェミニスト議員連盟「女性ゼロ議会撲滅キャンペーン」のメンバー(20180706)

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▲「女性ゼロ議会」の長野県川上村村議会(「2017川上村要覧」 p27)

【注】佐々木都さんは長野県佐久市の老舗旅館「清集館」の女将。佐久に根をはって女性の地位向上に発言してきた。川上村で、かつて審議会員として働いたことがある。今回、全国フェミニスト議員連盟の「女性ゼロ議会撲滅キャンペーン」プロジェクトが企画した川上村訪問団に加わった。



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[2017.7.15 更新]
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by bekokuma321 | 2018-07-07 12:07 | その他