なんで日本の議会には女性が少ないのか。

男尊女卑、強い性役割、やる気のない政党、夫の無理解、カネのかかる選挙ーーーいろいろあるだろうけれど、最大の原因は何だろう?

女性議員を数多く輩出してきた国々の選挙を調べてみた。たとえば、男女平等の先頭を切る北欧諸国の選挙制度は? 北欧5カ国、すべて、比例代表制選挙だった。

なかでも、首相・財務相・外相が女性であるだけでなく、閣僚の50%、国会議員の41%が女性の国ノルウェーは、100年前から比例代表制で選挙を行っていた。

ノルウェーでは女性が議会に多いだけではない。議会を構成する議員の所属政党のなんと多彩なこと。人口5000人以下の小さな自治体であっても、大政党からミニ政党まで5つか6つの異なった政党から議員を出していた。

そんなノルウェーの選挙を映像で見ながら、選挙運動、高校生の政治参加、投票のしかた…などを皆で考えた。その、緑の党での講演会内容が、Youtubeにアップされた。北欧の選挙や政治に関心のあるかた、下の写真をクリックしてどうぞ!

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▲投票日の深夜、全政党党首(緑の党はスポークスパーソン)が国会に集まって記者会見を行うのが恒例。左から2人目の緑の党スポークスパーソンは身重で国会議員当選。翌日から育休にはいった(2017年9月11日深夜のノルウェー国会の写真を見せて説明する三井講師)

女性議員やミニ政党が当選しやすい選挙制度とは
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by bekokuma321 | 2018-06-18 21:55 | ノルウェー

北欧に関する最新の研究結果を2つ。

多くの国際調査で、北欧諸国は常に最も住みやすい国にあがっている。では、なぜ、北欧は世界で最も住みやすい社会なのか。

そのなぞに迫った新書が出たという。オスロ大学のニーナ・ウィトシェクらの近著『持続可能な近代性 Sustainable Modernity』だ。

ニーナ・ウィトシェクはポーランド・アイルランド系ノルウェー人。1983年、ポーランドからノルウェーに亡命した。彼女によると、北欧諸国は、協力と競争が見事に共存しているため、持続可能な近代をつくりあげることができたのだという。「北欧諸国は、協力しあうことの利点を持った競争社会である」とまとめている。

もうひとつ。スウェーデンのマイケル・ノルデンマークは、国際社会調査プログラム(ISSP)による「家庭とジェンダーについて22カ国の調査」を元にこう分析している。

北欧諸国の男性は、南欧や東欧の男性よりも、総合的に幸福であると答えている人が多い。また他の国々に比較して、その幸福感と仕事上の満足度にそれほど強い因果関係がない。それは、北欧の男性は、家庭生活に強く参加しているからだという。

一方、ジェンダー役割が大きい北欧以外の国の男性は、家族生活と幸福との関係が弱いという結果が出ている。

つまり、家庭生活が北欧男性に幸福をもたらしていて、それが総合的幸福感の高さにつながっている。とはいえ、南欧や東欧には、それが、かならずしもあてはまらない、というのだ。

おそらく、南欧や東欧のジェンダー平等は北欧ほど十分でないからだろう、と考えられる。

Why are the Nordic countries ranked as the world’s best countries to live in? June 8, 2018
Gender equality means Nordic men happier with family life: Swedish study 9 April 2018

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▲パパにだきついている2人の子どもたち。横で本を読むママ。この共働き夫婦は、両親で育休をわけあって目いっぱいとった。ノルウェーの家庭で撮影
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by bekokuma321 | 2018-06-13 17:26 | 北欧

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北欧は平等の国だ。男女格差が少なく、女性が政財界で生き生きと働いている。それに緑の党という比較的新しいミニ政党が元気だ。エコロジーとフェミニズムを政策の中心に置く政党だ。

たとえばアイスランドでは、第二党となった「左派緑の党」の党首が首相になった。彼女はフェミニストの若い女性だ。

ノルウェーでは、首都オスロの与党に緑の党がはいった。副市長はベトナム移民の娘。オスロを世界一環境にやさしい都市にと、夢を政策に移している。昨年、緑の党はついに国会にも議席を持った。

なぜ、北欧では日本でできないことができるのだろう。

2018年5月26日(土)17時 文京区シビックセンター5F 
「議会&選挙が変われば社会は変わる:比例代表制が女性議員を増やした北欧に学ぼう」

北欧に対する偏見
フィンランド世界一、日本54位(2018国連幸福度)
アイスランド新首相は「緑の党」女性議員
比例代表制は男女格差を縮める(世界経済フォーラム2017)
百田氏よ、恥を知れ!
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by bekokuma321 | 2018-05-26 14:18 | 北欧

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沖縄、福島、日本のあちこちで繰り広げられる女たちの闘いは、年を越す。そんな女たちにインスピレーションを与え続ける歴史的闘いがある。グリーナムコモンの女たちの闘いだ。

世界中からおびただしい数の女たちがイギリスのグリーナムコモン米軍基地の外に設けられたキャンプに泊りこみ、米軍基地閉鎖へと追い込んだ。

そもそも、このグリーナムコモンの闘いは、北欧の女たちによる「非核兵器地帯を求めるデモ行進」がなければ生まれえなかった。

1981年夏、北欧の女たちは、コペンハーゲンを起点にパリまで「非核兵器地帯を求めるデモ行進」を決行した。歩き続けた何千人のなかに、イギリスからやって来た女たちがいた。彼女たちは帰国して、「北欧の女たちのように、歩いて訴えよう」と、グリーナムコモンまでデモ行進を呼びかけた。

上のポスターは、グリーナムコモンの闘争へと発展した「北欧非核兵器地帯構想」のときつくられたものだ。女性と子どもが、北欧の国々から湧きおこるように描かれている。右下はバルト海あたりだろうか、「非核兵器地帯 北欧」という文字が浮かんでいる。

ノルウェーのベリット・オースの所蔵ポスターからいただいた。ベリット・オースは政治家で、オスロ大学名誉教授。政党党首だったとき、女性の政治参画推進のカギである「クオータ制」を党内で実行した。世界初だった。

ポスターについてもっと知りたいかたは、「叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち」核兵器反対の大行進(北欧非核地帯キャンペーン)をどうぞ。


The Danish Peace Academy_Holger Terp: Danish Peace History
Nobel Prize Speech by Alva Myrdal
Internasjonal kvinneliga for fred og frihet
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by bekokuma321 | 2016-12-24 00:08 | 北欧

選挙における清廉性プロジェクト(Electoral Integrity Project, EIP)による、今年の選挙レポートは、

1位 デンマーク
2位 フィンランド
3位 ノルウェー
4位 スウェーデン
5位 コスタリカ

公平な投票に関して、①報道における公平さ、②選挙運動の資金、③社会的制約などを、調査して数字化したもの。アイスランドは10位とトップ5にはいらなかったものの、北欧諸国は軒並み、上位を独占した。ドイツ6位、オランダ8位。日本は29位だった。

議会制の母国イギリスが39位とふるわない。その理由のひとつが、民意を反映しない小選挙区制にある、と代表のPippa Norrisが分析する。日本も、その小選挙区制を採用しているが、イギリスより10ランク上位なのは、どこに原因があるのだろうか。

昨年の1位はノルウェーだった。

The Electoral Integrity Project’s "The Year in Elections 2015"
UK scores worst in electoral integrity in Western Europe. Here’s why.
Electoral Integrity Project

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【写真上:オスロの国政選挙投票風景。上が投票ブース。中にはいるとすっぽりとカーテンで覆われる。手前にあるのが投票箱。有権者は支持する政党リスト1枚を入れた封筒を投票箱に入れる。
写真下:事前投票所。「ここで事前投票ができます」と書かれた大きな看板。車いすやベビーカ―が入れるようスロープが設営されている。選挙運動期間の制限なし。投票日は憲法で決められた9月第2月曜日。事前投票期間が2か月半もあり、勤務地の近くでも投票ができる】
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by bekokuma321 | 2016-03-20 22:40 | 北欧

「2015 世界報道の自由インデックス」によると、日本は世界180カ国のなかの61位だった。戦争もなく、殺害されたジャーナリストもいないものの、どんどんランクが下がっている。

過去、日本は、2012年53位、2013年53位、2014年59位だった。つまり、3年前と比べて8つランク落ち、昨年と比べても2つランクを下げた。

「国境なきジャーナリスト」によって調査されて発表された。基準は、報道における多様性、独立、ジャーナリストの生命と自由が尊重されているか、報道にあたっての法的、構造的、基礎的環境があるかなど。

トップ3は、フィンランド、ノルウェー、デンマークと北欧3カ国が占めた。それに対して報道の自由度の最も低い最下位クラスは、イラン、中国、 トルクメニスタン、 北朝鮮、エリトリアなどだ。

昨年末に発表されたニュースだが、重要だと思い遅ればせながらお知らせする。

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▲報道の自由で世界トップクラスのノルウェー。ノルウェー国営放送局NRKの会議風景。幹部は男女半々。

2015 World Press Freedom Index
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by bekokuma321 | 2016-01-23 20:54 | 北欧

ファッションもエコ

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「ファッション業界は、世界をリードしてきました。そこで、持続可能なファッションの発展をリードしていきたい。この世界的競争に、力強い存在感を示し、ユニークな姿を産み出すことができるのは北欧諸国です」

北欧ファッション協会会長エバ・クル―スが言った。

エバ・クル―スは、ファッション界のトレンド「持続可能性」を主唱し、業界を主導する人物だ。「持続可能なファッション」とは、布の生産からドレスの完成までのプロセス全体を、環境にやさしい、持続可能な行程にすることだという。

彼女は、そのファッション・ショ―を、このたび、フィンランド国会で行なった。

国会でファッションショー! 前代未聞ではないだろうか。フィンランド国会は、国会議員200人中女性が85人、43%を占める。内閣閣僚20人中9人、45%だ。それと無縁ではないはずだ。


■Sustainability is the next fashion trend
http://www.norden.org/en/news-and-events/news/sustainability-is-the-next-fashion-trend

■21世紀のマリアンヌ
http://frihet.exblog.jp/10271551

■環境問題に女性の視点を
http://frihet.exblog.jp/18035534/
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by bekokuma321 | 2012-11-01 07:50 | 北欧

北欧に対する偏見

c0166264_1233824.jpg右翼系の出版物やネットには、北欧嫌いが多い。福祉と平等の国がいやでたまらないようだ。

こうした勢力をバックラッシュという。あきれるのは、この勢力は、虚偽の情報をまき散らしつづけることだ。

たとえば、「スウェーデンは犯罪率が世界一高い」というものだ。もちろん虚偽だ。

左は、『バックラッシュの生贄』(旬報社) に掲載されている、右翼系出版社の定期刊行物の見出しだ。

この手のメディアは、虚偽の前提にたって、さらに「犯罪率が高いのは、北欧女性はみな外で働いていて家庭でのしつけができないから」という暴論を導く。

犯罪率の国際比較は難しい。見つかった比較は以下のOECD諸国の比較だ。これだけ見ても、北欧の犯罪率は世界一でも、二でもない。

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また、「スウェーデンは少年犯罪率が世界一だそうだ」ということも言われた。しかし、それも、私が調べた限りではまったく事実とは異なっていた。

起訴された人の中に、どれだけ少年がいるかの国連調査によると、以下が少年犯罪率上位5か国だ。

ウクライナ44%、スコットランド27%、アルバニア24%、オーストリア21%、タイ20%。

同じ調査によると、北欧の少年犯罪率は高くない。スウェーデン14%、ノルウェー8%、フィンランド5%、アイスランド4%。(デンマークは未調査)。

要するに、右翼系出版物は、女性が社会で活躍する社会を否定したいがために、でっちあげをしているのだ。その嘘がネットで拡散され、それを信じる人がいる。

日本は、女性が働き続けるにはあまりに過酷だ。だから、一日も早く社会的支援策を前に進ませる必要がある。しかし、以上のようなデマに惑わされる政治的指導者や議員が多い。中には、自らまき散らしている政治家も。これでは、前に進まないのは、あたりまえ。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2788.html
International Statistics on Crime and Justice
United Nations Office on Drugs and Crime(UNODC)
2010 
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by bekokuma321 | 2012-09-27 02:20 | その他

22日、中川男女共同参画大臣は、「日本の男女賃金格差100対37」と公表しました(文末を参照)。女性は男性の約3分の1。なぜ日本の女性は、こんなに貧乏なのか。なぜ他国は、これほどひどくないのか・・・。ぜひご参加ください。

(クリックで大きくなります)


■世界の女たちの働き方
不安定雇用・低賃金・雇止め・育休切り ・・・これって世界共通?

■2012年5月26日(土)14:30~16:30
■亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階第一研修室
東京都江東区亀戸2-19-1 ☎03-5626-2121 (総武線亀戸駅下車徒歩1分)

■講師
スウェーデン:榊原 裕美 
スウェーデン研究者。日本の生協で働いた後、スウェーデン留学。スウェーデンの労働組合と女性労働を研究。帰国後、横浜国大博士課程在籍のかたわら、「働く女性の情報誌 いこる」にスウェーデンの女性労働について臨場感あふれるルポを連載中。

EU:柴山 恵美子 
ジェンダー・雇用政策研究者、元名古屋市立女子短大教授。新聞記者を経てフリーランスに。日本EU学会、ジェンダー法学会所属。編訳著:『EU男女均等法・判例集』『EUの男女均等政策』『世界の女性労働』など。

■日本では、働いても働いても、女性の多くは年150万円以下の収入にしかなりません。その要因のひとつは、労働市場における非正規雇用の増加にあります。きわめて低い賃金、正規職には見られない雇用主の都合による突然の雇止め、育休切りなどが働く女性をおそっています。

貧困は、働く世代の単身で暮らす女性の3人に1人、65歳以上女性の52%、母子世帯の57%に及びます。貧困は、女性が家計を支える世帯に集中しています(注)。

働く女性の貧困は子どもの貧困に直結します。この深刻な事態を見逃がすわけにはいきません。先進的な北欧やEUにおける労働政策や雇用制度からヒントを探り、何ができるかを話し合いしましょう。ぜひご参加ください。

(注)国連は、貧困が女性に偏る現象をfeminization of poverty と呼び、女性が経済力をつけるための障害を除去するよう各政府に呼びかけてきた。

▼「日本の男女賃金格差100対37」
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by bekokuma321 | 2012-05-25 09:00 | ヨーロッパ

福祉は経済を発展させる

3 月1 日の北欧ニュースから。

2 月29日、ニューヨークで開かれている北欧会議に出席したUNWomen代表のミシェル・バチェレは、北欧諸国の男女平等推進政策を称賛した。この北欧会議は、国連女性の地位向上委員会CSWにあわせて、北欧諸国が主催して開かれた。

北欧諸国の政策は、日本の未来をともす光となる。たとえば、今回の代表スピーチにある次の言葉に、私はとても勇気づけられた。

「私たちは、福祉国家を作り上げたので豊かな国々になりました。福祉とは、親休暇、保育園、保健・介護サービスなどの政策をさします。それらは、私たちの働く場の機会を広げるために、そして、自由な労働力となるために、なくてはならない政策なのです」

つまり、福祉は経済を繁栄させるといっているのだ。

ついで、北欧会議に出席したノルウェー子ども・平等・社会省の事務局長アルニ・ホールは、北欧の男性たちは、社会的プログラム、教育、保育などをずっと支援してきたと告げ、こう答えた。

「なぜ、男性政治家が男女平等を支援するか? そうですね、両性の権利は守られてほしいと、男性も考えているからです」

経済危機の中、男女平等では世界でナンバーワンのアイスランド。この国の男女平等センター長は、「UNDPの結果を誇りに思う。世界一ではあるが、まだまだやらなければならないジェンダーの課題が山積している」と語った。

日本の男性議員よ、政党関係者よ、耳の穴をほじくって聞け、と言いたい。

■Gender Equality – The Nordic Way" Nordic ministers' fringe event with UN Women
http://www.norden.org/en/news-and-events/news/nordic-region-praised-by-un-chief
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by bekokuma321 | 2012-03-02 11:14 | 北欧