「メイ首相やメルケル首相はおしゃくをするか、と尋ねた安倍」

こんな大見出しが、「ライジング・ワサビ」(2018年6月9日)に掲載された。日本にまだ残る女性蔑視を、安倍首相みずからが広告塔になって世界に拡散してくれたらしい。

短い記事なので、全文を和訳して紹介する。

「日本の首相安倍晋三は、カナダのG7会議で、英国の首相テレサ・メイやドイツの首相アンジェラ・メルケルは、飲み物のサービスをするだろうかと尋ねた。
 安倍はアメリカ大統領ドナルド・トランプに『2つにひとつでしょう』。『日本では女性たちが飲み物をつぎます』と言った。
 『それは非常に驚いた。素晴らしい』とトランプはテーブルの向こうからツイートした。
 『ここに、ねじ曲がりヒラリーが要るね(注)』とトランプはさらにツイートした。
 後に、安倍は、男性たちが自分の飲み物を自分でついでいることを知ってショックを受けた。
トランプは、安倍に対して『西側は、(日本から)まだたくさん学ぶことがある』と言った」

G7のテーブルに、女性はメイ首相とメルケル首相しかいない。女性なら一国の首相であろうと「女の役割」を期待する日本の安倍首相。さすが、日本会議が推してやまない政治家だ。

日本で、働く女性へのお茶くみが問題になったのは、雇用機会均等法施行から6年経ったころだ。女性議員たちは「役所や議会で女性職員がお茶くみをさせられていることはおかしい」と怒りの集会を開いた。

あれから4半世紀。賃金格差をはじめ女性差別はなくならないが、お茶くみやお酌は減ってきた、と思っていた。ところが先月、ドキュメンタリ映画「たたかいつづける女たち」上映後のトークで、女性銀行員から「今でも、男性行員が、出張に行って買ってきたお土産を、女性行員が配るのが習慣になっている」と聞いた。性別役割分業の執拗さに驚かされた。

そして、この安倍の記事。半分冗談、半分本気のユーモア記事だろう。でも、お茶くみやお酌を期待する上司を”忖度”してお茶くみやお酌をせざるをえない女性たちの顔が浮かんできて、なかなか笑えない。

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▲「お茶くみの政治学」と銘打った集会で、女性のみのお茶くみなくそうと宣言(朝日新聞1991.9.23)


【注:トランプは大統領選中、数々の罵詈雑言を対抗馬のヒラリー・クリントンにぶつけた。この「ねじ曲がった」という形容詞もそのひとつ】
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by bekokuma321 | 2018-06-11 10:33 | その他