2017年 06月 22日
カタツムリの歩みで女性国会議員32%に(イギリス)
歴史的だったとはいえ、前の選挙から大躍進したというわけでもない。全体で女性の当選者は208人で、2年前の196人から12人増えた。割合は30%から32%になった。政党別の女性割合は、保守党21%、労働党45%、SNP34%、自由党33%。
前回選挙と比較すると、保守党は変化がなく、労働党は44%から45%に微増、SNPも33%から34%と微増だった。自由党は11%から33%と大幅に女性が増えた。とはいえ、自由党の議席は少なく、多くの報道は「歴史的」としたが、それは労働党当選者が多かったことによる。
この結果に、伝統ある女性解放団体「フォーセット協会」はまったく満足していない。協会は、「国会のわずか30%しか女性はいない」と訴え、選挙に向けて女性政策・男女平等政策を政党に要求するなど精力的に運動をしてきた。サム・スミサ―ス代表はBBCに次のようにコメントしている。
「女性たちは、200議席というハードルを初めて超えました。しかし、これはまだ全体の32%にすぎないのです。赤面するほどのろいカタツムリの歩みでしかありません。新しいアプローチをする時がきました。全政党に候補者の少なくとも45%は女性にせよと要求して行きます」

■Record number of female MPs win seats in 2017 general election
■Election 2017: Record number of female MPs
■Fawcett Society
2012年 03月 20日
イギリスの緊縮財政は女性を痛めつける

男女平等賃金、預けやすい保育サービス、人並みの退職――これらはすべての女性たちの権利である。しかし、公務員の人員削減によって、女性の働く場が少なくなり、女性の貧困は増え、男女の賃金格差が広がり、女性の経済的独立が弱まり、女性の基本的人権、安全が脅かされるとする。
働く女性にプラスになる財政政策を強く訴える。
なお、フォーセット協会は1866年創設、約150年の長い歴史を持つイギリスの女性団体。
■http://fawcettsociety.org.uk/index.asp?PageID=1
■Public sector cuts will hit women hard, thinktank warns
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2012/mar/18/public-sector-cuts-hit-prudent-houseife?INTCMP=ILCNETTXT3487
■Women and the budget: the chancellor has a chance to put things right
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2012/mar/18/women-budget-chancellor-put-things-right?INTCMP=ILCNETTXT3487
2010年 12月 14日
「性差別予算は違法だ」の訴え却下される
イギリスの老舗女性団体であるフォーセット協会は、政府の6月緊急予算は、男女平等法に沿っていないとして訴えていた。裁判長は、提訴は「議論の余地なし」として退けた。
フォーセット協会代表は、「本当に残念である。結果を研究し控訴するかを検討したい」と述べた。さらに、「法廷に提訴したことは、政府が、予算において、また公的分野の予算凍結とそれによる収益変化において、男女平等評価をしなければならないという事態をもたらした。さらに、今回の提訴によって、男女平等・人権委員会が、すべての男女平等政策を検討しなければならなくなった」と言った。
フォーセット協会によれは、緊急予算で削減された予算のうち、72%が女性向け、28%が男性向けであり、きわめて男女不平等だと主張している。
イギリス女性の大胆な闘いは、今後、いろいろな国に影響力がありそうだ。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/06/fawcett-society-loses-court-challenge-budget
■関連記事イギリス女性団体、予算案を提訴か