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国連会議において、ノルウェー代表は国連改革と国連組織における男女平等の推進を先頭にたって訴えている。今年になってからの主要な2つ要訳する。

1月には、UNDP/UNFPAの幹部会議において、その主要政策部門に、男女平等の視点を入れることを強調した。フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、カナダ、韓国の6カ国での共同声明をノルウェーが代表して発表した。

男女平等推進を焦点にあてるべき理由は:
1)「女性抜きに、紛争からの回復など不可能である」
2)「女性抜きに、持続可能な発展など不可能である」
3)「女性の声なしに、民主主義体制構築など不可能である」
4)「女性の貢献なしに、貧困の撲滅など不可能である」

上記の指摘はわが国政府も耳を傾けるべきである。さらに、「UNDPは、各国政府と協力しあって、その国のジェンダー予算の進捗状況を調査する」と提案している。つまり国の全予算のうち男女平等と女性の地位向上にどの程度使われているか、その予算はどの程度増えているか、ということだ。日本政府も関心を持ってほしいものだ。
http://www.norway-un.org/Statements/220109_GenderUNDP.htm

3月には、System Wide Coherenceにおいて、国連改革には男女平等の視点が必須であると強調した。こちらは、北欧5カ国―フィンランド、スウェーデン、デンマーク、アイスランド―を代表してノルウェー大使が発表した。
http://www.norway-un.org/Selected+Topics/reform/300309_NordicGender.htm
http://www.un.org/events/panel/


◆国連女性の地位委員会における、最近のノルウェー演説は
http://frihet.exblog.jp/11289792/
# by bekokuma321 | 2009-05-10 16:03 | その他

c0166264_1751251.jpg ノルウェーのマリット・ホーエル所長(写真)は、2009年3月、北欧4カ国の企業における女性の進出の調査結果を発表した。ホーエル所長は、「企業多様性センターCenter for Corporate Diversity」 を2003年創設し、経済界における女性の進出を求めて、調査分析やロビー活動に携わっている。

今回の調査によって、2004年に初めて発表した「北欧の大企業500社」後、4年たってどのように変化したかが明らかになった。

発表によると、デンマークの歩みは遅々としているものの、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドすべて、一方の性に偏らない取締役を持つ会社が増えている。また女性取締役の割合も増えている。ノルウェーは、会社の取締役の構成員の40%を女性にするというクオータ制を法律で強制した世界初の国だ。その効果は現れているものの、CEO(最高経営責任者)への女性の増加は目立っていない。次なるターゲットは最高経営責任者への女性登用のようだ。

マリット・ホーエル所長は、昨年、筆者の取材に次のように語った。
「ノルウェーでは、取締役の少なくとも40%を女性にするというクオータ制が法制化されました。2007年12月まで、株式上場企業ASAは待ったなしに改善をせまられたのです。40%にしないと会社が閉鎖されるのです。しかし、そのため株式上場だった会社が、それ以外に登録を変えたところが増えたというニュースがあります。しかし、あたっていませんね。毎年そういう変化はありましたし、むしろ株式上場会社に変わる会社の数が、今年も多かったのです。とにかく、取締役クオータ制は、株式上場会社が対象です。この数はほんのわずかです。ノルウェー多い中小零細企業には適用されません」

上記の最新データはCCDホームページから
http://www.corporatediversity.no/

参考:
「現地ルポ 『ノルウェー民間企業の取締役は4割が女性!!』の背景を見る」
http://janjan.voicejapan.org/world/0812/0812173697/1.php

「『取締役クオータ制』で女性重役急増のノルウェー経済」(2009年3月6日号『週刊金曜日』) 
web上では読めないので、書店か図書館で
# by bekokuma321 | 2009-05-09 18:15 | 北欧

ロイター、そしてBBCの報道によると、猪崎かずみさん(45歳)は、昨年、日本で最年長のプロボクサーとなった。 猪崎さんは、今年2月、メキシコのアナ・マリア・トレスさん(29歳)と、スーパーフェザー級チャンピオン戦で王者を狙って闘う予定だった。ところが、WBC(世界ボクシング協会)は、猪崎さんの年齢を心配して、試合を中止させてしまったのだという。

猪崎さんは、「年はちっとも気になりません。リングにいったんあがったら、私に聞こえてくるのは、トレーナーの声と、『行け、行け、ママ、ママ』という子どもたちの声援です」と話す。ジョージ・フォアマンの記録を破って、世界で最年長王者の記録をつくろうとした、日本女性は淡々としている。

ボクシング界における女性の歴史は、男の牙城を崩すため、肉体的挑戦だけでなく、法廷闘争まで行わなければならなかったことを教えている。そんな女性史をたどると、リンクの横で「行け、行け、ママ!」と声援を送りたくなるのは、猪崎さんのお子さんだけではない。

http://www.nikkansports.com/battle/news/f-bt-tp0-20090122-452781.html
http://blogs.reuters.com/japan/tag/kazumi-izaki/
http://www.wban.org/biog/amtorres.htm
http://www.womenboxing.com/historic.htm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8034421.stm
# by bekokuma321 | 2009-05-06 14:26 | アジア・アフリカ

2004年、BBCラジオ「女性の時間」(ウーマンズ・アワー)のリスナーアンケートで、女性が女性自身を見る目を変えることになった5冊に、『女たちの部屋』が選ばれているという。この本は、5月2日亡くなったマリリン・フレンチが書いた初の小説だ。

「ウーマンズ・アワー」には、マリリン・フレンチのラディカル・フェミニズムの本を、自分の人生を変えた5冊に選ぶような視聴者が多いのだな、と思った。そのような番組を長年維持してきたBBCにも敬意を表したい。

この「ウーマンズ・アワー」で、思い出したことがある。「ウーマンズ・アワー」は、フェミニズムのパウダーをふりかけた番組の多い、女性による女性のための女性のラジオ放送だ。1990年代半ば、私は、イギリスの法律まで変える要因をつくった1人のイギリス女性を取材したことがある。彼女は、私に、「ウーマンズ・アワーというラジオを聞くともなしに聞いていたら、EU法廷について話していたんです」と、言った。彼女は、職場で受けた性差別に屈辱を受け提訴したが、イギリスでは敗訴だった。彼女は、自国の法廷で解決できなかったら、EUの法廷に訴えることができるなどとはまったく知らなかったが、このラジオで、目の前が開かれたというのだった。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/8034946.stm
# by bekokuma321 | 2009-05-06 09:37 | ヨーロッパ

マリリン・フレンチ逝去

英紙「テレグラフ」は、フェミニスト運動の先駆者マリリン・フレンチが5月2日に逝去したことを伝えている。その簡潔な記事によって、小説という方法で男性中心主義社会に挑んだ一人の女性の一生が、生き生きとよみがえってきた。要約しよう。

「すべての男は強姦魔。それのみ。男たちは、目で、法律で、記号で女たちを強姦する」

フレンチは、最初の小説『The Women's Room 女たちの部屋』(1977)で、こう、主人公(女)に宣言させる。フレンチは、結婚後に自分を喪失していく多くの女たちを描き、「女たちがさげすまれるのは偶然ではない。女性への侮蔑は、文化の産物ではなく、それこそが文化の中心そのものである。それなしには文化などないのだ」と語っている。

マリリン・フレンチは1929年、ニューヨーク・ブルックリン生まれ。デパート店員だった母親は、父親が子どもに手を上げることを絶対に許さなかった。それによって「母親は私たちに権威に服従してはならないことを教えてくれた」という。結婚後、法律事務所の仕事をしながら法学部を卒業。何年か後、シモーヌ・ド・ボーボワールの『第2の性』で、本を1冊も書かないのに作家と称する女性たちの章を読んで発奮した彼女は、出版社に自作の原稿を持って行く。しかし、試みは失敗。その後、大学にもどり修士号を修了し、英語の教員となるも、夫は彼女の仕事を邪魔し続けた。1967年離婚。

離婚後、フレンチはハーバード大学に入学し、ジェームズ・ジョイス『ユリシーズ』についての論文を書きあげて出版。このことによって、作家への道を歩むはずみがついた。

『女たちの部屋』は、発行部数2000万部を超え、20カ国語に翻訳出版されている。1950年から70年かけての女たちの生活を、時代を追いながら描く。夫の影から逃れ、期待される女像から脱出していくことで、控えめだった妻が、自分の運命を自分で切り拓こうとする自立心に満ち溢れた人間に変遷していくという女の旅だ。

『力を超えて:女性、男性、道徳について』(1985)では、「男性原理は、戦争、貧困、飢餓、その他、人類を脅かすカタストロフィーの原因である」と言っている。新しい道徳という名で、フレンチは、「家父長主義に対する唯一の、そして真の革命は、パワーという考えを中心からはぎ取り、快楽という考えを中心に置くことである」と提唱する。「その意味では男も犠牲者である。しかし彼らは抗議しようとしない。女を責めるだけだ」

『女性への戦争』(1992)において、フレンチは、「フェミニズムは、女性たちを伝統的な圧政から自由にすることである」とする。ここでいう圧政とは、原理主義的な宗教、家父長制、セクシュアル・ハラスメント、職場の性差別、家庭内暴力、強姦によって女たちが支配されている状態だとする。

1992年、食道癌により余命数か月と診断される。しかし、彼女は強靭な信念で癌に立ち向かう。病との闘いは、『地獄の季節:メモワール』に描写され、出版されている。

ABBAの歌「The Day Before You Came 」に、マリリン・フレンチが登場している。
“I must have read a while, the latest one by Marilyn French or something in that style.”

英紙「テレグラフ」の要約翻訳はここまで。


日本では、『The Women's Room 女たちの部屋』(1977)が、松岡和子訳『背く女』として出版されている。マリリン・フレンチ、今晩、あなたの闘いに、あなたの愛に、キャンドルをともしながら祈りを捧げます・・・。

http://www.telegraph.co.uk/news/obituaries/culture-obituaries/books-obituaries/5273331/Marilyn-French.html
http://feminist.org/news/newsbyte/uswirestory.asp?id=11678
# by bekokuma321 | 2009-05-05 17:15 | USA