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ノルウェーのクリスチャンサン市議会は、物乞いする人たちにシャワー付トイレを提供することを、賛成多数で決定した。

「非常に多くの物乞いが町にいる。トイレやシャワーを作るのはいいことだ」

「トイレとシャワーが提供されると、さらにもっと物乞いが増えてしまう」

これらは、町の市民の声で、議会同様賛否を二分している。お年寄りたちは、物乞いする人たちのそばを通りすぎて買い物に行くことがいやなため、どんなに近くてもタクシーを使う人が増えているという。

市議会では激論がかわされた。その結果、28対25の僅差で、決定を見た。毎年550万円ほどの市の予算が使われることになる。

キリスト教民主党、労働党、自由党は賛成。保守党と進歩党が強硬に反対をした。保守党の市長は反対だが、「ドラッグなど犯罪問題が心配。とはいえ貧困問題には国際的観点も必要」と語った。キリスト教民主党の副市長は賛成。

ボランティア団体が、清潔を保持することを条件に、議案は決定をみた。クリスチャンサン市は、ノルウェー南部に位置する人口約8万人のまち。古くからの港湾都市。

失業率が少なく、世界有数の豊かな国ノルウェーにやってくる外国人は多い。東欧、ロシアやアフリカ、アジアから・・・。中には、数年働いて失業手当の受給権を得て、離れる例もあるという報道もある。ノルウェーではかつて物乞いは禁止されていたが、現在は合法。

EU圏の広がりとともに、物乞いを装った組織的犯罪集団ーーブルガリア、ルーマニアからが多いというーーも増えているとか。ソーシャル・インクル―ジョンを国是とする同国にとって、重要だが、悩ましい政策課題のひとつである。

それにしても、人口8万人ほどの自治体の議会に、この記事に現れているだけでも、右から左まで5つもの政党から代表が選ばれていることを、限りなくうらやましく思う。多様なイデオロギーを持った人たちの代弁者を、決定の場に送れる仕組みーー比例代表選挙制度ーーがあるからなのだろう。どの政党も候補者の約半分を女性にしているから、当然女性議員も多い。53議席のうち21議席が女性だ。


■Sterke reaksjoner på tiggerbrakke
http://nrk.no/nyheter/distrikt/sorlandet/1.8077342

■Norway to expel foreign beggars
http://www.thelocal.no/page/view/norway-to-expel-foreign-beggars

■Valg2011_Kristiansand
http://www.nrk.no/valg2011/valgresultat/kommune/kommune/1001/
# by bekokuma321 | 2012-05-08 16:12 | ノルウェー

先月のオスロ大学ニュースによると、社会学部教授理事会と心理学部理事会は、心理学を専攻する男子学生に、2点を加算する暫定的措置を承認した。

これを、ノルウェーでは「ジェンダーポイントKjønnspoeng」という。

大学議会がこの提案を承認すると、2013年の心理学専攻を志望する男子学生から導入される。これによって、男子学生が、40%から60%というバランスに近づくと見込まれる。

その背景には、2011年、心理学専攻に入学した80%が女性だったことがある。大学によれば、社会における心理学者に男女それぞれバランスよく存在していることが必要だ。なぜなら、心の相談をする人が、男性、女性どちらかの性のセラピストを選択できるから、という。

もっともな理屈だ。

■Kjønnspoeng skal få menn inn på psykologi
http://www.uniforum.uio.no/nyheter/2012/03/kjonnspoeng-skal-fa-menn-inn-pa-psykologi..html
# by bekokuma321 | 2012-05-06 22:59 | ノルウェー

バックラッシュに勝つための「手引き書」――『バックラッシュの生贄』を読んで_c0166264_131365.jpg 4月、三井マリ子+浅倉むつ子 編著『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』が出版された。

その読後感を、おひとりずつ紹介していく。 バックラッシュとは、男女平等の流れを逆流させようとする動き。今日は、裁判を支援して下さった岸和田市民から。


■■ バックラッシュに勝つための「手引き書」 ■■

5月1日のメーデーの日に、三井マリ子さん・浅倉むつ子さんの新刊『バックラッシュの生贄』を読み終えました。

「提訴する」と三井さんが決めたので、大阪クレオに集まった日のことや、訴状を大阪地裁に提出しに行った日のこと、中之島公園を横切って裁判所に行った暑い日、寒い日のことを思い巡らしました。

1審の敗訴判決が出された時には、落胆したのではなく、心底からの「怒り」が湧き出てきて、私の胸の中に満ち溢れました。「このままでは引き下がりたくない!!」と、高裁への控訴を求めたい気持ちが充満していました。それを原告が、更なる大変な状況を覚悟しつつ、支援者との連帯+連携を信じて控訴を決意した、と思っています。

1審のひどい判決を出したあの時の裁判長の表情や、被告席側に座っている豊中市側の弁護士さんたちの表情が浮かびます。豊中市側の弁護士3人は、自分たちの方が勝つのだと分かっていたかのような余裕綽綽で、何となく裏側で繋がっているのかもしれないと疑ってしまった、あの日の法廷内の状況や、判決後に豊中市側が勝ち誇った顔をしていたことなどをも、また思い出しながら読みました。

読み終えた時には、バックラッシュ勢力に打ち勝つための「手引き書」になる本だ! と思いました。

今、私の住む岸和田は、小篠綾子さん物語「カーネーション」が高視聴率だったので、市内に観光客が増え、以前よりも少し賑わっています。市長も現在のところ、女性センターを消滅させるような考えはしていないようです。でも、「だんじり祭り = 男尊女卑のシンボル」なんだという理解など、ほとんど誰もがしていない市なので、難儀な所です。この先々は、可能な限り 自分の目と耳で、男女平等に反するバックラッシュ的動きを見張っていなくてはと思っています。


小林 知津(岸和田市民)


■院内セミナー「 バックラッシュを跳ね返して新しい時代へ 」のご案内
http://frihet.exblog.jp/17916127/
# by bekokuma321 | 2012-05-06 13:42 | その他

行政職員に読んでもらいたい――『バックラッシュの生贄』を読んで_c0166264_131365.jpg 三井マリ子+浅倉むつ子 編著『バックラッシュの生贄ーーフェミニスト館長解雇事件』を読んで下さった方から、感想が少しずつ舞い込んでいる。 

バックラッシュとは、男女平等の流れを逆流させようとする動き。今日は、自身もバックラッシュ攻撃を受けた千葉県船橋市の元市議会議員から。

■■ 行政職員に読んでもらいたい ■■

一気に読みました。
私自身がバックラッシュ攻撃を受けた時の悔しさもあり、胸が詰まりながら、読み終えました。

そして、また繰り返し読んでいます。

7年間、裁判に真剣に取り組んだマリ子さんに脱帽です。
弁護団のみなさま始め多くの人びとひとり一人が素敵でした。

浅倉むつ子先生のファンになりました。ありがとうございます。

さて、私をターゲットにした相手も、まるで同様の特徴の持ち主です。
根っこは見えました。

日本は戦後、あのファシズムへの検証が不十分だったのでしょう。残念。

そして今、未曽有の大震災・原発事故を経験した日本は、敗戦時と似ています。
これから政治や経済を立て直して行くためには失敗から学びましょう。
新たな視点で男女共同参画社会、共生社会を構築することが急務です。
世界は平等社会へ進んでいます。

もう黙っていられません。
男女共同参画推進を担う行政職員、必読だと思いましたので、
行政職員に奨めます。

多くの方に読んでいただきたいです。
さて先日、「営業ウーマンの逆襲」集会に参加しました。
女性蔑視という同様の根っこにある、労働問題を三井さんは
真摯に受け止め孤立無援の夏井さんをしっかりサポートしています。
ワタシは、この姿に三井さんのホンモノを見ました。
裁判は勝ちましたが、その勝敗を越えて、日本社会の根本問題を
えぐり出し、それを見えるようにしてくださっています。

さとうももよ (元船橋市議/全国フェミニスト議員連盟会員)


■院内セミナー「 バックラッシュを跳ね返して新しい時代へ 」のご案内
http://frihet.exblog.jp/17916127/
# by bekokuma321 | 2012-05-06 13:25 | その他

フランスとベルギー、政府公務員にクオータ制_c0166264_23513899.jpgフランスとベルギーからクオータ制のニュース2本。出典はフランスの「ル・フィガロ」。

フランス政府は、5月2日の官報で、3月12日に決定した、高級官僚登用に、クォータ制を採用する決定を公表した。それによると、2018年までに、毎年任用・登用される高級官僚の40%を女性にする法案を下院(国民議会)で可決した。クオータ制を実行してない場合、9万ユーロの罰則付き。このクオータ制によって約5000人に影響が及ぶという。

ちなみに、サルコジ大統領は、2011年1月、ノルウェーの「取締役クオータ」にならって、企業に対して、3年以内に取締役の20%、6年以内に40%を女性にするクオータ制を課すことを決定している。

■Quotas de femmes hauts fonctionnaires
http://www.lefigaro.fr/flash-eco/2012/05/02/97002-20120502FILWWW00439-quotas-de-femmes-hauts-fonctionnaires.php

ベルギー政府は、3月29日、2013年まで政府の高級官僚登用にクオータ制を採用し、33%を女性に引き上げることを決定した。現在、ベルギー政府のトップ官僚のうち女性はわずか13%しかいないからだという。

■Haute administration/parité: quota belge
http://www.lefigaro.fr/flash-actu/2012/03/29/97001-20120329FILWWW00682-haute-administrationparite-quota-belge.php


■フランス取締役クオータ制、可決(下院)
http://frihet.exblog.jp/13593648/
■フランス、取締役クオータに着手
http://frihet.exblog.jp/13181636/
■現地ルポ 「ノルウェー民間企業の取締役は4割が女性!!」の背景を見る
http://janjan.voicejapan.org.jp/world/0812/0812173697/1.php
# by bekokuma321 | 2012-05-04 23:22 | ヨーロッパ