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北欧5カ国のひとつノルウェーの選挙制度の話が聞けるというので、2月22日、知多半田まで行きました。


というのも、20数年前、講演したスウェーデン男性のことを覚えていたからです。その男性は車いすでした。階段を見て、「階段は差別です!」と言いました。階段しかなければ、彼は参加できないのですから、差別だと言うのはあたりまえなのです。


同じ北欧ということで、ノルウェーではどうやって男女平等を実現してきたかに関心がありました。今回、三井マリ子さんの講演「ノルウェーの楽しい選挙 ――これぞ主権者国民の政治参加への道」 で、その理由がよくわかりました。やはり、政治です、制度です! 水1滴からゴミの回収、教育、病院まで社会生活には政治が大きく影響します。


「女性議員が少ないのは日本の選挙制度の差別が原因」とわかった_c0166264_21145135.jpg


性別の違いを超えて一人の人間として尊重されていいはずなのに、女性であるということで差別されることのなんと多いこと。とくに「政治は男性のものだ」という意識。


三井さんのお話を聞いて、「なんだ、日本の選挙制度は差別なんだ。女性を差別している選挙制度だから女性の議員が少ないんだ」とわかったのです。三井さんが100人いても、日本社会は変わりそうもないですよね。なぜなら、制度、システムが差別しているからです。一人一人の頑張りでは変わりません。


それに、ノルウェーの地方議会の写真を見て、私は思いました。


自分の住む地域を切り取ると、電気屋さん、八百屋さん、会社員、先生、学生さん、年金生活者、いろいろなひとで構成されています。だけど、そういう人は、日本の地方議会に選ばれていないのです。だいたい、どこでも議員といえば、金持ちおじさんが幅を利かせています。


ノルウェーの地方議会は違いました。とても多様な人びとが選ばれていました。それは、そういう多様な人を活かす選挙制度があるからです。それに、ノルウェーの地方議会の議員は、ボランティアだということにも驚きました。給料をもらわず、仕事や授業を終えてから夜に議会に出て仕事をしているというのです。どちらが人間らしい社会をつくれるか、もう一度ちゃんと考えてみたいです。


私は、20数年前のスウェーデン男性の話からも、今回の三井さんの話からも、日本の女性たちは、「女性の適性」という言葉の差別で縛られていると感じました。女性だけが、人の世話をする仕事に従事したり、家事をこなしているのは、差別だと思えるのです。私は、若い女の子たちに向かって、ノルウェーのように、あなたは将来総理大臣をやれるのよと言いたい気持でいっぱいです。


三井さんの名前は友人から聞いていて会いたいと思っていましたが、やっとの実現で嬉しかったです。次は、ノルウェーがどうやってあの選挙制度に行き着いたかを聞きたいです。


いわきみちこ(愛知県在住、新聞配達員、マッサージ師)


【写真:坂井淳一国民救援会知多中央支部長提供】


小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー

あざやかな歴史

クオータ制発祥の国ノルウェー (国際女性 No. 27、2013)



by bekokuma321 | 2020-02-27 21:38 | ノルウェー

案内「北欧のマイノリティ女性たちの闘い」_c0166264_12051015.jpg


国際シンポジウム

北欧のマイノリティ女性たちの闘い

――移民たちはまず地方参政権を勝ち取った!

北欧ノルウェーの在住外国人は1983年、地方参政権を獲得しました。しかしマイノリティ(いわ

る移民)、中でも女性はあまり投票に行きませんでした。ところが今や投票者ばかりか議員に

マイノリティが増え、オスロは副市長をはじめ議員の25%はマイノリティ出身です。女性議員は

49%です。ファークラ・サリミさんが、初来日を機に、その歩みと意義を語ります。北欧から吹く風

は、女性議員は少なく在住外国人は参政権さえない日本の私たちに、ヒントと力を与えてくれる

でしょう。


2020412日(日)14001700 

●市川房枝記念会女性と政治センター(151-0053 東京都渋谷区代々木2-21-11

婦選会館。TEL03-3370-0238 新宿駅南口徒歩7分 https://www.ichikawa-fusae.or.jp/


講師 ファークラ・サリミ Fakhra Salimi (人権運動家、フェミニスト)マイノリティ女性運動団体「ミラ・センタMiRA-Senteret」を1989年創設し、代表。マイノリティ女性への偏見打破と人権擁護を求めて活動を続けてきた。オスロ大学卒、ジャーナリスト。講演は英語(通訳:塚本仁希)


●ファークラ・サリミさんは40年にわたり、ノルウェーのマイノリティ女性の人権推進に取り組んできました。移民団体は女性の役割について伝統的な考えを持っていることがあり、この問題を社会に認識させることは多くの時間を要する作業でした。彼女が長きにわたって自身の幅広い活動を通じ、奮闘して訴え続けた結果、今日では課題は明確になり様々なアクションも生まれています。サリミさんはノルウェー社会への偉大な貢献者といえるでしょう。――――インガ・MW・ニーハマル(駐日ノルウェー大使)     


●参加費700円(先着順)

●シンポ後懇親会あり。当日受付にて要申込み。2500円程度。

問合せ 片山薫 090-24609303  三井マリ子 090-85956421 femigikokusai@gmail.com

 

主催 全国フェミニスト議員連盟

後援 ノルウェー大使館、(公財)市川房枝記念会女性と政治センター



by bekokuma321 | 2020-02-27 12:17 | 北欧

3月5日、横浜市開港記念館で予定していた国際女性デーの集い「男女平等は国際基準で行こう!」は、コロナウィルスの影響で中止となりました。「叫ぶ芸術」でも紹介してきた国際女性デーポスターにまつわるスリリングな話を紹介する予定でしたが、またの機会に!

中止のお知らせ「3.5国際女性デー@神奈川」_c0166264_13561279.jpg

by bekokuma321 | 2020-02-21 14:02 | その他

ファークラ・サリミ(写真)は、ノルウェーのオスロにある「ミラ・センター」を拠点に全国を飛び回る。

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ミラ・センターは、ノルウェーのマイノリティ女性の人権に関するありとあらゆる相談を受けて、解決していく民間の女性運動団体だ。マイノリティ女性たちが自立できるようなサポートを提供し、ときには他のサービスにつなげる。2019年、創設30年を迎えた。


100人は座れそうな広々とした明るいホール、機能美あふれる会議室、いくつかのこじんまりした事務室。フルタイムの有給職員7人が、月曜から金曜日、9時から4時まで働く。弁護士や学者研究者など大勢の支援者がボランティアで周辺を固める。ここへの問合せは、国・地方の行政機関、民間団体から個人までさまざまで、その数は年2万件をこえるという。


ファークラ・サリミに取材するためミラ・センターを訪ねたのは、20199月6日、統一地方選の投票日直前だった。


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ミラ・センターは有志のポケットマネーで産声をあげたが、今では政府から補助金が出るまでになった。代表ファークラ・サリミは「このセンターに移ったのはつい2年前。当初は私たちの自宅を使っていました。マイノリティ女性に焦点をおいた運動体は、スカンジナビアでここだけです」と自信をのぞかせた。その重要な役割は、「マイノリティ女性たちの政治力をつけること」だという。だから選挙が近づくと、マイノリティ女性に政治と暮らしの大切さを伝えるために各地を遊説する。


「移民、移民女性という呼称を私たちは使いません。移民難民はノルウェーに入国する人たちを指す言葉です。ここに住み生活するようになった人たちは移民難民ではありません。何十年もここに住んでいる人たちは、この社会の一部なのです。『イスラム系の移民』という決めつけと偏見。私の人生はそれとの闘いの連続でした。私はノルウェー女性です。ノルウェーに住むマイノリティのバックグランドを持つ者です」とファークラ・サリミはくぎを刺した。


「先週はハウグスンに行きました。多くの移民難民がハウグスンに定住しています。100人以上のマイノリティ女性が集まりました。会合だけでなく、通りに出て、多言語で作成された選挙のパンフレットを通行人に配布して…」


こうしたミラ・センターなどの運動もあって、首都オスロの議会は4人に1人はマイノリティ出身となった。オスロ副市長はスリランカの女性(労働党)、環境担当責任者はベトナム系女性(緑の党)だ。女性の議員は49%と半数にせまり、まさに元祖クオータ制の国の面目躍如。


しかし「私がパキスタンからノルウェーに移住した1970年代は、外国人には参政権がありませんでした。何十年ノルウェーに住もうが、です。移民団体が一生懸命運動して闘い取ったのです」。平等が天から降ってくるわけはない。私は急所をつかれたように感じた。


移民団体が「平等の権利」を求めて闘った結果、3年以上住んでいて永住権を持つ外国人には地方参政権がある、と法律が改正された。1983年のことだ。だが、地方参政権があっても、マイノリティ女性の投票率はそれほど上がらない。そこで「ものすごい大選挙キャンペーン」 を展開した。(左下Moreにつづく)


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▲30周年を祝うポスターのそばに立つファークラ。Kampen For Rettigheter Fortsetter! (権利を求めて闘い続けよう!)と書かれたノルウェー語が見える。ポスターについては「叫ぶ芸術 75回」 を。





More
by bekokuma321 | 2020-02-19 11:49 | ノルウェー

土埃の舞う道を大勢が何やら叫びながら走ってくる。トラックの荷台で政治家のTシャツを身に着けた人たちが歌って踊る。そこにこんな字幕が流れる。

「マラウィでは、政党は1選挙区に1人の候補者を立てて選挙を闘います。なぜなら、マラウィは最も多くの票をとった候補者が当選する、小選挙区制です。この選挙制度では、選挙にカネがかかるため、より多くの資金を持つ人が有利なのです」

ドキュメンタリ『カネが物を言う:マラウィの女性と選挙』_c0166264_17055407.jpg
https://www.uib.no/en/svf/133194/patriarchal-structures-obstacle-women-politics-many-countries
ドキュメンタリ『カネが物を言う:マラウィの女性と選挙』の冒頭だ。私たち日本人には言うまでもないことが、前口上で「小選挙区制の特徴」として強調されるのは、制作がノルウェーだからだろう。ノルウェーは100年前から国会も地方議会も比例代表制選挙で、立候補する個人がカネを出すことなどありえない。ちなみにノルウェー国会は女性が41%を占める。

マラウィの女性候補たちは、ノルウェーのインタビューに答える。

「膨大な選挙区を回って選挙運動をするためには乗り物や人手がいり、それにはカネがかかります」

「選挙区を回ると、道をつくってくれ、とか、小さなことをよく頼まれますが、カネのかかることばかり」

「私は農場を持っていたので、農産物を売って貯めた資金がありました。それを元手に借金をして、選挙資金にしました」

「私は無所属なので、カネを出してくれる政党はなく、自分の貯金がすべてです」

「選挙運動をするときには、伝統的な踊りや歌が必要で、それには資金がいります。踊ってもらってハイ、さようならとはいかない」

「ここマラウィ北部の選挙区で女性の候補者は、56人しかいません。こんな調子では、50%に増えるには100年かかります」

「現在行われているような制度のままでいいならば、私たちの飛躍は疑わしい。政党が選挙区で最強の候補者を立てるのは明らかだからです」

フィルムは、マラウィの「5050」という運動も追う。父権制度と闘って、女性議員を増やそうという組織だという。その運動にかかわる男性はこうきっぱり。

「もしも僕が立候補したいと考えたら、車や家を売って、立候補を決意します。でも、もしも妻が立候補したいと考えたら、まず夫の僕に立候補の許可を得なければなりません。女性はスタート地点から不利なのです」

アフリカのマラウィにおける女性候補たちを通して、カネのかかる選挙を描いた、この短編は、ノルウェーの女性の学者ラングヒル・ルイーズ・ムリオースが、ヴィべーケ・ワンらとの協同プロジェクト でつくった。

2人によると、マラウィには選挙に公的支援はまったくなく、選挙運動にかかる歌や踊りの費用はすべて政党や候補者負担だという。一方、日本には、選挙ごとに公費が投じられ、加えて政党には「政党交付金」が毎年助成されている。1億5千万円を投じて「小選挙区金権印」選挙をした党もあったが、これも政党交付金だろう。

さて、そのマラウィだが、国会議員(一院)の女性割合は、23%で世界85位。165位の日本を抜く(IPU 2020.1.1)。またジェンダー・ギャップは、マラウィ116位と、これまた121位の日本の上を行く(世界経済フォーラムGlobal Gender Gap Report 2020)。

「このままのシステムでは女性が50%に増えるまでに100年かかる」と嘆くマラウィの国会議員候補。マラウィと同じ小選挙区制システムのわが日本は、150年先か200年先か。民主主義の名の下に世界最高額と言われる税金を投じているだけ、詐欺的であり、その罪は重いと思う。

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国会議員年収も政党交付金も世界最高額より



by bekokuma321 | 2020-02-15 17:28 | アジア・アフリカ

1986年、北欧ノルウェーで女性の首相が女性40%内閣を誕生させた。35年後、お隣の国フィンランドで、34歳の女性首相が誕生した。

首相の選挙があったわけではない。彼女の所属する政党の党首が首相を辞任したので、第1副党首だった女性ーーサンナ・マリンーーが選ばれただけの話だ。北欧では30代の議員はそう珍しくない。高校・大学生が政党の青年部にはいってめざましい活躍をすると、国会議員候補になることが多いからだ。詳しくは、下の記事(「I(あい)女のしんぶん」2月10日号)を。


叫ぶ芸術「34歳女性が首相に選ばれるわけ(フィンランド)」_c0166264_13580886.jpg


by bekokuma321 | 2020-02-12 14:13 | 北欧

案内:2月22日「ノルウェーの楽しい選挙」_c0166264_21204788.png
案内:2月22日「ノルウェーの楽しい選挙」_c0166264_21262724.png


会場は愛知県半田市東洋町アイプラザ半田

最寄り駅は名鉄河和線にて特急32分、知多半田(ちたはんだ)駅

無料。どなたでも自由にどうぞ



by bekokuma321 | 2020-02-11 21:32 | ノルウェー

202029日、ウイルあいちで「ノルウェーの楽しい選挙」と題する三井マリ子講演会があった。スライドを見ながら、投票率80%に至る背景を考えた。5060人が参加した。


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ノルウェーでは移民にも地方参政権があり、国政も地方議会も多様さが目立つ。例えば首都オスロの議会は、副市長がスリランカ系(労働党)、環境問題最高責任者はベトナム系(緑の党)。これら左派連立から首都奪還を狙う保守党は、パキスタン系女性を立てて闘っていた。まるでオリンピックである。


オスロ議会の女性の比率は5割である。公的に決める場は一方の性が40%60%でなければならないという「クオータ制」が男女平等法で定められていることが背景にある。


ノルウェーの選挙は、街に同じサイズで立ち並ぷ政党ごとの選挙小屋が象徴的だ。そこに質問して歩く中学生は、自分たちが作った質問用紙で政策を調査し、学校に戻って発表する。


高校では「スクール・エレクション」がある。生徒会が、選挙中に政党の幹部を呼んで開く討論会だ。その後、校内に設けられた政党の選挙スタンドで、高校生は政党党員と対話を行い、そして本番と同様に模擬投票。選挙管理も生徒が行うが、結果は文部省の下部機関の協力で全校集計されて公表。メディアは大々的に報道する。


小学校の授業でも政党の選挙公約調査をする。また選挙についてのネットでは、子どもたちが「子ども選挙ソング」をつくってラップで「民主主義って何?」と歌う。選挙は生きた教科書であり、学校教育は政治をタブー視しない。


選挙は比例代表制なので、政党に投票する。候補者は個人の名前、顔を売る必要はなく、お金がまったくかからない。候補者のポスターも選挙事務所も供託金もない。投票用紙は「政党候補者リスト」そのもので、リストには候補者が男女交互に書かれている。政党の獲得した票に比例してリストの上から順に当選するので、議員は男女半々となる

民主主義と男女平等の上位国である北欧諸国は、ノルウェーと同様すべて比例代表制である。


以上が、三井さんの講演内容のまとめである。最後に感想を述べる。


日本の制度と違いすぎて唖然とした。ノルウェーでは選挙を民主主義の生きた教材として小学生から学んでいることを知った。選挙は、日本の小選挙区制とは違って、国会も地方議会も比例代表制である。このことを日本では理解されていないようだ。


また、日本では選挙にお金がかかりすぎ、それが男性候補の多さとなり、男性優位議会を生み出している。ノルウェー人は「より平等に」という価値感を大切にしているそうだが、オンブズマンが差別をチェックしていることで、平等政策が実践されているのだろう。それにしても日本では野党も与党もモラル欠如がはなはだしい。これが国民の政治嫌い、投票率低下を生んでいるのではないか。

大塚 政子(愛知県大府市在住、元看護師)


【写真提供:佐々木康子・いどばた会議なごや代表】




by bekokuma321 | 2020-02-11 10:00 | ノルウェー

速報「ノルウェーの楽しい選挙」@名古屋_c0166264_20200815.jpg


2020年2月9日(日)、名古屋市のウィルあいち(愛知県女性総合センター)にて、三井マリ子さんの講演「ノルウェーの楽しい選挙」を聴講した。


「いどばた会議なごや」(佐々木康子代表)が主催し、岡田夫佐子さんと私は準備と運営にボランティアでかかわった。


会場は満席の約50人。日進市と高浜市から現職の女性市議4人に、地方新聞社の若い女性記者、それにフィンランドの大学で教鞭をとったのち帰国した男性などなど・・・。


三井さんの講演は、その情報の鮮度と質の高さについては言うまでもないと思うが、初見で私が一番感銘を受けたのは、プロフェッショナルなスピーチデリバリー!!!


ノルウェーで自ら撮影した写真を使って、政治や選挙を中高生にもわかるように見せてくれた。余分な説明をそぎ落とした洗練されたキャッチコピー、見える化されたデータ比較……。そして、元英語教諭ならではの、参加者巻き込み型の楽しいラップも!


講演終了後、会場の人たちの心が一気に持って行かれたような空気に満ちていた。皆が三井さんのファンになってしまったように感じられた。


そして私は、日本の未来に一縷の光が射した気がした。問題点が整理されて、エンカレッジされた私は、政治を諦めず頑張るのは、私たち市民ひとりひとりだと自覚した。


今回の三井さんの講演内容と学びを、ここに一部触れたい。


●2019年のノルウェー地方選挙。政党が設営した選挙小屋に、中学生が授業の一環で出かけて行って質問をしていた。政策調査だという。驚きだ。日本ならば、選挙権もないのになぜ?と冷笑されるかもしれない。

ノルウェーの首都のオスロ議会では、副市長がスリランカからの移民、しかも女性だった。日本では何十年住んでも外国人なら参政権自体がないというのに…。

●ノルウェーは投票率が高い。地方選は65%(2019.9)。私たちの住む、愛知県議選は36.4%、名古屋市議選32.9%(ともに直近)。三井さんの「名古屋市のこの抵投票率は何ですか!」と叱咤する声が場内に響いた(苦笑)。

●ノルウェーは、日本の小選挙区のように死に票が多い制度ではなく、国会も地方議会も比例代表制。投票者は政党に1票を入れる。ゆえに候補者個人は名前・顔を売る必要がいっさいなしとのこと。素晴らしい!

地方議員の多くは、無報酬のボランティア。仕事や学業を続けながら議員職をこなす。日本のような職業政治家は不在。三井さんが選挙出馬の際、高校教員を泣く泣く退職せざるを得なかったエピソードも伝えて下さった。

●ノルウェーは、1986年すでに女性の首相。そして閣僚の40%は女性。それが90年には女性閣僚は47%に増えていた。当時すでに国会議員の36%は女性。日本とのあまりの違いに唖然とした。

●愛知県みよし市議会議員選挙、立候補者のポスター掲示板がスクリーンに広がった。女性はゼロ。三井さんは、「私、泣けてきます」とお怒り。ノルウェーのような比例代表制ならば…、と初心者の私までも最後に確かな気づきを得られた。


日本に初めてクオータ制を紹介したパイオニアの三井マリ子さん。35年前から、すでにノルウェーに着目した審美眼の持主だ。三井さんこそ、今のこんがらがった日本の政治を紐解くヒントを与えてくれる存在だ。


いま私のメール受信箱に、三井さんの講演会に参加した友人らから熱い感想が続々と届いている。


大塚 かほる(愛知県名古屋市中区民)



by bekokuma321 | 2020-02-10 20:33 | ノルウェー

2月6日はサーミ国民の日

26日は、ノルウェーの先住民サーミ国民の日。1992年から正式にノルウェー国民の祝祭日となった。今日、さまざまなイベントがノルウェー各地で行われているだろう。


サーミは、想像を絶する長い闘争の末、権利を獲得して、現在、国会にはサーミの議員がいるし、フィンマルク県カラショークにはサーミのためのサーミによる「サーミ議会」がある。全国7つの選挙区から選ばれた39人の議員で構成される(2011年訪問時)。


一方、日本では、先住民族アイヌ出の国会議員は誰もいない。アイヌの権利や文化が政治課題になることはない。それどころか、財務大臣麻生太郎は、「2000年にわたり、一つの国で、一つの民族、一つの王朝が続く国は日本だけ」と暴言をはいた。批判はされたが、大臣の座に居座り続けている。


特別なサーミ国民の日となった2年前の26日の記事を写真の下に再掲して、サーミの人たちの闘いを讃えたい。


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         ▲キルケネスの公立図書館入口にあるカラフルなサーミの本



1917
年のこの日、エルサ・ラウラ・レンベルグは、初の北欧サーミ大会を開いた。ノルウェー全土でサーミ文化祭が繰り広げられ、スウェーデン、フィンランド、ロシアも歩調を合わせる。


2017年は例年とは比べものにならないほど盛大のようだ。というのも、初の北欧サーミ大会があった1917年からちょうど100年になる。

ホームページによると、26日を含む1週間はサーミ国民の週、今年いっぱいはサーミ国民の年として、フィンマルク県各地で音楽、映画祭、文化祭、講演会をはじめ、多彩な行事が続く。


さて、100年前、サーミの権利を掲げて初の北欧サーミ大会を開いたエルサ・ラウラ・レンベルグは、ノルウェーの女性史資料によると、1877年、スウェーデンと国境を接するヌールラン県の森林地帯で生まれた。


トナカイ放牧で暮らしていた両親は、彼女に高等教育を受けさせた。きわめて珍しいことだった。彼女はストックホルムに留学して産婆教育を受け、政治集会にも参加。1904年、ストックホルムで世界初のサーミ協会を創設して代表に就任。同時に、『死か生か:ラップ人の現状についての真実の言葉』と題する小冊子を出版。サーミ女性初の出版物だとされている。


この小冊子で、彼女は、サーミ民族の貧困、男性のアルコール問題、土地の収奪、子どもたちの教育を論じる。「スウェーデンの選挙権にはノルウェーにはない収入制限があるためサーミの選挙権が制限されている」と、スウェーデンの選挙制度をやっつけている。


その後、結婚して再びノルウェーのヌールラン県に住み、サーミ族の権利擁護を主張。女性に選挙権がなかった時代に、女性がその権利擁護運動の先頭に立つべきだと講演をして回った。1910年には初のサーミ女性解放運動団体「サーミ女性協会」を立ち上げた。


さらに191726日、トロンハイムで、初の北欧サーミ大会を主催。エルサは開会演説をした。当時、サーミ文化や言語は消滅の危機に瀕していた。彼女は、サーミの権利擁護には「土地」と「教育」と「選挙権」が不可欠で、そのためには国境を超えた連帯が必要だと訴える。スウェーデン代表も参加した、この大会は、サーミ政治史の偉大な1ページとなった。


100年後の201726日、500万人を越える非サーミ人と、4万人サーミ人は、サーミ国民の日を祝った。トロンハイムの記念式典には国王や首相も参加と報道されている。しかし、そんなサーミの英雄(注)エルサを、20世紀初めの新聞は「キチガイ」を表すノルウェー語Sinnsykと言った記事もあったという。(2017年2月6日記


【注】正確には「英雌」だろうが、日本には女性の英雄を表す的確な漢字がない。



2月6日はサーミ国民の日




by bekokuma321 | 2020-02-06 22:50 | ノルウェー