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ハンガリー紙幣と女性

ハンガリー紙幣と女性_c0166264_18071762.jpg


G20が終わった。G20の目的は、国際経済の健全化にあるらしい。しかし、開発途上国の代表が参加せずして、経済の健全化はありえないだけでなく、無報酬労働・低賃金労働に押し込められている世界中の女性の経済に光を当てずして、経済の健全化など笑止千万だ。


G20に呼ばれなかった国だが、EU加盟国のひとつハンガリーを今春訪れた。ブダペストにある中央ヨーロッパ大学で開催された市民運動団体イベント会場において、面白いポスターを見つけた(上)。


ハンガリー紙幣の顔は今すべて男性だ。それに対抗して偉大なハンガリー女性の顔を印刷した仮想紙幣が並べられて印刷されていた。よく見ると、女性の顔の紙幣の金額はすべて本物の8掛けだ。


ハンガリーは、今、右傾化が激しく、フェミニストはバックラッシュに苦しんでいるようだ。そんな苦境のなか、このポスターは、「こんなにも傑出した女性が大勢いるのに、紙幣はなんで男性だけなのか」という叫びとともに、「女性の賃金は男性の賃金の80%にすぎない」と訴えていた。


1枚のポスターが語る「女性の置かれた経済」の現実。ハンガリーだけではない、世界中そうだから、このポスターは普遍性がある。


このハンガリーのポスターについて、とくに仮想紙幣に印刷された女性について知りたいかたは、「叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち 第70回」 をどうぞ。



EU議会選挙を控えたハンガリーの女たち




by bekokuma321 | 2019-06-30 18:19 | ヨーロッパ

全候補の43%が女性、12%が若者(ノルウェー地方選)_c0166264_14344020.jpg


ノルウェーは、この9月、地方選挙だ。先ごろ、その立候補者の全体像が明らかになった。

全体で55,254人。そのうち女性は23,258人、43%。30歳以下の若者は6,684 人、12%である(注)。

ノルウェー大使館から今朝届いた「MSNニュース」によると、全候補者数は、4年前の全候補者58,093人に比べて3800人減った。これは、大幅な合併によって地方自治体の数が減ったことが主な要因だ。

しかし、女性も若者もまったく減っていないのは驚くべきことだ。女性の候補数は微増。一方、若者の候補数は史上最高だと、ニュースは言う。

若者候補が増えた背景には、スクール・エレクション などによる子ども選挙キャンペーンの成果があがってきていること、地球温暖化など環境問題に子どもたちの関心が高まっていること、しかも政治によって解決されねばならないとする子どもたちが多いことが考えられる。

そもそも大前提として、比例代表制選挙なので、立候補者個人は選挙に1円もお金をかけなくていいことや、地方議員は職業・学業を続けながらのボランティアだということも忘れてはならない。

最も若者が多い政党は、赤党(最も左派)で29.5%、次に緑の党、中央党と続く。3党とも30%を少し下回る。

最も女性が多い政党は、左派社会党で55%、引き続く赤党、緑の党、労働党は50%を少し下回る程度だ。

ノルウェーでは、合併によって、議会数そのものが減り、議員数も減った。しかし、政党のほとんどは、クオータ制を守っているため、女性候補の割合は増えこそすれ減っていない。

これは、日本の合併後の選挙とずいぶん異なると思われる。日本の統計は、地方選における女性候補者数の変遷を公表していないのでわかりにくいが、「平成の大合併で女性候補が少なくなった」という話をずいぶん耳にした。

と、ここまで書いて、日本の地方選の致命的問題は、女性や若者が少ないことはもちろんだが、だいたい候補者がいないため選挙にならない選挙区が多いことだと思い出した。


全候補の43%が女性、12%が若者(ノルウェー地方選)_c0166264_14342291.jpg


【写真】上はスクール・エレクションで、高校で開かれた政党討論会に参加している高校生たち。下は地球温暖化を減らそうと国会議員選挙に立候補した高校生(緑の党)。いずれも2017年ノルウェー国政選挙で。

Rekordmangeunge kandidater til kommunevalget

【速報】心が晴れやかになった「ノルウェーの楽しい選挙」

ノルウェー地方選、始まる(2015年)

NHK選挙データベース「地方議会の姿」 (2019年)

女性はわずか13%(道府県議会議員候補)


【注】「明るい選挙推進協会」の数字をもとに、参考までに、日本とノルウェーの全体像を比べてみる。4年前の統一地方選における市区町村議員選挙の候補者は、14350人。うち女性は2022人で14%。若者の統計は出されていない。日本はノルウェーの人口の30倍として、日本の地方選にノルウェー並に候補者が出たとすると、166万人となる。うち女性の立候補は約70万人になる。


【更新 20190628】




by bekokuma321 | 2019-06-27 14:48 | ノルウェー

【速報】「改正入管法とジェンダー」で知る女性議員増の重要さ_c0166264_11313651.jpg

難民支援協会の石井宏明さんと、女性の家HELPの松井弘子さんから、改正入管法にまつわる問題点を聞いた。


石井さんの話は「改正入管法から見た日本の現状と難民政策」と題しての講義だった。この改正法で外国人移住者の人権が少しは守られるようになるのか、難民受け入れが少しは進むのか。新たに「特定技能1号、2号」という在留資格を設けたらしいが、過酷な労働条件、失踪、自殺などが後を絶たない「技能実習制度」は残されたままだ。疑問は尽きなかった。


松井さんは「女性の家HELPから見る外国籍女性・子どもたちの現状と課題」を話してくれた。


そもそもは80年代の高度経済成長期の日本がことの始まりだった。当時、主にタイ、フィリピンなどアジアから、日本の性風俗産業で働く女性が急増した。甘い言葉でだまされて、借金を抱えて来日した女性たちは、強制売春や搾取、雇い主からの暴力等々、経済的・肉体的・精神的に追い詰められていった。


そんな女性たちの苦境を知って「黙って素通りしていいのか」と考えた日本キリスト教婦人矯風会 の人たちの手で1986年設立されたのがHELPだ。矯風会100周年を記念して立ち上げたというから、その使命感の強さと、見通しの鋭さに感服する。


ホームレス女性、DV被害者とその子ども、人身取引被害者など、苦悩を背負った女性たちが避難してくる。日本語の余りできない人がほとんどだ。宿泊を提供できる人数は、わずか12人。職員19人が、24時間体制で夜の見守り、緊急対応に当たっている。女性・女の子に年齢制限はないが、男の子は10歳くらいまでだ。もっと受け入れたい、もっとこんなことをしてあげたいーー願いや希望は山ほどあるに違いない。しかし余りにも予算が少ない。東京都からいくばくかの補助があるものの、個人的寄付が頼りだという。


創設から30年以上経った。利用者は、当初多かった人身取引被害者から、近年は妊産婦を含むDV被害者や居所なし女性に変わってきた。さらに単身者より家族連れに、移民1世から2世以降世代に、アジア諸国から全世界に、稼働年齢層(働き盛り)中心から全年齢層に、中でも50歳以上の女性の利用が2018年は2014年のほぼ倍近い。


これらHELPの現状は、日本社会の闇を鏡のように見せてくれる。一福祉施設のHELPが寄付で解決できる問題ではない。公的施策なしには解決できない政治問題だとあらためて思った。


松井さんは、「みなさんへのお願いは、女性議員を増やして下さいという事です」と、力を込めて締めくくった。セミナーのテーマは「私たちに何ができるか? 改正入管法とジェンダー」 だったが、その回答でもあった。社会的に弱い立場に置かれた女性たちへの政策に力を入れる女性議員を増やすこと、これこそ主催した全国フェミニスト議員連盟が掲げている目標である。頑張らなくては。


木村 昭子(全国フェミニスト議員連盟世話人)



92年前の今日、日本女性は参政権めざして大同団結した

日本の女性解放運動とノルウェー

女性解放運動の先駆者早川カイ

オスロの絵と日本の廃娼運動





by bekokuma321 | 2019-06-19 11:54 | その他


虹色の靴下をはいた市長さんたち(ノルウェー)_c0166264_11263620.jpg

フィヨルドで知られるノルウェー西部のソグン・オ・フィヨラーネ県。入り組んだ湾とそそりたつ山々。人口は極端に少ない。


その県内ソグン地区ラスター市の市長は、レインボー・プライドにあわせて、ソグン地区の市長たちにレインボーソックスをはくアイデアを出した。レインボーとは虹色。LGBTレズビアンゲイバイセクシャルトランスジェンダーに誇りを持とういうシンボルに使われる。


全市長が彼に賛同。いつもの黒いソックスを脱ぎ捨ててカラフルなソックスにはきかえた。イヴァー・クヴァールン市長はその写真をフェイスブックに載せたところ、ウン百人のフォロワー。なかには、感動のあまり泣いてしまったというコメントも。


オスロなど都会では、LGBTへの理解や共感は進み、例年、大々的にパレードが行われてきた。しかし、地方の小さな町村の歩みは遅かった。ソグン・オ・フィヨラーネ県でも、やっと今年からパレードが行われることとなった。レインボーの旗を掲げる家も出てきたという。


ソグン地区の市長会開催にあわせて粋な提案をした、イヴァー・クヴァールン市長は、メディアにこう語っている。


私たちは市民の代表なのだから、レインボー・プライドに市民以上により深くコミットして、少女少年たちが愛し合うのとまったく変わりないのだと示せれば、うれしい」


ニューヨークで行われた初のゲイ・プライド・マーチから50年。ノルウェーでは、小さな地方の村にもレインボー革命の花が開いた。


写真を見て、「この地区の市長は全員男性なの? 多様性がない」というコメントも載ったというから、さすがノルウェーだ。とはいうものの、ノルウェー全自治体の30%近くは女性市長である。



Socks got people to take to their tears

LGBTが最も幸せに働けるのはノルウェー




by bekokuma321 | 2019-06-17 11:39 | ノルウェー

【速報】心が晴れやかになった「ノルウェーの楽しい選挙」_c0166264_08150838.jpg

614日、三井マリ子さんの講演会「投票率80% ノルウェーの楽しい選挙」に行ってきました(注)。立ち見の人も出る盛況ぶりでした。演題を意識してか、いつものちょっと早口の語り口調にジョークを頻繁に交えながらの楽しい三井講演でした。


首相が女性、国会議員の4割が女性という憧れの国ノルウェーの選挙の様子を20年以上視察してきたマリ子さん。その実際の選挙の様子を写真で見ていると、国全体が選挙をお祭りのように取り組んでいると感じました。

なにより羨ましいと感じたことは、そのお祭りに、小学生から加わっていることです。授業で政党の選挙公約調査をするとか、「子ども選挙ソング」もあって、子どもの時から政治をタブー視しない、むしろ馴れ親しむ環境が作られているのです。こうして民主主義が育つ土台が作られているのだなあと思いました。

次にお店で売られているお菓子。お菓子の包装にも選挙ムードを盛りあげる工夫がされています。人気のお菓子の包装に「あなたはどちらに投票する?」「赤?」「青?」とお祭り気分です。ノルウェーでは政権がいくつかの政党でつくられていて、赤は左派連合、青は右派連合だというのです。

そして学校内で選挙運動をしたり、模擬投票をする高校生のスクールエレクションも楽しそうでした。

ノルウェーは選挙制度が比例代表制です。民意が反映されやすく、死に票が出ない選挙です。政党が選挙候補者名簿をつくって、それが投票用紙になります。

参加者から「比例代表では候補者リストの上位に気に入らない候補者がいるときはどういう対処法がありますか?」と質問。候補者リストの候補者名の横に空欄があって、当選してほしい議員には「1」と書くとか、気に入らない議員には「×」を書くことができる、と回答がありました。

実際、先日、ソマリアからの難民マリアン・フセインという女性が国会議員になったというのです。ノルウェーでは、国会議員にも育休や病休があって、その間、同じ政党の同じ選挙区の次点候補(代理議員)が国会議員を務めます。彼女は、政党の候補者リストでは5番目でしたが、選挙の結果3番目に上がったと推測されるとのことです。党が決めた候補者の順番を、投票によって変えることができるのも素晴らしいと思いました。

講演が終わって会場を出る方々の顔が明るく、「楽しかった」という声が聞こえてきました。他国の話でも楽しい話を聞くと、心が晴れやかになります。

山城 和代(東京都小金井市民)


【速報】心が晴れやかになった「ノルウェーの楽しい選挙」_c0166264_08151785.jpg


【速報】心が晴れやかになった「ノルウェーの楽しい選挙」_c0166264_08242592.jpg

【注】日本国民救援会東京都本部主催、ノルウェー大使館後援で開催された
【写真】1枚目は高橋三栄子撮影、他は匿名希望者撮影

by bekokuma321 | 2019-06-16 08:44 | ノルウェー

ソマリア難民女性、国会議員に(ノルウェー)_c0166264_17113270.jpg


ノルウェーの政治に新しい歴史がつくられた。つくったのは、マリアン・フセイン(32)。上の写真の右側に写っている女性だ。


彼女は先週、ノルウェー憲政史上初のソマリア系ノルウェー人国会議員として、国会で演説をした(写真は、国会ビデオよりキャプチャー)。


マリアン・フセインは、先週、休暇をとった左派社会党の国会議員の代わりに国会議員となった。ノルウェーでは、国会議員が大臣に就任すると、その国会議員の代わりに、同じ政党の同じ選挙区の代理議員が国会議員となる。権力の集中を避けるため、大臣と国会議員は兼務できないとされているからだ。そのほか病気休暇、育児休暇などをとる国会議員も珍しくないため、代理議員の登場は少なくない。


それにしても、マリアン・フセインとは何者なのか。いくつかのノルウェー報道からかいつまんで紹介すると、マリアンは、内戦と干ばつが続くソマリアからの難民だ。母親に連れられて兄弟7人は、すでにノルウェーに移住していた父親と再会。家族で住み始めたのもつかの間、父親は癌で死亡。


しかし、マリアンはノルウェーの公立校の普通のクラスにはいって普通の授業を受けることができた。ノルウェーの子と違っていたのは、ノルウェー語の特別補修だけだった。「とてもラッキーなスタートでした」と彼女は言う。その後、彼女は看護師資格を取得。オスロの児童福祉センターに勤務しながら、県会議員としても活躍する。


2017年の国会議員候補者リストを見ると、マリアンは、オスロ選挙区の左派社会党リストの5番目に載っている(写真下)。ノルウェーは比例代表制の選挙だ。投票の結果は、オスロ選挙区の左派社会党から国会議員に当選したのは2人。加算票(注)を多くとったためだろうが、5番目だったマリアンは上から3番目にあがったと報道されている。つまり、彼女は代理議員第一番目になったのだ。党内のだれかが免職になると、ただちに出番が回ってくるというわけだ。


初の国会演説をしているマリアンは、ダーク・ピンクのヒジャブで頭部をおおっている。イスラム女性がよくかぶるスカーフだ。「フェミニスト党である左派社会党の代表が、女性差別の象徴とも言われるヒジャブをかぶることをどう思いますか」と聞いてきたジャーナリストへの彼女の答えはこうだ。


「ヒジャブは小さいころから身に着けていて、私そのものです。私のフェミニスト観点から言えば、私の政治的考えを政治についてではなく、こんなふうにヒジャブに使わなければならないのは、実にうんざり、しますね。ノルウェーでは、どう考えどう行動するかで人を判断すべきであって、どんな服装をしているかではないのではありませんか。とはいえ、男性にもドレスコードがあるでしょ。職場で、スカート、いえ短パンをはく男性はいませんね(笑)」


す・ば・ら・し・い!


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【注】ノルウェーの比例代表制選挙では、票を投じる人が順番を変える権利を持っている。上の候補者リストを見てほしい。当選してほしい候補者の左端にある空欄に「1」と書いたり、気にいらない候補者には右端の空欄にバッテン(x)をつけることができる。国会議員選挙で党の決めた順番が変わることはほとんどないと言われている。いま調査中だが、2017年選挙で5番目マリアン・フセインの左の空欄に「1」と書いた人が多かったと思われる。

Marian (SV) er første på Stortinget med hijab

Første norsksomalier på Stortingets talerstol – kritiserteregjeringen for

All adults in Norway have the right to free education—includingrefugees

Norway'best in Scandinavia' at integration

ノルウェーの移民政策

ヒジャブ着用をめぐる論争

ノルウェーのブルキニ論争

ヒジャブとオンブッド

難民体験学習をするノルウェーの若者

難民、ノルウェーと日本

ノルウェーの難民と“児童婚”

ソマリア移民女性「男女平等賞」受賞(ノルウェー)

子どもたちがはぐくむ平等と包括教育

ノルウェー国王のスピーチ録画、277万回再生される

難民受け入れと政治

難民問題

イスラム風刺漫画を擁護する女性作家


【更新 20190613 22:57】

by bekokuma321 | 2019-06-12 17:50 | ノルウェー

ジェンダーによる暴力・嫌がらせ禁止条約制定へ(ILO)_c0166264_00111581.jpgILO総会がジュネーブで明日610日から始まる。総会は第108回で、今年はILO創立100周年だという。

注目すべきは、性暴力・性的嫌がらせ根絶に関する条約の採択が見込まれることだ。

採択されれば、職場におけるセクハラや性暴力を禁止する初の国際基準となる。

このILO条約案を読むと、その幅広さに驚かされる。ILOのサイト やニュース情報から、画期的な条文をいくつかあげる:

☆法の対象は両性だが、「とりわけ女性と少女たちに影響があり、根絶には、ジェンダーに対応する包括的で総合的なアプローチをとる必要がある」と明記されている(前文)

職場における「暴力といやがらせ」とは、「許容できない態度や行動のことであって、1回であろうと繰り返しであろうと、身体的、心理的、性的、経済的危害を与える意図を持って、またはそういう危害を実際に与えたり、与えかねないような行為をさす。それには『ジェンダーによる暴力と嫌がらせ』が含まれる」(1条)

☆「ジェンダーによる暴力や嫌がらせ」はこう定義される。「先天的性・後天的性を問わず、その人がその性であるがゆえに被った暴力や嫌がらせをさす。または、その性の人間がその性ゆえに偏った影響を受けることをさす。そして、それには性的嫌がらせが含まれる」(1条)

☆被害の対象となる労働者は実に幅広い。「契約上どのような地位かどうかにかかわらずすべての労働者」「訓練生、インターン、門下生、雇用期間が過ぎた労働者」「ボランティア、求職者、応募者」「都会であろうと田舎であろうと、公式経済であるか非公式経済であるかに関係なくすべての分野」(2条)

☆被害を受ける場も広範囲だ。「公式であろうと非公式であろうとすべての仕事の場」「給与を支払われる場だけでなく、休憩や食事をとったり、トイレ、化粧室、更衣室において」「仕事がらみの旅行、訓練、イベントや、付き合いの場において」「情報や情報技術などによる仕事がらみのコミュニケーションの場において」「雇用者が提供した宿舎において」「通勤の間において」(3条)

さあ、日本政府は、このILO条約にどんな態度をとるだろう。賛成か反対か。昨年の報道によると、日本政府は、あろうことか「立場留保」だった。セクハラ事件の多さや深刻さ・・・これ以上ほおっておくことは断じて許されない。


ジェンダーによる暴力・嫌がらせ禁止条約制定へ(ILO)_c0166264_00141424.jpg

ILOとセクシャルハラスメントには、思い出がある。

東京都の議員だった1989年、日本初のセクシャルハラスメント対策を東京都にとらせることができた。

女性団体「三多摩の会」が膨大なセクシャルハラスメントのアンケート調査をして耳目を集めたが、政治の舞台では言葉さえ定着していない頃だった。

1988年、東京都の労働相談項目にセクシャルハラスメントを新たに入れることを私は考えついた。当時、労働相談は「男女差別」「パートタイマー」「派遣関連」「外国人関連」「情報誌関連」「メンタルヘルス」「その他」に分類されていた。

都の労働局に「その他」の詳しい中身を聞いたら、セクシャルハラスメントが数多く含まれていた。そこで、「セクシャルハラスメント」という項目を新たに作るように提案した。翌年、都の労働相談に、「セクシャルハラスメント」という項目が登場した。その相談件数374件。「パートタイマー」に次いで多く、いきなり第2位だった。

「その他」に入れられて見えなかったセクシャルハラスメントが、東京都で初めて明らかになった瞬間だった。この統計を片手に、対策を進めるよう議会でさらに発言を続け、議会外では女性運動に一層熱を入れた。

東京都のささやかな例は、『Conditions of Work Digest: Combating Sexual Harassment at Work 1/1992 ILO』に掲載されている。

同じページには、「日本において、セクシャルハラスメントは法的に定義づけられていない」と書かれている。ここは2019年の今も変わっていない。だからこそ、今回のILO条約を採択し批准して、あらたな国内法へのテコに、と思う。


by bekokuma321 | 2019-06-10 01:31 | ヨーロッパ

案内「改正入管法とジェンダー」_c0166264_01554493.jpg

男性優位の日本社会。その暴力的言動は、在日外国人女性に対してさらに極端に表れます。どなたもお気軽にご参加ください。


チラシに使われた写真は、フランスの移民女性運動のポスター。昂然と私たちを見すえる女性たち。移民としてやってきたか、または移民の家庭に生まれ育ったフランス人だ。清掃、ウエイトレスなど低賃金で不安定な労働に従事し、フランス社会を支えてきた。


このポスターは、「女性ゲットーに反対し平等を求める女性の行進」という女性解放運動団体によって制作された。女性ゲットーとは、女性が多い労働現場をさす。男性中心の文化や固定観念を否定し、個性あふれるひとりの人間としてフランスに生きる移民女性を世に出そう、という運動だ。詳しくは、「叫ぶ芸術 第4回 娼婦でも女中でもない!」を。



性暴力にさらされる難民女性たち





by bekokuma321 | 2019-06-09 23:50 | その他