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ノルウェー放送協会(NRK)によると、10月22日、月曜日、ノルウェーの刑務所で働く公務員4400人がストライキにはいった。


筆者は、ノルウェーで、ホテル従業員のストや、消防職員のストに出会って、驚いたことがある。でも刑務所のストは見たことも聞いたことがない。ニュースによると、前代未聞のことだという。要旨をまとめる。


刑務所職員のストライキの目的は、政府の刑務所予算案に対して反対の意思を示すことだという。政府予算案が通ると、7つの刑務所が廃棄され、162人の雇用が奪われることになり、これでは受刑者に十分なケアができなくなる、と主張する。


250の刑務所はキャパを超えている。NFFは、政府予算への我々の態度を示し、組合の2700人の組合員のために、2時間のストライキを実行に移す」と、スト決行にあたって、労働組合委員長は語っている。


NFFは、ノルウェー刑務所と自由キャリア協会(The Norwegian Association of Norwegian Prisons and Freedom Careers)をさし、刑務所で働く人たちの組合だ。ちなみに刑務所職員の約40%は女性


ノルウェーは、さまざまな権利団体が組織化されているが、犯罪者協会という受刑者の組織もあるようだ。同協会は、刑務所職員が政府予算案に反対して政治ストライキを実行したことを支持すると次のように発表した。


「私たち、刑務所の受刑者も、予算減に影響を受けることがわかります。刑務所職員の利益向上に共感します」


権利は、こうして組織し、連帯し、闘って、守っていくものーー教えられた。




人間味あふれるノルウェーの刑務所

再犯率の最も少ない国の刑務所 追記

最も再犯率の少ない国ノルウェーで今

禁固21年判決とノルウェーの犯罪制度

再犯率の最も少ない国の刑務所

未来への提言「世界一囚人の少ない国からの報告」



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by bekokuma321 | 2018-10-22 23:58 | ノルウェー

ワシントン・ポストによると、エチオピア閣僚20人の半数は女性となった。


新首相アビー・アハメド(Abiy Ahmedは、今回、通商大臣、防衛大臣、平和大臣などに女性を任命した。平和省は、今回、新設されたばかりだという。改革派といわれる首相は、政治犯の釈放などもすすめたそうだ。


「彼女たちは、女性には指導などできない、という格言を否決するだろう」と首相は述べている。


IPUによると、エチオピア国会(第1院)における女性議員のシェアは38.8%で、堂々の世界第18位。世界第161位の日本をはるかに上回る。


エチオピアは、大好きなコーヒーの発祥の国だと聞いたことがある。ほかはよく知らないが、今後のニュースに注目したい。


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In Ethiopian leader’s new cabinet, half the ministers are women


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by bekokuma321 | 2018-10-20 18:58 | アジア・アフリカ


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ノルウェの首相エルナソルベルグは、1017日、水曜日、戦後、「ドイツの女の子」と汚名をきせられて復讐された女性たちに、として正式に謝罪をした。


70年前の、女性に対する国ぐるみの蛮行に、正式謝罪をしたのだ。男女平等の先進国にしては遅いと思うが、 It is never too late to mend.


首相は、連人宣言70周年を記念する行事において、文化大臣、防衛移民副大臣とともに、政府として、謝罪のスピをした。


ノルウェは、1940年から5年間、ナチスドイツに占領されて、何十万人ものドイツ兵がノルウェーに駐留した。当然ながら彼らと親密な関係を結んだノルウェー女性が多数いた。後の19454月、何万人もの女性が、法的根も裁判もなく、「ドイツの女の子」と呼ばれて、仕事を奪われ、逮捕され、何カ月間にわたる獄中生活を余儀なくされた。また、追放にあった。19458月には、ノルウェは市民法を改正して、19404月以降にドイツ男性と結婚した女性を外追放できるとした。


ノルウェ公共放送NRKによると、第二次世界大時、ドイツ兵の父とノルウェ人の母の間に生まれたライダー・ガブレルReidar Gablerは、NRK(ノルウェー放送協会)にこう語っている。


「謝罪は大きな意味を持っています。すぎましたが」

「ドイツに渡っても、自分の過去を思い辛い日々を送りました。なのは、ドイツからノルウェに移住した私の幼い息子にまで及んだのです。彼はナチスドイツといじめられたのです」

「罰せられたのは、『ドイツの女の子』である母だけではありません。家族やそのまた子どもたちも、なのです」


イダー・ガブレル母親は22のとき、仕事に就くためにテレマクに引っ越してきた。その地で、知人を通じて25のエリッヒガブラを紹介されて、彼とに落ちた。問題は彼がドイツ兵だったことだ。2人にラが生まれた。


ホロコストマイノリティセンタグリイエルトネス(Guri Hjeltnes)は、政府の正式謝罪を、こう語る。


「謝罪は大きな力となりえます。現政が、時起きたことに責任があったとはいえなくても、しかるべき正な謝罪は、名とアイデンティティを取りすことを可能にします

「ドイツ兵と結婚したノルウェ女性が、ナチス・ドイツに協力したという証はありません。しかしながら、女性たちは、戦争でぼろ儲けをした人たちよりもずっとしく罰せられたのです」

「ドイツ女性と結婚したノルウェ男性は28人いましたが、誰ひとり、追放されたり、市民をはく奪されたりしていません」


いかにジェンダーによって対応が歪められてきたか。彼女の指摘は鋭い。


首相は「ノルウェー当は、法の支配という基本原則を破ったのです。裁判によって以外、何人たりとも罰せられないとする原則です」と語った。文化大臣は「史を書き直すことはできませんし、女性たちにして行った不正をないことにはできません。しかし、再びこのようなことを犯さないようにすることは可能です」と語った。


政府の公式謝罪のきっかけとなったのは、アフテンポステンの記者ヘッレ・オネス(Helle Aarnesの手になる著書『ドイツの女の子(Tyskerjentene):知られざる』のようだ。彼女2008年に「ベルゲンティデネBergens Tidende」に連載し、それをもとに2009年に出版。それまで知られてなかった史的事を暴いた。上の写真は、その本の表紙。


彼女によると、「ドイツの女の子」はをそぎ落とされた。路上で、衣服をはがされ裸にされて、屈辱をられた。は、ナチス・ドイツにする報復として行われた。女性への虐待を、警官、察、判事、新聞は、見逃しただけでなく、後押しする側に回った。ノルウェは、「ドイツの女の子」に対して国ぐるみで組織的に報復措置を行った、とされる。


あらゆる歴史は、女たちの目による徹底した見直しを必要としている。



Jeg er takknemlig for unnskyldningen (NRK)

NHK、慰安婦問題への言及禁止か

国連、「慰安婦」に関して日本に勧告

米政府、橋下市長「慰安婦必要」は言語道断

大阪市長、慰安婦問題を矮小・歪曲




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by bekokuma321 | 2018-10-19 00:43 | ノルウェー

列国議会同盟IPUの最新調査によると、ヨーロッパ諸国の国会で、女性の議員や女性スタッフは、性差別、性的暴力にさらされている。


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          ▲女性国会議員が受けた暴力行為とそのうち届け出た割合


上図は、左から「ネットでの暴力」→「強姦してやるなどの脅し」→「心理的嫌がらせ」「性的嫌がらせ」「身体的暴力」紺色は経験した人、薄い青はそれを届けた人。


調査は、欧州45カ国の、女性国会議員81人と国会に働くスタッフ42人の123人に対して、面談によって行われた。


女性議員やスタッフに暴力や嫌がらせをした加害者は、女性とは政敵の国会議員ばかりではなく、同じ政党内の同僚議員だったり、市民だったり、さまざまだという。


詳しくはfile:///C:/Users/toriM/Downloads/en_2018-issues_brief_web.pdf



「あってはならないことが起きている」(イタリア)

イタリア黒人女性議員への差別と横暴

「オランウータンと言うのは人種差別ではない」

猿に変えられた黒人女性大臣の顔――イタリア 

イタリア黒人大臣攻撃に対する国際的ファイトバック

イタリア黒人女性大臣、バナナを投げつけられる

「彼女は、オランウータンのよう」―イタリア右派政治家
タリア ボニノ大臣のシスターフッド

イタリア黒人大臣、差別にさらされる

のど飴なめての議会発言で出席停止処分に

まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件


ジェンダーに配慮した議会のための行動計画 (PDF)




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by bekokuma321 | 2018-10-17 16:49 | ヨーロッパ

誰もがおかしいと思うだろう。


イタリア初の黒人女性大臣セシル・キィェンジェCecile Kyengeは、黒人差別・女性差別にさらされてきた 報道により、国内外の多くの人が知ることになった。ところが、今年になって、被害者の彼女自身が提訴されたのだ。


彼女にインタビューをしたDW(ドイツのメディア)が動画を流しているので、主要部を和訳する。


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「人種差別の攻撃は日常茶飯事です。たとえば、ホテルを出ようとした私を侮辱するために、血で汚れた人形を置いたり、周りを取り囲んで攻撃しようとしたり・・・ある会議では、私はバナナを投げつけられました」



ロベルト・カルデロリ(イタリア同盟、イタリア上院議員)

セシル・キィェンジェを見るとオランウータンを思い出してしまう」≫


マリオ・ボルゲッチオ(イタリア同盟、EU議会議員)

「彼女は、コンゴの部族の伝統を押しつけたいのだ」


「そこで、私は言いました。わかった。イタリア同盟は、政党として姿勢をとらなかったのですから、それどころか、こうした議員を公職に再選したのですから、イタリア同盟という政党は人種差別党です。」


ところが、セシル・キィェンジェがイタリア同盟を人種差別だと批判したら、彼女が名誉棄損で提訴された。


「まったく逆です。驚きましたね。『さあ来た』と言いきかせました。もし人種差別主義や外国人排斥主義に対する闘いの刃を鈍らせたら、私たちへの仕打ちはこうなんだ、と思い知らされました」


セシル・キィェンジェは、現在、イタリア選出のEU議会議員だ。彼女の持つ外交特権(訴えられない権利も含まれる)を捨てて、法廷闘争をする決意をした。


「セシル・キィェンジェのためにではなく、は、全ての人のためにここにいるのです。自分たちを擁護できない人たちのために私はいるのです。あってはならないことが起きている、と言わねばなりません。そのために私はここにいるのです」


「ヨーロッパで女性は女性というだけで差別されています。でも、外国生まれで、しかも黒人なら、2倍、3倍、差別されるのです」


なんと力強い発言だろう。歴史の歯車をグイッと前に進めるには、彼女のような女性が政治的発言権を持たなければ、とつくづく思う。



Labourfiguresunite in supportof Italian MEP Cécile Kyenge

MatteoSalvinisues black MEP for defamation in racism row

イタリア黒人女性議員への差別と横暴

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by bekokuma321 | 2018-10-13 17:35 | ヨーロッパ

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セシル・キィェンジェ(Cecile Kyenge)を名誉棄損で訴えた裁判がイタリアで開かれようとしている。そのことに、イギリス、ドイツなどの国会議員や団体リーダーたち約40人が、非常に困惑していると、意見表明をした。

さきほど届いた10月12日ガーディアン紙が報道している。

セシル・キィェンジェへの差別は、FEM-NEWSで何度か紹介した。リンク先を本記事の下に掲げる。

セシルは、コンゴ生まれの眼科医。イタリア人と結婚し、その後、イタリア初の黒人の女性大臣に就任した。現在はEU議会の議員である。

数年前、彼女は、演説中にバナナを投げられたり、「コンゴに帰って働くべきだ。彼女は、オランウータンのようだ」という卑劣な言葉をぶつけられた。こうしたヘイト表現は、ソーシャルメディアでまたたくまに拡散した。ソーシャルメディアに流した人物は、イタリア同盟(かつての北部同盟。極右政党と言われる)の書記長だった。セシルは、「レイシスト(人種差別主義者)」と言い返した。

彼女の正当なファイトバックを、イタリア同盟の政治家や支持者たちは、逆に、「名誉棄損だ」と非難した。そのあげく、同党の現内務大臣 マッテオ・サルヴィーニは、あろうことか彼女を名誉棄損の̚̚罪で提訴したという。そして今、その裁判が開かれる。

こうしたイタリアでの理不尽な行為に国を越えてリーダーたちは立ち上がった。約40人は、こう宣言する。ガーディアン紙記事のポイントを要約する。

「レイシズム、外国人嫌悪主義、狭量主義に対して闘おうとしているセシル・キィェンジェの決意を全面的に支持する」

セシル・キィェンジェの事件は、ヨーロッパを覆う問題を代表しているといえる。台頭するポピュリストや極右政党が、その国粋主義的政策を突き進め、マイノリティに対する恐怖と嫌悪をあおっている」

日本の国会を席巻する「日本会議」議員の発言を思い出して、虫唾が走る。いや、国会だけではない。地方議会では、多数派重鎮議員(多くは男性)が、少数派女性議員に対して理不尽な対応をこれでもかと続けている。


Labourfiguresunite in support of Italian MEP Cécile Kyenge

MatteoSalvini sues black MEP for defamation in racism row


猿に変えられた黒人女性大臣の顔――イタリア

イタリア黒人大臣攻撃に対する国際的ファイトバック

イタリア黒人女性大臣、バナナを投げつけられる

「彼女は、オランウータンのよう」―イタリア右派政治家

タリア ボニノ大臣のシスターフッド

イタリア黒人大臣、差別にさらされる

のど飴なめての議会発言で出席停止処分に

まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件






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by bekokuma321 | 2018-10-12 20:36 | ヨーロッパ

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「花を贈られて喜んでいる場合か!」(叫ぶ芸術 第63回)のポスターを見みました。ポーランドの女たちの怒りに同感しました。


ポスターの解説を読むと、ポーランドの国際女性デーは、女たちが、怒りを政策にしてデモをする日だそうです。38日は「マニフェスト女性デー」と呼ばれ、毎年、スローガンを掲げ、女性が自立して生きるために、力を結集しています。なんて素晴らしい!


年々変わるスローガンからポーランドは問題満載だとわかりました。でも、ポーランドに負けず劣らずのひどい政治状況にあるのが日本です。女性たちは素晴らしい力を持っているのに、貶められ、排除され、殴られています。


この状況に怒っている私は、毎年、国際女性デーに向けて絵葉書(カード) を作成してきました。200538日から10年以上、一人でデザインし、一人で作成して、一人で広めてきました。でも、パンチのある絵葉書(カード)には多くの女性の怒りを結集した政策が必要です。もう黙ってはいられない! みなさん、一緒にやりませんか。


Sisterhood is Powerful and International!


ふじ みつこ MITSUAT



叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女性たち

2018年3月8日 国際女性デーのためにカードを作りました。

2018国際女性デー/ニュース

もうじき2018年国際女性デー

国際女性デー・パレード NHKニュースに






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by bekokuma321 | 2018-10-11 11:08 | ヨーロッパ


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20161月、ノルウェー放送NRKNHKにあたる)は、ナディア・ムラードのインタビュー を放送していた。ナディアの親しい友人であるイラク系ノルウェー女性が通訳だった。2年以上も前だ。


10分ほどの出演時間だった。5分ほどして、それまで冷静に話していたナディアが涙ぐんだ。すぐ涙がとまらなくなった。言葉にならなくなった。NRKのインタビューアーは、泣き崩れたナディアに近づいて、彼女の左手を握りしめた。インタビューアーは、唇をギュッとかみ、必死に涙をこらえていた。


NRKスタジオにはヤジデイ族の女性たちの大きなパネルが掲げられていた。ナディアは泣きじゃくりながら、語った。


「その写真を見ると、その女性が母親ととても似ているのです」

「母は、何千人もの母親たちと同様、年老いているので、性的虐待ができないから、虐殺されてしまったのです」

「私の人生でもっとも辛いできごとでした」

「私はアメリカやエジプトやクウエートに行ったことがありますが、こんな地獄は見たことがありません」


イラクのナディア・ムラードが、コンゴの医師とともに、今年のノーベル平和賞に選ばれたとの速報 を流したが、ナディア・ムラードについてあまりにも知らなすぎたため、報道にあたってみた。そして見つけたのが、この、NRKの秀逸なTV番組である。


ヤジデイ族であるナディア・ムラードは、北イラクのコジョー(Kocho)という小さな村で、母親と兄弟姉妹9人で平和に暮らしていた。20148月、そこをISが急襲。6人の兄弟は殺害された。彼女は、モスル(Mosul)に連行された。およそ150人の若い女性たちがいっしょだった。そこに巨大な男性が(モンスターと彼女は言った)やってきた。次にやや小柄な男性がやってきた。毎日、何度も虐待と強姦をされた。


3か月間続いた。やっとそこを逃れた彼女は、難民としてドイツに住むことができた。


その後、性奴隷の境遇を脱出したナディアは、重い口を開いて、地獄の体験を語り始めた。そして国連親善大使を務めることになった。国連の安全保障理事会に招かれて、戦争・紛争下の性暴力について、世界の代表たちにスピーチをした。手に汗握る逃亡・闘いについては、彼女が書いた「最後の少女」という本に描写されているという(写真は本の表紙)。


ナディアのノーベル平和賞受賞を決めたノルウェーノーベル委員会に心から賛辞をおくりたい。そこに至るまで、ナディアの地獄の体験に耳を傾けてきた、ドイツ政府、国連、ノルウェーの報道関係者、そして通訳者たち(説得力ある通訳をする人がいたに違いない)にも・・・。戦争の戦利品とされる女性に対する、彼女たちの怒りのリレーがなかったら、受賞までたどりつかなかっただろう。


ところで、戦時下の性暴力(従軍慰安婦)に知らんぷりを続ける日本政府は、ナディアの受賞をどう考えているだろう。


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by bekokuma321 | 2018-10-10 03:23 | ノルウェー

ノルウェーのノーベル委員会は、2018年のノーベル平和賞がコンゴのデニス・ムクウェーゲと、イラクのナディア・ムラードに決まったと発表した。

2人は、戦争・紛争下の性暴力撤廃にむけて、命がけで運動してきた。そのたぐいまれなる勇気と努力が高く評価された。

デニス・ムクウェーゲは医師。内戦が続くコンゴで、長年にわたって、強姦や性的虐待にあった人びとを、助けるとともに、治療にあたってきた。「正義は万人のなすべきこと」が彼の信条で、10年前からノーベル平和賞候補にあがっていたと言われる。

ナディア・ムラードは、彼女自身が戦時下の性暴力被害者。ISに略奪支配された北イラクの村で、度重なる強姦や虐待を受けた。逃亡後、彼女は「女はおとなしく黙っていろ」を打ち破り、自らの性的虐待を告発することを選んだ。

詳しくは


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by bekokuma321 | 2018-10-05 19:26 | ノルウェー

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日本女性の未来は、女性差別撤廃条約選択議定書を批准するかしないかで、大きく違ってくる。


●バックラッシュに抗するために

「選択議定書の批准は、日本の男女にとってだけでなく、アジア地域にとって、きわめて重要です。多くの国々で、バックラッシュ――とりわけ女性の権利に対してーーが実際に起きており、市民社会が萎縮させられています。日本の批准は、人権推進へ確実にコミットするんだという政府当局の証となります」


スイスの法律家パトリシア・シュルツさんは力説した。彼女は、国連女性差別撤廃委員会の個人通報作業部会の会長だ。このほど、 日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)の招きで来日講演した。


●バックラッシュの司令塔「日本会議」

バックラッシュとは、この場合、女性の権利に対する反動的流れをさす。日本では、2000年ごろから、右派の地方議員を中心に、「性別をなくそうとするジェンダーフリー」などという嘘をばらまいて、男女共同参画条例を形骸化させたり、女性センターの予算削減をさせたりしては、快哉を叫んできた(注)。その司令塔は「日本会議」だ。日本会議は、日本最大の右派的改憲団体であり、「日本会議国会議員懇談会」をかかえる。実は、昨日、組閣された安倍内閣のほとんどは、この「日本会議国会議員懇談会」会員である。


シュルツさんは、日本の女性がいつまでたっても低い地位に置かれている最大の障壁を、はからずも言い当てた。日本政府やNGOによって委員会に出された報告内容を熟知する彼女は、さらに日本政府をこう批判した。


「日本は、『検討している』と繰り返して、批准に向けて何もしていないことを正当化しています。残念ですが、日本では、差別的な規範の改正に、きわめて長い時間がかかっています」


「選択議定書」は、FEM-NEWSでも扱ってきた。


東京都小金井・八王子・三鷹市などの市議会が「女性差別撤廃条約の選択議定書の批准を求める意見書」 を採択したことも紹介した。


しかし、まだよく知る人は少ない。選択議定書という言葉のせいか。かといって英語オプショナル・プロトコルに言い換えると、もっとわからなくなる。ということで、やはり選択議定書と呼ぼう。


●女性差別撤廃条約を批准しても選択議定書は未批准

選択議定書は、条約を補う国際文書のことだ。「条約で守られている権利が侵害されたら、国連に訴えることができますよ」と保障してくれる道具といえる。条約とワンセットだが、やっかいなのは、それぞれを批准しないと使えないことだ。


女性差別撤廃条約を1985年に批准した日本だが、選択議定書は批准していない。だから差別に苦しむ個人や団体が直接、国連に訴えることはできない。たとえば、「夫婦同姓を強制する民法は女性差別撤廃条約違反だから、なんとかしてほしい」と、国連に訴えることはできない。


●スイスは比例代表制で4党連立政権

シュルツさんは、日本政府の批准への遅さを嘆いて、「政治的意思」の必要性を述べたとき、次のようにスイスの国会を語った。


「スイスでは、日本のように議会の多数を一党が占めることがない。長年、多くの政党が議会に存在していて、現在は7政党から議員が出ており、4政党で連立与党を組んでいます。政権内でも4党間での話し合いが必要で、法律ひとつ通すにも、常に異なった政党間で協議します。さらに国民投票という直接民主主義の伝統があります。3つの異なった言語、2つの異なった宗教、地方と都会の大きな違いのあるスイスでは、政治は、常に市民の支持、市民とのコラボで進められていて、うまく動いています」


当たり前すぎて「選挙=比例代表制」と言わなかっただけで、「比例代表制選挙の国スイス」を忘れてはならない。比例代表は民意が素直に議席に反映する。一方、日本は、289選挙区から最高得票の1人のみ当選する小選挙制中心の選挙だ。他の人に入れた票はすべて死に票となる。それが1強多弱の国会となり、”日本会議内閣”を生んでいる。当然ながら、女性議員の極端な少なさも。


●バックラッシュと小選挙区制

バックラッシュ(女性の権利に対する反動的流れ)と小選挙区制。日本女性を従来からの否定的役割に押しとどめる二大障壁だ。これで得をするのは? どんな人たちかは、容易に想像がつく。しかし、この障壁を切りくずすハンマーがある。それが批准国109カ国となった選択議定書だ。



「日本会議」に向かって闘いを挑んだ本:『バックラッシュの生贄』を読んで(加島 康博)

今も続く右翼的攻撃の楯となる本:『バックラッシュの生贄』を読んで (岡田ふさ子)

館長雇止め・バックラッシュ裁判HP

浅倉むつ子「男女共同参画社会実現のための訴訟でした」

バックラッシュ勢力に司法の鉄槌下る

男女平等を嫌う反動勢力の実像 ~日本にはびこるバックラッシュ現象~



【注:2009年8月、国連の女性差別撤廃委員会は、女性差別撤廃条約の実施状況について、日本政府に対する総括的所見を出した。そこに「委員会は締約国において男女間の不平等が根強く存在しているにもかかわらず、女性の人権の認識と促進に対する『バックラッシュ』が報告されていることに懸念を有する。」(29項)とある】


【写真:パトリシア・シュルツ国連女性差別撤廃委員会個人通報作業部長。国際女性の地位協会チラシより】


【2018.10.6 ミスを訂正して更新した】



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by bekokuma321 | 2018-10-04 17:36 | ヨーロッパ