男性は、女性のそばを通りすがりに、女性に何かを言って口笛を吹いた。彼女はその男性に「黙れ」と言い返した。そこを通りすぎた男性は、戻ってきて、彼女めがけてパンチをくらわした。

フランスはパリでの話。さきほど入ってきた英紙ガーディアンの記事だ。

路上でのセクハラに黙らなかった女性は、22歳の学生。彼女のファイトバックにパリ市長アンヌ・イダルゴはじめ、男女平等担当大臣や議員たちは、ただちに「連帯」を表明した。

すばらしい!

実は、男が彼女にセクハラをした一部始終が、カフェのビデオに録画されていて、カフェの主人が彼女にそのビデオをあげたのだそうだ。それを彼女はすぐフェイスブックにアップして、こう書いた。

「許されない行為です。でも、毎日起きているのです。こうした男性は、路上で、何でもできると思っているのです。つまり彼らは、女性をさげすんだりしてもいいのだと思いこみ、女性に異議を申し立てられることが気にいらないのです」

このフェイスブックは、ものすごい勢いで転送されて、大勢の人の連帯につながったのだという。

女性蔑視や女性への暴力を、女性たちはどれだけ我慢してきただろう。我慢しなければ、さらなる仕返しが待っているから、我慢したほうがめんどうでないから、etc. でも、それではいつまでたっても変わらない。だから女性たちは、ファイトバックすることに決めた、世界のあちこちで。

この記事でうれしいのは、市民だけでなく政治家がすぐに連帯したことだ。政治家の権力は、こういうふうに使うものだ。

'Solidarity!' French politicians praise woman who stood up to harasser
狛江市長のセクハラと市長選
麻生退任とセクハラ禁止規定を求めて抗議
福田淳一事務次官は辞職すべきだ
詩織さんの告発
詩織さんを応援します
女の出番
セクハラ村長退陣後の村長選に女性立候補

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 ▲写真をクリックしてYoutubeで事件をどうぞ
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by bekokuma321 | 2018-07-31 22:30 | ヨーロッパ

昨日、ニュージーランドは、DV被害者が有給で10日間職場を休めるとする法を可決した。世界で初めての制度だという。

国会の賛否は63対57。法が施行されると、DV被害者は、10日間の有給休暇をとりながら、パートナーと別れて、新居を探したり、自らや子どもを守るさまざまな事をすることができる。

ガーディアン紙によると、法律の成立には、緑の党のヤン・ロギー(Jan Logie)議員の7年にわたる働きが奏功した。下の写真をクリックするとロギー議員の喜びの声を聞くことができる。

ロギー議員は、議員になる前、女性のシェルターで働いていた経験を持っているとか。彼女のような経験と知識と情熱を持ち合わせた女性が、国会議員に当選して、その声が国の制度に反映していくーーこれぞ本物の政治!

この背景のひとつに、20年ほど前、選挙制度を小選挙区制から比例代表制に変えた結果、政治風景が変わったことがある。

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国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」講演録2  
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」講演録1
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」報道2
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」報道
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」宣言
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して④(ふじみつこ)
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して③ (松田典子)
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して②(中山あみ)
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」に参加して① (伊藤由子)
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」韓国
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」ニュージーランド
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」ノルウェー
国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」序
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by bekokuma321 | 2018-07-26 22:12 | アジア・アフリカ

埼玉県で、男性だけの「女性ゼロ議会」は、羽生市だけとなった。前回調査したときは、東秩父村も女性ゼロ議会だったが、その後、2人の女性議員が誕生した。

相変わらず女性議員のいない自治体羽生市に、先日、全国フェミニスト議員連盟の矢澤江美子さん(八潮市議)と、6年ぶりで出向いた。

新宿から湘南ラインで久喜駅に。久喜駅から東武伊勢崎線に乗り換えて、1時間半。6年前に訪問したときも、猛烈に暑かった記憶があるが、今夏の暑さはたとえようがない。乗り換えでホームに立っているだけで汗が滝のように流れた。

羽生の住民に、羽生の土地柄や、候補がどんなふうに決まっていくのかの慣行、NPOの活動が活発なことや、次の選挙における女性候補の予想などを聞いた。

「昔から、地区ごとに男性が立候補することになっているようだ」「女性は政治や議会について話題にすることはほとんどない」「子育てや、健康づくりなど、女性のグループはいくつかあり、活発な活動をしている」「何か家族に問題が起こらなければ、市の窓口に相談に行くこともなく、市政に関心を持つことはないのでは」「市民の多くは、割と住みやすいところだと考えており、たいして不満を持っていない」「老朽化したゴミ処理施設をどうするかは政治テーマのひとつだ」

羽生市は、人口5万5千人。市政のテーマは、少子化や健康維持、学校の給食問題、ごみの出し方、離婚家庭の子どもの支援などだ。どれひとつとっても女性の暮らしに直結している。議会の半分に女性議員が座ってもいいくらいだ。

それなのに、審議決定する場に、女性議員が誰もいない(下写真)。なんという不条理。

来年の統一地方選には、市政の重要分野である子育てや教育に関わる当事者ーー子育て中の女性ーーから議員がもっと出るべきだ。それを進める責務が行政にもあると「候補者男女均等法」は言う。

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▲羽生市議会は男性のみ。行政の側にも女性は見えず、議場はまるで女人禁制のようだ。市の人口は55000人(同市ホームぺージより)

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▲羽生駅。気温37.9度

千葉県の女性議員17.5%、女性ゼロ議会2つ
「女性ゼロ議会」のみよし市に女性議員を!
女性議員の割合@愛知県
速報「女性ゼロ議会」長野県川上村訪問記
「候補者男女均等法なんて知らない」(長野県下諏訪)
長野県の女性ゼロ議会撲滅&女性議員増を求めて(岡田夫佐子)
案内「候補者男女均等法ができた!さあどうする?」
候補者男女均等法は我々が望んでることではない(長野県自民党)
「政治分野における男女共同参画推進法案」可決
徳島県北島町「女性ゼロ議会」脱出なる
4月7日(土)は奈良に行こう!
女性ゼロ議会をなくそう!(岐阜県関市)
藍住町長・町議会議長に謝罪要請(フェミ議連)
報告「なくせ女性ゼロ議会 増やせ女性議員@群馬」
政界への女性進出を促す法案、国会へ
今治市に女性議員誕生
女性ゼロ議会「栗原市」を訪問して
女性ゼロ議会、5議会にひとつ
サロン下諏訪にて女性と政治談議
女性議員日本一の影に女衆(おんなしゅう)あり!
アテネ宣言

【2018.7.24 更新】
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by bekokuma321 | 2018-07-23 15:12 | その他

千葉県に現在、女性議員はどのくらいいるのだろう。

市民ネットワーク千葉県の田中紀子木更津市議が調査した(下図)。田中議員は、女性議員増を目的に活動する全国フェミニスト議員連盟会員でもある。

千葉県内の市町村議員1166人のうち女性はわずか 204人で 17.5% だ。女性議員は5,6人に1人しかいない。男性議員だらけの「女性ゼロ議会」も長生村と御宿町、2つ残る。

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▲オール・メンの千葉県御宿町議会(同町ホームページより)

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   ▲オール・メンの長生村議会議員による村民向け報告会(同村ホームページより)
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by bekokuma321 | 2018-07-21 10:35 | その他

1889年、狛江市の前身狛江村が誕生した。以来129年間、常にそのトップに君臨したのは男性だった。そろそろ女性にバトンを渡す時ではないか。

6月4日、狛江市の高橋都彦市長(当時)は辞職した。市議会議長に「一身上の都合」と理由を記した辞職願を提出したという。市長欠席のまま、議会は市長の辞職願いを認めた。辞職後に記者に配布された市長の文書にはこうある。

「今回、勇気ある女性職員から実名でのハラスメントの抗議文を受け取り、市政をこれ以上混乱させてはいけないという思いから辞職を決意した次第です。
 相手方がハラスメントと受け止められているのであれば、その行為はハラスメントとなります。これまで私の言動で、ハラスメントと受け止められた職員に対しまして、この場をお借りいたしまして謝罪いたします」

報道によると、市長は一貫して「セクハラと認識できるものはない」「身に覚えがない」などとセクハラ行為を否定してきた。ことここに至っても、セクハラをした事実を認めてはいない。そして辞職するのは、市政を混乱させてはいけないから、だという。つまり、不法行為をしたお咎めのないまま、ボーナスと退職金あわせて約1000万円の公金をちゃっかり懐に入れて、市長は市を去った。

ふつふつとわいてくる憤りを抑えられない。

狛江市もセクハラ防止指針や規則を持っている。本来なら被害者の相談窓口⇒苦情処理委員会⇒加害者を処分、となる。ところが、2014年、市の相談窓口に訴えた女性たちへの加害者・市長は、野放しにされた。

「総務部長から企画財政部長と副市長に伝えられ、加害者側に『副市長からやんわりと言う』」と内部文書に記載されていたそうだ。呆れかえる。こんな環境のもとで、狛江の女性たちは、じりじりと市長を追い詰めてきた。よくぞここまであきらめず闘ってきたと思う。本当にあっぱれだ。

市長によるセクハラ被害を市の相談室に訴え出た女性たちーー

相談内容を公開請求して、”黒塗り公文書”から市長の疑惑を議会で追及した女性議員ーー

セクハラ疑惑解明を求める声明文を市長に手渡した超党派の女性議員6人ーー

満を持して市長のセクハラ行為を実名で訴えた女性職員4人ーー

「加害者は市長」とする組合ニュースを発行し、「組織内の自浄作用はほとんど機能していない」と指摘した職員組合も立派だった。

セクハラーーセクシュアル・ハラスメントーーは、支配する側が支配される側に「このくらいどおってことない」として行う性的脅かしである。卑劣で野蛮な行為だ。下にいる者(多くは女)は吐き気を催すほど嫌でも断りにくい。それをいいことに行為はさらにエスカレートする。被害者は、出口のない苦しみをかかえて、休みがちになったり、退職に追い込まれたり、精神に異常をきたすこともある(三井著『セクハラ110番』集英社)。

セクハラは、働く女性の誇りや自尊心を深く傷つける重大な人権侵害であり、女性から働く意欲を奪う労働権の侵害である。

市長が去って空席となった狛江の市長選に田中とも子さん(下)が立候補した。セクハラ退治をがんばってきた女性議員の一人だ。安心して働き続けられるセクハラのない環境をつくることを、ひっさげて。

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          ▲田中とも子ホームページより

麻生退任とセクハラ禁止規定を求めて抗議
福田淳一事務次官は辞職すべきだ
女の出番
セクハラ村長退陣後の村長選に女性立候補
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by bekokuma321 | 2018-07-20 23:57 | その他

7月18日、愛知県みよし市の集会場で、「女性を議会に!ネットワーク 出前講座 in みよし」という会合があった。この、みよし市は、朝日新聞が7月11日に報じた愛知県内唯一の「女性議員ゼロ市」だ。人口は約6万人。

主催は、略称「議会ネット」と呼ばれる、市民と無所属・市民派議員の団体。代表は白井えり子日進市議会議員。名古屋周辺市町村の現職女性議員や、みよし市の元女性議員などが参加した。

同会会員岡田ふさ子さんから、会合の報告が寄せられた。岡田さんは全国フェミニスト議員連盟さみどりの会に属して、女性議員増に活動している。

―会合の内容は、この会は無所属市民派に限定しているため、なぜ市民派議員か、に始まり、議会になぜ女性が必要なのか、無所属市民派選挙はいくらかかるかなど。現職女性議員が作成したレジュメにそって、解説され、それに基づいて意見交換があった。

―「候補者男女均等法」施行を追い風に、「みよし市」を「女性ゼロ議会」から脱出させたい、との声がいくつもあがった。

―「最後は家族の反対にあった」(朝日新聞2018.7.11)ため、立候補を断念したみよし市の女性も参加していた。彼女を支援したいと言う人も何人かいて、「家族への接触、説得も含め、あきらめてはいない」という発言があった。

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 ▲人口6万人の愛知県みよし市の議会。まるで男子校の同窓会のようだ(写真は同市ホームページより)

速報「女性ゼロ議会」長野県川上村訪問記
「候補者男女均等法なんて知らない」(長野県下諏訪)
長野県の女性ゼロ議会撲滅&女性議員増を求めて(岡田夫佐子)
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政界への女性進出を促す法案、国会へ
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by bekokuma321 | 2018-07-19 14:02 | その他

7月18日付けガーディアン紙によると、スペイン左派政権は、強姦事件におけるあいまいさをなくすために、「セックス同意法」を提案する予定だという。

新法では、「いやよはイエスの意味」ではなく、「イエスの意味はイエスのみ」となる。セックスへの同意は、明白でなければならないとされる。対して、沈黙など他の対応はすべて「ノー」と解される。よって明らかな同意のないセックスは、強姦とみなされる。

すでにスウェーデンで成立した「セックス同意法」と似たものになるらしい。

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       ▲スペインの男女平等推進ポスター

Spain to introduce ‘yes means yes’ sexual consent law
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by bekokuma321 | 2018-07-18 23:01 | ヨーロッパ

元外相トールヴァル・ストルテンベルグの訃報が届いた。ノルウェー国民の尊敬を集めてきた政治家で、NATO事務総長の前首相イェンス・ストルテンベルグの父親でもある。心からお悔やみ申し上げる。

訃報に接して、ノルウェー初の女性首相グロ・ハーレム・ブルントラントは「その前向きで豊かな人生を考え、私は、感謝の念と幸福感に満ちあふれています」と語ったと報道されている。

彼の妻カリン・ストルテンベルグは、余り知られていないが、ノルウェーの家族・男女平等政策の土台をつくったフェモクラット(femocrat)だ。妻カリンが亡くなったのは、2012年秋。その直前、私は彼女に単独インタビューをする機会に恵まれた。その時、仲睦まじい二人の写真を撮影した。左がトールヴァル・ストルテンベルグ、右がカリン・ストルテンベルグ。

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カリン・ストルテンベルグについての記事は、ノルウェー王国大使館HPに掲載された。現在、HPにはなさそうなので、夫妻の思い出を胸に、原稿を掲げる。彼女の進めたノルウェーの「家族政策=男女平等政策」は、2018年の日本にこそ必要だと考えられるから。

●●● 第1回 男女平等政策の礎を築いたカリン・ストルテンベルグ 上 ●●●

3%から90%へ

「1972年、私は、家族・消費問題省職員のトップでした。その省内に、家族・男女平等セクションがありました。でも、吹けば飛ぶようなセクションでしたね」。こう言って、カリン・ストルテンベルグ(1931年~)は、カラカラと笑った。

いま、年金生活を送るカリンは、国家公務員だった時代に、ノルウェーの家族・男女平等政策の骨子をつくった人物として知られる。現首相イエンス・ストルテンベルグの母親、元外相トールヴァル・ストルテンベルグの妻としても有名である。オスロ市内にあるストルテンベルグ家応接間でインタビューした。

――どうやって、前人未到の政策を編み出したのですか。
「当時、家族・消費問題省の大臣はインガー・ルイ―ズ・バーレ(Inger Louise Valle)でした。その大臣が、『女性たちのために、男女平等を進める家族政策づくりをしてほしい』と事務方の私に頼んできたのです。私は『家族政策? 何でしょうか、それは?』と聞き返してしまいましたよ。私は何も知らなかったのです。すると大臣は『私もわからないけれど、それを必要とする大勢の女性たちがいることだけは確かでしょ。とにかく、働きたい女性が外で働き続けられるような政策を考え出してください』と言うんです。でも、当時の家族・消費問題省には、そんな分野を受け持つ職員がいなかった。そこで私は大学生を臨時に雇って、彼らと議論を重ねた。その結果、家族政策白書ができたのです」

――それが、後に世界のお手本になるノルウェーの男女平等政策や家族政策のスタートだったのですね。その白書の内容を覚えていらっしゃいますか。
「どうしたら両親がともに外で仕事を続けながら子どもや家族の世話をできるようにするか、についての提言でした。とりわけ、子どもがいる女性が仕事を続けられるようにするためには、どうしたらいいのか。その具体策を提案しました。最優先課題は、保育園の建設。70年代はじめのノルウェーでは、子どもたちのたった3%しか保育園に入れなかったのですよ」

――今、ノルウェーでは、子どもの90%近くが保育園に通っていますね。70年代に3%だなんて、30%の間違いではないのですか。
「いいえ3%です。ですから、保育園の建設を最重要課題にあげたのです。次の重要政策は、小さな子どもを持ちながら働く親に、特別な権利を与えたこと。一に親休暇の導入、二に子育てのための就業時間の軽減、三に子どもが病気になった時の親の有給休暇、四が子どもを持つ親への現金給付増額、五が男親に家に早く帰ってもらうための政策……」

――既存政策への挑戦ですね。国会は荒れたでしょうね。
「保守派政党は、『女性が男性と同じように外に出て働いたら、子どもはいったいどうなるのだ』と強く反対しました。それには、『大丈夫。両親ともに家庭に早く帰れるようにすればいいのです』と反論しました」

――政策の実行に必要な財源はどうしたのですか。
「この家族政策は実にお金がかかりますから、少しずつゆっくり前進させました。つい最近まで、ざっと40年もかかりました。最も強く推進してきた政党は労働党ですが、他党も、政策推進派に変わってきました」

――あなたは、この白書で、妊娠中絶の決定は女性の意思による、との提言もしました。
「反論続出。私は、まるでリンチにあったようでした。質問に答えるための回答案を何百も用意しました。諸外国を調査し、『妊娠中絶を合法化しない社会』は『妊娠中絶のない社会』ではなく、『違法で不衛生な妊娠中絶が横行する社会』にすぎないことを証明しました。危険な闇中絶によって、おびただしい数の女性が死亡したり、致命的傷害を受けたりしている恐怖の現実をつきつけました。

――当時ノルウェーでは、医師による委員会が中絶の是非を判定する、となってましたね。
「もしも中絶が人道にもとる行為だとするなら、医師が決めようと、女性が決めようと同じでしょ。ですから、しだいに議論の焦点は、妊娠中絶を決めることができうる最適の人は誰か、に移行してきました。そこで、私たちは、『妊娠中絶をするか否かを決める最適の人物は女性自身である』という自信に満ちた文章を書きました。医師による委員会がたかが30分ほど女性から話を聞いて判断するより、妊娠した女性自身のほうがずっと確実な判断をしますよ。これ、当たり前でしょ」

――国連の後押しもありましたね。
「1975年、メキシコで開催された第一回国連世界女性会議に、私はノルウェー代表として出席しました。国連には、世界ナントカ年、国際ナントカの日とか、たくさんありすぎます。ですから世界女性会議も、開催前は関心を呼ばなかった。ところが、開けてみたら世界のマスメディアが注目しました。ノルウェーでも、大きく報道されました。それ以来、男女平等のテーマはノルウェーの大事な政策なのだ、と考える人が増えてきたのです」

――女性の政治家が増えたことも関係しますか。
「政策決定の場に女性が増えたことが決定的でしたね。1986年、グロ・ハーレム・ブルントラント首相は、組閣の際、初めて女性を40%以上にしました。有名な、あの“女の内閣”です。その時の防衛大臣の男性が、『おー、なんてこった! 内閣で保育園のことを議論しなければならなくなった』と嘆きました。彼に限らず多くの男性大臣たちは『保育園? そんなバカなこと』と思ったのでしょうが、もうそんな発言は、時代遅れになったのです」

――女性大臣が増えることによって、女性の関心事が国の重要政策になるいい例ですね。
「労働党は次の選挙で負けて、保守党に政権を譲った。保守党はクオータ制には反対でした。ところが、保守党政権に変わっても、やはり大臣の40%は女性だった。すでに『40%の女性大臣』が当たり前になっていたので、もしも女性を1人、2人しか入閣させなかったとしたら、国民の失笑を買うと思ったのでしょうね。以来、どの政党が政権をとっても、内閣大臣の40%以上は女性です。

(雲ひとつないいい天気の日だった。窓の外に目をやりながら、カリンは続けた)
あなた、この近くのビーゲラン公園を散歩してごらんなさい。たくさんのパパたちが、子どもをベビーカーに乗せて時間を過ごしていますよ。父親が“パパ・クオータ”を10週間取れるからです。その10週間は父親に割り当てられた有給休暇です。母親には代行できません。育児を楽しむパパの姿、これは、40年前の家族政策の大きな成果なのです」
 
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▲ビ―ゲラン公園

 (Moreに続く)

More
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by bekokuma321 | 2018-07-15 11:50 | ノルウェー

女性議員の割合@愛知県

朝日新聞は、7月11日、愛知県の女性議員の割合を調査報道した。もっとも女性議員が多いのは、43.8%の東浦町議会。北欧並だ。

一方、県議会は、102人中女性はわずか8人。女性380万人の代表としてはあまりに少なすぎる。割合にして7.8%。全国平均10%を下回る。また県都名古屋市議会にも、女性議員は2割しかいない。

さらに男性議員のみの「女性ゼロ議会」は4市町村。たとえば62000人を擁するみよし市の議会は20議席だが、男性だけがズラリ(写真最下)。

記事を提供してくれたのは、岡田ふさ子さん。全国フェミニスト議員連盟さみどりの会など市民団体で、女性議員を増やす運動を続けてきた。岡田さんは、記事を見てこう思ったという。

「『候補者男女均等法』が施行されたおかげで、新聞社も本腰を入れて調査してくれるようになった。これまでベールに包まれていた、愛知県内の各議会の男女比が、わかりやすい一覧表になった。いかに、決定の場に女性が少ないか、一目瞭然!」

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 ▲朝日新聞愛知版2018.7.11


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▲まるで女人禁制のような愛知県みよし市議会(同市ホームページより)

速報「女性ゼロ議会」長野県川上村訪問記
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by bekokuma321 | 2018-07-15 09:03 | その他

国民の目が未曽有の災害に注がれている真っ最中、政治の根幹である選挙制度の改変が決まった。

「一票の格差」を改正すると称して、参院の議員数を6議席増やしたのだ。参院の特別委員会委員35人のうち、22人の自民、公明委員による多数決だった(写真)。

「一票の格差」の是正は、最高裁の要請だ。ところが3年前、合区によってお茶を濁してしまった。そのため国会は、2019年の参院選には「選挙制度の抜本的な見直し」をすると約束していた。

「抜本的な見直し」というからには、すべて比例代表制選挙に変える方法があった。そうすれば、一票の格差はただちに解消される。女性議員も増やせる。

少なくとも比例区枠を増やしたうえで政党を選ぶ選挙にして、政党の候補者名簿の半分を一方の性にする、という英断をすべきではなかったか。それこそ、自民・公明も賛成して成立・施行された「候補者男女均等法」の趣旨だ。そうすることによって、参議院は、あまりにも女性議員の少ない衆議院とは一味違ったものとなる。

しかし今回も小手先の手直しだ。6人増のうち、2人は埼玉選挙区に増やして、議員1人当たりの有権者数を少し減らすのだという。とはいえ、絶えず大都市への人口の移動があるのだから、こんな変え方なら何度変えても一票の格差は解消されないだろう。

6人のうち4人は比例区の定数を増やすのだという。選挙区に擁立できなかった県の候補をここにあてはめて、合区で高まった自民党内の不満解消をはかるためらしい。とんでもないことだ。一票の格差是正とも関係ない。各紙も厳しく批判する。

「民主主義の土台である選挙制度を、自党の都合を優先して強引に変えることが許されてはならない」(東京新聞)

「あからさまな党利党略だ」(信濃毎日)

「伊達忠一参院議長も調整の任を放棄し、各党にそれぞれの案の提出を求めただけだ。無責任きわまりない」(朝日)

「抜本改革からは程遠く、党内事情による『自己都合』が目立つ」(毎日)

参院は、衆院と同様、選挙区と比例区に分かれていて、73人は選挙区、48人は比例区で選ばれる。選挙区選挙は都道府県単位で、前回「鳥取・島根」と「徳島・高知」が合区となった。大都市などを除いた多くは、1人しか当選できない小選挙区制選挙だ。一方、比例区の選挙は全国ブロック。こちらは医師会など大組織をバックに持つ人か、スポーツヒローしか目はない。どちらも、ミニ政党は勝ち残れそうもない。

「選挙は主権者である国民の意思が反映された国会をつくるためにある」--石川真澄の言葉だ(『堕ちてゆく政治』)。しかし、これじゃ「選挙は政治家の稼業を続けるためにある」だ。

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▲参院政治倫理・選挙制度特別委員会。自民、公明が賛成の起立をしている。数少ない女性議員のうち、野党席から1人起立している右端の女性は中山恭子議員(希望の党、日本会議国会議員懇談会)(2018.7.11)

国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」報道2
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比例代表制は男女格差を縮める(世界経済フォーラム2017)
女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」
比例代表制は女性や弱者が当選しやすい
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by bekokuma321 | 2018-07-12 00:08 | その他