カテゴリ:ノルウェー( 615 )

ノルウェーを伝える英字新聞『ノルウェー・ポスト』は、10月10日、オバマ大統領の受賞への反応を掲載した。

すべて批判的な意見ばかりだった。しかし全員、アメリカの読者である。要約する。

●ネヴィル・チェンバレン賞とでも、名称変更したらどうだ。オバマにはそのほうがふさわしい

●オバマは、アメリカにも世界にも、まだ何もしていない。言葉だけではないか

●オバマは、ただ、左に傾いている社会主義者や、イスラム教徒の味方たちを駆り立てるような演説をしているだけだ

出典http://www.norwaypost.no/content/view/22607/26/
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by bekokuma321 | 2009-10-13 03:24 | ノルウェー

ノーベル平和賞、小話

ノルウェーの「アフテンポステン」紙によると、さっそくイェンス・ストルテンベルグ首相は、オバマ大統領に電話をし、お祝いをしたという。オバマ大統領に12月10日、オスロで開催されるノーベル平和賞授賞式に出席できるかと尋ねたところ、その意向だと答えたと、報道されている。

「受賞者はオバマ大統領」と発表し、一瞬、世界中の注目をあびたのはノーベル委員会のトルビョルン・ヤーグラン委員長だ。報道陣から「就任間もない大統領がなぜ?」という質問が、彼に矢のように飛んできた。それに対し、「就任以来これまで成し遂げてきたことを評価した。さらに、受賞が、今後の大統領の仕事をバックアップすることになればと期待している」と答えた。

ヤーグラン委員長は、労働党の元首相で、後、国会議長となった。ノルウェー政界のリーダーだ。初めて首相になるとわかったときの第一声が「妻に電話して、首相になっていいかと聞いたら、ちゃんと家のこともしてくれるならいいと言った」という意味のことを言っていた。ヘーッ、と驚いたことを記憶している。根っからの労働組合員。首相時代、挨拶の冒頭、「同志の皆さん」と呼びかけることが多く、私はついつい笑ってしまった。

ちなみにイェンス・ストルテンベルグ首相は、80年代、息子が生まれたとき「パパ・クオータ」をとった国会議員。当時は、まだとても珍しかった。

ノルウェーの女性たちの力強さに、感心することが多い一方、その傍にいる男性たちの優しさにも感動する。そんなノルウェーが、ノーベル賞の平和賞を選ぶ。
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by bekokuma321 | 2009-10-10 02:52 | ノルウェー

c0166264_22541220.jpgノルウェーのノーベル平和賞委員会のヤーグラン委員長は、2009年のノーベル平和賞受賞者がオバマ大統領に決まったと、発表した。核廃絶の国連決議にいたる並々ならぬ国際的交渉力が、評価された最大の理由のようだ。

授賞式は、12月10日、オスロ市庁舎で行われる。ノルウェーの報道では、ケニアで働いているオバマ大統領の妹アウマ・オバマは、来週、テレビ出演のためノルウェーにやってくる予定。

c0166264_22542992.jpghttp://nobelpeaceprize.org/en_GB/home/announce-2009/
http://www.nrk.no/nyheter/nobels_fredspris/1.6810805
http://frihet.exblog.jp/9882517/
http://frihet.exblog.jp/9848280/

写真はオスロ市庁舎ホールの壁画。労働者やレジスタンスの闘いが、広い壁一面に描かれている。ここで、12月10日、ノーベル平和賞授賞式が行われる。

オスロ副市長アウド・クヴァルベインAud Kvalbeinのスピーチに出会わせたことがある。オスロ市庁舎ホールについて、彼女は、こんなエピソードを披露した。

「12月10日に、オスロ市庁舎でノーベル賞受賞式を行います。とても名誉に思っています。それだけではありません、。このホールに、クリスマスの時、ホームレスの人たちや売買春婦、アルコールやドラッグ中毒の人たちが招待されるのです。招待するのは国会議員です。私は、このことを誇りに思っています。今でこそ、ノルウェーは裕福な国に生まれ変わりましたが、私たちはとても貧しい国だったのです。そのことを忘れてはならないと思っているからです」

お正月に、東京都庁舎のホールに、ホームレスや性産業で働く女性たち、麻薬・アルコール中毒の人を招待して、おせち料理をふるまうようなものだ。そう考えると、とてもとても信じがたい。平等への強い思い、それを実践する強い意志がなくては、とてもこのようなことはできない。
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by bekokuma321 | 2009-10-09 19:34 | ノルウェー

世界一住みやすい国ノルウェーについて、もうちょっと知りたいという方、こんなセミナーがあります。お時間がありましたらどうぞ。申し込みは不要です。ふらりとおいでください。

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主催:みどり千葉
後援:ノルウェー王国大使館

ノルウェーは世界で最も住みやすい国の一つです。世界で最も男女格差の少ない国でもあります。ところがそのノルウェーも60年代までは、既婚女性の10人に9人が家にこもって家事育児をしていました。それが今日のような社会に変わった背景には、女たちの長くて厳しい道程があります。ノルウェー民主主義の原点である地方自治体の政治や選挙制度を学び、日本の未来を考えます。

日時:2009年10月17日(土)15:30
会場:千葉県松戸市民会館 301会議室  〒271-0092 松戸市松戸1389-1
   電話047-368-1237  Fax047-366-3344    
   http://www.morinohall21.com/kaikan/kaikan.htm

問合せ先
みどり千葉( みどりの未来の関連団体)共同代表 武笠 紀子 武藤 邦芳
〒270-0092 千葉県松戸市松戸1879-24 ほくとビル5F
TEL : 047-360-6064
携帯: 090-2445-6111(田口房雄)
E-mail : BCB12780@nifty.com (武藤)
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by bekokuma321 | 2009-10-08 21:14 | ノルウェー

今晩、8時、おもしろそうなテレビ番組がある。

未来への提言「世界一囚人の少ない国からの報告」(NHK)だ。世界一囚人の少ない国とは、ノルウェーのこと。詳しくは、http://www.norway.or.jp/news_events/2009/NHK+Nils+Christie.htm

それで、思い出したことがある。この夏、ノルウェーに総選挙の取材に行った折、目を丸くして驚いた記事だ。重要な人権問題なので紹介したい。

9月初め、ノルウェーに到着した私は、国際プレスセンターのパソコンで、選挙の特集記事を片っ端から通読した。

NRK(ノルウェー放送協会)の「2009選挙」を見た。NRKで放映された番組のインターネット版だ。両腕に大きな刺青をした男性がまっすぐこちらを見据えて写っていた。8月24日付けだった。

男性はビュルナール・ダール、43歳。辞書を片手にさらに読み進んだ。ビュルナール・ダールは、窃盗罪で、4年9ヶ月の服役中の身だった。盗んだのは、Amphetaminesというドラッグ(いわゆるヒロポン)。30年近くその薬を常用しており、1984年に初めて逮捕されて以来、何度も逮捕されたという。

私が非常に驚いたのは、3人の政治家が、服役中の受刑者ビュルナール・ダールに、直接、意見を聞くというテレビ番組をNRKが企画し、その企画に刑務所側が応じ、出演を承諾した受刑者がいて、刑務所でのテレビ討論が、放映されたということだ。記事によると、視聴者がテレビ番組中に彼に質問をし、彼がそれに答えるという時間もあったらしい。

刑務所の環境や、受刑者の日常生活、社会復帰更正プログラムなど・・・犯罪問題を討論するには、犯罪専門家や政治家だけでなく当事者からの声を聞くことは大事だ。しかし、当事者の声を聞くために、NRKのカメラが、刑務所に乗り込んだということに私はうなってしまった。麻薬常用者で何度も逮捕歴がある受刑者が、真正面からカメラに向かって意見を述べたことにも、驚いた。

ビュルナール・ダールは、お茶の間でテレビを見ている人たちに向けて、こう言う。
「人間を閉じ込めておくことは役に立ちません。座りっぱなしでハンガーのペンキ塗りを続けることも、板に釘打ちをし続けることも役に立ちません。何か、意味のあることをしたいのです。ここにずっとはいません。僕も外に出ます。あなたはどういう隣人を持ちたいかを考えてください。ずっと刑務所の中で社会から閉ざされた環境にいた人か、それとも、普通の社会と変わらない環境で、何か仕事をしたきた人か」

背景には、ノルウェーで“極右”とされている進歩党が、犯罪を減らすには厳罰主義でゆくべきだと提案し、進歩党支持の高まりとともに、「犯罪問題」が選挙の重要な争点となったことがある。9月14日の選挙結果は、既報のとおり、労働党を中心とした中道左派政権の続投となり、進歩党は政権をとれなかった。

私は、市民と政治家の距離が近い国ノルウェーに感銘を受けてきた。今回、私は、市民と受刑者との距離も近いのだな、とあらためて感銘を受けた。

今晩、日本で放送される内容は私にはわからない。でも、「世界一囚人の少ない国」を作り上げたノルウェーの刑務所は、日本とは比較にならないほど開かれている、と想像はできる。


■NRK(ノルウェー放送協会)URL
http://www.nrk.no/nyheter/innenriks/valg/valg_2009/1.6743072
(刑務所でビュルナール・ダール受刑者と、3人の政治家たちが隣に並んで討論している写真や、討論中の録画が見られる)

■囚人に限らず人間の隔離拘束は撤廃していくべきだ。日本では精神に病を抱える人の隔離も大問題。http://okumakazuo.com/index.php
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by bekokuma321 | 2009-10-01 18:56 | ノルウェー

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9月14日投票日の深夜。ノルウェーの主要政党の党首が、国会に全員集合して記者会見に臨む。NRK(ノルウェー放送協会)が国会から全国に生中継。党首7人中4人が女性だ。


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9月14日投票日夕方のノルウェー国会。169議席に座る議員を待つ。


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9月14日午後8時ごろ。ノルウェー国会前に陣取るTV放送車。深夜までかかる当落結果にそなえて、TV局が数々の番組を組む


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9月14日朝、一番のりの投票者の一人。オスロ市庁舎にもうけられた投票所


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9月14日、朝、投票用紙を待つオスロ市庁舎の投票箱。報道記者が世界中からオスロ市庁舎にやってきて、投票光景を取材する。。投票所によって箱は異なる


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9月14日、投票ブース内におかれた投票用紙。政党ごとに区分けされた棚に、政党候補者リストがならんでいる。その政党候補者リストが投票用紙となる。上のはり紙には、「あなたは、政党の決めた候補者の順番を変えることができます・・・」などと書かれている。


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9月14日、投票時間前。オスロ市庁舎前に立って、候補者リストを配布する女性。環境党のリスト一番目の候補者だという。「ノルウェーでは一議席もありません。でも他のヨーロッパ諸国では強いんですよ」。最後まであきらめず、一人で配布をしていた若い女性の姿に心打たれる。


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9月12日朝。主要紙アフテンポステンの見開き両面広告、「男女賃金格差是正の公約」を見る読者。


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9月12日朝。主要紙朝刊に載ったノルウェー看護協会の広告。全政党の党首による、「男女賃金格差是正の公約」が、顔写真とともに紹介されている。(写真:ノルウェー看護協会提供。FEM-NEWSが許可を得て転載)


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9月11日夜。NRK(ノルウェー国営放送)の政党討論会。選挙キャンペーンを終えた8党首が登板。党首は、男4人、女4人。キャスターも男女一人ずつ。党首の後ろに座っている人たちは市民代表。早いもの順でくじびきで選ばれたという。


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9月11日、ヘードマルク県のローテン市の選挙テント通り。赤いテントは労働党。横でほほ笑むTシャツの女性は、この市の市長。右の草色のテントは自由党。


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9月11日、最後の選挙運動をしているのは、現職の法務大臣クヌート・ストールベルゲ (赤と白の縞模様のシャツの男性)。自分の政党のシンボルであるバラの花を通行人に配布しながら、「労働党を、よろしく」。選挙テントが政党ごとに後方に並んでいる


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9月11日、朝。ヘードマルク県のレーナ市の選挙テント。左はじの白い小さなテントは中央党。真ん中の赤テントが労働党。右はじが左派社会党。


もう少しノルウェー選挙を知りたいかたは:

■ノルウェー選挙で約束された賃金の男女平等
―「福祉を支えているのは女性たち」との理解ひろがる
http://janjan.voicejapan.org/world/0909/0909230685/1.php

■ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」
―移民排斥の進歩党は警戒され、社会民主政権が続投へ
http://janjan.voicejapan.org/world/0909/0909170335/1.php

■ノルウェー総選挙は「男女賃金格差の解消」が最大の争点
―ノルウェー女性の賃金は同国男性の85%、日本女性は66%!
http://janjan.voicejapan.org/world/0908/0908178849/1.php

■投票期間なんと2ヶ月半、ノルウェー国政選挙始まる
―全人口の1割占める移民「新ノルウェー人」の投票率向上へ
http://janjan.voicejapan.org/world/0907/0907106705/1.php
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by bekokuma321 | 2009-09-28 18:47 | ノルウェー

■ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」
移民排斥の進歩党は警戒され、社会民主政権が続投へ

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ノルウェー国民は9月14日の総選挙で、中道左派政権の続投を選んだ。労働党、左派社会党、中央党の3党による連立政権は、2013年まで国民生活のかじ取りを続けることになった。

女性議員は2人増え66人。169議席中39.1%だった。男女平等・差別撤廃オンブッドは、さっそく、「女性は半々であるべき。39.1%ではまだまだ少ない」と声明を発表した。同オンブッドは、女性や移民など人種差別をなくし平等をすすめるオンブズマン。大臣と検察官を足して2で割ったような国家機関。

c0166264_18095.jpg今回の選挙では、破竹の勢いの進歩党(極端な右派)がどこまで票を伸ばすか、それにともなって政権が中道左派から保守に移るのではないか、と騒がれた。隣国スウェーデンやデンマークのように保守中道政権が誕生するのではないかとの憶測も飛び交った。でも、ノルウェー国民が選んだのは社会民主政権だった。

つづきはインターネット新聞JANJANを
【JANJAN編集部からのお知らせ】<世界> ・ノルウェー総選挙女性議員39%でも「少ない」 ノルウェーで先ごろ行われた総選挙では女性議員がさらに増えて39%を超えたが、クオータ制が目標とする40%にはまだ達しないうえ、男女平等オンブッドは「男女は半々であるべきだ」と不満なのだという。やはり総選挙が行われたばかりの我が国は10%台前半でしかないことと比べ、夢のような話だ。こういう国もあると、日本人の狭い視野を広げてくれる優れたルポ2009/09/18
http://janjan.voicejapan.org/world/0909/0909170335/1.php

写真上は、9月14日と15日の間の深夜のノルウェー国会議事堂。大勢が判明した後、主要政党7党首が国会に集まり記者会見に臨む。NRK(NHKにあたる)が全国に生放送中継中。左翼から右翼までそのイデオロギー順に左から右に座っている点がおもしろい。左から左派社会党(財務相)、労働党(首相)、中央党(国土交通相)、自由党、キリスト教民主党、保守党、進歩党。主要7政党のうち4党が女性党首というのもおもしろい。写真下はNRK作成の国会政党別議席。赤(労働党)、濃赤(左派社会党)、緑(中央党)、黄(キリスト教民主党)、黄緑(自由党)、青(保守党)、濃紺(進歩党)、えんじ(他)。
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by bekokuma321 | 2009-09-20 13:42 | ノルウェー

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ノルウェーは、左派中道政権が続投することになった。

国政選挙の結果が決まったのは、深夜。過去4年間、政権を担ってきた労働党、派社会党、中央党の3党が過半数を制した。

世論調査は、スウェーデンやデンマークに足並みをそろえ、ノルウェーも保守政権に交替か、と予想されていた。しかし、ノルウェー国民は、今後4年間、政権のかじ取りを現政権に任せることを選んだ。

左派陣営、右派陣営とも、党首の半数が女性だ。そのため、次期首相と目されていた3人のうち、2人までが女性だった。

今朝、オスロのナショナルセアター駅で聞いた市民の声は:

「私は、オスロ市に勤める公務員です。人間同士の連帯を重んじる労働党が勝利したことを、とてもうれしく思います。進歩党は勢力を伸ばしましたが、労働党の躍進でブレーキがかかったはずです。残念ながら、オスロ市は、進歩党と保守党が大きなパワーを持っていますが、私は、いやですね」(中年の女性)

「IT会社に勤めています。僕はデンマーク人で、オスロに住んではいますが選挙権はありません。でも今日の結果を歓迎しています。デンマークは保守政権に変わりました。僕は、社会福祉サービスの質の低下を危ぶんでいます。サービス低下しないよう、税は少々高くてもかまいません。納税することが社会の責任をあらわすことだと思っています」(若い男性)

「私は、17歳なので選挙はできませんでした。でも、労働党が好きですので、選挙の結果には満足しています」(オスロ近郊の高校に通う高校生。写真)
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by bekokuma321 | 2009-09-15 21:22 | ノルウェー

c0166264_13182887.gif9月8日(火)午後8時、ノルウェーのスクール・エレクション結果が公表された。

381校が参加し、投票率は77%だった。トップは労働党だったが、進歩党の獲得した票とほぼ拮抗。進歩党の強さを見せられた。

http://www.nrk.no/nyheter/innenriks/valg/valg_2009/1.6766056
http://www.nrk.no/nyheter/innenriks/valg/valg_2009/1.6764305
http://www.samfunnsveven.no/skolevalg/delta/liste?aar=2009

P.S. 上記データはNRK(ノルウェー放送協会)による。集計管理をしている団体「社会ウエブ」によると、参加校は396となっている。左表は「社会ウエブ」作成のスクール・エレクション政党別得票率
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by bekokuma321 | 2009-09-09 03:36 | ノルウェー

c0166264_23172083.jpgノルウェーでは、中学・高校生も、国政選挙のたびに毎回、投票をする。「スクール・エレクション」だ。

各学校の投票結果は全て集計され、インターネットを通じて公表される。今年は、明日9月8日(火)午後8時に結果がわかる。

ノルウェーは、法律で、選挙権は18歳以上、選挙の場所も定められているので、スクール・エレクションはもちろん正式の選挙ではない。「模擬選挙」と呼んだほうが、私たちにはわかりやすいかもしれない。

報道によると、今年は、全国のほぼすべての中学校・高校がスクール・エレクションへの参加を表明しているという。

選挙活動の方法は、学校によってさまざまだ。生徒会(生徒議会と呼ぶ)が企画実行にあたる。支持する政党がはっきりしている生徒の代表が、講堂の演壇に並び、大人顔負けに政治討論会をしたり、学校のある地域の政党幹部または議員候補自身が、学校に招かれ、演説会をする場合もある。先生が生徒に「政党事務所で選挙公約を調査してきて、支持政党を決めること」というようなフィールドワークを課し、それに基づいてクラスで政治討論会をし、生徒の投票に結びつける場合もある。

選挙キャンペーンを経て、生徒たちは、学校ごとに投票をする。以前、スクール・エレクションの取材をしたことがあるが、その時訪問したある学校では、職員室に「投票箱」が設置されていた。

おもしろいのは、中高生の選挙結果を政治評論家やメディアも注目し、大きく報道することだ。1週間後に控える本番の投票行動の参考にされるのである。日本で、子どもや女性による「模擬議会」が開かれることがあるが、社会への影響がまったくなく、スクール・エレクションとは雲泥の差だ。

重要なことは、ノルウェーでは、教育現場の政治活動は、生徒の民主主義養成に役立つと、奨励されてきたことだ。

集計管理を担う「社会ウェブ」は、スクール・エレクションを、「政治的ロールプレイである。生徒たちは、実際の行動を通じて、選挙や、政党、選挙事務局について体得し、この国の政治制度がどのように動いているかを知ることになる」と意義を語る。

「男女平等世界一の国」、「世界で最も住みやすい国」の背景には、こうした教育の力がある。

■参考サイト(ノルウェー語)
http://www.nsd.uib.no/index.html
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by bekokuma321 | 2009-09-07 14:23 | ノルウェー