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カテゴリ:ノルウェー( 707 )


ノルウェーのコロナ感染者は、「529日午前0時時点で、8411人」。ノルウェー公衆保健研究所FHIの発表だ。


ノルウェー政府は、312日に厳しい行動制限を出してから、1か月もしない47日、「コロナ感染は制御された」と公表して世界を驚かせた。アーナ・ソールバルグ首相、FHIのカミラ・ストルテンベルグ所長、ベント・ホイエ保健大臣による記者会見だった。FHIは、新型コロナウイルスに関する医学的情報の責任施設。


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▲FHI所長(左から2人目)、首相(左から3人目)、文科大臣(最右)

このニュースは、FEM-NEWSですでに知らせた。さて、なぜ制御されたと発表できたかだが、会見で「1人の患者が平均して何人に感染させるかの数値が0.7と推定された(この数値が1未満だと流行は収まっていく)と述べた」と報道されている(朝日新聞)。


0.7」という数字を出したのはストルテンベルグ所長だ(NRK)。基本再生産(ベイシック・リプロダクション)の数を指す。リプロダクションは、日本で女性運動にかかわってきた人にはなじみやすいかもしれない。女性が生涯に出産することを指し、再生産と訳される。ベイシック・リプロダクションとは、女性が産む女性の数の平均となる。ところが、感染分野では、ベイシック・リプロダクション・ナンバーは、1人の患者が何人に感染させるかを示すことに使われるのだという。略してR0。ノルウェーは、このR0をコロナ感染対策にいち早く活用した。


ここで、ノルウェーのコロナ感染を振り返ってみたい。第1号は、2月、北極圏の町トロムソで確認された。312日、ノルウェー政府は感染拡大防止措置を断行。その行動制限の厳しさは、「戦時中以外では初めて」と報道されている。スーパーマーケットなどの例外を除いてほぼすべての社会的機能が閉鎖され、自宅隔離政策がとられた。移民管理局と警察には、永住許可証のない外国人の対する入国規制権限が与えられ、違反すると、罰金または懲役刑が科される。


しかし、5月末現在、親しい家族や、自身が所有する山荘などへの訪問を希望するEEA市民に、この規則は緩和されている。とはいえ、誰もが自宅隔離を続けなければならず、永住許可証のない外国人の入国は禁止されている。ノルウェー国民の国内旅行は、不要不急の場合を除いてできるだけ避けるように、また、警戒を怠らないこと、とくに社会的距離をとること、20人までなら自宅で集まってもいいが、人と人との間隔を少なくとも1メートルとること、とアドバイスされている。また、すべての国民が新しいコロナ対策アプリをスマホにダウンロードするように奨励されている(批判も多いようだ)。PCR検査は新しいキットが開発され、一日3000人が受けられるようになった。


教育機関だが、すでに511日から保育園を含むすべての学校、「移民・難民インテグレーション(社会的包摂)センター」をはじめ成人教育の場も再開された。615日にはすべての生活が元通りに戻る予定だそうだ。しかし、大人数が集まるスポーツ大会、ロックフェスティバルなどの行事は91日まで禁止される。旅行制限は820日まで続くらしい。


報道された情報やそれにかかわる画像・動画を見る限り、以上のようなノルウェーコロナ防止の政策立案に、多くの女性が積極的にかかわって、しかも指導的役割を果たしていることは明白だ。


ジェンダーの視点は、国内にとどまらない。5月6日には、コロナ禍とジェンダーに関する国際的動きの旗振り役をした。コロナ禍は、女性の健康と権利に深刻な影響が与えていることを踏まえ、ウルスタイン国際開発相は、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の保護と、ジェンダーに敏感であるようにと国際協力を呼びかけた。この共同声明には、「コロナ感染の影響は、女性と男性で異なっています」と明記されている。世界59ヵ国政府がノルウェー政府の呼びかけに応じた。日本政府の名もあったが、なぜか日本政府はあえて、この件を国内で広めていないようだ(要点はジョイセフHPに日本語訳あり)。


こうしたノルウェー政策の背景には、1980年代から、政策決定の場は「男女比を40%から60%に」というクオータ制を実行してきたことがある。たとえば内閣。政権の交代があっても、女性大臣数の後退はなかった。現在も女性大臣40%だ。女性だからコロナ政策の実行力があるとは思えないが、女性が極端に少ない決定の場から、命や暮らしに直結した”いい政策”は出てこないだろう。


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▲法務大臣、通商産業大臣、首相、外務大臣(左から右へ)


【写真はすべてノルウェー政府のネット情報より】


Norwegian Prime Minister Reveals Why They Have Been Successful in Lockdown | Good Morning Britain (Youtube)

The governments plan for reopeninig norwegian society and easing the coronavirus restrictions

Data on how Norwegians move between municipalities allow for a finetuned model of calculating the spread of coronavirus

コロナウイルス:意外!スウェーデンのコロナ行政(「叫ぶ芸術」)

コロナウイルス:移民女性センターに王妃から応援電話(ノルウェー)

コロナウイルス:ノルウェー憲法記念日行事は中止に

コロナウイルス:ノルウェー緊急策の結果「制御された」

DV対策「必要不可欠業務」に(ノルウェー)

コビット19治療薬の実験始まる(ノルウェー)


【2020.5.31更新済み】

by bekokuma321 | 2020-05-30 15:01 | ノルウェー


コロナウイルス:移民女性センターに王妃から応援電話(ノルウェー)_c0166264_14071282.jpg今月12日の国際シンポ「北欧のマイノリティ女性たちの闘い」は中止となった。講師が新型コロナウイルス対策により来日できなくなったのだ。


講師はファークラ・サリミさん。オスロに住むパキスタン系ノルウェー人。ノルウェーの在住外国人女性の差別撤廃と人権推進にがんばってきた。30年前、その活動拠点となる「ミラ・センター」を創設。マイノリティ女性たちに政治的力をつけるための学習会や、性暴力や雇用差別に苦しむ女性たちの相談を続けてきた。


今、ノルウェーでは、在宅ワーク、外出自粛、海外渡航禁止、保育園・学校の閉鎖など、緊急対策がとられている。ミラ・センターは、こうしたコロナ対策情報を、移民や難民の女性たちに向けて、多くの言語で、わかりやすく伝え、さらに質問に応える体制をつくった。在宅時間が増えることで起きるDVなど性被害の相談も、電話で受けつけている。そのほか、ネットによる多彩なセミナーも好評だ。


先日、このミラ・センターに電話をしてきたのは、移民女性ではなく、ソニア王妃だった! ミラ・センターの活動を励ますためだったという。


ノルウェー王室サイトから届いたニュース を見たら、王室の書斎で、パソコンに向かう王妃が写っていた。机の上はけっこう乱雑で、私の机とたいして変わらない。パソコン画面には、ファークラ・サリミさんが・・・。(写真上)。



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▲「多様性に満ちた社会にするには、移民女性への偏見をなくさなくては」とファークラ・サリミさん

 

▲「ポケットマネーで始めましたが、今は7人の専従職員がいます」。オスロのミラ・センターにて




by bekokuma321 | 2020-04-30 14:48 | ノルウェー

農民たちは自らの斧を磨ぎ

戦いに備え

トルデンスキョルドは岸辺に雷を鳴らし   

そして私たちの故郷を取り戻した

女性たちまで立ち上がって参戦した

男性のように勇敢に

他の者は涙を流した

しかしこの戦いはすぐに終わった

他の者は涙を流した

しかしこの戦いはすぐに終わった     ――ノルウェー国歌


ノルウェーの憲法記念日は517日。子どもから大人まで町を埋め尽くして祝う。でも、今年はコロナウイルスのため中止に。子どもたちから代案を募集していたが、このほど、ノルウェーの実質的な国歌「そう、私たちはこの国が好きだ」を全国で一斉に歌おうと決まったらしい。


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ノルウェーは、デンマーク、スウェーデンの長い支配から独立運動を経て
1905年に独立した。1814年制定のノルウェー憲法は、現存するもっとも古い憲法のひとつらしいが、独立運動の間に作られたというから不思議だ。


国歌「そう、私たちはこの国が好きだ」の詩は、ノーベル賞作家ビョルンスティエルネ・ビョルンソン の手になる。独立への抵抗の闘いを歌う。初めてうたわれたのは、憲法制定50周年の1864年だという。よく歌われるのは1番らしいが、冒頭の詩は、3番である。農民や女性が抵抗の闘いの主体者として歌われている。19世紀に書かれた詩だと知ってどれだけ感動したか…。曲も素晴らしい。こちらから聞くことができる(上の詩もこのサイトを参考にした)。


先日の報道によると、アビド・ラジャ文化・平等大臣は、「これまでと違って、静かに祝日となるでしょうが、子どもたち中心の、憲法と自由を祝う日であることに違いはありません」と言った。


日本の憲法記念日とは趣がまったく違い、ノルウェーの憲法記念日は「子どもの日といってもいい。メインは、ブーナッドと呼ばれる民族衣装(晴れ着)を着た子どもたちの行進、行進、行進だ。オスロでは、100を超す学校が、学校ごとにまとまって、カールヨハン通りから王宮まで行進する。先導するのは学校の楽隊。それに大きな国旗・校旗を持つ子どもたちが続き、小さな国旗を持ったり持たなかったりの大勢の子どもたちがわいわいと練り歩く。


前に取材したときは、王宮のテラスで待っていた王室一家は、そのすぐ近くに行進してきた子どもたちからの「王様、元気ですか」「王様、おめでとう」の掛け声に、繰り返し繰り返しニコニコと手を振って応えていた。


憲法記念日(建国記念日)行事の代案を子どもたちから募集していたことに驚いたが、子どもの権利を尊重するノルウェー社会なら、当たり前なのかもしれない。


【写真:オスロ在住のHelle Cheung提供】



コロナウイルス:ノルウェー緊急策の結果「制御された」

速報:今どき男だけをうたう市民の歌でいいの?

案内:今どき男だけをうたう市民の歌でいいの?

高岡市民の歌は男性偏重と申し入れ




by bekokuma321 | 2020-04-22 15:30 | ノルウェー

ノルウェー政府は、イースター(復活祭)目前の46日、「コロナウイルスは制御下にある」と発表した。

3月初め、1人の感染者は、2.5人の二次感染者を増やすと予想されたが、厳しい規制の結果、1人の感染者から0.7人まで落ちたと説明した。

コロナウイルス:ノルウェー緊急策の結果「制御された」_c0166264_12063402.jpg

イースターが過ぎたら緊急措置をいくつか緩和するという。保育園は4月下旬から開園され、追って小学校も1年生から4年生まで開校予定。文化スポーツイベントの解禁は先延ばしにされたらしい。


イースターは、ノルウェー人にとって長く暗い冬から春の到来を告げる特別の日。ノルウェー語でポースケpåskeと呼ぶ。

今年のイースターは、412日(日)。いつもなら木曜から月曜まで5日間の休暇を取る人が多い。春の太陽を体中に浴びながらの山スキー、山小屋に寝泊まりして芽吹く草花と出会うハイキング、夜は推理小説三昧、家族や友人と海外旅行。

でも、今年はまったく違う。自宅で過ごす人が圧倒的に多いらしい。Hjemmepåske(イエンムポースケ)なにしろ、「コロナウイルスは制御下にある」と厚生大臣から言明されても、在宅ワークや在宅授業は続いている。それに記者会見当日、過去最大の死者数が出たという。

しかし、厳しい緊急措置をとる以前は、ノルウェーの感染者は人口比で世界12だった。医療崩壊の危機を迎えていた。それが制御されたのである。どんな緊急措置をとったのか。柱をまとめる。

ノルウェー政府の緊急措置は、312日午後6時から実施された。 感染症規制に関する法律が基礎となっている。

保育園から大学まで全教育機関の閉鎖。理髪店、美容院、美顔、マッサージ、タトゥー店などは閉店。スポーツジムやスイミング・プールは閉鎖。文化・スポーツなど50人以上集まるイベントの中止。必要不可欠な社会的業務以外は、在宅ワークに変えて外出や通勤を控える。介護センターやケアホームにいる高齢者を訪問することを避ける。医療保健看護職員の海外渡航禁止。必要不可欠の社会的業務に携わる職務の子どもが通う保育園や学校は従来通り。日用必需品の店はいつもどおり。交通機関は通常どおりだが、レジャーに交通を利用しないように。バスや電車の清掃強化の徹底。山小屋から居住地にただちに帰宅せよ、という勧告もあった。

3月14日には、「不要不急の場合を除くすべての国への渡航中止」を勧告。滞在許可のない外国人の入国を拒否。検疫を強化。ノルウェー人は入国日から14日間の自宅隔離。

国王は、海外公務から帰国したとたん別荘(ログハウス)に隔離された。ログハウスから、国民に連帯をよびかけた。アーナ・ソールバルグ首相は子どもたち向けに記者会見をして、子どもたちの悩みや質問に直接答えた。

「あなたやほかの人が、救急治療などの世話にならないために、毎日の行動に気をつけよう」と。

ノルウェー公衆衛生研究所Norway's Institute of Public Health (FHI)は、ノルウェー国内での感染者第1号について感染経路を公表した。その後、感染予防の習慣を写真入りでポスター、チラシ、ネットで拡散した。鼻をかんだ紙は捨てて手を洗う、くしゃみや咳は腕でおおう、石鹸手洗い20秒間などーー中身は日本と同じだ。ところが、日本と違うのは、24もの言語で警告している点だ。ノルウェー語もサーミ語など4種の方言で、という徹底ぶり。これは日本でアイヌの人たち向けにアイヌ語で知らせたということなのだ。

報道や友人のメールで知ったその迅速さときめ細かさ。のんびり屋さんの多いノルウェーを知っている私は、ただならぬ危機感に圧倒された。

ところが3月下旬、トイレなどの清掃業務とDV相談業務が、必要不可欠の業務に含まれていないのは信じられないと、労組や専門家から政府に異議申し立て。メディアは大々的に報道した。政府は申し立てを受け入れて、彼女・彼らはこれまで通り清掃業務とDV相談業務に従事できるようになり、その子どもたちは保育園に通えるようになった。この柔軟さは、市民団体や労組の抵抗運動の強さと、政策決定に彼女・彼らの代表がはいっているからだろう。

46日の記者会見にもどる。

ノルウェー公衆衛生研究所(FHI)所長カミラ・ストルテンベルグは「すばらしい進歩だ」としつつも、「ICUの患者は減った。ICUを必要とするような第一次ピークは脱したと言える。1人から1.15に増え続けると、7月か8月に第二次ピークがやってくる可能性があった」

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そして…。「コロナウイルスを制御した」と公表したノルウェーは、4月8日、19人の医療チームをイタリアのロンバルディア州に派遣した(Norway Today)。ここは世界で最も感染者数が多いところのひとつだ。



【写真:上は散歩中に春の訪れを見つけたノルウェーの友人。「春がやってきた」と友人が昨日フェイスブックに送ってきた。下はイタリア支援に向かうノルウェー医療チーム。女10、男9。Dagsavisenより】



コロナウイルス:4.12国際シンポ中止と女性政策

412日「北欧のマイノリティ女性たちの闘い」シンポジウム中止のお知らせYouTube)

コロナウイルス:フェ イスブックへの驚くべき対応

コビット19治療薬の実験始まる(ノルウェー)

DV対策「必要不可欠業務」に(ノルウェー)

コロナウイルス感染と女性差別

ノルウェー・オリンピック・パラリンピック委員会の見解

中止のお知らせ「4.12国際シンポ 北欧のマイノリティ女性たちの闘い」

ノルウェー国王、隔離中の山荘からメッセージ

YoutubeでPR「北欧のマイノリティ女性たちの闘い」

4.12「国際シンポジウム」のチラシ

北欧のマイノリティ女性たちの闘い(インタビュー「ファークラ・サリミさんに聞く」)

エボラから完治したノルウェー医師、語る


【20200411 更新】


by bekokuma321 | 2020-04-09 14:00 | ノルウェー

412日の国際シンポジウム「北欧のマイノリティ女性たちの闘い:移民たちはまず地方参政権を勝ち取った!」は中止です。新型コロナウイルス対策で、講師ファークラ・サリミさん(人権活動家、フェミニスト)が来日できなくなったからです。


Youtubeで中止連絡と、中止原因のコロナウイルス対策に関連する女性政策について最新情報を収録しました。フェミ議チャンネルをクリックしてどうぞ!


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▲コロナウイルスと女性政策について話す片山薫(小金井市議)と瀬野喜代(元荒川区議)。カメラウーマンは吉祥眞佐緒(エープラス代表)




by bekokuma321 | 2020-04-04 20:35 | ノルウェー

新型コロナウイルスが猛威を振う。

コロナウイルス:フェイスブックへの驚くべき対応_c0166264_12064703.jpg埼玉県日高市は「市議会の一般質問中止、傍聴中止」となった。それ対して、異議を持った田中まどか議員(写真)は、フェイスブックに意見を書いた。それが「名誉棄損」とかで、市議会は田中議員に「議員辞職勧告」を出した。「これでは自由にものを言えなくなる」と抗議があがった。当然だ。ネット(change)には抗議の声が今も続く。

同じフェイスブックの投稿に、天地ほど異なる対応した国がある。

コロナウイルス:フェイスブックへの驚くべき対応_c0166264_11524161.jpg新型コロナウイルス感染者に、命がけで治療にあたっている医師や看護師など医療保健関係者に対して、拍手を送る励まし動画が流れている。自宅隔離中のベランダから、「ありがとう」と拍手をする。ほほえましい動きだ。世界各国に広まっている。

しかし、これに「拍手はやめて、賃金をあげて」とフェイスブックで拡散した看護師がノルウェーに現れた。

報道によると、声を発したのは、オールスン市のエリーゼ・フィスケElise Fiske (写真)とノートデン市のモニカ・リラ・ホーランMonica Lilja Håland。3.19、ほぼ同じ頃の投稿だったようだ。

エリーゼは、「拍手はありがたいが、私たちが欲しいのは、この重労働に応じた賃金です」と窮状を訴えた。エリーゼには「いいね·」2941件、「コメント」48件、「シェア」2,139件。

このフェイスブックをキャッチしたノルウェー放送協会NRK(NHKにあたる)は、「看護師たちがほしいのは拍手よりも賃金」と大見出しで報道した。

NRK記事では、エリーゼが、コロナウイルス下の、厳しい条件下での長時間労働をつぶさに報告している。それに対して、ノルウェー看護師協会の代表は、歴史的緊急事態にあたって看護師配置が大テーマであり、賃金アップは大事だが、現下の労使交渉テーマではない、と述べている。

フェイスブックでの発言がきっかけで職を奪われかねない国。それがきっかけで看護師の労働条件について論戦が花開く国。天地ほどの違いを感じる。

強調したいのは、リーゼ・フィスケも、田中まどか議員と同じように市議会議員だということだ。ちなみに北欧諸国では地方議員はほぼ無報酬で、仕事や学業を続けながらのボランティアだ。


女性議員への辞職勧告は言論の自由を侵す(埼玉県日高市)by 瀬野喜代


【写真はどちらもFaceBookより】
by bekokuma321 | 2020-04-04 12:36 | ノルウェー

ノルウェーは、DV相談業務を「必要不可欠の業務」に含めることにした。政府の新型コロナウイルス対策の一環だ。


3月26日VGニュースによると、DVシェルターに働く人(多くは女性)は、家族を世話する心配なく、これまでと同様に仕事に精を出せるし、子どもを学校や保育園に通学通園させることができる。ノルウェー政府がこのような大転換をしたのは、女性運動団体との長年の連携・交流のたまものだろう。


コロナウイルスの影響で、世界中が自主隔離を余儀なくされている。ノルウェーも例外ではなく、「必要不可欠の業務」(医師、看護師、清掃、交通、食料品店など key personnel)以外は家でするように変わった。子どもたちの学校、保育園、学童保育所も閉鎖された。大人はテレワーク、子どもたちは自宅学習。ストレスがたまり、身近にいる人による暴力・虐待は当然増える。


中国では、コロナウイルス隔離期間、DVの相談件数が倍増したと報告されている。ことほどさように、コロナウイルス下のDVの増加はかねてから心配されていた。ノルウェー全土にはりめぐらされたDV相談業務をまとめるクライシスセンター事務局(全国DVシェルターの連合体)は、警鐘を鳴らし、かつ政府へ働きかけをしていた。


野党の左派社会党のフレディ・アンドレ・ウスタゴール Freddy André Øvstegårdは強く要請をしていたと語っている。さらに政府の子ども家族大臣のキリスト教民主党シェル・インゴルフ・ロプスタ―Kjell Ingolf Ropstadも、積極的に動いたようで、「必要不可欠の業務」に含まれることになった決定に喜びを隠せない。子ども家族省はかつて女性大臣がつくことの多いポストだったが、現政権では男性。野党の同政策担当も男性だ。ちなみに内閣、国会の男女比は60%40%である。


ノルウェーでは各地のDV電話相談は、24時間365日いつでもつながる。しかし、ノルウェー・クライシスセンター事務局の緊急電話主任サラ・ボンドウは、次のようにVGに語っている。


「これまで仕事に行ったり、フィットネスセンターに通ったり、合間を見つけて夫から暴力を受けていることを電話で相談しやすかった。ところが、自宅にとじこもることになり、こうした自然な抜け道を見つけられなくなっているのです」


「被害者はDVに我慢することになれています。これまでも、休暇が終わると相談が増えました。助けて、と電話できるような自由になれる時間をどう増やすか・・・・です」



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     ▲「親愛なる政治家さま」とDV根絶政策の強化を求めるノルウェーDVシェルター運動体


Bekymret for vold i norskehjem under coronapandemien

コロナウイルス感染と女性差別

パパ、ママをぶたないで 連載

北欧DVシェルターは24時間365日オープン



by bekokuma321 | 2020-04-01 10:50 | ノルウェー

ノルウェーのオスロ大学病院から、「コビット19患者への治療薬投与が実験的にはじまった」という驚きのニュースがはいった。


328EuroNewsなどによると、臨床試験に使われているのは、プラケニル錠という抗マラリア薬で後に抗エボラ薬として用いられた薬など、いくつか。


世界保健機構WHOの顧問を務める、ノルウェーのジョン・アルネ・ルッティンゲン医師は、「抗マラリア薬は炎症を抑え、寄生虫に効果を発揮する薬なので、おそらく効果があるのではないか。しかし、抗エボラ薬は、エボラウイルスなどのために開発された薬であり、コロナウイルスに効くかはまだわかりません」。


コビット19治療薬の実験始まる(ノルウェー)_c0166264_15585525.jpg

実験には3か月を要するという。オスロ大学病院感染症科の主任医師アンナ・マルガリータ・ディホール・リーセAnne-Ma Dyrhol Riise(写真)はこう語る。


「研究をしている病院や国々がこれらの薬のひとつでも効果ありという結論を出せたら、研究をやめて、すべての人に提供することになります」


待ち遠しい!


Norway begins first experimental treatment of patients infected with Covid-19


【写真はオスロ大学より】




by bekokuma321 | 2020-03-31 16:03 | ノルウェー

ノルウェー・オリンピック・パラリンピック委員会 (NIF) は、320日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に対し、世界的大流行となっている新型コロナウイルスの問題が収束するまで、東京五輪を延期するよう求める手紙を送ったことを公表した。


ノルウェー・オリンピック・パラリンピック委員会の委員長ベリット・ショル(Berit Kjøll)は、1955年生の実業家。事務局長カーレン・クヴァルヴォーグ(Karen Kvalevåg)は、1966年生まれの経済専門家。2人とも女性である。


2人の連名による手紙には「コロナウイルスによる世界的大流行がしっかりと終息するまで、五輪を開催しないことを要請する」などと書かれている。


報道によると、IOCの結論と関係なく、ノルウェーのアスリートは東京オリンピック・パラリンピックについて独自に評価を下すだろう」「何よりも優先されるのは、健康と安全であり、ノルウェーの専門医の見解が総合的結果を下すだろう」とも述べている。


ノルウェーが、いち早く、オリンピック・パラリンピック開催に関して、健康と安全を最優先に掲げて態度表明をした決断力と勇気を評価する。「さすが女性指導者だ」と、私は心の中で叫んだ。


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 ▲ノルウェー・オリンピック・パラリンピック委員会がIOCに送った手紙



by bekokuma321 | 2020-03-22 22:36 | ノルウェー

315日(日)夜、ノルウェー国王は、新型コロナウィルス感染に関して、スピーチをした。丸太で作られたロッジからの生放送だった。国王は、木曜日にヨルダン訪問から帰国。その後ただちに、政府の緊急対策に従って、オスロ郊外の山荘に隔離状態にあるからだという。

さわりを写真の下に和訳する。国王のスピーチは、Youtubeをクリック すると視聴できる。写真はその動画からキャプチャした。

ノルウェー国王、隔離中の山荘からメッセージ_c0166264_20582920.jpg

私たちは、現実とは思えない、この世のものとは思えないような事態に置かれています。わからないということは、私たちを気弱にさせます。これまでしたことのない暮らしは無力感を抱かせます」と始めた。そして、「もっとも大切なことは、政府当局の指示に従って、爆発的な広がりを食い止める努力をすることです」と強調した。

「ノルウェーは、信頼に基づいた社会だと言われています。今こそ、お互いに信頼しあうときです」と、ノルウェー国民に訴えた。

「あなたがたを思って祈りをささげます。病に苦しむあなた、親しい人が病に苦しんでいるあなたを。来る日も来る日も働く医療専門家のあなたを。経済的損害を受けて将来に不安を抱くあなたを。この国が機能するよう、欠くことのできない社会機能にたずさわるすべてのみなさんを・・・」と続けた。

そして「すべての子どもたちを思って祈りをささげます。何が起きたか心配でいっぱいなのは、とりわけ子どもたちでしょう。それに特別に手厚いケアが必要なひとたち。小さなコミュニティや大きなコミュニティが一時的にはく奪されてしまって、寂しい思いをしている人たちです」と、社会的に弱い立場に置かれた人たちに心を寄せた。

最後に国王はこう結んだ。

「みなさん、こういうときは、いかなる人も優しくしてほしいと思うときなのです。一緒に、立ち向かいましょう。一緒に、行く手を阻むものを乗り越えましょう」

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▲オスロにある王宮。王宮のまわりは公園で市民に開放されている。筆者が通り過ぎた昨夏、市民はジョギング、日光浴、デイト、読書、ピクニックを楽しんでいた。



Sammen står vi i dette

ノルウェー国王のスピーチ録画、277万回再生される




by bekokuma321 | 2020-03-16 19:42 | ノルウェー