カテゴリ:ヨーロッパ( 301 )

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オランダのポスター。暗闇のなかで悩む女性。性暴力被害者の苦しみがよく表れていて、ハッとさせられる。ポスターのオランダ語については、叫ぶ芸術第64回を。


■詩織さんが訴える「告発することの怖さ」



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by bekokuma321 | 2018-11-17 20:04 | ヨーロッパ

1947年、ドイツの町で、骨と皮だらけのノルウェーの母子が、食べ物を懇願していた。母親は空腹のため何度も気を失った。男の子2人のうち弟のほうは栄養失調だった。3人は地面からか細いニンジンを拾って口に入れた。ほかには何も食べるものはなかった。


母親の名はエルザ・ガブレー(24歳)。ノルウェーからドイツに強制送還された。第2次大戦中、ナチス・ドイツの支配下にあったノルウェーには多くのドイツ兵が駐留していた。彼らと親しい関係となったノルウェー女性も大勢いた。戦後、彼女たちは「ドイツの売女」または「ドイツの女の子」と烙印を押されて、髪の毛をそぎ落とされ街頭で裸にされて嘲りや辱めを受けた。あげくに、市民権をはく奪されて国外追放となった。エルザはその1人である。


70
年経た、20181017日、この「ドイツの女の子」たちに対してノルウェー首相が正式に謝罪した、というニュースが届いた。“慰安婦問題”への日本政府の対応に苛立っていた私は、訳してFEM-NEWSに載せた書き終えて、ふと本棚を見上げた。私の目に真っ赤な背表紙がつきささった。

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1945年・ベルリン解放の真実――戦争・強姦・子ども』。ヘルケ・ザンダー&バーバラ・ヨール編著。翻訳したのは寺崎あき子・伊藤明子。1996年、パンドラ発行、現代書館発売。

20年前に読んだが、しっかり読めていなかった。今でも、この重い内容を読み進むのは楽ではない。私は、どこに行くときもその分厚い本を持ち歩いて、読んだ。読了できたのはひとえに2人の名翻訳のおかげだ。

その訳者のひとり、寺崎あき子さんが1028日永眠したという知らせがはいった。一昨日だった。


10月20日から2週間、私は机上、ベッド、電車内で1945年・ベルリン解放の真実――戦争・強姦・子ども』と向き合ってきた。ウン、ウンとうなりながら、私は、マーカーで塗りつぶしたり、ボールペンで線を引いたりした。残虐さのあまりにパタンと本を閉じざるをえなかったときもある。30代の頃、強い影響を受けた『性の深層』(アリス・シュヴァイツァー著)。それを翻訳したのも寺崎あき子さんだった。そんな彼女の力にあらためて兜を脱いだ。教えてもらいたいことも出てきた。手紙を書こうと思っていた矢先の訃報だった。

たぐいまれな力作を遺した寺崎あき子さんに、心からの敬意を表して、文章をいくつかをそのままタイプしてここにアップする。一読者からのささやかな供養のしるしに・・・。(Moreをクリック)








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by bekokuma321 | 2018-11-10 18:20 | ヨーロッパ

列国議会同盟IPUの最新調査によると、ヨーロッパ諸国の国会で、女性の議員や女性スタッフは、性差別、性的暴力にさらされている。


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          ▲女性国会議員が受けた暴力行為とそのうち届け出た割合


上図は、左から「ネットでの暴力」→「強姦してやるなどの脅し」→「心理的嫌がらせ」「性的嫌がらせ」「身体的暴力」紺色は経験した人、薄い青はそれを届けた人。


調査は、欧州45カ国の、女性国会議員81人と国会に働くスタッフ42人の123人に対して、面談によって行われた。


女性議員やスタッフに暴力や嫌がらせをした加害者は、女性とは政敵の国会議員ばかりではなく、同じ政党内の同僚議員だったり、市民だったり、さまざまだという。


詳しくはfile:///C:/Users/toriM/Downloads/en_2018-issues_brief_web.pdf



「あってはならないことが起きている」(イタリア)

イタリア黒人女性議員への差別と横暴

「オランウータンと言うのは人種差別ではない」

猿に変えられた黒人女性大臣の顔――イタリア 

イタリア黒人大臣攻撃に対する国際的ファイトバック

イタリア黒人女性大臣、バナナを投げつけられる

「彼女は、オランウータンのよう」―イタリア右派政治家
タリア ボニノ大臣のシスターフッド

イタリア黒人大臣、差別にさらされる

のど飴なめての議会発言で出席停止処分に

まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件


ジェンダーに配慮した議会のための行動計画 (PDF)




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by bekokuma321 | 2018-10-17 16:49 | ヨーロッパ

誰もがおかしいと思うだろう。


イタリア初の黒人女性大臣セシル・キィェンジェCecile Kyengeは、黒人差別・女性差別にさらされてきた 報道により、国内外の多くの人が知ることになった。ところが、今年になって、被害者の彼女自身が提訴されたのだ。


彼女にインタビューをしたDW(ドイツのメディア)が動画を流しているので、主要部を和訳する。


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「人種差別の攻撃は日常茶飯事です。たとえば、ホテルを出ようとした私を侮辱するために、血で汚れた人形を置いたり、周りを取り囲んで攻撃しようとしたり・・・ある会議では、私はバナナを投げつけられました」



ロベルト・カルデロリ(イタリア同盟、イタリア上院議員)

セシル・キィェンジェを見るとオランウータンを思い出してしまう」≫


マリオ・ボルゲッチオ(イタリア同盟、EU議会議員)

「彼女は、コンゴの部族の伝統を押しつけたいのだ」


「そこで、私は言いました。わかった。イタリア同盟は、政党として姿勢をとらなかったのですから、それどころか、こうした議員を公職に再選したのですから、イタリア同盟という政党は人種差別党です。」


ところが、セシル・キィェンジェがイタリア同盟を人種差別だと批判したら、彼女が名誉棄損で提訴された。


「まったく逆です。驚きましたね。『さあ来た』と言いきかせました。もし人種差別主義や外国人排斥主義に対する闘いの刃を鈍らせたら、私たちへの仕打ちはこうなんだ、と思い知らされました」


セシル・キィェンジェは、現在、イタリア選出のEU議会議員だ。彼女の持つ外交特権(訴えられない権利も含まれる)を捨てて、法廷闘争をする決意をした。


「セシル・キィェンジェのためにではなく、は、全ての人のためにここにいるのです。自分たちを擁護できない人たちのために私はいるのです。あってはならないことが起きている、と言わねばなりません。そのために私はここにいるのです」


「ヨーロッパで女性は女性というだけで差別されています。でも、外国生まれで、しかも黒人なら、2倍、3倍、差別されるのです」


なんと力強い発言だろう。歴史の歯車をグイッと前に進めるには、彼女のような女性が政治的発言権を持たなければ、とつくづく思う。



Labourfiguresunite in supportof Italian MEP Cécile Kyenge

MatteoSalvinisues black MEP for defamation in racism row

イタリア黒人女性議員への差別と横暴

「オランウータンと言うのは人種差別ではない」

猿に変えられた黒人女性大臣の顔――イタリア 

イタリア黒人大臣攻撃に対する国際的ファイトバック

イタリア黒人女性大臣、バナナを投げつけられる

「彼女は、オランウータンのよう」―イタリア右派政治家

タリア ボニノ大臣のシスターフッド

イタリア黒人大臣、差別にさらされる

のど飴なめての議会発言で出席停止処分に

まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件






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by bekokuma321 | 2018-10-13 17:35 | ヨーロッパ

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セシル・キィェンジェ(Cecile Kyenge)を名誉棄損で訴えた裁判がイタリアで開かれようとしている。そのことに、イギリス、ドイツなどの国会議員や団体リーダーたち約40人が、非常に困惑していると、意見表明をした。

さきほど届いた10月12日ガーディアン紙が報道している。

セシル・キィェンジェへの差別は、FEM-NEWSで何度か紹介した。リンク先を本記事の下に掲げる。

セシルは、コンゴ生まれの眼科医。イタリア人と結婚し、その後、イタリア初の黒人の女性大臣に就任した。現在はEU議会の議員である。

数年前、彼女は、演説中にバナナを投げられたり、「コンゴに帰って働くべきだ。彼女は、オランウータンのようだ」という卑劣な言葉をぶつけられた。こうしたヘイト表現は、ソーシャルメディアでまたたくまに拡散した。ソーシャルメディアに流した人物は、イタリア同盟(かつての北部同盟。極右政党と言われる)の書記長だった。セシルは、「レイシスト(人種差別主義者)」と言い返した。

彼女の正当なファイトバックを、イタリア同盟の政治家や支持者たちは、逆に、「名誉棄損だ」と非難した。そのあげく、同党の現内務大臣 マッテオ・サルヴィーニは、あろうことか彼女を名誉棄損の̚̚罪で提訴したという。そして今、その裁判が開かれる。

こうしたイタリアでの理不尽な行為に国を越えてリーダーたちは立ち上がった。約40人は、こう宣言する。ガーディアン紙記事のポイントを要約する。

「レイシズム、外国人嫌悪主義、狭量主義に対して闘おうとしているセシル・キィェンジェの決意を全面的に支持する」

セシル・キィェンジェの事件は、ヨーロッパを覆う問題を代表しているといえる。台頭するポピュリストや極右政党が、その国粋主義的政策を突き進め、マイノリティに対する恐怖と嫌悪をあおっている」

日本の国会を席巻する「日本会議」議員の発言を思い出して、虫唾が走る。いや、国会だけではない。地方議会では、多数派重鎮議員(多くは男性)が、少数派女性議員に対して理不尽な対応をこれでもかと続けている。


Labourfiguresunite in support of Italian MEP Cécile Kyenge

MatteoSalvini sues black MEP for defamation in racism row


猿に変えられた黒人女性大臣の顔――イタリア

イタリア黒人大臣攻撃に対する国際的ファイトバック

イタリア黒人女性大臣、バナナを投げつけられる

「彼女は、オランウータンのよう」―イタリア右派政治家

タリア ボニノ大臣のシスターフッド

イタリア黒人大臣、差別にさらされる

のど飴なめての議会発言で出席停止処分に

まるで魔女狩り――徳島県藍住町の紅一点議員追放事件






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by bekokuma321 | 2018-10-12 20:36 | ヨーロッパ

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「花を贈られて喜んでいる場合か!」(叫ぶ芸術 第63回)のポスターを見みました。ポーランドの女たちの怒りに同感しました。


ポスターの解説を読むと、ポーランドの国際女性デーは、女たちが、怒りを政策にしてデモをする日だそうです。38日は「マニフェスト女性デー」と呼ばれ、毎年、スローガンを掲げ、女性が自立して生きるために、力を結集しています。なんて素晴らしい!


年々変わるスローガンからポーランドは問題満載だとわかりました。でも、ポーランドに負けず劣らずのひどい政治状況にあるのが日本です。女性たちは素晴らしい力を持っているのに、貶められ、排除され、殴られています。


この状況に怒っている私は、毎年、国際女性デーに向けて絵葉書(カード) を作成してきました。200538日から10年以上、一人でデザインし、一人で作成して、一人で広めてきました。でも、パンチのある絵葉書(カード)には多くの女性の怒りを結集した政策が必要です。もう黙ってはいられない! みなさん、一緒にやりませんか。


Sisterhood is Powerful and International!


ふじ みつこ MITSUAT



叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女性たち

2018年3月8日 国際女性デーのためにカードを作りました。

2018国際女性デー/ニュース

もうじき2018年国際女性デー

国際女性デー・パレード NHKニュースに






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by bekokuma321 | 2018-10-11 11:08 | ヨーロッパ

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日本女性の未来は、女性差別撤廃条約選択議定書を批准するかしないかで、大きく違ってくる。


●バックラッシュに抗するために

「選択議定書の批准は、日本の男女にとってだけでなく、アジア地域にとって、きわめて重要です。多くの国々で、バックラッシュ――とりわけ女性の権利に対してーーが実際に起きており、市民社会が萎縮させられています。日本の批准は、人権推進へ確実にコミットするんだという政府当局の証となります」


スイスの法律家パトリシア・シュルツさんは力説した。彼女は、国連女性差別撤廃委員会の個人通報作業部会の会長だ。このほど、 日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)の招きで来日講演した。


●バックラッシュの司令塔「日本会議」

バックラッシュとは、この場合、女性の権利に対する反動的流れをさす。日本では、2000年ごろから、右派の地方議員を中心に、「性別をなくそうとするジェンダーフリー」などという嘘をばらまいて、男女共同参画条例を形骸化させたり、女性センターの予算削減をさせたりしては、快哉を叫んできた(注)。その司令塔は「日本会議」だ。日本会議は、日本最大の右派的改憲団体であり、「日本会議国会議員懇談会」をかかえる。実は、昨日、組閣された安倍内閣のほとんどは、この「日本会議国会議員懇談会」会員である。


シュルツさんは、日本の女性がいつまでたっても低い地位に置かれている最大の障壁を、はからずも言い当てた。日本政府やNGOによって委員会に出された報告内容を熟知する彼女は、さらに日本政府をこう批判した。


「日本は、『検討している』と繰り返して、批准に向けて何もしていないことを正当化しています。残念ですが、日本では、差別的な規範の改正に、きわめて長い時間がかかっています」


「選択議定書」は、FEM-NEWSでも扱ってきた。


東京都小金井・八王子・三鷹市などの市議会が「女性差別撤廃条約の選択議定書の批准を求める意見書」 を採択したことも紹介した。


しかし、まだよく知る人は少ない。選択議定書という言葉のせいか。かといって英語オプショナル・プロトコルに言い換えると、もっとわからなくなる。ということで、やはり選択議定書と呼ぼう。


●女性差別撤廃条約を批准しても選択議定書は未批准

選択議定書は、条約を補う国際文書のことだ。「条約で守られている権利が侵害されたら、国連に訴えることができますよ」と保障してくれる道具といえる。条約とワンセットだが、やっかいなのは、それぞれを批准しないと使えないことだ。


女性差別撤廃条約を1985年に批准した日本だが、選択議定書は批准していない。だから差別に苦しむ個人や団体が直接、国連に訴えることはできない。たとえば、「夫婦同姓を強制する民法は女性差別撤廃条約違反だから、なんとかしてほしい」と、国連に訴えることはできない。


●スイスは比例代表制で4党連立政権

シュルツさんは、日本政府の批准への遅さを嘆いて、「政治的意思」の必要性を述べたとき、次のようにスイスの国会を語った。


「スイスでは、日本のように議会の多数を一党が占めることがない。長年、多くの政党が議会に存在していて、現在は7政党から議員が出ており、4政党で連立与党を組んでいます。政権内でも4党間での話し合いが必要で、法律ひとつ通すにも、常に異なった政党間で協議します。さらに国民投票という直接民主主義の伝統があります。3つの異なった言語、2つの異なった宗教、地方と都会の大きな違いのあるスイスでは、政治は、常に市民の支持、市民とのコラボで進められていて、うまく動いています」


当たり前すぎて「選挙=比例代表制」と言わなかっただけで、「比例代表制選挙の国スイス」を忘れてはならない。比例代表は民意が素直に議席に反映する。一方、日本は、289選挙区から最高得票の1人のみ当選する小選挙制中心の選挙だ。他の人に入れた票はすべて死に票となる。それが1強多弱の国会となり、”日本会議内閣”を生んでいる。当然ながら、女性議員の極端な少なさも。


●バックラッシュと小選挙区制

バックラッシュ(女性の権利に対する反動的流れ)と小選挙区制。日本女性を従来からの否定的役割に押しとどめる二大障壁だ。これで得をするのは? どんな人たちかは、容易に想像がつく。しかし、この障壁を切りくずすハンマーがある。それが批准国109カ国となった選択議定書だ。



「日本会議」に向かって闘いを挑んだ本:『バックラッシュの生贄』を読んで(加島 康博)

今も続く右翼的攻撃の楯となる本:『バックラッシュの生贄』を読んで (岡田ふさ子)

館長雇止め・バックラッシュ裁判HP

浅倉むつ子「男女共同参画社会実現のための訴訟でした」

バックラッシュ勢力に司法の鉄槌下る

男女平等を嫌う反動勢力の実像 ~日本にはびこるバックラッシュ現象~



【注:2009年8月、国連の女性差別撤廃委員会は、女性差別撤廃条約の実施状況について、日本政府に対する総括的所見を出した。そこに「委員会は締約国において男女間の不平等が根強く存在しているにもかかわらず、女性の人権の認識と促進に対する『バックラッシュ』が報告されていることに懸念を有する。」(29項)とある】


【写真:パトリシア・シュルツ国連女性差別撤廃委員会個人通報作業部長。国際女性の地位協会チラシより】


【2018.10.6 ミスを訂正して更新した】



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by bekokuma321 | 2018-10-04 17:36 | ヨーロッパ


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2年前の今頃だった。ポーランドの町々で黒装束の女たち15万人が広場に集まり、政府の妊娠中絶禁止法案に抗議 したというニュースに接した。その組織力に驚かされた。

ポーランドの女性史を調べてみた。ポーランド1918年という早い時期に女性参政権を獲得した。今年は、その100周年にあたる。しかも投票する権利だけでなく、立候補する権利も同時に獲得した。翌1919年に国政選挙があり、女性が8人当選。


昨日、「ポーランド独立と女性の地位の変化――女性参政権獲得をめぐって」というセミナーがあった。今年はポーランド独立回復100周年にあたり、その記念行事のひとつだ。


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山田朋子講師(写真左、明治大学)によると、「19世紀末、パリなどに留学した女性が帰国して、女性解放運動を始めた。1905年後、女性団体が増加し、『ポーランド女性同権同盟』という急進的フェミニスト組織が誕生した」


その「女性同権同盟」に、パウリナ・クチャルスカ(Paulina Kuczalska)という女性参政権獲得運動家Suffragetteがいた(写真上)。彼女は、ポーランド初の急進的フェミニスト誌と言われる「ステル」で、女性の参政権を要求するなど論陣をはった。「ステル」はポーランド語で舵(かじ)という意味。文字通り、女性参政権運動の舵取り役を果たしたのだろう。


1918年、ドイツにとらえられていたピウスツキが帰国して国家主席に。モラチェフスキ首相とともに、新しい選挙制度を発表した。そのなかに性別なしの参政権が明記された。「諸政党との協議もなく、分割期や第一次大戦中に女性が果たした役割の重要性に配慮して決定されたのである」(映画「独立ポーランドの女性たち」から)。


さらに前の歴史をひもとくと、18世紀末、ロシア、プロイセン、オーストリアによって国を奪われたポーランドでは、民衆による非合法運動が何度も続けられた。19世紀半ばの「一月蜂起」後、ロシア化によって学校でのポーランド語は禁止されロシア語となった。女性の大学教育は禁止された。そこに現れたのが「移動大学」。私宅で行われる非合法運動だった。「キュリー夫人」で知られる偉人マリア・スクウォドスカも、この「移動大学」で勉強したのだという。


2次世界大戦の壮絶かつ悲惨な地下運動、さらにそれよりはるか前の非合法運動・・・ポーランド女性の強靭な魂は、大国に蹂躙された歴史に鍛えられている、と思った。


【写真上:山田朋子講師作成のパワポを接写。写真下:ポーランドの女性について講演する山田講師。筆者撮影】



ドキュメンタリ映画「連帯、女たちによれば」(ポーランド)




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by bekokuma321 | 2018-09-30 12:00 | ヨーロッパ


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ポ―ランドの民主化運動といえば、「連帯」。グダニスク造船所で働く人たちのストライキから始まった。ベルリンの壁崩壊、東欧の自由化のさきがけともなる歴史的革命だった。

その「連帯」運動を女性の視点から描いたドキュメンタリ映画が、今、ポーランドだけでなく欧米で話題になっている。上の写真は、そのドキュメンタリ映画のポスターだ。



「連帯」といえば、レフ・ワレサ「連帯」委員長をはじめ、立派な髭をたくわえた男たちが主導するストの写真。

「女たちよ、邪魔しないでくれ。俺たちは国のために闘っている」の落書き。

「連帯」非合法化が解かれた後の「円卓会議」で55名中女性が1人しかいない映像。
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真っ赤な「連帯」のロゴを背に映画『真昼の決闘』の保安官ゲーリー・クーパーが闊歩する1989年の選挙ポスター…。


女たちの闘いは、こうした記録のどこにも見えない。

でも、フェミニスト映画監督マルタ・ジード(1981~)は、「そんなはずはない」と考えた。取材を続けて、2014年、ドキュメンタリ映画『連帯、女たちによれば』を完成させた。

フェミニスト学者スワヴォミラ・ヴォルチェフスカ博士(クラコフDVシェルター代表)によると、映画は女性たちの目から徹底してあらいなおした「連帯」運動だという。くわしくは、叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち「第62回 連帯、女たちによれば」をどうぞ。














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by bekokuma321 | 2018-09-09 17:38 | ヨーロッパ

男性は、女性のそばを通りすがりに、女性に何かを言って口笛を吹いた。彼女はその男性に「黙れ」と言い返した。そこを通りすぎた男性は、戻ってきて、彼女めがけてパンチをくらわした。

フランスはパリでの話。さきほど入ってきた英紙ガーディアンの記事だ。

路上でのセクハラに黙らなかった女性は、22歳の学生。彼女のファイトバックにパリ市長アンヌ・イダルゴはじめ、男女平等担当大臣や議員たちは、ただちに「連帯」を表明した。

すばらしい!

実は、男が彼女にセクハラをした一部始終が、カフェのビデオに録画されていて、カフェの主人が彼女にそのビデオをあげたのだそうだ。それを彼女はすぐフェイスブックにアップして、こう書いた。

「許されない行為です。でも、毎日起きているのです。こうした男性は、路上で、何でもできると思っているのです。つまり彼らは、女性をさげすんだりしてもいいのだと思いこみ、女性に異議を申し立てられることが気にいらないのです」

このフェイスブックは、ものすごい勢いで転送されて、大勢の人の連帯につながったのだという。

女性蔑視や女性への暴力を、女性たちはどれだけ我慢してきただろう。我慢しなければ、さらなる仕返しが待っているから、我慢したほうがめんどうでないから、etc. でも、それではいつまでたっても変わらない。だから女性たちは、ファイトバックすることに決めた、世界のあちこちで。

この記事でうれしいのは、市民だけでなく政治家がすぐに連帯したことだ。政治家の権力は、こういうふうに使うものだ。

'Solidarity!' French politicians praise woman who stood up to harasser
狛江市長のセクハラと市長選
麻生退任とセクハラ禁止規定を求めて抗議
福田淳一事務次官は辞職すべきだ
詩織さんの告発
詩織さんを応援します
女の出番
セクハラ村長退陣後の村長選に女性立候補

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 ▲写真をクリックしてYoutubeで事件をどうぞ
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by bekokuma321 | 2018-07-31 22:30 | ヨーロッパ