カテゴリ:北欧( 95 )

2017年秋、北欧アイスランドで国政選挙があった。

アイスランドを含む北欧はすべて比例代表制選挙なので、いくつかの政党が交渉を重ねて連立政権をつくるのが普通だ。

今回は、第二党となった「左派緑の党」党首であるフェミニストのカトリーン・ヤコブスドッティルが首相に選ばれた。

首相は、「男女賃金格差禁止法」を今年2018年1月1日から施行した。なんと素早いこと! しかも男女同一賃金であることを証明できない25人以上の会社・公共機関には1日6万円近くの罰金が科されるのだという。

罰則のない理念法しか作れない日本とは大違いだ。「2022年に男女同一賃金の完成」が目標らしい。

この「左派緑の党」の前身は「女性党」だ。女性党があったころ、首都レイキャビクまで飛んで、女性党事務所を訪問した。そのとき私の目を射抜いたのが、このポスター。

ポスターのアイスランド語は何と言っているのだろう。「叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち」(I 女のしんぶん)をどうぞ。

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by bekokuma321 | 2018-04-18 19:00 | 北欧

ショッキングなニュースが、スウェーデンから届いた。ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミー初の女性事務局長サラ・ダニウスが、先ごろ辞任した。実は更迭のようだ。

世界に伝播し、女たちからの訴えが堰をきったように流れ出した#MeToo運動。ストックホルム在住のビアネール多美子さんの記事などによると、スウェーデンはとりわけすさまじかったと伝えられているが、それと関連する。

男女平等先進国の、しかもノーベル賞選考機関という権威の塊のようなところでさえ、女性が尊重されていない。男尊女卑の根深さにがくぜんとした。

サラ・ダニウスは、事務局長の座を去ったが、黙ってはいなかった。アカデミーの女性蔑視、なれ合い、身勝手さと闘ってきたことを文書で明らかにしたのだ。彼女の毅然たる表現に、心から敬意を表する。私も見習いたい。

「スウェーデン・アカデミーは、女性を貶める古臭い力関係や言葉に対してはっきり対峙する力であるべきだ」

「倫理は、最上壇に置かれるべきであり、ものごとを決める際、対立や守秘義務に関しては厳格なルールに従うべきである。犯罪や窃盗行為は起訴されるべきであり、法的執行機関に報告されるべきものである」

「相続したものを守るために傲慢になってはいけないし、広い世界から距離を置いてはならない」

「党派的傾向は、現代には不要である」

「伝統がすべて保存に値するわけではない」

ことの発端は、アカデミーのメンバーである作家Katarina Frostensonの夫が、セクハラを繰りかえしていたと、女性18人が#MeToo運動で告発したことだ。アカデミーは、セクハラ疑惑男性の妻の留任を決めた。ところが、別のメンバー3人が、抗議の辞職に至った。こうした対応をめぐって、アカデミーに批判が寄せられていたのだという。

辞職した事務局長サラ・ダニウスのトレードマークは、ボータイブラウス。彼女の無念の辞職後、何人もの女性たちが(数人の男性も)ボータイブラウスをまとって、サラ・ダニウスへの支持を表明している。なんとも後味の悪い事件だが、女性同士の連帯の強さに、救いを感じた。


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 ▲2018年2月10日号のI女のしんぶんに報道された、スウェーデンの#MeToo運動。ビアネール多美子さんによる記事

'Not all traditions are worth preserving': ousted Swedish Academy head Sara Danius
Swedish Academy's first female head ousted after #MeToo scandal
De visar sitt stöd för Sara Danius med knytblus
セクハラやめろ!(スウェーデン)
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by bekokuma321 | 2018-04-17 21:13 | 北欧

世界で最も幸福な国は、1位フィンランド、2位ノルウェー、3位デンマーク。

昨年1位はノルウェーだったが、今年フィンランドに首位の座を譲った。北欧5カ国は昨年も今年も10位以内にすべてランクイン。日本は、昨年51位だったが、今年は54位と3つランクを落とした。

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では、どんな基準で調査したのか。

レポートによると、幸福度調査は、元気ですごせるお年寄りがどのくらいいるか、困ったときのサポート体制は充実しているか、人生の選択を自由にできるか、国民は政治を信頼しているか、などの項目で国連が調査した。

調査は、2012年から平等と信頼を国際的に推進することを目的に始められた。今年は153カ国。今回、初めて移民の視点からも調べたという。

上の表は、2018年国連幸福度指標の上位10カ国はどんな選挙制度かを調査したもの。4月20日国際シンポジウム「選挙を変えれば暮らしが変わるーーモノトーン議会からオーケストラ議会へ」で招待する国をマーカーした。

♪モノトーン議会からオーケストラ議会へ♫
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by bekokuma321 | 2018-03-15 21:58 | 北欧

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ハリウッドの大物プロデューサー、ワインスタインの性暴力が「ニューヨーカー」と「ニューヨーク・タイムズ」に暴露されたのは、2017年10月だった。

すると堰を切ったように「私も」「私も」と女たちの告発が続いた。ツイッターによる「#Me Too(私も)」は世界中に広がり、今も止まない。

中でも、スウェーデンのそれは怒涛の勢いだ。映画・演劇界では、オスカー受賞者アリシア・ヴィキャンデルを含む653人。オペラ界では世界的ソプラノのニーナ・シュテンメを含む690人。司法界では女性弁護士が、「セクハラ容認文化を根絶しよう」という署名運動をし、あっという間に6000人に達した。

「なんで男女平等の国スウェーデンで?」と聞かれるが、「男女平等の国だからこそ」ではないか。

それに対して、見よ、この日本社会の静けさ。詩織さん事件への日本政府の無関心は、いったいなんなんだ! せめて、女性議員だけでも、雇用機会均等法のセクハラ規定を、努力義務から罰則つきの強行規定にするよう国会でガンガンやるべきだ。

上のポスターは、スウェーデンで、20年前、セクハラ防止キャンペーンのために作られた。ポスター下欄に書かれた若い女の子たちへの呼びかけが、胸打つ。上の画像では見えにくいので、「I 女のしんぶん」の「叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち」をどうぞ。


【スウェーデンと並ぶ男女平等の国ノルウェーでも、#MeToo運動の勢いはやまない。関連ニュースの英語サイトはこちら】
#MeToo: Over 100 known complaints at Norwegian colleges and universities
#MeToo continues in Norway with reports of council, Progress Party cases
#MeToo: Norway harassment whistleblowers criticise media over treatment
178 people in Norway's media industry experienced sexual harassment: report
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by bekokuma321 | 2018-02-18 17:44 | 北欧

「セックスは自発的であるべきです。もしも自発的でないならば、違法です」
「相手が望んでいるかいないか、はっきりしないなら、セックスをしないことです」
「私たちは、社会の考え方、価値観を変えたいのです」

こう述べたのは、スウェーデンの首相ティファン・ロベーンだ。

12月18日(月)、記者会見で、首相、副首相、法務大臣3人が居並んで、新しく「セックス同意法」を国会に提案すると表明した。政府は「被害者の利益を大事にする」姿勢を強調した。

アメリカの、有名映画プロデュ―サーによる性暴力被害者の告発に始まった「私も運動(#MeToo)」。北欧では大きなうねりとなった。

ノルウェーでは、1001人以上のアーティストが、被害を公にした。さらに、メディアに働く人たちの大がかりな性暴力調査が行われて、178 人が「セクハラを受けた」ことがわかった。

スウェーデンは、政府が率先して制度改革に歩を進めた。しかもやることが早い。さすが「私たちはフェミニスト政府です」と宣言しただけのことはある。

c0166264_1453454.jpg さて、日本はどうだ。

東京都議会議員だった私は、セクハラという言葉さえ定着してなかった頃、日本で初めて東京都にセクハラの公的相談窓口をつくらせた。それまで、相談項目の「その他」に混じって、見えなかったセクハラが、単独で受け付けられるようになった。セクハラの内容や件数を明らかにすることができた。日本で初めてのことだった。

その背後には、アメリカの最高裁判事候補のセクハラ疑惑が世界的ニュースになっていたこと、女性団体がセクハラに悩む都民女性の調査をして結果を公表したこと。それに加え、議員だった私自身が東京都議会の委員会室で、都庁の廊下で、都議会議員控え室で、性的嫌がらせにあって悔しい思いを募らせていたからだ。

あれから4半世紀、日本の法律は、いまだセクハラを禁止していない。


Swedish PM Backs New Sexual Consent Law
178 people in Norway’s media industry experienced sexual harassment: report
1,001 Norwegian artists denounce sexual harassment
Vil undersøke sex-trakassering i norsk mediebransje
6,000 female lawyers are calling out sexual abuse in the Swedish legal industry – and it’s just the tip of the iceberg
ノルウェー労働組合員736人、組織内のセクハラ文化を抗議 「恥と罪の意識を返却します」 #MeToo
ブルントラント元首相 セクハラ被害を語る
ノルウェーDV予算をめぐる攻防
4月6日 営業ウーマンの逆襲

【写真:「セクハラ110番」(三井マリ子著 集英社 1994)表紙】
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by bekokuma321 | 2017-12-19 02:33 | 北欧

c0166264_18233410.jpgアイスランドは、グリーン・レフト(左派緑の党)のカトリーン・ヤコブスドッティルを首相に選んだ。

41歳。3人の母親で、末っ子は2011年生まれだという。

比例代表制で行われた10月の総選挙後、連立交渉に日数がかかっていた。11月30日、大統領によって新政権樹立が認められたそうだ。

カトリーン・ヤコブスドッティルは、まだ若いが、2009年に発足したヨハンナ・シグルザルドッティル首相率いる左派連立政権で、教育・科学・文化大臣に就任している。女性の首相は、レズビアンであることを公表していたヨハンナ・シグルザルドッティルに次いで、アイスランドでは2人目。新内閣は女性5人、男性6人だと報道されている。

なにしろ、この国は、ワールド・ジェンダー・ギャップ指数(世界経済フォーラム)で世界ナンバーワンに輝く。

ヤコブスドッティルの得意分野は、地球環境保護はもちろん、女性の権利擁護、平和構築だという。今後、どんな発言がアイスランドから届くか、楽しみだ。

【注:彼女の率いる政党は、英語でLeft Green Movementと称されている。直訳すると左派緑運動となる】

NEWS_Five Women, Six Men in New Cabinet
NEWS_Final Election Results 2017
比例代表制は男女格差を縮める(世界経済フォーラム2017)
2017世界平和指数トップはアイスランド
アイスランド国会、女性議員48%に!
Amost 18 Percent Crossed out Sigmundur’s Name
The Tiny Nation of Iceland Is Crushing the U.S. in Electing Female Politicians
Women Win 30 Seats In Iceland's Parliament — More Than Any Party
アイスランド10月24日「女性が休む日」を決行
男女平等ランキング:アイスランド1位、日本111位
Why Iceland is the best place in the world to be a woman
アイスランドが、今年も世界一平和な国
アイスランド女性がいっせいに休んだ日
百田氏よ、恥を知れ!
日本142カ国の中で104位
女性の雇用率の高い国は
男女格差、世界136カ国中105位
1位アイスランド、98位日本
アイスランドが違法ノルウェー人に市民権
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by bekokuma321 | 2017-12-01 18:31 | 北欧

TAMA女性センター市民運営委員会からのお知らせです。

女性への悲惨な暴力は後を絶ちません。子どもを持つ女性たちがもっとも幸せに暮らせる社会と言われている北欧諸国はどうでしょうか。親しい間がらの暴力の被害にあっている女性(男性)や子どもへの対策の土台に流れる精神は何で、それはどう政策に生かされているのでしょう。なかなか進まない日本の対策へのヒントが得られるかもしれません。11月18日(土)2時、京王線聖蹟桜ヶ丘の公民館です。お気軽においでください。


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by bekokuma321 | 2017-11-14 11:43 | 北欧

ダボス会議で知られる「世界経済フォーラム」が、恒例のグローバル・ジェンダー・ギャップを公開した。

トップ5は、1位アイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランド、4位ルワンダ、5位スウェーデン。ルワンダを除きいずれも北欧諸国だ。

日本の各紙は、日本のランキングの驚くべき低さを報道。「日本114位」という見出しが躍った。

朝日新聞の見出しは、「日本の男女格差114位 政治分野 進まぬ平等」「144カ国比較 世界経済フォーラム」。とくに日本が他国に比べて格差が際立つのは政治分野だと強調されている。

朝日は、女性議員が増えない理由に「選挙制度や政党の姿勢」を真っ先にあげる。それを補強するように、小林良彰慶応大学教授にこう語らせる。

「女性議員比率の上位15カ国のうち、14カ国は選挙が比例代表制だ」
「女性が家事・育児と選挙運動を両立させながら、定数1の小選挙区で当選することは難しい」

要するに、女性議員を増やすには、日本の小選挙区中心の選挙をやめて、比例代表制に変えたらいいのだ。選挙制度を変えることが女性の政界進出に不可欠であると明快に指摘したのは初めてではないだろうか。高く評価したい。


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Moreクリックで、2017年11月2日朝日新聞の同記事全文へ。

More
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by bekokuma321 | 2017-11-03 14:18 | 北欧

2017年の世界平和指数で、トップは北欧アイスランドだ。なんと2008年からトップの座に君臨し続ける。 アイスランドが世界で最も平和なのは、軍隊がないことと、民主主義の長い伝統にあると言われている。

日本は10位。昨年からまた下がった。戦争放棄の9条を持つ稀有な国だが、日本のランクは年々落ちている。いや、憲法に戦争放棄が明記されているからこそ、辛うじて世界の10位にはいっているのではないか。

日本のランキングは、2010年3位、2011年3位、2012年4位、2013年5位、2014年7位、2015年5位、2016年9位、そして2017年10位だ。

c0166264_12330.jpg 1 アイスランド
 2 ニュージーランド
 3 ポルトガル
 4 オーストリア
 5 デンマーク
 6 チェコ
 7 スロベニア
 8 カナダ
 9 スイス
 10 アイルランド 


Global Peace Index
アイスランドが、今年も世界一平和な国
アイスランド女性がいっせいに休んだ日
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by bekokuma321 | 2017-08-03 01:13 | 北欧

内部告発の大切さ

c0166264_1524031.jpg前川喜平前事務次官の内部告発と、菅官房長官による彼への人格攻撃から、ある事件を思い出した。

国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)の幹部だったスウェーデン外交官アンダース・コンパスのことだ。

彼は、中央アフリカにおいて、国連平和維持軍のフランス人とアフリカ人が、難民キャンプの子どもたちに性的虐待を続けているとの報告を受け、それを公にした内部告発者だ。性的虐待事件については、FEM-NEWS「国連平和維持軍の蛮行」(2015.6.16)を参照。

驚いたのは、同事件の実行者たちへの調査も処罰もなされず、報告を公にしたアンダース・コンパスが、国連の内部情報を漏えいした罪で解雇を言い渡されたことだった。それを不服とした彼は、訴えた。その結果、一時帰休を命じられた。それにも不服だった彼は、一時帰休の取り消しを求めた。その過程で、フェミニストで知られるスウェーデン外相マルゴット・ウォールストームは、コンパスの言動を評価して国連の措置を公に批判した。それが大手メディアで報道されて、日本の私も知った。

スウェーデン政府の中枢が内部告発者を擁護し、国連に向かって抗議をしたのだから、日本の政府とは大違いだ。

その後、時がすぎた。「常に信じていたことに向かって闘い続けられないならば、そのときは、私が去るときなのだ。だから、私は21年間の職務を終え、国連を辞職することにした」と、とうとうアンダース・コンパスは国連を去った。

c0166264_15443962.jpgそして、いまアンダース・コンパ(右写真)はファイトバックに転じた。

彼は、実例をあげて、腐敗には目をそむけ、内部告発者には壮絶な報復を続ける国連組織を告発する。8月にはスウェーデンで講演会も開く予定のようだ。

人道支援情報を提供する独立メディアIRINによると、

「難民キャンプで空腹だった子どもたちは、自分を守るために平和維持軍による性的虐待を受けた。そのことを詳しく述べる8歳の男子。そんな報告をニ度と読まなくてすむようにと願った」。これが彼の告発の動議だった。

アンダース・コンパは、職務がら知ったおぞましい事件の数々を国連内部機関に報告した。が、何ら手を打たない国連にしびれをきらして、フランス当局に報告書を渡した。

長年、国連の機能不全を知っていた彼だが、「事件そのものや、その後のスキャンダルや、私について、国連がどう対処するのか」には心の準備ができていなかったと振り返る。IRINにアップされた彼の文章から重要なフレーズをいくつか訳して紹介する。

「残念だが、国連には、国際公務員に課される倫理規定の順守よりも、自分たちや自分たちの国にとって都合のよいことに関心のある職員がどんどん増えている。なぜなら、倫理的な行いをすると、その代償は高いとみているからだ。つまり、倫理的に振舞わない人のほうが、倫理的な立場をとる人よりも得をするのである」

「職員たちの多くは自らが報復の犠牲となったり、または、評判のよくないとみなされる倫理的立場をとった人間に対する報復を見てきた。具体的には、仕事から外される、嫌がらせされる、突然移動させられる、評価を下げられる、契約更新されない。組織は職員を守ることなどないと誰もが確信している」

「深刻な危機があっても、上層部から下まで、国連の指導者は基本的立場をとれない。政治的影響がある場合はとくにそうである。最近の例では、国連にサウジアラビアが分担金を出さなくなることを恐れて、サウジアラビアを”子どもたちを虐殺したり半殺しにする国々”のリストから削除した」

「国連は、職員に倫理に反した行為の責任をとらせることがほとんどない。権力の座にある職員はとりわけそうだ。責任を課される事態になっても、有効な罰が下されることはまれだ。国連の責任機能は崩壊している。機能などしていない」

「私の母国スウェーデンでは、大臣たちは、わずか10ドルにあたる公費を不適切使用したという疑いで辞職にみまわれた。しかしながら国連では、子どもへの虐待を隠ぺいしたり、問題行動の証拠を示されても、辞職しない。というより国連組織は、彼・彼女らに辞職勧告をしない」

「だから、国連では、最後の砦として、内部資料を外に出すしかないのだ」

「コンゴの人権侵害、ボスニア・ヘルツゴビナの汚職や搾取、国連平和維持軍の虐待などを、世界が知ることができたのは、すべて沈黙を破って情報を流した人がいたからにつきる。これが国連の倫理違反に対する、迅速かつ組織的対応である」

「国連は、内部告発は組織内の価値観や水準を強化するチャンスと歓迎するような文化には蓋をして、恐怖に陥らせるような雰囲気をつくり、服従しない人たちを矮小化する」

国連の真実の姿を、身を賭して教えてくれたアンダース・コンパに心から敬服すると同時に、内部告発を擁護することの大切さを思い知らされた。

EXCLUSIVE: The ethical failure – Why I resigned from the UN
National Anti-Corruption Unit,Sweden
Corruption Perceptions Index 2016
政治家の役得に厳しいスウェーデン
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by bekokuma321 | 2017-06-20 15:17 | 北欧