カテゴリ:北欧( 104 )


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1218日、ダボス会議で知られる「世界経済フォーラムWEF」は、「男女格差ランキング2018」を発表した。世界149か国中、日本は110位。右の表は、1位アイスランド、2位ノルウェー・・・と149か国がならんでいて、赤マーカーが日本だ。


男女格差ランキングは、経済、政治、教育、健康の4フィールドで男女平等を指数化して決める。日本110位は、経済117位、政治125位、教育65位、健康41位の平均だ。政治分野の男女格差が最も大きい。その調査項目は、閣僚・国会における女性率と、女性首相が何年間いたか、の3つで、そこから125位とたたきだされた(朝日新聞2018.12.19)。


WEFの原典 にあたってみた。


政治分野の主な内容に「クオータ制」があがっていておもしろい。訳はFEM-NEWS。


●女性参政権を得て何年か  

●女性の首相は何人誕生したか

●国政選挙にクオータ制をとっているか  

●地方議会選挙にクオータ制をとっているか

●政党が自主的にクオータ制をとっているか

●国会上院における女性議員率


クオータ制(Quota system)は、選挙の候補者を決めるとき、一方の性に偏らないように少なくとも女性40%などと決める制度だ。暫定的特別措置のひとつで、世界の国々の半数が何らかのクオータ制をとる(IDEA)。


当然ながら上位5か国――1位アイスランド、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位フィンランド、5位ニカラグアーーは、何らかのクオータ制をとる。一方、日本は、国政、地方議会、政党もクオータ制を採用していない。朝日新聞は、このクオータ制について、1位のアイスランドを例に、こう書く。


90年代に複数の政党がクオータ(割り当て)制を採用するなどして増え、45割を占めるまでになった」


しかし、朝日は、アイスランドをはじめ上位5か国とも、比例代表制選挙中心の選挙だということに触れていない。比例代表制を論ぜずして、クオータ制をいうのは、土台がないのに家を建てようとしているに等しい、と思う。


なぜならクオータ制は、比例代表制でこそ生きる。比例代表では、有権者は政党に1票を入れる。政党の獲得票に比例して、その政党から何人議員を出せるかが決まる。例えば3人とすると、政党が決めた「候補者名簿(リスト)」の上から順に3人が当選する。


リストは、選挙前に選挙区ごとに開かれる政党の会議で、話し合って決められて、選管に出される。その政党の会議で、クオータ制の威力が発揮される。2位のノルウェーの多くの政党は、70~80年代からクオータ制をとっているが、現在、リストはほぼ男女交互に並ぶ。1番が女性なら2番は男性・・・。


一方、日本の小選挙区制(大選挙区制も含む)はどうか。候補者は、選挙区ごとに、個々人が手をあげて決まるのがほとんどだ。先に手をあげるのは、現役議員、議員だった親類縁者を持つ人、国会議員の秘書・・・そこにクオータ制の出る幕はほとんどない。


地方議会選挙もそうだが、選挙区から1人しか当選しない衆院選は、なおのことクオータ制を入れるのは絶望的だ。比例区があるではないかと思う人がいるかもしれない。だが、例外を除いて比例候補は小選挙区候補なのだから、日本の比例代表制は、小選挙区制のおできみたいなもので、比例代表制のよさが出ない。


そうは言っても日本で比例代表制選挙にすぐ変わるとは思えない。現制度の下で、一人でも多くの女性議員を誕生させなくてはならない。「候補者男女均等法」施行後初の統一選挙が来春やってくる。とにかく候補者に女性が増えなくては話にならない。


女たちよ、全国で選挙に打って出よう!


そして、各地で候補者調整が行われている今こそ、政党や政治団体に、以下のような提案をしたい。


●政党や政治団体は、「女性ゼロ議会」をなくすことを目標にかかげ、そのために女性候補のいないすべての自治体に、少なくとも一人、女性候補を擁立すること


●政党や政治団体は、引退議員や亡くなった議員がいる選挙区には、その自治体の議会の半数が女性議員になるまで、その議員のあとに女性候補を擁立すること


●当選には相手候補に1票でも差をつけなくてはならず、現役と同じような基盤(年齢、住所、職業、同窓会、PTA活動など)を持つ人を敬遠しがちだが、立候補を希望する女性がいたら、政党や政治団体は、同じような基盤の人でも擁立すること


●現職女性議員がいて、その立候補が予定されている選挙区の場合、女性候補が増えると、「女性同士の争い」と否定的評価をされがちだ。しかし、男性同士の争いは当たり前なのだから、矛盾する。政党や政治団体は、選挙区によっては複数の女性候補を擁立をしよう


●選挙区の議員定数が1人の場合は、女性の当選を、複数定数の場合は、複数女性の当選をめざすこと


日本を含む東南アジア諸国が男女平等になるには、今後171年かかるそうだ(WEF)。だが、このままの選挙制を続けるなら、日本の女性が議会の半分を占めるには、もっとかかるだろう。いや、女性だけではない。非正規労働者、心身障がい者、アイヌ民族など、社会的弱者を政策決定に増やすには、小選挙区制では絶望的だと思う。小選挙区制をやめて、比例代表制にすることを真剣に考えよう!



30代女性首相を輩出したニュージーランドのシステム

比例代表制は男女格差を縮める(世界経済フォーラム2017)

死に票2661万票(2017衆院選)

絶望の小選挙区制選挙(2017衆院選)

女性議員増「比例代表制&多数定数選挙区で」

選挙制度は政治を根本から変えた(ニュージーランド)

比例代表制は女性や弱者が当選しやすい

国際シンポ「選挙を変えれば暮らしが変わる」

フランス議会は男女半々(パリテ)へ-イヴェット・ルーディさんに聞く-


【2018.12.23 更新】



by bekokuma321 | 2018-12-22 18:55 | 北欧


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「女のゼネスト『変わるべきは社会だ、女ではない』」 に、「なんてすばらしい‼‼ ありがとう、マリコ!」と、「女性のゼネスト」を企画した1Brynhildurからお礼のメールがFEM-NEWSに届いた。感嘆符4つに、原稿書きの疲れがふきとんだ。


つづいて、「2018年は、こんなふうに集まりました」というレイキャビクからの動画も。1024日、午後2時ごろから、徐々に集まりはじめる。女性たちがどんどん増えてくる。広場を埋め尽くす女、女、女。「見よ、これが女の世界だ」という感じだ。数秒なので下のリンク先をクリックしてどうぞ。

2018年10月24日アイスランドの女性ゼネストの動画(早送り)


全プログラムがおさめられている、もうひとつの動画もある。こちらは長いのでほんの一部しか見てないが、ステージ前に集まっている女たちのプラカードがおもしろい。「平等」「ロックだぜ」「私たちにはできる」「私たちこそヒーロー」と、多彩。ステージでは、ロックあり、ラップあり、合唱あり、スピーチあり、の大盛り上がり。


女性たちがゼネストで、「男女同一価値労働同一賃金を」と態度表明する国アイスランド。ジェンダー・ギャップ世界一の男女平等社会は、闘い方も世界一だ。




女のゼネスト「変わるべきは社会だ、女ではない」(アイスランド)

アイスランド首相を出した政党の前身は「女性党」

アイスランド国会、女性議員48%に!

アイスランド10月24日「女性が休む日」を決

百田氏よ、恥を知れ! 





by bekokuma321 | 2018-10-26 20:50 | 北欧

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フェイスブック友だちによると、1024日(水)1455、アイスランドの女たちはゼネストに突入する。スローガンは「変わるべきは社会だ、女ではない」。

このアクションは、男女賃金格差への憤りを態度で示し、ことの重要性をすべての人々に知らせるためだ。

アイスランドといえば、「世界経済フォーラム」が発表するグローバル・ジェンダー・ギャップで、2017年世界第1位だ。日本は114位。

しかし、アイスランドでも、男女同一賃金は達成されていない。最新統計によると、男性100円としたら女性74円。その格差は26%。18時間働いても、女性は5時間55分間に値する賃金しか受け取っていないことになる。賃金をもらっているのは、朝9時から1455分まで。後は無償労働だ。

だから、アイスランドの女たちは決めたーー1455分に、いっせいに仕事場を離れよう!」

このアイデアは、初めてではない。アイスランドでは、「女性が休む日(Kvennafrí)」と呼ばれ、英語は"Women's Day Off“。1975年初めて決行された。アイスランド史だけでなく、「女性のゼネスト」として、世界の女性史に燦然と輝く。

明日のゼネストを前に、Efling労働組合事務所には、さまざまな女性団体が準備のために集まった。今年は、賃金格差に加えて、世界各国でわき起こった#MeToo運動や、難民女性問題も訴えるという。宣言文にはこう書かれている。

「女たちは、セクハラ、暴力、不正で苦しんでいます。職場の男女平等への闘いを、賃金格差撤廃だけではなく、働く場の安全確保にも広げなくてはなりません。女たちは、家庭でも職場でも安心と安全を求めています」

明日、アイスランドからどんな映像が届くのか。ワクワクする。


Icelandic WomenWill Go On Strike This Wednesday

Kvennafrí

KvenréttindafélagÍslands (The Icelandic Women’s Rights Association

アイスランド首相を出した政党の前身は「女性党」

アイスランド国会、女性議員48%に!

アイスランド10月24日「女性が休む日」を決行

百田氏よ、恥を知れ! 







by bekokuma321 | 2018-10-24 21:23 | 北欧

ノーベル医学賞を日本人が受賞した。その発表の直前、ノーベル文学賞取りやめに至らせた人物への有罪判決が下された。

ガーディアン紙、ニューヨークタイムズ、BBCの10月1日の記事をもとに、まとめる。

「今年のノーベル文学賞中止」という史上初の事態に陥らせた人物の名はジャン・クロード・アールノー。彼は、女性への性的虐待と不適切な会計処理によって、スウェーデンアカデミー の信用と権限を失墜させた。会員は終身なのだが、何人も辞意を表明、初の女性事務局長は辞職に追いやられた

101日、ストックホルム地裁は、全会一致で、世界で最も権威あるノーベル文学賞を決めるスウェーデンアカデミー会員である詩人カタリーナ・フロステンソンの夫ジャン・クロード・アールノーに懲役2年の有罪判決を下した。裁判所は、彼を訴えた強姦事件2件のひとつに、十分な証拠と何人かの証人があると述べた。

アールノーは、何十年にもわたってスウェーデンの文化芸術業界でひとかどの人物だとされていた。彼は、ストックホルムのアパートで、2011105日、女性に対して強制的なオーラルセックスと強姦を行い、さらに同年122日、同アパートで彼女が眠っているときに再び強姦に及んだ。女性を逃げさせまいと、女性の首を強くつかんだことは疑いの余地なし、ともされている。

「アカデミー19人目の会員」であると自負していたとされるジャン・クロード・アールノーだが、裁判所は、懲役刑、ならびに、被害者に慰謝料約137万円を支払え、との刑を下した。

このスキャンダルは、#MeToo運動のさなか、昨年11月、女性18人の訴えをスウェーデン紙Dagens  Nyheterが報道したことで火が付いた。同紙によると、フランス人写真家アールノーは、フランスとスウェーデンで、20年の長期にわたって、女性たちに強姦、セクハラ、虐待、ハラスメントを行っていたというものだった。

18人のうち8人の告訴は正式に受理された。しかし1件を除いたすべてが証拠不十分、または時効であるため、起訴にはいたらなかった。

女性に対する性的脅かしは、社会的地位をかさにきた男性の力の誇示によるものが多いとされるが、この事件は、まさにそうだ。アールノーの弁護士は、彼は、「間違った証拠にもとづく魔女狩りだ」と疑惑を全面否定していると語っている。おそらく控訴するだろう。

性被害を口にすることは苦しくつらい。その困難を克服して、やっと声をあげたとしても、それを裁判で立証するのはさらに困難であることが、よくわかる。


ノーベル文学賞選定機関の女性蔑視

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▲スウェーデン在住ジャーナリストのビアネール多美子記者の記事(I 女のしんぶん2018.2.10)



by bekokuma321 | 2018-10-02 02:20 | 北欧

北欧スウェーデンが世界一に輝いたのは「世界評判ランキング」。

G8(主要先進8カ国)の人たちが、訪問先としての安全性や政策の先進性などいくつかの基準で世界の国々を評価し、ランク付けを行ったものだとか。アメリカのコンサルティング企業「レピュテーション・インスティテュート」が毎年行っている。

インスティチュートによると、スウェーデンは「透明性、安全性」において優れ、「ライフスタイルと自然の美しさ」が突出し、「最も高い倫理性を有し、先進的である」とされている。

スウェーデンの首相ステファン・ロベーンは、こんなコメントを出した、と報道されている。

「(世界一になった)この結果は、わがスウェーデン・モデルが、高い成長のみならず、自由で平等で安全である社会を生み出している証です。不平等こそ経済発展の障害であると多くの人たちがわかってきているのです」

トップ5までは以下のとおり。北欧諸国が目立つ。また、これら5カ国はすべて、比例代表制選挙の国であることは強調してもしすぎることはない。

比例代表制の選挙は、有権者は、候補者個人ではなく政党に投票する。日本のように、候補者個人が顔や名を売る必要がなく、選挙にカネがかからない。その結果、女性の議員率がきわめて高く、多様性に富む議会構成になりやすい。スウェーデンは、「フェミニスト政府」と称する内閣をつくって、男女平等に力を入れる。

Country RepTrak® - Annual Ranking of Most Reputable Countries Worldwide
Sweden Earns Top Spot as Most Reputable Country in the World
Sweden reclaims title as 'world's most reputable country'

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【2018.6.28 1600更新】
by bekokuma321 | 2018-06-27 23:59 | 北欧

北欧に関する最新の研究結果を2つ。

多くの国際調査で、北欧諸国は常に最も住みやすい国にあがっている。では、なぜ、北欧は世界で最も住みやすい社会なのか。

そのなぞに迫った新書が出たという。オスロ大学のニーナ・ウィトシェクらの近著『持続可能な近代性 Sustainable Modernity』だ。

ニーナ・ウィトシェクはポーランド・アイルランド系ノルウェー人。1983年、ポーランドからノルウェーに亡命した。彼女によると、北欧諸国は、協力と競争が見事に共存しているため、持続可能な近代をつくりあげることができたのだという。「北欧諸国は、協力しあうことの利点を持った競争社会である」とまとめている。

もうひとつ。スウェーデンのマイケル・ノルデンマークは、国際社会調査プログラム(ISSP)による「家庭とジェンダーについて22カ国の調査」を元にこう分析している。

北欧諸国の男性は、南欧や東欧の男性よりも、総合的に幸福であると答えている人が多い。また他の国々に比較して、その幸福感と仕事上の満足度にそれほど強い因果関係がない。それは、北欧の男性は、家庭生活に強く参加しているからだという。

一方、ジェンダー役割が大きい北欧以外の国の男性は、家族生活と幸福との関係が弱いという結果が出ている。

つまり、家庭生活が北欧男性に幸福をもたらしていて、それが総合的幸福感の高さにつながっている。とはいえ、南欧や東欧には、それが、かならずしもあてはまらない、というのだ。

おそらく、南欧や東欧のジェンダー平等は北欧ほど十分でないからだろう、と考えられる。

Why are the Nordic countries ranked as the world’s best countries to live in? June 8, 2018
Gender equality means Nordic men happier with family life: Swedish study 9 April 2018

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▲パパにだきついている2人の子どもたち。横で本を読むママ。この共働き夫婦は、両親で育休をわけあって目いっぱいとった。ノルウェーの家庭で撮影
by bekokuma321 | 2018-06-13 17:26 | 北欧

スウェーデンの中道左派政権は、自らを「フェミニスト政府」と呼ぶ。その先頭を走るのは、外相マーゴット・ヴァルストロムMargot Wallströmだ。2018年に向けて彼女が発した力強いスピーチを紹介する。今年2月14日の所信表明演説から、男女平等に関する箇所。


==== 2018年所信表明より =====

c0166264_22422347.jpg昨秋は、比類なき運動で特色づけられました。そう、2つの単語Me Tooであらわされる運動です。

世界の資産、代表、権利において、女性は無視されています。だからこそ、わが国は、全力で、世界中で、フェミニスト外交政策を追求しようとしているのです。

サウジアラビアやイランでは、私たちは、女性の経済的力を上げるための教育に力を入れています。ルワンダでは、父親の役割に関する公開討論を始めました。シリア、アフガニスタン、コロンビア、ウクライナでは、女性の調停ネットワークの仲間たちが、働いています。

スウェーデンは、避妊、母体の保健、安全な中絶を通じて、性的かつ再生産における健康と権利の推進に対する最大の寄与者であります。また私たちは、女性器切除の根絶に向かってたたかいます。

来る4月、政府は、スウェーデン研究所や国会との対話において、ストックホルム男女平等フォーラムを開催します。同フォーラムは、世界の草の根から政府高官などを招いての主要な男女平等国際会議となります。その目的は、結果を分かちあい、お互いをわかりあい、政治的指導者を刺激することです。

Sweden pushes feminist foreign policy in wake of #MeToo
'Sweden is implementing gender equality level 2.0'
スウェーデン「フェミニスト政府」の偉業
“Equality in Sweden isn’t perfect, but it might be the best that we have in the world.”
International Conference on Men and Equal Opportunities in Stockholm
by bekokuma321 | 2018-06-05 22:50 | 北欧

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北欧は平等の国だ。男女格差が少なく、女性が政財界で生き生きと働いている。それに緑の党という比較的新しいミニ政党が元気だ。エコロジーとフェミニズムを政策の中心に置く政党だ。

たとえばアイスランドでは、第二党となった「左派緑の党」の党首が首相になった。彼女はフェミニストの若い女性だ。

ノルウェーでは、首都オスロの与党に緑の党がはいった。副市長はベトナム移民の娘。オスロを世界一環境にやさしい都市にと、夢を政策に移している。昨年、緑の党はついに国会にも議席を持った。

なぜ、北欧では日本でできないことができるのだろう。

2018年5月26日(土)17時 文京区シビックセンター5F 
「議会&選挙が変われば社会は変わる:比例代表制が女性議員を増やした北欧に学ぼう」

北欧に対する偏見
フィンランド世界一、日本54位(2018国連幸福度)
アイスランド新首相は「緑の党」女性議員
比例代表制は男女格差を縮める(世界経済フォーラム2017)
百田氏よ、恥を知れ!
by bekokuma321 | 2018-05-26 14:18 | 北欧

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スウェーデン・アカデミーは、5月4日(金)、2018年のノーベル文学賞はないと発表した。報道によると、1949年以来、初めてだという。

スウェーデン・アカデミーは、ノーベル文学賞を決める機関だ。アカデミーは「アカデミーの人数が減っている事態と、アカデミーの信用失墜」からこの決定に至ったと語っている。2018年のノーベル賞は2019年に一緒に発表するらしい。

事の発端は、4月17日FEM-NEWSで紹介した。アカデミーの会員である詩人カタリーナ・フロステンソンの夫フランス人写真家ジャン・クロード・アールノーによる性的暴行疑惑と、妻から情報を得て事前に受賞者名を漏洩した疑惑だ。

世界を動かした#Metoo運動のもと、アールノーからセクハラや性暴力を強要されたという女性が次々に声をあげた。疑惑の主ジャン・クロード・アールノーは否認を続けている。

アカデミーの信用がガタガタになった。詩人フロステンソンを辞任させずに留任させたとして、18人アカデミー会員のうち3人が、自ら辞任を表明。さらにアカデミー改革に取り組もうしてしていた初の女性事務局長サラ・ダニウス(写真)が辞職した。

サラ・ダニウスの辞職は、表向きはトップのリーダーシップの欠如とされているようだが、実際は、アカデミー守旧派との確執から、更迭されたとされている。

「男の悪事の責任をとらされて」辞職に追い込まれたサラ。スウェーデンの女性たちは激怒した。デモで憤りを示したり、彼女のトレードマークのボータイブラウス(注)を着たり・・・サラへの支持は広がっていた。

こうして、スウェーデン女性の#Metoo運動は、ノーベル文学賞までぶっ飛ばした。


【注:子猫ちゃんボウ(pussycat bow)ともいう。猫の首につけるリボンのように、首元でリボンを蝶結びにするブラウス。サラ・ダニウスはこれをよく着ていたので、彼女への共感を示すシンボルとなった。アメリカ女性が、子猫ちゃん帽(pussycat hat)をかぶってトランプ大統領の女性蔑視に抗議をした「女性の大行進」にあやかったのかもしれない】

【写真:2017年、カズオ・イシグロの受賞を発表するサラ・ダニウス事務局長。Youtubeより】

The Swedish Academy postpones the 2018 Nobel Prize in Literature
Thousands to protest outside Swedish Academy meeting
ノーベル文学賞選定機関の女性蔑視
'Not all traditions are worth preserving': ousted Swedish Academy head Sara Danius
Swedish Academy's first female head ousted after #MeToo scandal
De visar sitt stöd för Sara Danius med knytblus
セクハラやめろ!(スウェーデン)
セックス同意法(スウェーデン)
ノルウェー労働組合員736人、組織内のセクハラ文化を抗議 「恥と罪の意識を返却します」 #MeToo
by bekokuma321 | 2018-05-04 22:18 | 北欧

2017年秋、北欧アイスランドで国政選挙があった。

アイスランドを含む北欧はすべて比例代表制選挙なので、いくつかの政党が交渉を重ねて連立政権をつくるのが普通だ。

今回は、第二党となった「左派緑の党」党首であるフェミニストのカトリーン・ヤコブスドッティルが首相に選ばれた。

首相は、「男女賃金格差禁止法」を今年2018年1月1日から施行した。なんと素早いこと! しかも男女同一賃金であることを証明できない25人以上の会社・公共機関には1日6万円近くの罰金が科されるのだという。

罰則のない理念法しか作れない日本とは大違いだ。「2022年に男女同一賃金の完成」が目標らしい。

この「左派緑の党」の前身は「女性党」だ。女性党があったころ、首都レイキャビクまで飛んで、女性党事務所を訪問した。そのとき私の目を射抜いたのが、このポスター。

ポスターのアイスランド語は何と言っているのだろう。「叫ぶ芸術:ポスターに見る世界の女たち」(I 女のしんぶん)をどうぞ。

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2017世界平和指数トップはアイスランド
アイスランド女性がいっせいに休んだ日
百田氏よ、恥を知れ! 

by bekokuma321 | 2018-04-18 19:00 | 北欧