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5月25日、兵庫県尼崎市の友人からフェイスブックにこんな投稿があった。


「荒川区で学校休業中の男女別でやってはる学校ありますね、びっくりしましたわ」


コロナ禍対策として密をさけるため「男女別で登校」させる自治体があるというのだ。尼崎市では男女別で登校する話が出た段階で問題になったらしい。友人は「分散登校 男女別」と、ネット検索したら、荒川、倉敷、札幌、江戸川、和光、船橋・・・が表示されたという。


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全く知らなかった私はびっくりして、荒川区の教育委員会指導室長に電話した。すると荒川区ではそのような指示はしていないとのこと。


先日、近所の小学校PTA広報誌に、「餅つきで男がつき手、女が返し手」というくだりがあったので、荒川区の教育部長と議論したばかりだ。その時は、性別役割分担の押しつけについては校長会で議論するという返事だった。ついでに、男が先名簿の学校を調べたらどうかと提案した。残念ながら教育部長は、名簿に関してはやる気がなさそうだった。


学校教育における男女別名簿は、性別で分けたがる日本の悪しき慣習の根っこにあると私は考えている。実は、3年前の荒川区では、男が先の男女別名簿は、「小学校24校中3校、中学校10校中5校」もあって愕然とした。そこで、私は、5月27日、荒川区の人権推進課担当に、おおむね次のような趣旨のメールを送った。


【男女別登校は、性的少数者として悶々としている生徒に配慮が足りないと思う。荒川区は「女子に対する差別」の定義の中の「区別」について熟考しているとも、区別を減らそうと努力しているとも思えない。荒川区の人権研修は不十分ではないか】


メールを出した翌日、再び教育部長に電話した。すると、回答は「(男女別登校をしないように)変更しました」だった。一安心。


「男女別」の発想から抜けきれない教育者や公務員がなんと多いことか! これでは、日本が、世界ジェンダー・ギャップ(男女格差指数)の順位153か国中121位というあきれるほど低いのも、あたりまえだ。何十年も前から問題になっていてもいまだに撲滅できない、世界でも日本だけといわれる「男が先名簿」。コロナ禍の今こそ撲滅しよう!! 私も荒川区で頑張ります。


瀬野喜代(元東京都荒川区議、写真も)


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【写真は6月1日、小雨のなかマスク姿で足取りも軽やかに3か月ぶりに登校する生徒たち。写真の学校は男女別登校の指示はされていない】


# by bekokuma321 | 2020-06-01 10:43 | 紛争・大災害・パンデミック


ノルウェーのコロナ感染者は、「529日午前0時時点で、8411人」。ノルウェー公衆保健研究所FHIの発表だ。


ノルウェー政府は、312日に厳しい行動制限を出してから、1か月もしない47日、「コロナ感染は制御された」と公表して世界を驚かせた。アーナ・ソールバルグ首相、FHIのカミラ・ストルテンベルグ所長、ベント・ホイエ保健大臣による記者会見だった。FHIは、新型コロナウイルスに関する医学的情報の責任施設。


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▲FHI所長(左から2人目)、首相(左から3人目)、文科大臣(最右)

このニュースは、FEM-NEWSですでに知らせた。さて、なぜ制御されたと発表できたかだが、会見で「1人の患者が平均して何人に感染させるかの数値が0.7と推定された(この数値が1未満だと流行は収まっていく)と述べた」と報道されている(朝日新聞)。


0.7」という数字を出したのはストルテンベルグ所長だ(NRK)。基本再生産(ベイシック・リプロダクション)の数を指す。リプロダクションは、日本で女性運動にかかわってきた人にはなじみやすいかもしれない。女性が生涯に出産することを指し、再生産と訳される。ベイシック・リプロダクションとは、女性が産む女性の数の平均となる。ところが、感染分野では、ベイシック・リプロダクション・ナンバーは、1人の患者が何人に感染させるかを示すことに使われるのだという。略してR0。ノルウェーは、このR0をコロナ感染対策にいち早く活用した。


ここで、ノルウェーのコロナ感染を振り返ってみたい。第1号は、2月、北極圏の町トロムソで確認された。312日、ノルウェー政府は感染拡大防止措置を断行。その行動制限の厳しさは、「戦時中以外では初めて」と報道されている。スーパーマーケットなどの例外を除いてほぼすべての社会的機能が閉鎖され、自宅隔離政策がとられた。移民管理局と警察には、永住許可証のない外国人の対する入国規制権限が与えられ、違反すると、罰金または懲役刑が科される。


しかし、5月末現在、親しい家族や、自身が所有する山荘などへの訪問を希望するEEA市民に、この規則は緩和されている。とはいえ、誰もが自宅隔離を続けなければならず、永住許可証のない外国人の入国は禁止されている。ノルウェー国民の国内旅行は、不要不急の場合を除いてできるだけ避けるように、また、警戒を怠らないこと、とくに社会的距離をとること、20人までなら自宅で集まってもいいが、人と人との間隔を少なくとも1メートルとること、とアドバイスされている。また、すべての国民が新しいコロナ対策アプリをスマホにダウンロードするように奨励されている(批判も多いようだ)。PCR検査は新しいキットが開発され、一日3000人が受けられるようになった。


教育機関だが、すでに511日から保育園を含むすべての学校、「移民・難民インテグレーション(社会的包摂)センター」をはじめ成人教育の場も再開された。615日にはすべての生活が元通りに戻る予定だそうだ。しかし、大人数が集まるスポーツ大会、ロックフェスティバルなどの行事は91日まで禁止される。旅行制限は820日まで続くらしい。


報道された情報やそれにかかわる画像・動画を見る限り、以上のようなノルウェーコロナ防止の政策立案に、多くの女性が積極的にかかわって、しかも指導的役割を果たしていることは明白だ。


ジェンダーの視点は、国内にとどまらない。5月6日には、コロナ禍とジェンダーに関する国際的動きの旗振り役をした。コロナ禍は、女性の健康と権利に深刻な影響が与えていることを踏まえ、ウルスタイン国際開発相は、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の保護と、ジェンダーに敏感であるようにと国際協力を呼びかけた。この共同声明には、「コロナ感染の影響は、女性と男性で異なっています」と明記されている。世界59ヵ国政府がノルウェー政府の呼びかけに応じた。日本政府の名もあったが、なぜか日本政府はあえて、この件を国内で広めていないようだ(要点はジョイセフHPに日本語訳あり)。


こうしたノルウェー政策の背景には、1980年代から、政策決定の場は「男女比を40%から60%に」というクオータ制を実行してきたことがある。たとえば内閣。政権の交代があっても、女性大臣数の後退はなかった。現在も女性大臣40%だ。女性だからコロナ政策の実行力があるとは思えないが、女性が極端に少ない決定の場から、命や暮らしに直結した”いい政策”は出てこないだろう。


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▲法務大臣、通商産業大臣、首相、外務大臣(左から右へ)


【写真はすべてノルウェー政府のネット情報より】


Norwegian Prime Minister Reveals Why They Have Been Successful in Lockdown | Good Morning Britain (Youtube)

The governments plan for reopeninig norwegian society and easing the coronavirus restrictions

Data on how Norwegians move between municipalities allow for a finetuned model of calculating the spread of coronavirus

コロナウイルス:意外!スウェーデンのコロナ行政(「叫ぶ芸術」)

コロナウイルス:移民女性センターに王妃から応援電話(ノルウェー)

コロナウイルス:ノルウェー憲法記念日行事は中止に

コロナウイルス:ノルウェー緊急策の結果「制御された」

DV対策「必要不可欠業務」に(ノルウェー)

コビット19治療薬の実験始まる(ノルウェー)


【2020.5.31更新済み】

# by bekokuma321 | 2020-05-30 15:01 | ノルウェー

女性差別撤廃条約、それは、女性のための世界憲法。


女性差別をなくすには、「男は仕事、女は家」「男は主、女は従」、などと性によって分けることをやめなくてはダメ、と世界で初めて規定した。


日本には、あっちを見てもこっちを見てもおびただしい数の条約違反がある。勇気をふるって声を上げても変わらない。でも、大丈夫。国内でお手上げだったら、たった一人でも国連(女性差別委員会)に訴え出ることができるようになっている。


ただし、これには条件がある。訴えることができるのは、女性差別撤廃条約選択議定書を批准している国の人たちだけだ。選択議定書? なにやら固そうな用語だが、条約にくっついている付録みたいな規約のことだ。日本政府は、女性差別撤廃条約は批准したものの、残念ながら選択議定書は批准していない。


長年、女性団体は批准を要求してきたが、「男性偏重」の日本政府は、21世紀の今なお女たちの声を政策に反映しようとしない。でも、批准しないとはじまらないのだ。だから、まずはオンライン集会に申し込もう。こちらからどうぞ→ https://opcedawjapan.wordpress.com/2020/05/25/2020620/



一人でも国連に訴え出られるように(選択議定書批准めざして)_c0166264_09063510.jpg

# by bekokuma321 | 2020-05-28 09:38 | 日本

4月中旬からずっと職場に訴えているのに、感染対策をしてもらえず困っている」

「利用者に移してしまうのではないかと不安。まさに三密状態で生活介助している」


介護に携わっている人たちの大変さは聞きしに勝る。政府は、緊急事態宣言を解除したが、解除にあたって、彼女・彼らの声に耳を傾けたとはとても思えない。


コロナウイルス:介護労働ホットライン報告_c0166264_09190419.jpg下町ユニオン運営委員長山本裕子、ケアワーカーズユニオン運営委員長間庭尚之の両氏が、5月24日、『新型コロナ関連介護労働ホットライン』報告を公表した。(連絡先:電話03-3638-3369、E-mail shtmch@ybb.ne.)下にその報告を掲げる。


■■政府は、緊急事態の全面解除にあたり高齢者の命と介護従事者の安全を守ってください■■


『新型コロナ関連介護労働ホットライン』報告


5月22日・23日、『新型コロナ関連介護労働ホットライン』を行いました。北海道から広島まで全国各地からコロナ禍で懸命に介護現場を支えている介護従事者の方から45件の相談が寄せられました。その多くは、マスクや消毒液など感染防護の物資が不足している、自分や家族に感染する不安や重症化しやすい感染弱者の利用者や入所者に感染させてしまうのではないかという恐怖、感染対策をしっかりしてほしいなど現場の切実な訴えでした。


緊急事態宣言が全面的に解除されようとしています。社会が動き出して行くことで感染リスクが高まるのではないかという大きな不安を介護従事者は抱いています。特に高齢者施設では集団感染が多発しています。コロナで亡くなった人の7人に1人が高齢者施設です。


WHOは新型コロナ感染対策の規制を緩和するにあたり高齢者施設への対策を要件の一つに挙げています。介護労働ホットラインを受けて現場の要望としてユニオンでは二度目になりますが、緊急事態宣言を解除するにあたり高齢者の命と介護従事者の安全対策、安心して働ける環境整備を求めて政府に対して緊急要請書を提出し下記の5項目について要請しました。


1.すべての高齢者施設について、感染予防の専門家による直接指導を行うこと。

2.マスク、消毒剤、防護服等の支給を行う体制を早急に整え優先的に支給すること。

3.すべての職員がいつでもPCR検査、抗原検査、抗体検査を受けられるようにすること。

4.集団感染が発生した場合は、自治体が対策本部を立ち上げて対処し、国が支援をすること。

5.介護従事者が安心して働ける環境整備(感染対策費、特別手当、宿泊費、感染時の補償)について支援すること。


寄せられた相談の一部を紹介いたします。(左下Moreをクリック)



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# by bekokuma321 | 2020-05-26 09:39 | 紛争・大災害・パンデミック

叫ぶ芸術 82回」が、I女のしんぶん(5/1025合併号)に掲載された。

原稿は4月末にあげたものだが、525日現在、感染者・死者はさらに増えている。10万人あたりの北欧諸国の死者は、スウェーデン39.9人、デンマーク 9.7人、フィンランド 5.6人、ノルウェー4.3人、アイスランド 2.9人。

コロナウイルス:意外!スウェーデンのコロナ行政(「叫ぶ芸術」)_c0166264_22183620.jpg


上図にマウスをあてるとサイズが大きくなり読みやすくなる。でも「I 女のしんぶん」は、日本では数少ない女性運動紙なので、できたら定期購読をお勧めしたい。



「女性・平和・安全インデックス 」1位ノルウェー 29位日本

オスロ副市長は北欧民主主義の申し子(ノルウェー)

民主主義度ノルウェー1位、日本22位

百田氏よ、恥を知れ! 

北欧に対する偏見



# by bekokuma321 | 2020-05-25 22:40 | 紛争・大災害・パンデミック