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ノルウェーの統一地方選は9月9日。選挙期間の定めはなく、「年から年中選挙」なのだという。

とはいえ、実際は夏休みが過ぎたころが本番。各地の市民が行き交う場所に、選挙小屋や選挙テントが誕生する。メディアにも政党や政党党首を扱う番組が目立つようになり、「選挙の季節到来」を告げる。

下は、オスロの目ぬき通りをカラフルに染める政党の選挙小屋だ。

日本の選挙事務所にあたり、政党のポスターや政策チラシが飾られている。ただし、ノルウェーは比例代表制で、1票は、候補者にではなく支持する政党に入れる。だから日本のような候補者個人の選挙小屋や選挙ポスターはない。あのうっとうしい選挙宣伝カーもない。あるのは、こうした政党ごとの選挙小屋。小屋の前では、市民との質疑応答が繰り広げられる。


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▲現在、オスロ市政の中核を担う労働党の選挙小屋。人気はいまいちだが、左派系の他党と連立を組んで、今回もオスロ市政を任されそうだ。

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▲オスロ議員を出せない中央党(元農業党)の選挙小屋。しかし人気上昇中で、今回は数人当選の予想。左側の子どもたちは「9年生(日本の中学生)です。学校の授業で政党の選挙公約を調査に来ました」と。


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▲保守党の選挙小屋。ここにも、子どもたちや市民が足をとめて話を聞いている。保守党は国会は与党で首相も出しているがオスロは野党。市長候補にパキスタン系の女性弁護士を立ててオスロ奪還を狙う。でも、世論調査によると難しそうだ。



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▲今朝(2019.8.20)の新聞の表紙を飾った「緑の党」。前回8.1%だったが、今回は15.2%」と躍進を伝える。緑の党は、最大党の労働党と連立を組んでオスロ市政を担っている。笑顔の女性は現在の副市長(ベトナム系ノルウェー人)。発言力がさらに増すだろう。






# by bekokuma321 | 2019-08-21 09:54 | ノルウェー

ドイツの防衛大臣がEU初の女性の委員長となった。


ところが、彼女の人事案件は、EU議会で承認を得なければならないのだが、すったもんだがあったという。本家ドイツの緑の党や社会民主党が彼女の政策に異議をとなえたのだ。なぜか? 


詳しくは、叫ぶ芸術 第73号「『女たちのヨーロッパ』の時代到来(ドイツ)」(I 女のしんぶん」2019810日号)をどうぞ(↓)。


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# by bekokuma321 | 2019-08-14 15:47 | ヨーロッパ

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ノルウェーの統一地方選は9月9日だ。


以前、ノルウェーの親友マグニ(写真)と音楽会に行った。帰路、喫茶店に入った。マグニの友人3人も一緒だった。ノルウェー人4人のうち3人が「ええ、議員の候補になったことあるわ」と言った。議員に立候補したことのない1人は、「夫が議員。それに私の両親ともに市議会議員で、親戚にも議員が多い。私ぐらいパスしてもいいでしょ」と言った。


日本人の私の場合、友人にも家族にも親戚にも議員や立候補者は皆無に近い。ノルウェーでは、政治はごく身近なのだと思った。


そんなノルウェーで、この9月の地方選挙に立候補した人は? 統計局発表によると、市議会(日本のような市区町村の区別はない)の立候補者数は、54,254人。うち女性は23,258人で、43%にのぼる。


ノルウェーの人口は日本の30分の1ほどだ。ザックリ日本にあてはめると、候補者数は163万人、うち女性は70万人となる。日本の地方議会の立候補者は16000人程度なので、100倍以上の候補者がしのぎを削ることになる。女性に至っては、250倍である。


日本には無投票当選すらある。なぜノルウェーではこんなにも多くの人が立候補するのだろう。ノルウェーの選挙が、比例代表制であることが最大の理由だ。また「政党は立候補者を選挙区の定数プラス6人まで擁立してもいい」とする選挙法の影響もある。


たとえば、首都オスロ


東京都議会にあたるオスロ市議会には59人が座る。それをめがけて21もの政党が候補者を擁立。1政党から最大65人を出せるが、主要政党はほぼ65人めいっぱい出している。 候補者リストに大勢の人を載せることによって「多彩な人がわが党員です」とアピールできるからだ、とオスロ大学の政治学者から聞いた。それにしても、よくこんなに多くの候補者を擁立できたものだ。


感心したのは、候補者が多いばかりではない。移民難民系候補者の多いこと! 


オスロ労働党の場合、候補者リストの名前と写真や略歴などから判断すると、少なくとも14人は移民難民系だ。つまり、候補者の約20%がマイノリティ出身なのである。1番こそ白人男性だが、2番はスリランカ人の女性だ。


労働党とオスロの連立政権を担っている緑の党は、ベトナムの女性がリストの1番だ。


かたやオスロ市の政権奪還を狙う保守党はどうか。1番は白人男性だが、2番はパキスタン人の女性法律家だ。当選圏内には、モロッコ人、トルコ人もいる。しかも2番の女性は市長候補だという。もし9月の選挙で右派リーグが勝利すると、彼女がオスロ市長(都知事)となる。パキスタン女性の市長は、オスロ史上初だ。


9月9日の選挙結果が楽しみだ。


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▲ノルウェー国会議事堂前のライオン像で遊ぶ小学生。4人のうち2人はイスラム教徒のようだ。

【更新 20190814】


# by bekokuma321 | 2019-08-13 21:15 | ノルウェー

この6月、デンマークで、中道左派が政権を奪い返した。首相を出していた保守系の自由党は票を減らさなかったが、社会民主党を中心とする左派ブロックが数で上回ったのだ。


社会民主党の党首はメッテ・フレデリクセン。デンマークで2人目の女性首相になった。1977年生まれ。離婚した元夫との間に子どもが2人いる。労働組合に勤務していた23歳のとき、国会議員に初当選した。比例代表制選挙をとる北欧諸国では珍しいことではない。


今回の勝利の鍵は、社会民主党が、難民政策を厳格な方向に舵を切ったことのようだ。


彼女の勝利宣言をネットで見ていたら、「女たちよ、現実的であれ、不可能なことを要求せよ」というポスターが頭に浮かんできた(↓)


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ポスターをつくったのは「レッド・ストッキング Rødstrømperne」。デンマークの伝説的女性団体で、一世を風靡した。スローガンは、フランスの19685月革命で壁に書かれていたという「現実的であれ、不可能なことを要求せよ」が語源だ。


大学生や高校生たちが、反戦、反体制、反資本主義に対して一大蜂起をした。大学閉鎖、交通マヒ、工場封鎖、カルチェラタン占拠。参加者は1千万人に及び、ドゴール大統領退任へ。同時代を生きたデンマークのフェミニストたちも参加したかもしれない。少なくとも報道で知って胸をドキドキさせたに違いない。


このスローガンの真意だが、 「現実主義者であると同時に、不可能と思われることに挑戦しなさい」ともとれるし、「この現実を見よ、不可能なことを要求するしかないのだ」ともとれる。


デンマーク女性党首から私は前者を想起したのだが、レッド・ストッキングの女たちの意図は後者だったに違いない。


もっと読みたいかたは、叫ぶ芸術 第72回 女たちよ「不可能」を要求せよ(デンマーク) を。



# by bekokuma321 | 2019-08-13 09:24 | 北欧

アメリカから、スーパーでの買い物客を襲撃したテロのニュースがはいってきた。何時間かして、週末の夜を楽しむバーの客を襲撃したテロのニュース。暑さのせいで自分の頭がおかしくなったのかと思った。でも、事実だった。


8月3日から4日にかけて、テキサス州とオハイオ州で銃撃事件が起き、合わせて29人が死亡、53人がけがをしたとされている。襲撃犯はどちらも白人男性だった。さらに、テキサス州の容疑者が書いたのではないかとされる移民への敵意や犯行の計画を記した文書がネット上に発見されたという。


とっさに思い出したのは8年前の夏、ノルウェーで起きた銃乱射事件だ。襲撃犯ブレイビクは白人男性。彼は膨大な声明文をネット上にアップしていた。犯行は、ヘイト・クライムだった。


襲撃犯は、「単一民族の日本のようになるべきだ、麻生太郎元首相に会いたい」と言っていた。さらに彼の弁護士によると、彼は、ヨーロッパ人より日本人が彼をより理解してくれるので日本の法精神科医を要求していた。日本に心酔していたとは、衝撃的だった。


これまでも、ノルウェー襲撃犯の影響を受けたとされるテロ事件が起きているが、今回はどうだろう。ノルウェーテロ事件のときに書いた記事を再読してみた。現地取材はかなわなかったので、ノルウェーをはじめ世界各国の報道やノルウェー在住の友人からの報告をまとめた…。以下は、そのリンク先。ずい分あるが、これでも一部だ。「なぜだ?!」ととりつかれたように情報をあさった日々を思い出す。


ブレイビク事件は名誉殺人

禁固21年判決とノルウェーの犯罪制度

「襲撃は防げたはずだ」――ノルウェーテロ事件報告

「彼は負け、私たちは勝った」--ブレイビク裁判

24歳の女性生存者の証言

虹の民 MY RAINBOW RACE

4万人の歌で暴力行為に逆襲

ブレイビクの弁明は、戦争美化の弁明

ブレイビク被告とノルウェー人の価値

ヨーロッパの排外主義と日本のバックラッシュ

ブレイビク被告のファシスト的証言

襲撃犯は精神病である――報告書

美と温もりを愛でし時まで

若者たちへ

自由は恐怖よりも強い

オスロ市議会議員カムシ

悲劇を乗り越えるために現場視察

極右の攻撃―ノルウェーと日本

生きて、選挙に突入する20歳の県会議員候補

襲撃犯が嫌悪するフェミニズム

テロリストの理想は日本

地方議会で活躍していたはずの女性たち

ノルウェー首相「魔女狩りはやめよう」

ノルウェー:首相「価値を守り続ける」

テロ容疑者のターゲットはブルントラント元首相か

ノルウェーの若者の政治参加いっそう高まる

ルウェーからの報告:追悼デモに参加して

「彼はガンで、私たちは愛で」

テロ事件は人々の団結に

テロ事件から2日

テロ事件の背後に

ノルウェー労働党青年部の夏合宿

ノルウェー襲撃犯と民主主義

ノルウェー襲撃される


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▲シリア難民の子どもたちなど、ホームレスとなった子どもたちを集めてのワールドカップ、開催中。写真は受付(2017年夏、オスロ市庁舎前)


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▲オスロ中央駅の壁一面に貼られていたTrond Hugo Haugen作「現在のノルウェー」。憲法制定200年記念アート。白人男性だけだった200年前の議会を描いた絵画をもじって、性や民族など多様性あふれる今のノルウェーの縮図を表現している(2014年夏、オスロ中央駅にて接写)


# by bekokuma321 | 2019-08-05 11:44 | ノルウェー