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日本でも女性の多い議会が誕生

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2007年6月、神奈川県大磯町で、選挙が行われ、14人中女性が8人(57.1%)当選しました。日本の政治史上初めて、女性が過半数の議会が誕生したのです。歴史をつくった大磯町議員の渡辺さん(左)と浅輪さん

詳しくは
日本初! 大磯町議会で女性議員が過半数占める(三井マリ子)

【JANJANは現在リンクされていないため、右下Moreに2007年7月付けの原稿をアップした】





日本初! 大磯町議会で女性議員が過半数占める


6月24日、神奈川県大磯町議会選挙(定数14)が行われ、女性が8人(57.1%)も当選しました。日本の政治史上初めて、女性過半数議会が誕生したのです。


最新版『男女共同参画白書』によると、女性議員の割合は、衆議院9%、参議院12.4%、都道府県議会7.3%、市議会10.8%、政令指定都市16.7%、町村議会6.9%、特別区議会21.9%です。オレンジ色が女性議員の割合です(下図)。大磯町がいかに抜きん出ているかがわかります。


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開票の翌日、大磯町にお住まいの上智大学教授の石川旺さんから「女性8人当選」の知らせが届き、思わずヤッターと叫んでしまいました。


629日、雨の大磯町を訪ねました。4年前に初当選し、今回2期目の当選を果たした無所属の渡辺順子さん(61)と浅輪いつ子さん(68)に、直接話しを聞くことができました。


18人の議員定数が14人に削減され、厳しい選挙戦でした。しかし、渡辺さんにはもっと厳しい試練が待っていました。


渡辺さんは2002年の町長選で、新町長を当選させた立役者でした。新町長を応援するため議会傍聴を重ねるうちに、議員たちのレベルの低さに黙っていられなくなりました。「こんな議会なら、私が議員になって変えよう」。そう決意して4年前に立候補し、みごとに当選しました。ところが、事はうまく運びません。昨年12月の町長改選で、応援していた町長が落選してしまったのです。そして、その前町長が今回の町議会選挙に立候補したのです。渡辺さんの支援者は前町長とほぼ同じでしたから「もう私の当選はむり」と頭を抱えてしまいました。でも支持者回りをしてみると、「女性議員の働きはすばらしい。全員女性でもいい」という声が聞かれました。結果は、前回より票をやや減らしたものの当選でした。


元教師の浅輪さんは、定数削減やご自身の年齢などを考え、引退しようかと立候補直前まで迷いました。しかし、友人の石川旺さんや夫から強い励ましを受け、俄然やる気が出てきたのだそうです。夫は「子どもを産むこと以外すべてやれる」という徹底した家事協力者、いやむしろ家事主体者といったほうがいいくらいです。選挙前後、家事はいっさい夫に任せて、安心して活動に没頭できました。浅輪さんは、前回に票を上乗せして当選しました。


何が当選にむすびついたのでしょうか。

「小まめに議会ニュースを出して、町民に議会の情報を隠さずわかりやすく知らせてきた」(渡辺)、「町長選などとのからみで、バリアフリー化事業が政争の具にされる中、一貫してバリアフリー化を奨励してきた」(浅輪)、「町立図書館の指定管理者制が浮上したが、まずはそこで働く人たちの話を聞いてからにせよ、と当局とひざ詰め談判を重ねてきた」(渡辺)……といった行動が有権者に評価されたのでは、と二人は言います。


二人の話に加え、4年前と今回の選挙の得票結果や、町の主たる事業の目録を見ながら、私は次のようなことが言えるのではないかと考えました。


町の抱える諸問題(高齢者福祉、環境、子育てなど)と女性候補者たちの関心分野、活動分野が重なっていた

候補者22人中、女性が10人立候補して、勢力的に男性と拮抗する状況にあった

男性の現職議員の3分の1は立候補しなかったが、女性の現職議員9人は全員再立候補して、強いやる気を示した

女性議員の多くは議会ニュースを発行し、町政を町民に近づけた

女性候補者の家庭の多くは、家事への男性参加が進んでいたため、安心して政治活動に没頭できて、再挑戦もしやすかった


大磯駅の名所を知らせる看板には、「澤田美喜記念館」という文字がありました。戦後、迫害にあいながらも混血児教育に情熱を傾けた澤田美喜の業績を顕彰するものです。時間がなくて入館はしませんでしたが、こうした歴史上の女性の存在を日ごろから目にしていることも、大磯町の町民意識に何らかの影響を与えているかもしれません。


5年間で女性を少なくとも3割まで増やそう」。政策決定の場の男女平等を達成するために、国連がこういう目標を各国に課したのは1990年のことでした。北欧諸国では、国会のみならず地方議会への女性の進出がめざましく、平均して3割から4割を占めます。女性議員5割はもちろん、6割を超す地方議会も存在します。一方、日本には女性議員が一人もいない議会が、まだ4割前後もあります(全国フェミニスト議員連盟)。日本はこれからなのです。それには、まずは女性が立候補しなければ話が始りません。


渡辺さんと浅輪さんは、言います。


「女性議員だからいいというつもりはありませんが、でも女性が男性より劣っているなどということは絶対あり得ません。大磯の例が、多くの女性の立候補への意欲を駆り立てる力になれるならうれしいですね」


三井マリ子


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by bekokuma321 | 2007-06-30 15:24 | その他