人気ブログランキング | 話題のタグを見る

感動し勇気をもらった2時間だった by 山城和代(5/17速報)

足立母親大会記念講演「北欧の女たちは政治を舞台に社会を変えた」 さよなら!一強政治:比例代表制のノルウェーと小選挙区の日本


と、題する三井マリ子さんの講演を聞いてきました。タイトルの通り、比例代表制のノルウェーと小選挙区制の日本とには大きな違いがありました。


感動し勇気をもらった2時間だった by 山城和代(5/17速報)_c0166264_11033382.jpg


講演は、同じ年に同じスリランカで生まれた2人の女性の話から始まりました。カムジとウィシュマです。訳あってカムジはノルウェーに、ウィシュマは日本に。そして2021年、カムジはノルウェーの国会議員に、ウィシュマは名古屋の外国人収容所で死亡しました。2人の境遇がこれほど違ったのはなぜか。講演から答えを見つけてほしいとマリ子さんは言いました。


マリ子さんとノルウェーの出会いは、1986年の朝日新聞記事「ノルウェーの新閣僚、18人中女性8人、女性40%」でした。当時日本の国会の女性議員は1%。マリ子さんは高校教師のかたわら女性運動を続けていて、「国会に女性議員1%ではどうにもならない、ここを変えなければ女性差別撤廃はできない」と思い知ったといいます。そんな頃、首相も閣僚の4割も女性のノルウェーを知ったのでした。


感動し勇気をもらった2時間だった by 山城和代(5/17速報)_c0166264_11410716.jpg

自分で確かめようと、1989年ノルウェーに行って驚きます。首相は小児科医で4人の母、閣僚19人のうち女性9人、国会の36%は女性、日本では大運動してもかなわなかった男女平等法がありました。


首都オスロから離れた小さな市にも行きました。普通の地方の普通の暮らしはどうなっているの?子育ては? お年寄りの世話は?選挙の仕方は? 議員の仕事は?そんな疑問を胸に訪れた人口4,000人のオーモット市。議会は男女半々。市長職を女性2人で分け合っていました。


女性市長が家庭の事情で市長を辞める決意をした時、別政党の代表の女性議員が「私と市長の仕事を分けてやれないかしら」と提案します。その2人市長体制の条例を議会が承認したというのです。


福祉サービスは、24時間体制の在宅ケア。ホームヘルパーはパートが多いが、全員公務員。日本の非正規のパートとは違い、同一価値労働は同一賃金があたりまえ。家で過ごすハンディを持つ小学生のケアが母親でも、ケアワーカーとみなされて給料が払われる。


時は過ぎ、マリ子さんは、つい最近、2025年9月に行われたノルウェー国政選挙も調査に行きました。結果は、投票率8割、中道左派陣営が中道右派陣営に勝利、女性4割以上、アジア・アフリカ系移民12人(女4人)、最年少議員は19歳の緑の党女性でした。


このような日本との違いは、選挙制度にあるとマリ子さんは考えます。日本は小選挙区制、ノルウェーは比例代表制です。小選挙区制では、最も多く票を取った1人が当選、他候補に入れた票は死に票になります。2025年日本の衆議院選挙では、第1党は得票率49%しかなかったにもかかわらず、議員は85%となりました。票と議員の割合が比例していないのです。その結果、民意を反映しない政治分布が議会につくられることになります。


また、ノルウェーには、政治をタブー視しない学校教育があります。子どもたちがつくった民主主義の大切さを伝える歌や踊り。選挙が近づくと、小中学生は授業で政党の選挙公約を調査。投票所も見学します。高校ではスクール・エレクション。高校生が主体となって、校内で行う選挙運動と模擬投票です。スクール・エレクションの結果は集計されて公表されます。それをメディアは大々的に報道します。民主主義が子どものころから鍛えられているのです。


しかし、ノルウェーも政治は、かつて男の牙城でした。1960年代、女性議員の少なさに怒った女たちは、違法すれすれの運動で女性を増やしました。マリ子さんの著書『男を消せ!』(毎日新聞社)に詳しく載っています。


講演は、”LYKKE TIL"(頑張ってのノルウェー語)と、こんな言葉で終わりました。

「足立区も日本も世界も人口の半分は女性。男女平等への旅は、人口の半分を幸せにするための壮大な営み」「北欧の歩みは語る――女性の権利擁護はハンディを持つ人、貧しい者、少数民族などの自由と権利拡充につながる、と」「旅を続けよう」


講演後の質問タイムでは「小選挙区導入の時には反対運動をしたが、かなわなかった。比例代表制にするにはどう運動して行ったらよいのか?」


マリ子さんの回答は、「今日のこの場こそ変革の場です。皆が怒ること、そして抵抗運動をすることです。差別されていると思う人の怒りからしか変革は生まれません。戦術は大切。面白く、時には過激に戦うことです」


例として19世紀の昔、北欧のある地方では選挙制度に不満を持った住民全員が選挙をボイコット、その後、比例選挙制度になったという話を紹介しました。


熱く語るマリ子さんの講演に会場の参加者全員が感動し、勇気をもらった2時間でした。


山城 和代(東京都小金井市民)


感動し勇気をもらった2時間だった by 山城和代(5/17速報)_c0166264_11034674.jpg
▲WEF(世界経済フォーラム)、IPU(列国議会同盟)の統計をもとに三井マリ子作成


感動し勇気をもらった2時間だった by 山城和代(5/17速報)_c0166264_22011151.jpg
▲議席が得票に比例するノルウェー(上)、議席86%の第1党は49%の得票しかなく多くの他政党は得票が議席に結びつかない日本の小選挙区制


【写真撮影:鈴木ザアカイ拓也カメラマン】
【図表:三井マリ子講師作成パワポデータより】


毎小ニュース:国際 ノルウェーの小学校を訪ねて(その2止) 参加して大切さ学ぶ | 毎日新聞


by bekokuma321 | 2026-05-19 11:53 | ノルウェー