2026年 05月 03日
憲法記念日にベアテ・シロタ・ゴードンを偲び、憲法24条を思う
今日、5月3日は憲法記念日。私にとっては、「ベアテさん、ありがとう」と叫ぶ日だ。ベアテとは、ベアテ・シロタ・ゴードン。憲法の人権条項を日本にもたらしてくれた、かけがえのない女性だ。

▲初めての講演をするベアテ・シロタ・ゴードン(左)と司会の三井。1993/5/4、東京都女性情報センター@飯田橋。
ベアテは、1990年代になって初めて、自分が日本国憲法の草案づくりにかかわったことを公にした。それまで、約半世紀にわたって彼女は沈黙を守っていた。それは、法律の専門家でもない若い女性が作ったことが知られると、「改憲派の学者に悪いように利用されると思っていましたから」だった。
私自身、スーザン・ファー著『女性参政権と男女平等を規定した新憲法の制定過程』(1992年、横田啓子訳)で、初めてベアテ・シロタ・ゴードンの偉業を知った。訳者横田啓子さんを通じてベアテの訪日予定を聞いた私は、ベアテに「講演をしてほしい」との手紙をファックスで送って、快諾を得た。
そして、1993年5月4日、東京で、ベアテ・シロタ・ゴードン講演会を開催した。日本人のほとんどがベアテ・シロタ・ゴードンを、まだ知らない頃だったので、「ベアテ・シロタ・ゴードン来日記念講演会 憲法に女性の権利を入れた人 起草者ベアテさんに聞く」と長いタイトルをつけた。会場は満員だった。最前列に赤松良子さんがいた。
ベアテは、「このような大勢の人たちの前で公に、憲法草案について講演したのは、今日が初めてです。これで、自信がつきました」と言った。そして「改憲派の学者や政治家が、日本国憲法は“押しけ憲法”だという論が出ました。もし22歳の女性が作ったことが知られると、憲法を攻撃する火に油を注ぐことになると思ったからです」と語った。
今、まさに、その危機がせまっている。
ベアテが恐れたように、改憲派の学者や右派の議員たちが憲法改正を叫び出した。今や、首相が先頭に立って、憲法を変えようとしている。今朝の朝日新聞によると「高市政権のもとで憲法改正を実現することの賛否を聞くと、「賛成」47%、「反対」43%」。
憲法のなかでも、私がとくに好きな条文は14条と24条だ。24条はこう言う。「第24条 婚姻は、両性の合意のみに基(もとづ)いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」。
ところが、これを自民党は「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」と改正したいという。夫婦はひとえに合意のみによって成ることも、同等の権利を持つことも、削除されている。ベアテ・シロタ・ゴードンが、最も強調したかった憲法の魂、その息の根がとめられようとしている。
憲法記念日にあたって、ベアテ・シロタ・ゴードンに心から感謝をこめて、数年前に掲載された新聞記事を再掲する。

▲ 「i 女のしんぶん」2021年11月25日号
■ベアテ・シロタ・ゴードンと三井裁判 by 山下清子 : FEM-NEWS

