2026年 02月 19日
メキシコ大使「あなたが変えるのです」(全国フェミニスト議員連盟国際フォーラム報告)
「変えようと思うなら、あなたが変えなくてはいけません」。
メキシコのメルバ・プリーア大使は言った。会場の隅から隅まで歩きまわって熱弁をふるい、時には参加者の肩に手をあてて、「もしも、あなたが・・・」と話した。参加者の多くは、大使の手のぬくもりから、話の中身だけでなく、人柄にも引き込まれたに違いない。

2026年2月4日(水)、衆院選を4日後にひかえた午後に開かれた国際フォーラム「女性のリーダーシップと平和」 でのこと。主催は全国フェミニスト議員連盟。後援メキシコ大使館。
メキシコと言えばマチズモ(Machismo)で知られる男性優位主義、家父長制主義の国だ。いったいどのようにして、女性大統領を筆頭に、内閣も国会も男女半々、女性国会議長(両院とも)、女性の知事13人(29%)などを成し遂げたのか。
初の女性大統領が誕生したのは、2024年。だが、長い歴史を大使は強調した。1982年から女性は大統領候補に挑んできた。1994年には大統領候補2人が女性だった。外交政策を担う外交官を見ると、若い層は男女半々となっており、スウェーデン、カナダ、フランスに次いで世界第4番目の「フェミニスト外交」の国として、あらゆる国際会議に、女性数を増やし、ジェンダーの視点を入れている。
また、国会に女性が増えた1988年から、クオータ制が話し合われた、という。8つの政党の8人の女性議員は、政策の違いはあっても、すべてクオータ制に賛成だった。そして、まずは、政党は、同一性の候補を70%対30%でなければならないとされたが、努力義務にすぎなかった。その後2008年に、40%クオータ制へと改正され、しかも義務化された。2014年の改正では50%クオータ制に改正。文面は「一方の性は、他の性より多くてはならない」とされた。
メキシコのクオータ制の歩みを聞きながら、クオータ制に猛反対してきた女性初の首相をいただく日本の不幸を思わずにはいられなかったのは、私だけではないだろう。

そして、「神様に祈っても奇跡は起こらない」「社会変革は、あなた自身が変革の担い手になること」と言った。例にあげたのは、1980年代メキシコでの急進的な女性運動。当時、女性たちは、女性への暴力根絶を願って町に繰り出した。自分たちの命を守りたいのだと叫ぶ女性たちの前には、軍隊が対峙した、その構図をよく覚えている、と大使は語った。こういう「激しい女性運動があって、DVやフェミサイド(女性ゆえに殺される)に声を上げることが普通になった」とも。
日本がジェンダー・ギャップ118位なのは、女性が政治家に少ないからであり、女性を議員に増やすよう運動しましょう。ジェンダーと政治についてもっと話し合いましょう。日本の「かわいい文化」は、女性によくない。女性は美しく、賢く、勇敢であるべきです。ーーー大使は最後までパワフルだった。
【写真:企画運営した全国フェミニスト議員連盟国際部の片山薫小金井市議提供】
【お断り:文中の引用や要訳は、メルバ・プリーア大使の使用した英語を筆者が和訳・意訳したもの】
【参考】
■武力紛争を減らすには女性議員を増やすこと、では、どうする : FEM-NEWS
■第147回 マッチョ社会に挑戦する女性大統領(メキシコ)|叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち
■アイルランド大統領そしてメキシコ大統領の政治姿勢 : FEM-NEWS
■食事をともにすることが幸福感へのひとつの道 : FEM-NEWS
■メキシコ初の女性大統領とクオータ制の歴史 : FEM-NEWS
■第23回 500年の抑圧と闘ったラモーナ(メキシコ)|叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たち

