2025年 12月 05日
フェミサイド(女性殺し)許すまじ
イタリア下院は11月25日、ジェンダーを理由に女性を殺害する「フェミサイド」を独立した犯罪とする法案を可決した。法案は、極右派と称されるメローニ首相が出した。全会一致だったという。
BBCは、法制定のきっかけとなった事件のひとつ女性殺害事件(2023年11月)を何度も報道してきた。中には日本語訳もある。
それを読むと、事件後、イタリア全土でフェミサイドを許さないと訴える広範な女性運動が続けられたことと、殺害されたジュリア・チェッケッティンの姉エレナの発した言葉が多くの人をつき動かしたことが、今回の制度変更を導いたようだ。
BBCによると、エレナ・チェッケッティンは「犯人は怪物ではありません、家父長制社会の”健全な息子“です」と、葬儀の際、語った。ジュリア・チェッケッティンは特殊な男性によって殺害されたのではない。この殺害は、女性を蔑視しモノ化することを容認する社会の産物であり、社会を変革しない限り、殺害はまた起きる、と言っているのだ。なんと核心をついていることよ。
その後、メローニ内閣の教育大臣の発言が、さらに人々の激しい怒りをかった。教育大臣は、もうイタリアに家父長制は存在しないと述べ、性暴力の増加は「不法移民の増加に関連している」と言いはなったという。しかも、メローニ首相は、教育大臣の、この発言に賛意を示した(The Guardian)。エレナは「妹ジュリアは、移民にではなく、イタリア人白人男性に殺されたのです」と、ただちに反論したという。
下は、神奈川県川崎市の女性殺害事件をもとに、日本のフェミサイドをごく簡単に書いた、6月の記事だ。執筆前、警察署や議会などに電話をかけて調査したが、誰も「フェミサイド」という言葉を知らなかった。
イタリアのフェミサイド法には問題点も指摘されているが、政治課題として議論にすらなりそうもない日本の国会や地方議会に、強い憤りを覚える。

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