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10歳でソマリアから逃れてきた移民女性が国会議員になれる国の選挙とは(by 楽しく比例制をめざす会)

11月21日、楽しく比例制をめざす会の会合で、今年9月ノルウェーの選挙を見てきた三井マリ子さんの熱のこもったレポートを聞いた。


民主主義度調査で世界一がずっと続くノルウェーの選挙はどのように行われ、政党や市民はどのように関わっているのか。ワクワクしながら耳を傾けた。


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    ▲マリアン・フセイン国会議員は10歳でアフリカのソマリアから逃れてきた難民



投票日は98日(月)。選挙結果を三井さんは5つあげた。

投票率は8

中道左派陣営が中道右派に勝利

女性が4割以上

アジア・アフリカ系移民が12人当選し、そのうち4人は女性

最年少当選議員は19歳の女性、緑の党。


何度もノルウェーの選挙の取材をしてきた三井マリ子さんだが、今回、特に④に注目したという。


ノルウェーの選挙システムは、三井さんの著書『さよなら!一強政治:小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー』(旬報社)に詳しく書かれている。私も読んだ。


100年以上前から比例代表制のノルウェー。1票の格差もなく、金もかからない。選挙運動の中心は、「政党間の討論」と「戸別訪問」。この2つは日本では公職選挙法で禁じられている!


三井さんは、撮影してきた様々な選挙風景の写真を見せながら説明した。


国会前の大きな女性像選挙とは何かを訴えるパネル展、多くの市民をまきこんでの党首討論会のTV中継、たくさんの政党別選挙小屋とそこで対話をする通行人、大学生ボランティアの選挙活動、戸別訪問の様子投票所や投票用紙の実物の写真、小・中・高校での選挙の授業や模擬投票、などなど。国をあげての楽しいお祭りのようだと見入った。


高校のスクールエレクションは、実際の選挙と同じように行われ、投票結果は全国集計されてマスメディアで公表される。今回は、進歩党という極右の政党が最も得票が多かった。1週間後に行われる本物の選挙結果は、高校生の選挙結果と同様の結果になることが多いので、心配したと三井さん。しかし、実際は、中道左派が中道右派に競り勝った。


私が一番感動したのは、党派別の得票率と、実際の当選議員がほぼ同じ比率になっているグラフを見せられたときだ。比例代表制の選挙だから当然のことだ。しかしながら、小選挙区制の日本では、最強の政党は4割の得票率で7割の議席を獲得したりが普通だ。それを考えると、あらためて驚く。


比例代表制では、投票所での一人一人の意思が、そのまま国会議員の数に反映される。一方、小選挙区制では、最強の候補者以外に入れた人の票は、死に票となって捨てられ、国政に反映されない!


最後に紹介されたアフリカのソマリア出身の移民で今回の選挙で当選したマリアン・フセインさんには驚嘆した。10歳でノルウェーに逃れて来て、20代で地方議員、30代で国会議員に。ケア労働者の賃上げと移民の権利拡充のために政治家になったという。


移民、マイノリティ市民も政治の舞台で活躍できる、民主主義度世界一のノルウェーはさすがだ。


百聞は一見に如かず。実際に北欧まで飛んで行って、インタビューして、写真撮影をして、日本の私たちに民主主義を伝えてくれた三井さんに感謝!


次回の楽しく比例制をめざす会は、2026年1月16日(金)20:30。年に1回はゲストトークなしの話し合いの会。ふるってご参加ください。


時永 裕子(ワーキング・ウィメンズ・ヴォイス代表、楽しく比例制をめざす会




この本はジェンダー平等へのガイドブックだーー書評『さよなら!一強政治』(時永裕子) : FEM-NEWS

世界一民主主義の国はノルウェー (2023 Democracy Index by EIU) : FEM-NEWS





by bekokuma321 | 2025-11-26 01:16 | ノルウェー