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「江戸☆大奥」展で見えた女中、側室、正室の暮らし by 高橋三栄子

東京国立博物館の「江戸☆大奥」展に行って来ました。


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      ▲東京国立博物館の特別展「江戸☆大奥」チラシ(東博ホームページより)


英語タイトルWomen of Power in Edo Castleに違和感を持った人もいたと聞いてますが、その女性たちを、大奥の中でも頂点にいる ほんの一握りの 権力を持った女性たちを指しているととらえれば、かならずしも間違いではないと私は思います。


大奥とは、江戸時代、将軍の妻、妾や女中たちが生活していたプライベート空間です。今の皇居にありました。


そもそもは、3代将軍 徳川家光の乳母だった春日の局が 家光の正室(正式の妻のこと)に子がないのを憂い、 将軍家の世継ぎを産ませるために、たくさんの女中を招き入れたのが大奥の初めだそうです。一夫多妻制による世襲踏襲装置といえるかもしれません。


女中たちは 将軍の子を産んで初めて側室(妾のこと)という地位を与えられ、その子が無事に育つか早世するかで明暗が分かれたそう。将軍の生母ともなれば、破格の財産と地位が与えられ、正室よりも力を持った側室もいたとか。


正室以上に大奥で最高の権力を持った女性は、 将軍付きの御年寄り(老女)で、次の将軍の候補選びなど、きわめて限定的な範囲とはいえ、政治的な影響力があったそうです。


江戸☆大奥展では 煌びやかな着物や、化粧道具や人形などゆかりの品々・婚礼調度品 などの他に 歌舞伎の衣装など、「美しさを集めた江戸文明の華」と言われる大奥文化をたくさん見ることができました。大奥から外に出ることを禁止されていた側室たちは女の歌舞伎役者を雇い、衣装もあつらえて、大奥の中で歌舞伎を楽しんだようです。


一方、「女中帳」や「諸家奥女中袖鏡」の展示とともに、「女中御法度などの規則に縛られ」との注釈があり、細かな戒律に従ってしか生きられない女中たちの日々を想像せずにはいられませんでした。また、奥奉公出世双六には、女中の出世の道のりが描かれていて、身分や役職などによる上下関係の厳しさが偲ばれました。大奥という外から閉ざされた世界は、私たちから見ると、自由とは程遠い、制約の多い、窮屈な生活だったと思われます。


NHK大河ドラマで表舞台になった吉原といい、 大奥といい、 女性蔑視も甚だしい時代だったと思います。ただ、その時代に生きた女性たちの歴史を垣間見るには、このような展示は必要です。三井マリ子さんが、東京都議時代、「江戸東京博物館」の展示内容に、吉原の表だけでなく裏の史実も展示するよう要求していたと聞いたことがあります。同博物館には、多少、反映されたということですが、あらゆる博物館の企画決定の場に、女性の視点がもっと必要だ、とあらためて思っています。


高橋 三栄子(杉並区民)


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           奥奉公出世双六(「江戸☆大奥」の図録より接写)



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by bekokuma321 | 2025-08-14 14:57 | 日本