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速報「高橋純子講演:小選挙区制選挙から安倍分断政治そしてポピュリズム台頭へ」

87日、高松市で開かれた全国フェミニスト議員連盟のサマーセミナーで、高橋純子さんの講演「情報の海で迷わないために:多様性とメディアリテラシーの接点」を聞きました。私なりにまとめます。


朝日新聞論説委員である高橋純子さんは、30年ほど前に成立した小選挙区比例代表並立制選挙の問題点から話を進めました。


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▲小選挙区制が安倍一強政治を生み民主主義のプロセスがなくなった、と高橋さん(2025/8/7)



この小選挙区制中心の選挙制度は、1票でも多くとった候補が当選し、他候補への票はすべて死に票となって捨てられます。ですから、ほとんどは最大政党が当選します。この勝てば官軍といえる政治状況を最大限に利用したのが安倍政権でした。


官邸で出た案をろくに議論もしないで決める、強行採決が当たり前にまかり通ってしまう事態を招いていきました。異論を出し合い、議論をつくし、合意形成をしながら政策や法案を作り上げていくという当たり前の国会運営がなくなってしまったのです。閣議決定がはびこった結果、国会での民主主義のプロセスが主権者に見えなくなったのです。


また、安倍政権は対立をあおる政治手法をとりました。その結果、敵か味方かに決めつけて、対話によって歩み寄ることをしない、分断政治が生み出されていったのです。それが先の参院選での右派ポピュリズムーー大衆迎合主義――を生んだのではないか、と高橋さんは言います。


高橋さんは、右派ポピュリズムの台頭を、ある本の一節を紹介しながら話しました。本の名は『ポピュリズムの仕掛け人』。政治評論家で作家のジュリアーノ・ダ・エンポリの著作です。高橋さんが紹介した一節を聞いて、アメリカのトランプ政権から日本の現在の政界までがよく表されているな、と心にストンと落ちました。ポピュリズムは、「大衆 対 エリート」の構図を作りあげて、政治をカーニバル化することにより、大衆の熱気を生み出すーーこの流れは、7月の参議院選挙そのものだと思いました。


高橋さんは、哲学者の古田徹也さんが語ったという「ありきたりの言葉ではない、常套句ではない表現を選ぶことが大切」という言葉を紹介しました。これは、私たち女性運動に携わる参加者に対する貴重なアドバイスのようでした。さらに、映画監督の是枝さんにインタビューした際、「熱狂の渦の中にある時、まず引いてみることが大切」と言っていたそうです。是枝監督は、「日本人は、『この先』をやたら聞きたがるが、答えを安易に求めがちな傾向は、マッチョなリーダーについていけば安心という構図につながる、とも言ったそうです。「これは日本の学校教育も影響している」との高橋さんの言葉に、長年教員をしている私は、その通り、と心で叫びました。


高橋さんは、最後に、政治のリーダーは、私たちが作る、つまり私たち自身が自分を主人公にすること、そのためにはいい本を読む、いい映画を見る、自分のなかの感受性を涵養し、他者への想像力を養っていくことが大切ではないか、と訴えました。


片桐 育美(全国フェミニスト議員連盟世話人)


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  ▲瀬戸内の海が輝くレグザムホールにて筆者片桐育美さんと講師高橋純子さん(2025/8/7)


by bekokuma321 | 2025-08-08 11:28 | 日本