2025年 07月 09日
ノルウェー政治家に聞く「小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー ③」
7月、ノルウェーから知人のオーレ・G・ナル―ドとその家族が訪日した。拙著『さよなら!一強政治――小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー』(旬報社) にたびたび登場するノルウェーの政治家だ。旅の合間に政治談議をした。以下はノルウェー政治家に聞く「小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー ①」 : FEM-NEWS ノルウェー政治家に聞く「小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー ②」 : FEM-NEWS からのつづき。
オーレ ノルウェーではネットが非常にさかんです。選挙でも、ソーシャルメディアの影響力は増大しています。でも、政治や選挙を考える際、有権者の間では従来のメディアの方が信頼されている、と私は思っています。

私 ノルウェーは国会、県議会、市議会(町村はない)ともに、女性議員が40%を超えています。男女平等など主張する必要はないようです。一方、日本では、いまだに夫婦は同姓でなければならないという民法があって、女性たちは30年以上も改正運動を続けてます。でも、神道政治連盟や日本会議など自民党の支持母体の強い反対があり、自民党が反対に回るため、法改正は進みません。ノルウェーでは、政党の女性部は、どんな政策を掲げていますか。
オーレ ノルウェーでは、男女が結婚後、どちらの姓を用いるかは、自由に選択できます。ノルウェーは、ご存じのように、男女平等の権利に対する意識は、いかなる場合でも、とても高いです。
ノルウェーの政党の女性部は、女性同士の社交的・連帯的なネットワークを構築しているだけではなく、社会のあらゆるテーマを提起しています。しかし、人口妊娠中絶や女性の健康問題といった伝統的に女性問題とされてきたテーマについて、より多くインタビューを受けがちであることは当然ではありますが。
私 6月27日、日本の最高裁は、生活保護費の削減は、民主主義的ではない決定プロセスだったと判示しました。これでは生きていけないと提訴した側が勝ったのです。削減は2013年でした。私が民主党公認で出て惨敗した2012年の衆院選で、自民党は圧勝しました。その公約に、生活保護費の削減を掲げた自民党は、国民の信を得た、と、国会でまともに審議をせず、削減しました。選挙で勝てばなんでもやれると言いたげです。でも、その選挙そのものが、民意を反映していないのです。たとえば、2012年衆院選では、投票した人の半数を超える3163万票が「死に票」でした。そして自民党は小選挙区での得票率は5割以下なのに、議席の8割をかっさらったんです。
オーレ あなたの国の選挙制度は最大政党に非常に有利な選挙制度です。 イギリスやアメリカと同じですね。私たちノルウェーの選挙制度――比例代表制――とは大きく異なります。比例代表制もさまざまで、イスラエルやデンマークのように、新党や小政党がいとも容易に国会に進出できる制度を持つ国もあります。そうした選挙制度では、極端な考えを持つ政党が大きな影響力を持つことが可能で、最近のイスラエルのように非常に不幸な事態を招く危うさがあります。
きわめて重要なことは、有権者が政治家に「説明責任」を負わせることができるか否かです。そして、人々にとって最善の解決策は、極端な制度の中間に存在するのではないか、と私は考えています。
■ノルウェー政治家に聞く「小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー ②」 : FEM-NEWS
■ノルウェー政治家に聞く「小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー ①」 : FEM-NEWS
■「民主主義『私たちが主役』」を読んで by 高橋三栄子 : FEM-NEWS
■毎小ニュース:国際 ノルウェーの小学校を訪ねて(その1) 民主主義「私たちが主役」 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
■毎小ニュース:国際 ノルウェーの小学校を訪ねて(その2止) 参加して大切さ学ぶ | 毎日新聞 (mainichi.jp)
■ノルウェー地方選:10代の若者たちはいつどこで政治への一歩を踏み出すか : FEM-NEWS
■政治家の出発点は中高時代の政治的関心(ノルウェー) : FEM-NEWS

