2025年 06月 21日
女性不在120余年の歴史を塗り替えた野辺地町初の女性議員 by 渡辺順子
ゲストの高沢陽子さんは、青森県野辺地町初の女性議員。しかも、女性議員不在120年余りという歴史を破ったかたです。高沢さんの話は、議員になる以前の職場での闘いと、議員になってからの仕事、そしてノルウェーと日本の選挙制度でした。

1977年、高沢さんは、電電公社野辺地電話局に電話交換手として就職しました。身分は短時間特別社員、今でいう非正規社員でした。正社員化を全電通労組(現NTT労組)に訴え、4年半後に正社員になりました。
その後、退職再雇用制度を導入した会社と一緒になって組合員の説得を始めたNTT労組に怒って労組を脱退。電通労組に新たに加入しました。闘う組合に入ったことで、反社会的行為と断罪され全国大会でひそかに処分されました。これにも怒って、2006年、「組合の加入、脱退は自由」と訴えて提訴。裁判勝利を喜んだ人はいましたが、NTT労組から電通労組に移った人はいませんでした。
2016年の退職後、権力闘争に明け暮れていた野辺地町議会の現状を知って、町に貢献しようと考えました。80年代からアイ女性会議で活動していたので政治には関心がありました。福島みずほ議員の言葉「女性は政治に向いている」で奮起して、2018年、補欠選挙に立候補しました。子育て、介護、教育などの困りごとを議会に届けたい、と話すと、多くの女性が励ましてくれて、当選しました。

議会に女性の声を届けたくても、全くの素人でした。指導してくれる人もロールモデルもいなかったため、つらく厳しい日々が続きました。反面、「女性議員は話しやすい」と言われたり、議会質問に関連して、市民の要望が実現できた時はやりがいを感じました。日々、悩みながらやっています。
自分が次に出ないときには新しく女性候補者を探さなければなりませんが、周りには「私にはできない、私には無理」などという女性が多く、説得は難しいです。
三井さんの本『さよなら!一強政治』を読み、講演を聞き、ノルウェーの選挙制度がうらやましく思います。日本の選挙は候補者個人を選びますが、ノルウェーは政党を選びます。ノルウェーでは候補者に女性が30%から50%、学校でも政治をタブーにしない、若者の政治参加、など優れた面が多い。日本も、女性、弱小政党、マイノリティーも当選できるような選挙制度に変わっていけるよう、議論をしていきたいです。
穏やかに自然体で話しながらも、内に秘めた堅固な意志や思慮深さを感じ取れた高沢さんのトークでした。意見交換の時間には、青森市議会議員や、アイ女性会議の県代表などが加わりました。六か所村核燃再処理工場、原発、米軍基地など危険なものがいっぱいの青森県での苦労、原発廃止を決めた台湾の運動、女性一人議会での頑張り方、ノルウェーで6月1日に施行された新妊娠中絶法、選択的夫婦別姓、議員の信念と党議拘束などなど、話し合いは10時半過ぎまで続きました。
次回は9月26日(金)。王貞月さんの「北欧選挙見聞記」です。お楽しみに。
渡辺 順子(楽しく比例制をめざす会、前大磯町議会議員)
【写真:青森県野辺地駅。三井マリ子撮影】
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