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速報:ヌエックに関わる衆院の委員会を傍聴して(瀧章次)

「ヌエック」と呼ばれて親しまれてきた国の唯一の女性ナショナルセンターが埼玉県嵐山にある。突如、その縮小案が知らされた。しかも、その名目は「機能強化」だった。寝耳に水だった利用者たちは、怒りや悲しみを胸に、反対運動を展開。しかし6月11日、国会の委員会で、ついに縮小が決まったようだ。法案審議を傍聴した瀧章次さんから、報告が届いた。


●●●報告「ヌエックの縮小が決まった衆議院内閣委員会を傍聴して」●●●


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本日(2025611日)は、「ヌエネット」という市民団体のメンバー3人で、国立女性教育会館「機能強化」政策に関わる独立行政法人男女共同参画機構法案の衆議院内閣委員会法案審議を傍聴し、始まりから採決まで見届けました。


傍聴にはこれまで地元でこの問題に粘り強くかかわってこられている地方自治体議員の方も来られておりました。


衆議院内閣委員会法案審議では、れいわの上村英明議員、共産の塩川鉄也議員のお二人を除いて、野党議員も、政府の法案提出の説明、法案内容を追認した上で、質問とは言うものの確認ばかりで、政府答弁を提示する場に留まるという印象でした。特に、2024730日文書の決定過程(注:HPを参照)については何も明らかにされませんでした。


上村議員、塩川議員の両議員の質問には、これまで声明文で私たちが発信してきた内容に直接間接に関わることも多く、議論の根幹と問題の本質を、国会の審議の場で改めて共有できたことはまことに幸いでした。312日、衆議院文教委員会、竹内千春議員、324日、参議院法務委員会、福島みずほ議員に続く、この国会における、国立女性教育会館「機能強化」政策の問題を本格的に問うものでありました。


本日の内閣委員会議員の質疑の質は、全般的に、ありきたりの統計には触れるものの、日本社会のことも社会教育史のことも《人間の権利》としての女性の権利も、問題として掘り下げて論じるものとはとても言えない水準でした。


一緒に傍聴した、会(ヌエネット)のメンバーの友人が、傍聴後、「政府の説明は、戦前の国防婦人会などの会を情報統制、指導者養成を通して全国的に作りだして行ったのと違いがないのではないか」と感想をもらしてことが印象的でした。


会議の間、二世議員など自民党の議員は携帯をいじり続けていたり、委員会室を出たり入ったり、ただ採決のためにいるだけという印象でした。


このような議員と議論の水準で、この国会で、日本の国のかたちを大きく変える諸法案が内閣委員会で議論されたのかと思うと、改めて政治の劣化を思わされるとともに、日頃、市民の集まりで、市民同士持ち寄って議論している水準にさえ達していないとも思いました。


9時から12時までの質疑の後、反対討論がなされ、採決となりました。もっと実効性を説明できる機能強化でなければいけないという立場から、維新も、れいわ、共産に加わって反対しました。


立憲の二人の質疑には、立憲民主主義の制度には、公共的な社会共有資産というものがあることを認めるのか、また、そういうものを市場の原理に附してよいとするのか、この点で政府側との争点を示せていませんでした。また、第5次男女共同参画計画の進捗過程での岸田政権「新しい資本主義」による政策変容過程、WG設置とその決定過程の問題を問いただすこともありませんでした。この点はとても残念でした。


法案の前提を確認する作業としては、自民の議員の質問のほうが内容的には優ると受け止めました。


特に、立憲民主党は、日本学術会議の問題においても、もし人間の権利という立憲主義の問題でかかわっておられたのであるならば、男女共同参画の問題でも、まずは人間の権利の問題から議論を組み立てるべきではなかったか、この点でその姿勢は、参議院内閣委員会質疑(衆院の後に予定されている)で修正されるべきではないかと私は考えました。そこで本日中に連絡のつく先には、本日の質疑の問題点を指摘いたしました。


なお有志の会、緒方林太郎議員は行政の知見に基づき、内閣府主管でありながらなお文科省の社会教育における分掌を残す法案立て付けの不自然性を指摘したほか、内閣府に独立行政法人を設置することのいびつさを指摘した点は独自でした。採決では賛成に回られました。


以上、管見ながら、本日のご報告まで。


「ヌエネット」: 国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク

事務局 連絡担当: 瀧章次

連絡先:nwenet.forum*gmail.com(*を@に変換)

HP: https://sites.google.com/view/nwenet/

blog: https://nwenet.blogspot.com/


【写真:高い天井に広いスペースのヌエック食堂。宿泊し食事を楽しみながらの交流が奪われることに】

【更新:2025/6/13】



参加無料:報告・研究会「ヌエックまだまだ使いたい」を理論武装する 6/21@青山学院大学 ジェンダー研究センター[東京都渋谷区] – まんなかタイムス

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by bekokuma321 | 2025-06-12 10:44 | 日本