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怒!日本「国連女性差別撤廃委員会CEDAW」に拠出金停止

日本政府は、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)への拠出金をやめる、などと言い出した。


メディアによると、127日付で、CEDAW事務局のはいっている国連人権高等弁務官事務所に対して、「日本政府の拠出金をCEDAWの活動に使わないように」と伝えたとされる。これまで拠出額は年2000万円から3000万円。CEDAWは、日本も批准した女性差別撤廃条約を、各国政府がどの程度実施しているかを監視し、女性差別撤廃を促す国連の組織である。本部はスイス・ジュネーブ。


度肝を抜くようなバックラッシュ・ニュースに、私のかかわっているSNSは、ただちに怒髪天をつく思いであふれかえった。


先月30日、いち早く政府に撤回を求めたのは「女性差別撤廃条約実現アクション」(浅倉むつ子共同代表)。さらに、その怒りをつないだ全国フェミニスト議員連盟は、2月5日、政府に対して抗議文を持参した。全国フェミニスト議員連盟世話人は、残念ながら「政府から、責任ある回答・対応は得られなかった」と語っている。抗議文内容は写真の下。


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     外務省の国連女性差別撤廃委員会への対応に抗議し撤回を求めます


2025 2 5 日  


内閣総理大臣 石破茂様   外務大臣 岩屋毅 様   内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、共生・共助)女性活躍担当 共生社会担当 三原じゅん子様


私たち全国フェミニスト議員連盟は、女性議員を増やし男女平等社会を実現しようと活動している市民と議員の団体です。


1 29 日、外務省は国連人権高等弁務官事務所に対して、拠出している任意拠出金の使途から女性差別撤廃委員会(以下、委員会)を除外すること、本年度に予定していた委員の訪日プログラム実施を見合わせることを委員会に伝達したと発表しました。


日本のジェンダー平等推進に大きく貢献してきた委員会に対するこの措置に対し、強い怒りをもって抗議し、撤回を求めます。


措置の理由について、昨年10 月に実施された女性差別撤廃委員会の第9回日本定期報告に関する最終見解において、「男系男子の皇位継承を定めた皇室典範改正」を勧告したことへの抗議の意図であると説明しています。


しかし、委員会による勧告への対応は、締約国自らが判断していくものです。事実、1985 年に日本が女性差別撤廃条約を批准するにあたり、政府は、国籍法改正、家庭科の男女共修、男女雇用機会均等法制定を主体的に行い、以降の委員会勧告の内容についても国内議論を経て民法改正(婚姻年齢、再婚禁止期間等)や刑法改正(性交同意年齢等)など、自ら法改正や制度整備を数多く行いました。


一方で、法改正等に至っていない勧告も数多く残り、重ねての勧告となっていますが、強制的な修正を求められているものではありません。政府はすでに、24 12 月の段階で、最終見解の皇室典範に関わる部分への意見書を委員会あてに提出しています。今回の拠出金除外という経済的報復や委員の訪日拒否は、対話路線拒絶の強権国・人権後進国と言われても仕方がない恥ずべき行為です。まさに対話拒否の姿勢を国際的に示すもので、将来への禍根を残します。


折しも、皇室典範改正については国民的関心も高く、国内議論を尽くし結論を出していこうという時期にあります。改正に賛成する声が大きいという世論調査の結果もある中、外務省が一方的にこのような姿勢を示すことは、今後の世論をミスリードすることにもなりかねません。


天皇制について、本当に女性の「人権及び基本的自由」を侵害していることと無関係なのかも含め、しっかりと国民的議論を尽くすべきです。また、選択的夫婦別姓制度についても 4 度目の勧告がされていますが、今回の外務省の対応は、今後議論が必要な時にジェンダー平等を進めまいとする政治的意図があるのではないかという不信感さえ募ります。


今回の外務省の措置は、国際協調の中での人権や差別禁止問題全体への日本の施策や、国際的な評価にもマイナスの影響を与えかねず、強く抗議するとともに直ちに撤回するよう求めます。


全国フェミニスト議員連盟

共同代表 武井多佳子 (愛媛県議会議員)・内田あき子 (埼玉県八潮市議会議員)

事 務 局 池沢みちよ(千葉県船橋市議会議員)



【写真:外務省などの職員に抗議文を手渡す全国フェミニスト議員連盟世話人。片桐郁美世話人撮影・提供】

【更新:2025/02/08 写真撮影・提供者の要望で写真の差し替えをしました】


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by bekokuma321 | 2025-02-06 14:51 | 日本