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国立女性教育会館(ヌエック)を味わう11/16イベントに参加して by 礒部幸江

(1)国立女性教育会館を味わうイベント


国立女性教育会館(ヌエック)を味わう11/16イベントに参加して by 礒部幸江_c0166264_16031593.png2024年11月16日、私は、国立女性教育会館の大会議室にいた。デンマークのドキュメンタリ映画「王妃ダナーの家」を鑑賞、「国立女性教育会館の価値ある存続を求める会」の報告を聞き、参加者との意見交換に加わって、私は胸が熱くなった。



「ダナーの家」は、19世紀デンマークに世界で初めてできたという女性シェルターで、20世紀に直面した閉鎖の危機を、女性たちの知恵と行動で乗り越え、21世紀の今も「総合女性センター」として健在である。


三井マリ子さんは、2002年、「王妃ダナーの家」の監督メッテ・クヌートセンをデンマークに訪ね、「日本の女たちを元気づけるために見せたい」とビデオを購入した。



三井さんは、英語字幕を和訳して、自ら弁士を務めた。違法覚悟でダナーの家を占拠し、募金活動をして閉鎖の危機を乗り越えた大勢の女性たちのエネルギー、三井さんの語りと、画面に現れる女性たちの豊かな表情が、胸に迫ってくる映画であった。



国立女性教育会館がなくなる?縮小する?新聞記事ではさっぱりわからなかった私は、16日の国立女性教育会館のイベントに参加して、真相を知ろうと思った。



11月15日の夕方、東武東上線の武蔵嵐山駅に到着した。やわらかい光を放つ満月に出会った。宿舎の窓から、カエデやケヤキが紅葉して落ち葉も舞う庭を眺め、この建物も風景も残すべきだと改めて思った。



(2)私にとっての国立女性教育会館


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国立女性教育会館は、1977年創設。第1回国連世界女性会議が75年にメキシコで開催され、世界で女性解放運動の機運が高まっていた頃だ。


日本では、家事・育児は女性が担うのが当然、男女の格差も大きかった。「女性の地位向上」には「女性の教育」が重要だとされ、そのために女性リーダーを対象とした研修や交流・調査研究や情報提供を行う、女性の学習を促進する機関が期待された。そこで、国は、全国の女性団体などと連携して、豊かな自然の中で女性が学習できる環境の提供を目的に、国立女性教育会館を設立したのだという。



当時の私は、教員だった。結婚・出産という人生の節目で、仕事も家事も育児もやり切りたいという願いとやりきれない壁で、途方に暮れていた。



そんな中、「家庭科の男女共修をすすめる会」に参加した。その活動で、私は国立女性教育会館を何度か利用した。仲間たちの応援を受けて、私は、仕事も運動も続けることができた。国立女性教育会館は、私にとって出会い、学び、力をつける場であった。



(3)今、分かっていること


 「女性教育会館 閉鎖伝達 国方針」(2023年12月13日読売新聞)に、びっくり。開館から47年、何が起こったのか。どこで、どんな力が動いているのか。



 「嵐山の教育会館、男女共同参画組織に 町長「存続は町民にとって名誉」 宿泊、研修棟は撤去」(2024年7月31日東京新聞)。読売新聞記事から約半年後の記事によると、本館は残すが、宿泊棟、研修棟などは2030年度をめどに撤去して、土地は県に返還、と変わっていた。



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宿泊ができなければ、全国から集まって学び合い、エンパワーし合うことは難しい。性差別から立ち上がるためには、安心して集まり、ともに食事し、学べる場所が、まだまだ必要だ。宿泊棟と研修棟を撤去してはいけない。


すでに2025年度の宿泊を受け付けないと、ヌエックのホームページに表示されているというが、利用者とくに女性たちの声が置き去りにされたまま進んでいるのは、大問題だ。こうした思いで、11月16日、国立女性教育会館の大会議室はいっぱいだった。


上映後の意見交換会で、主催者は説明した。


情報公開されていない: 国立女性教育会館の過去利用実績が公開されていない。政府は情報公開請求を拒否しており、透明性がない。市民は情報公開を求め、施設の重要性を訴え続けている。                         

国連からの勧告:女性差別撤廃委員会から2024年10月29日勧告があった。日本政府に対して、ジェンダー平等の改善が要求され、女性の社会進出、リーダーシップ参画の強化が求められ、国内の女性支援施策の必要性が指摘された。      

方針の転換:2024年7月30日に施設を移転の予定だった。ところが、地元の要望を受けて嵐山町に新組織の設置を決定した。また、国立女性教育会館を改組し、主管省庁を文部科学省から内閣府に移管するとした。改組に伴い、宿泊棟と研修棟を撤去する計画が判明した。



(4)私にできること


私にできることを考えた。国立女性教育会館設立の原点に立ちかえることが大事だ。ジェンダー平等実現のために、草の根運動を続けてきた人たちの熱心な働きかけがあって、国の施設ができたということを忘れてはいけない。研修棟、宿泊棟、自然の豊かさを含めて、施設を存続させてジェンダー平等を進めていこう。大勢の人に、現況を知らせていきたい。   


礒部 幸江 (家庭科の男女共修をすすめる会元世話人)



11月16日(土)世界で初めてできた女性シェルター「王妃ダナーの家」@ヌエック : FEM-NEWS

「やったぁ、この家は私たちのものだ!」 : FEM-NEWS


【写真上:デンマークの「ダナーの家」。写真中:紅葉を背に語らう筆者(右)。写真下:高い天井と300席あるヌエックのレストラン。撮影三井マリ子】

【更新:タイプミスを訂正した。2024/11/20】


by bekokuma321 | 2024-11-19 13:15 | 日本