2024年 11月 02日
この制度でも民意は反映すると勘違いした人が増えたのでは by 山城和代
11月1日の毎日新聞「論点」で、衆院選結果についての三井マリ子さんの論考を読みました。
私には選挙権を持つ孫が2人います。大学3年生の女子と高校3年生の男子です。高校3年生の子は投票して、立憲民主党に入れたと言っていました。選挙権を持つ意味をわかっているようでした。
棄権した子は、部活があって投票に行けないと言うので、期日前投票のことも話して、行くように促しても「候補者を知らないから」と言うだけでした。日頃から政治に関心がなくて現在の自分のことにしか関心がないようです。
2人の違いは学校教育と、家庭環境(親があまり政治のことを話さない)の二つの影響があると感じています。
今回の投票率53.84%という低さは「『投票しても変わらない』という諦め感が国民の心に染みついているからではないか」とマリ子さんは書いています。小選挙区制に変わって30年が経ちました。中選挙区制だった時代は7割前後だったのですから、選挙に行かない人が増えたのは、確かに「変わらない」というあきらめ感なのかもしれません。
でも、今回53.84%の人が投票所に行って、与党を半数割れに追い込みました。この結果に、「あれ、この選挙制度でも、民意は反映するんだ」と、勘違いした人が多くなったのではないかと、私は心配しています。
実際は、よく見ると、社民党や共産党は議席を減らし、緑の党などは候補者を出してもいません。それなのに、この小選挙区中心の制度の下でも批判票を投じれば変わる、と満足してしまう人が増えたように思えるのです。そのように報道が誘導しているようにも思えます。
文末の「立憲が日本を本当に変えたいなら、新しい風景を作り、私たちに見せて欲しい」という言葉が、私に響きました。
自公の連立では衆議院の過半数を取れていない今こそ、立憲に頑張って欲しいと思います。そしてマリ子さんの言う2つの女性処遇制度改善の実現、さらに、選挙制度を変えることにまで議論を進めて欲しいと思いました。
山城 和代(東京都小金井市民)