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速報「時永裕子:女性の自由への歩みと選挙」by 金子加代

8月18()「女性の自由への歩みと選挙」と題したオンライン会合が開かれました。講師は「ワーキング・ウィメンズ・ヴォイス」代表の時永裕子さん。要約します。


自立して働き続けたいと公務員の道を選んだ時永さん。公務員は、たてまえは男女平等の職場ですが、昇進・昇格・配置などさまざまな場面で女性差別にぶち当たりました。改善しようと自治労や連合など労働組合に入りましたが、ここも男社会で、悔しい思いをします。



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1995年、時永さんは、国連主催の北京女性会議に参加し、女性差別撤廃条約に出会いました。目の前がパアーッと開ける感じがしました。この条約によって、「物事を決める場を男女平等にするために、政治を変えていく行動が必要だ」と、市民活動へ。時永さんのかかわっている市民グループは、次のように多岐に及びます。


①ワーキング・ウィメンズ・ヴォイス」(非正規雇用差別撤廃を中心にしたジェンダー平等社会を目指す)、②北京JACふくおか(国際社会と連携して地域活動を通じてジェンダー平等をめざす)、③NPO法人ジェンダー平等福岡市民の会(男女共同参画条例や計画の実施状況を点検・提言など)。


2021年、王貞月さん主宰の「北欧を読む会」に参加した時永さんは、『さよなら!一強政治』(三井マリ子、旬報社)に出会いました。


本の副題は「小選挙区制の日本、比例代表制のノルウェー」。冒頭には、日本の選挙をルポした映画のDVDをノルウェー人に見てもらい、その感想がまとめられています。それを読んだ時永さんは、日本の選挙のおかしさをあらためて痛感することに。次にノルウェ―の県立高校で行われている「スクール・エレクション」が詳述された章で、民主主義教育の実態を知って驚きます。


さらにノルウェーの極北の地の女性たちや、先住民サーミ女性たちの闘いをルポした章を読んで、「民主主義の実現は、政治に参加することであり、女性やマイノリティが平等に政治参加できる選挙制度が鍵だ、と確信した」と言います。そして、「この本(『さよなら!一強政治』)は、ジェンダー平等の実現をめざす私たちにとって、まさに社会変革のガイドブックです」と強調しました。


次に時永さんは、日本の選挙のおかしさに移りました。有力男性を想定した選挙制度で、女性・若者は不在だということ。民意が反映されない「死に票」がたくさん出ること。高額の供託金、記名選挙、個別訪問も公開討論会も不可・・・など。


時永さんは、最近、大学で出かけていって「女性の政治参画」について、話をしているそうです。また、女性議員と語る企画にもかかわって、政治をもっと身近に感じてもらう活動にも加わっています。


時永さんのトーク後、オスロ、ベルゲン、ロンドン、日本各地からの参加者と質疑応答で盛り上がりました。市民活動を続けていくコツを尋ねられ「楽しく、仲間とともに」行うこと、少しずつでも続けると少しずつ変わる、私たちは微力だけど無力ではない、と回答した時永さんの笑顔が印象的でした。国立女性教育会館ヌエック宿泊機能閉鎖との決定が、突如上から下りてきたことについて、切実な訴えをした参加者がいました。これも日本の議会に女性があまりに少ないことの結果ではないか、と考えた人が多かったはずです。


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 ▲真夏の夜のフェミニズムと選挙。メイントーク後は石田まなみ進行でワイワイと・・・


時永さんは、『さよなら!一強政治』に書かれていた、小選挙制の弊害と比例代表制の可能性について、私に再認識させてくれました。また、時永さんも加わる「楽しく比例制をめざす会」のように、「楽しく行動をつづけること」が大事だという指摘を聞いて、爽快な気持ちになりました。なにより「女性の自由への道は政治を変えることだ」と迷いなく断言した時永さんの言葉が忘れられません。主催は楽しく比例制をめざす会。


次回は、10月18日()20:30~

ゲストは、ロンドン在住のおがわじゅんこさん

テーマは、「イギリスの選挙について」


金子 加代(福岡県飯塚市議、楽しく比例制をめざす会


by bekokuma321 | 2024-08-20 13:17 | ノルウェー