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比例代表制の威力(叫ぶ芸術133回:ベルギー)

20246月、ベルギーで国会議員選挙があった。女性は国会(下院)150議席のうち64議席を占め、42.7%となった。

ここまで女性議員の数を押し上げたのは、1994年のいわゆる「ベルギー史上初のクオータ制を定めた法」である。この法の制定時、私は、ちょうどベルギーを訪問中だった。当時、運動に使われていたポスターと、法律の中身を書いた「叫ぶ芸術 133回」が昨日、届いた。


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    ▲「叫ぶ芸術 133回」(「I 女のしんぶん」2024/0810-0825)

ベルギーのクオータ制法は、比例代表制選挙でなければ、誕生しなかった。


比例代表制では、有権者の1票は政党に入れる。政党ごとに候補者リストが作られ、上位から当選する。女性議員を増やすには、政党がつくる候補者リストに女性を増やしさえすればいい。そこで、ベルギーは、政党に対して、「同じ性の候補者は候補者リスト3分の2から3分の1の間に限られる」としたのである。


では、比例代表制が現れたのは、いつだろう。

ヨーロッパでその波が現れたのは100年以上前だった。『さよなら!一強政治』(旬報社、三井マリ子)から引用する。p120~p121:

19世紀後半、ヨーロッパで、比例代表制を求めて大きな波が起こった。『代表制統治論』や『女性の解放』を書いたジョン・スチュワート・ミルがイギリス下院議員に無所属で当選。彼は、議会で比例代表制の法律を提案した。そして、ベルギーでは、数学者であり法学者であるヴィクトル・ドントが、ドント式による比例代表制を発表した。

1885年8月7日、8日、9日には、ベルギーのアントワープで比例代表制を求める国際会議が開かれた。そこで、こんな決議がなされた。

「比例代表制は、国家の本当の多数派に政治的力を与える唯一の手段である。また、少数者たちには効果的意見を、そして選挙区のすべての重要な団体には正確な数の代表を与える唯一の手段である」

その14年後の1899年、ベルギーは、世界で最も早く比例代表制を取り入れた。




*「叫ぶ芸術」は「I 女のしんぶん」に好評連載中。「I 女のしんぶん」購読希望者は、i 女のしんぶん | i女性会議(あいじょせいかいぎ) (joseikaigi.com)






by bekokuma321 | 2024-08-11 14:12 | ヨーロッパ