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アイヌ女性の複合差別と改正政治資金規正法

621日、アイヌ女性への複合差別について話を聞いた。講師は多原良子さん。アイヌ民族は、その昔、筆舌に尽くしがたい差別を受けた。土地・言葉・文化は奪われ、鮭漁・鹿猟は禁止された。女性は、有期の「日本人妻、妾」にされた時代も。こうした徹底した搾取・同化政策は、今なおアイヌの人たちを苦しめる。なかでも女性は、女性ゆえの差別の対象であり、複合差別に立ち向かわなければならない。


その生存、尊厳、発展のためには、政治参画が必須条件である。しかし政治権力や経済力とは無縁の状態に置かれたままだ。


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▲国連の女性差別撤廃委員会CEDAWに参加してアイヌ女性差別を訴えた多原良子代表(前列左)


アイヌ民族が政治決定の場に入っていく手段。それは、やはり選挙だ。だからこそ、選挙区から1人しか当選しない小選挙区制中心の選挙では絶対ダメだ。


●北欧先住民サーミと選挙制度

北欧ノルウェーを見てみよう。ノルウェーは、100年以上もの長い間、比例代表制選挙だ。先住民サーミたちは、国会や地方議会の議員となって政策に影響を与えてきた。たとえば国会に13議席を持つ左派社会党の現党首は、サーミ女性である。最大政党である労働党の元漁業大臣も県知事を務めたサーミ女性だった。加えて、サーミ議会が別に設けられており、サーミによるサーミのための審議決定の場として機能している。


北欧に限らない。多くの欧州の国々は、比例代表制だ。複数当選する選挙区から、有権者は支持する政党を選ぶ。日本のように候補者個人を選ぶのではない。各政党は話し合いで候補者を決め、投票する人は、政党の候補者リストから1政党を選ぶ。投票で決まるのは勝ち負けではなく、どの政党がどのくらい票をとったかだ。各政党の獲得票に比例して当選数が決まり、リストの上位(当選圏)から当選していく。


●比例代表制中心に変えたニュージーランドと先住民マオリ

欧州だけではない、小選挙区制だったニュージーランドは、1996年、小選挙区制を廃棄して比例代表中心の併用選挙に変えた。それによって女性や先住民が増えて、国会の風景が変わった。緑の党の国会議員(マオリ)は語る


「比例代表選挙での大きな変化は女性です。初の併用制選挙で、20%だった女性が、一夜で、30%になったのです。さらに、マオリ党の議員は倍増。マオリ党議員はわずか3人でした。それが併用制になったとたん7人です。併用制選挙が続いた結果、常に7人から11人のマオリ女性が国会に選ばれるようになったのです」


多原さんの話を聞いたその2日前、国会で、「政治資金規正法改正案」が与党のみで強行採決された。翌20日、朝日新聞は「政治とカネ 抜け道残す」「改正規正法成立」との見出しで、こう報道した。「自民党派閥の裏金事件を受けて自民が提案した改正政治資金規正法は19日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決成立した。「抜け道」や検討事項が多く、実効性が不十分なままの改正となった。」


●3億8000万円、13億5000万円、57949万円

同日の同紙社会面には、法の成立に合わせたかのように二階派初公判内容が載った。それによると、二階派は、3億8000万円が不記載。裁判で、二階派の事務局長がすべて認めた。安倍派のほうは、すでに先月、安倍派事務局長が初公判で135000万円の不記載を認めた。首相と官房長官という二大トップによる巨額の裏金脱税事件。2人だけではない。いわゆる虚偽記載の自民党国会議員は85人にのぼり、その額は57949万円。


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    ▲裏金事件に端を発した改正政治資金規正法成立を知らせる2024/6/20朝日新聞

●30年前に廃止を約束した企業団体献金

思えば30年前にも同じような政治とカネのスキャンダルで、同じような「政治改革」国会があった。そこでできたのは「政党助成法」。「小選挙区比例代表並立制」に賛成してもらうための“エサ”として登場し、たいして審議もなく成立した。政党(政党支部も)への企業団体献金の禁止が条件とされた。ところが、うやむやのまま企業団体献金は禁止されずに二重取りが許され・・・今日の事件に至った。なので、企業団体献金の禁止こそイロハのイなのである。しかし、今回も企業団体献金は禁止されなかった。


安倍首相の後押しで国会議員となった極右の政治家は多いが、なかでも杉田水脈はいわくつきのヘイト議員だ。安倍首相は死後、国葬となった。安倍首相の後継者吉田真次は、妻昭恵の全面支援を受けて、「安倍先生のような政治家をめざす」と言い、衆議院議員に当選した。方や、二階官房長官は、息子を次期衆院選に予定しているそうだ。


こうした「地盤、看板、かばん選挙」で、どうして先住民アイヌや少数者の代表を国会に送れるというのか。しかし、このままではいいわけがない。選挙制度を変えよう。



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▲企業団体献金廃止なら、とできた政党助成法による政党助成金。日本は世界一高額。企業団体献金が禁止されないままなので二重取りだと批判される(旬報社『さよなら!一強政治』p101)


【写真上:多原良子アイヌ女性会議「メノコモシモシ」代表提供】



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by bekokuma321 | 2024-06-24 10:15 | 日本