2024年 06月 06日
政治改革特別委に「衆院選における“重複立候補”の廃止を求める要望書 その2」提出
6月5日、政治資金規正法改正案は、衆院の「政治改革特別委員会」で賛成多数により可決された。賛成は、自民。公明、日本維新の会。反対は、立憲、国民民主、共産。
昨年から自民党派閥の裏金事件をめぐって「政治とカネ」が国民の強い怒りを買っていたが、法案をめぐってはあまりにあっけなく、憤りを表す余地さえなかった。今日6月6日、衆院を通過する予定。
「楽しく比例制をめざす会」は、衆院「政治改革特別委員会」で審議に供してもらえるように、と次のような要望書を委員長あてに速達にて送った。残念ながら、会のかすかな願いは一顧だにされなかったようだ。

衆院選における“重複立候補”の廃止を求める要望書
その2:先住民などマイノリティ女性の政治参加を求めて
政治改革特別委員会委員長石田真敏衆議院議員さま 2024年6月2日
私たちは、議会の男女平等の実現には比例代表制中心の選挙が望ましいと考えて学習を続ける超党派のNGO「楽しく比例制をめざす会」です。
国会で開会中の「政治改革特別委員会」は、30年前を想起させます。政治改革の名のもと、「改正公職選挙法」、「改正政治資金規正法」、「政党助成法」など4法が成立したのは1994年でした。当時「小選挙区制にすればカネがかからない選挙になる」との説がありました。しかし、一連の裏金事件ニュースは、この説は間違いであることをあらためて明らかにしました。
国税から政党への拠出を定めた「政党助成法」は、政党(政党支部も)への企業団体献金の禁止を条件に制定されたのであり、その経緯を私たちは忘れません。よって、企業団体献金禁止とすべきです。さらに政治資金集めパーティによる収入の報告義務を怠った議員(関係者も)は、「政治資金規正法」違反であり、現行法にある抜け穴を徹底してふさぐ改正をすべきです。
問題は、これら2法の土台というべき「公職選挙法」です。30年前、「公職選挙法」の改正によって小選挙区比例代表並立制になりました。この、1選挙区1議席とする小選挙区中心の選挙制度を抜本的に改正しない限り、「政治とカネ」事件は繰り返されるだろうことに議論の余地はありません。
カネのかかる選挙は、国連の条約・宣言・勧告等が、各国に繰り返し求めてきた「平等な政治参加」を阻害する最大要因のひとつです。民主主義とは民意の縮図を国会に作り上げることであり、人口の半分以上を占める女性の代表は国会の半分を占めるべきです。しかし衆議院の女性はわずか10%にすぎません。
当会は、3月12日、「衆議院比例代表における“重複立候補”の廃止」を求める要望書を衆議院選挙制度協議会に提出しました。重複立候補が続くならば、比例区候補の多くは小選挙区候補となり、小選挙区当選者の票に最も肉薄した落選者から当選するため、地盤・看板・鞄を持つ現職――多くは男性――に有利だからです。
このたび当会は「国連女性差別撤廃委員会」(注1)勧告に絞って、“重複立候補”の廃止を重ねて求めます。
同委員会は、女性差別は女性に影響を与える他の要素と密接に関係しているとして、「複合差別」ならびに女性に対する複合的マイナス影響を法的に禁止することを求めています(注2)。アイヌなど先住民女性は「複合差別」の対象であり、女性差別撤廃条約に掲げる暫定的特別措置(注3)など特段の配慮を受けるべきです。具体的には、選挙において、各政党が候補者決定にクオータ制を導入して、女性を半数にし、先住民などを加えることが望まれます。その実現には、“重複立候補”の廃止が急務であると、私たちは考えます。
以上、比例代表における“重複立候補”の廃止は、衆議院における女性やマイノリティの政治参画促進に向けての具体的ステップです。実現を、再び強く要望いたします。
楽しく比例制をめざす会https://www.facebook.com/groups/185665746748543
世話人 石田まなみ(福岡県福津市議)、金子加代(福岡県飯塚市議)、王貞月(大学非常勤講師)、時永裕子(ワーキング・ウィメンズ・ヴォイス代表)、三井マリ子(元東京都議)、渡辺順子(前神奈川県大磯町議)
住 所 〒820-0052福岡県飯塚市相田181-54 金子加代気付
問合せ・連絡先 090-9654-2944(王)、090-8595-6421(三井) gprinjapan@gmail.com
【注1】女子差別撤廃条約の実施を監視するための国連の組織
【注2】2010年 第28号一般勧告「女子差別撤廃条約第 2 条に基づく締約国の主要義務」
【注3】女性差別撤廃条約 第4条
■「衆議院選挙における“重複立候補”の廃止を求める要望書」を衆院選挙制度調査会に出して : FEM-NEWS (exblog.jp)
■衆議院選挙における“重複立候補”の廃止を求めます(楽しく比例制をめざす会) : FEM-NEWS (exblog.jp)

