人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「マイ祭MaiSai」で得たことを議会に生かしたい by 田中みさき

国内最大級のノルウェーのお祭り「マイ祭 MaiSai」の案内を知ったのは4月末の事でした。


ノルウェーといえば、世界幸福度ランキングトップクラス、国会議員に女性の占める割合がとても高い国というイメージがあり、前々から興味を持っていました。そのノルウェーの文化、魅力に触れることができるまたとないチャンスと思い、5月11日、四国徳島から日帰りで行って来ました。


「マイ祭MaiSai」で得たことを議会に生かしたい by 田中みさき_c0166264_11111968.jpg

マイ祭の会場は、国の重要文化財「自由学園明日館」。羽仁もと子・吉一夫妻が大正10年に女学校として創立した、世界的建築家フランク・ロイド・ライト設計の建築物です。ノルウェーと日本の文化が融合している感じで、心地よい雰囲気でした。


講堂での劇団東京座によるイプセンの「人形の家」のラストシーン公演、「持続可能な幸せにつながる平等社会への道のり」と題したトークに参加しました。登壇したのは、アンネ・ランデ・ペータースさんと三井マリ子さん。


三井さんが、ノルウェーに衝撃を受けたのは19865月。「首相は女性、閣僚の4割が女性」という新聞記事に衝撃を受けて、ノルウェーに飛んで行ったのだそうです。当時、働く女性の差別をなくす運動に没頭していたのですが、国会に女性はほとんどいませんでした。「決める場に女性を増やさなくてはダメ」と確信した三井さんは、ノルウェーにインスパイアされて、女性議員を増やす市民団体を創設したそうです。


三井さんの話は、「実は、私よりも100倍以上も衝撃を受けた女たちがいた」と、100年以上前に「人形の家」初上演を見た「青踏」の女性たちに移りました。



「マイ祭MaiSai」で得たことを議会に生かしたい by 田中みさき_c0166264_11372002.jpg


明治時代、「人形の家」のノラにインスパイアされた「青鞜」の女性たちは、感想や批評を、次の号で特集を組んで発表します。しかし、ノラという「新しい女」は、当時の日本では、とんでもない異端女(いたんじょ)であり、ふしだらな女だと、非難ごうごうだったそうです。でも、「青踏」は発行を続け、日本の女性たちの心を震わしたと言います。


会場の「自由学園明日館」を創設した教育者、羽仁もと子さんもノラに影響を受けた一人だ、と、三井さんは、彼女の言葉を読み上げました。そして時代の制約や抑圧を超えようとした「新しい女」は世界中にいる、「新しい男」も、と締めくくりました。


短時間で日本女性の挑戦を熱弁した三井さん、人形の家の作者イプセンの家庭での秘話を紹介してくれたアンネさん。私はとてもインスパイアされました。


会場内でのワークショップやセミナー、民族楽器の展示なども見学し、楽しみました。 民族衣装を着たノルウェー大使館に勤めているノルウェー女性との記念撮影もできました(写真最上)。


「マイ祭MaiSai」で得たことを議会に生かしたい by 田中みさき_c0166264_10433171.jpg

自由学園明日館を出たあと、『ノルウェーを変えた髭のノラ:男女平等社会はこうしてできた』(三井マリ子著、明石書店)を読みながら、帰路につきました。


日本の女性議員はまだまだ少ないです。その女性議員のひとりとして、私なりに得たもの、得た感覚を、次の議会活動に生かしたいと思います。


自宅から高松空港まで1時間ほど。往路は高松発930→成田着1055。帰路は成田発1830→高松着2010。でも、強行軍に見合った、感謝と感動の “東京ノルウェー旅行” でした。


田中 みさき(徳島県美馬市議会議員)



【写真上:会場はノルウェー民族衣装を身に着けた人たちでいっぱい。右は筆者。筆者提供】

【写真中:「人形の家」をめぐって話し合う三井×アンネ。自由学園明日館講堂。撮影FEM-NEWS】

【写真下:『ノルウェーを変えた髭のノラ』表紙。筆者撮影】

【注:録画をご覧になりたいかたは「持続可能な幸せにつながる平等社会への道のり」2024年5月11日(土)マイ祭@自由学園明日館 (youtube.com) 】 


by bekokuma321 | 2024-05-13 11:47 | ノルウェー