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速報「墨田区長選に出た 負けた わかった by さねふじ政子」

412日、楽しく比例制をめざす会は、さねふじ政子さんをゲストに迎えた。さねふじさんは、昨年、人口27万人の東京の下町、墨田区の区長選に初めて出た。パワポをまじえた体験談は、具体的でおもしろくわかりやすかった。


さねふじさんの本業は物流センターのコンサル。物流センターは200300人規模で、9割以上が非正規雇用・不安定労働。ほとんど女性、しかもシングルマザーが多い。月17万円以下の収入で子育てして暮らす現実に、「日本はおかしくなっている」気がした、という。


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   ▲スカイツリーで知られる墨田区。だが子どもがボール投げできる公園はほとんどない


墨田区内でフードバンクを支援するようになったある日、「墨田区は23区で唯一給食費を値上げした」ことが大騒ぎになった。その現区長は、祖父の時代から代々政治家という家柄の人。対抗馬が出ないと不戦勝になってしまう。それは避けたいと、怒りの勢いで立候補へ。


日本の選挙運動は、候補者が宣伝カーの助手席に乗って連呼する。道交法で禁じられている車から顔や体を出す「箱乗り」の勢いで、と助言されたさねふじさんはビックリ。また、髪型やスーツの色、スカート丈などルッキングが強調された。パワポで見せてくれた写真に、参加者の笑いがとまらなかった。


「選挙からわかったことを共有して、次の女性に少しでも役立てたい」と5つ上げた。

100万円という高額の供託金(世界一高い)

複雑怪奇な公職選挙法

どこにあるかわからない区長候補ポスター掲示板

嫌がらせとしか言えない一部新聞社の記者による質問攻め

ニコニコ生放送での理不尽な対応


さねふじさんの公約は、小中校の給食費ゼロ、子どもの国保ゼロ、特養待機者ゼロなどだった。ところが、東京都の権限が絶大すぎ、23区の権限は小さく、独自施策を実行できない政治の現状を知ることになった。たとえば社会保障費は都区で折半となっていて、子どもの国保ゼロにするには困難が伴う。地方自治を弱体化する「都区制」は深刻な問題である、と強調した。


関連して、『さよなら!一強政治』(三井マリ子著、旬報社)に、比例代表制に真っ先に変えたのは、ある地方だと書かれていたことが印象に残っている、と言った。そして、選挙制度のような重要なことも地方独自で決められる国があるのに、日本の地方自治は「空っぽ」だ、とさねふじさんは、静かに憤った。


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         ▲さねふじ区長候補の演説には子どもたちでいつもいっぱい


しかし選挙中、よかったこともある。どこに行っても子どもたちが集まってきて演説を聞いてくれた。給食費無償化に賛成の声や、「学童の(対象)学年を上げてほしい」「ボール投げのできる公園がほしい」という貴重な声ももらった。ノルウェーのスクール・エレクションのような光景と化した、とさねふじさん。


また選挙で、全得票の24%を獲得したことは、「無名の革新系新人」対「3期目の現職」を考えると、負けたとはいえ捨てたものではない、と語った。さらに選挙後、墨田区も含め23区すべて小中学校給食費が無償化に進んだ。さねふじさんは、ことのほか、うれしそうだった。


選挙を終えて、さねふじさんは、フェミブリッジ(フェミニズム+かけ橋)に加わって女性と政治をつないでいく活動を続けている。また本業に戻って、女性目線に立った物流センターの効率化に取り組んでいる。さねふじさんの著書『WMS導入と運用のための99の極意』(秀和システム)が第3版になったことが報告されると、さねふじさんの実力に驚嘆の声があがった。


その後、参加者との話しあいが行われた。問題の多さにためいきも出たが、女性や新人が参加できる政治にするには、選挙制度を変えることが急務だと言う声が、夜10時半まで続いた。司会は金子加代飯塚市議。 次回は6月21日、ゲストは多原良子さん。


三井 マリ子(楽しく比例制をめざす会)


【写真:さねふじ政子講師作成のパワポより】

【更新:2024/4/15 誤解を招くかもしれない表現の一部を訂正した】


by bekokuma321 | 2024-04-14 23:53 | 日本