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32年前に産声をあげた全国フェミニスト議員連盟

今から32年前の1992年2月14日、全国フェミニスト議員連盟が産声をあげた。翌2月15日(土)、その発足集会「ふやせ!フェミニスト議員」を持った。それを知らせる記念すべきチラシが見つかった。


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実は、昨日2月18日、全国フェミニスト議員連盟主催「子どもの時から学ぶノルウェーの選挙と政治」で、三井マリ子がパワポで示したチラシだ。

昨日のテーマは、ノルウェーの”主権者教育”についてだっため、同会について説明する時間は持てなかった。なので、これを機に少し説明したい。

全国フェミニスト議員連盟は、女性議員を増やすために、クオータ制をよびかけた日本で初めての団体だった。クオータ制は、ノルウェー語のkvote、英語のquotaの日本語訳。ノルウェーでは、1978年制定の「男女平等法」を改正した1988年から、「あらゆる公的機関の決定の場は、一方の性が40%から60%でなければならない」とされた。法文には書かれてないものの、これがkvoteだった。あらかじめ、一定数を割り当てておくことを指す言葉で、割当制(わりあてせい)と訳された。

しかし、決める場を男女平等にするツールとして日本に”輸入”するには、どうもしっくりこなかった。そこで、ノルウェー大使館とも相談して、「クオータ(割り当て)」と訳すことにした。誰も使っていなかった言葉だったため、初めはドキドキしたが、しだいに口を開けば「クオータ」「クオータ」。周りからは「えッ、クウェート?」と言われたりなどさんざんだったが、いずれわかってくれる時が来ると、おおらかだった。

そして、全国フェミニスト議員連盟設立にあたって、規約に盛り込むこととなった。世界初のクオータ制を実行していたノルウェーは40%だったが、「とても無理」「国連でも提唱していた30%がいい」となり、最終的に、あらゆるレベルの議会の女性議員を「少なくとも30%のクオータに」となった。それでも1992年当時のことを考えると、先鋭的だったと思う。実際、マスコミは「クオーター」と書くミスが多かった。そのたびに「クオーターは4分1という意味です。私たちの求めているクオータはタの後は伸ばしません。割り当てという意味です」と訂正にやっきだった。

クオータ制よりも、話題や批判を呼んだのは、会の名に入れた「フェミニスト」という言葉だった。過激だ、アメリカの受け売りだ、誤解される、普通の人は知らない、もっと親しみやすい語がいい、日本語がいい・・・など難色を示した人も多かった。だが、代案は出てこなかった。話し合いに次ぐ話し合い。二転三転して、結局「全国フェミニスト議員連盟」に落ち着いた。

チラシのイラストは、アーティスト石橋初子作「女のかるた」だ。正夢になれ女の議員50%・・・女性議員50%を掲げたのは、若さと情熱ゆえだったかもしれない。

それに、このチラシのタイトルがにくい。女性議員を増やすための市民団体なのだが、ズバリ「ふやせ!フェミニスト議員」。女性の自立と解放を求めるフェミニストの議員を増やしたい、という意志を感じさせる。

女なら誰でもいい、などとは当初から誰も言ってなかった。男なら誰でもいいはずがないのと同じだ。それなのに、「女性議員を増やそうだなんて、女なら誰でもいいというのか。間違っている」と、外野から批判の矢が飛んできたことを覚えている。

ノルウェーでは、政党がクオータ制を自主的に決めて、選挙の「候補者リスト」の40%以上を女性にしてきた。今では、国会も地方議会も女性議員は40%を超えた。女性だけでなく、ハンディのある人、移民系の人、先住民族サーミも進出している。比例代表制選挙だからこそ、である。

一方、わが日本。30年以上も運動を続けなくても女性議員は増えるだろうと思っていたが、本当に甘かった。いまだ、衆議院はわずか10%。地方自治体には誰も女性議員がいない「女性ゼロ議会」は200もある。

小選挙区制(正確には多数代表制)を変えない限り、「正夢」にはなりそうもない。


【更新 2024/2/24】

by bekokuma321 | 2024-02-19 23:32 | 日本