2023年 09月 04日
速報「ノルウェー地方選:重点政策は高齢者サービスの充実@エルブルム市」






ノルウェー政権は、外務大臣(労働党)の夫が、政府と関係を持つ会社の株の売り買いをしていたことが明らかになって、大揺れだ。ただちにマスコミは、前政権の首相(保守党)の夫も似たような企業投資をしていたと、暴いている。
「政治家への信頼ががた落ちです」「まったく恥ずかしい」「ノルウェーの政治家も清廉潔白な人ばかりではないとわかっていいのかも」と、ノルウェー友人たちは言った。
そんなスキャンダル続きのオスロの政治を離れて、9月3日土曜日、へードマルク県のエルブルムの選挙運動を見に行った。
エルブルムは人口2万人ちょっとの中堅都市だ。主産業はサービス業にシフトしたが、長年、農林業とりわけ林業が盛んだった。
選挙テントが並ぶ、広場には、子連れ狼ならぬ「子連れ女性」の大きな銅像があった。「男たちが、何か月も森に住みこんで森林伐採や運搬に従事する間、家のことだけでなく地域のことすべてを一手に引き受けたのは女たちです。女性に敬意を表するために建てられました」と、案内役のマグ二・メルヴェールは言った。
私は、日本で、裸体の若い女性像が目立つ公共空間に怒ってきた。この銅像のように、公共空間は、女性の目で歴史的事象を掘り起こして、あたるべきではないか。
そんなエルブルムは、前回2019年の選挙で、定数35議席を、6政党で分けた。2万人の地方自治体が6つの政党から議員を出せることに、選挙制度の違いを見た。
内訳はというと、労働党13、中央党8、保守党4、左派社会党4,進歩党3,緑2。年金党1。国会に議席を持つ自由党とキリスト教民主党は1議席もとれなかった。上の写真からもなんとなく想像できる。
ノルウェーは地方選も比例代表制だ。候補者ではなく政党を選ぶ。首長選挙はなく、首長は地方議会の最大政党から選ばれる。国会の首相の選ばれ方と似ている。エルブルムの市長は、現在、最大与党である労働党の女性Lillian Skjærvikだ。
ほぼ全政党の選挙テントがズラリと並び、その前で党員たちが、チラシを配布したり、話あったり。テント前のテーブルには、政策チラシのほかコーヒーとケーキ、キャンデー、ボールペンなど小物が並ぶ。政党を選ぶ選挙なので、候補者個人は選挙事務所も宣伝カーもマイクも必要なく、お金を1円も使わない。日本の自民党にあたる保守党の候補者であろうと、選挙費用はゼロだ。
「エルブルム市にもっとも大切な政治課題は何ですか」と、各党に聞いて回った。高齢者ケアの充実がメイン政策だと答えた政党が多いようだったが、それぞれの特色が出ていておもしろかった。
保守党「市民が広い選択肢を持てるようにすることです。とくに学校や私企業にもっと柔軟性を持たせたい」
労働党「看護や福祉サービス、とりわけ高齢者ケアに携わる人たちの待遇をあげることです」
左派社会党「自然破壊を招く企業優先を考えなおすこと、環境問題です」
キリスト教民主党「家族を大切にするという価値観です」(テントはなく党員1人だけ)
赤党「富裕層と貧困層の格差は広がっている。富裕層の税金を上げて弱者に回すことです」
自由党「社会的活動に参加するボランティアを増やすことです」
中央党「病院を合併して巨大化することに反対。特に小児科病院は地元で充実させたい」
進歩党「高齢者ケアを私企業と連携して充実させることです」
緑の党(テントもなく、党員もいなかった)
ノルウェー内閣は、現在、労働党と中央党による連立政権だ。しかし地方議会は、中央政府とかならずしも同じではない。労働党と左派社会党が連立を組んだり、中央党が進歩党と組んだり、地域の事情でさまざまだ。エルブルムは、労働党・中央党・左派社会党が与党だという。
世論調査によると、保守党の支持が伸びており11日の選挙で体制が変わりそうだ。

■速報「ノルウェー地方選:二大政党党首と市民とのTV政治討論会@トロムソ」 : FEM-NEWS (exblog.jp)
■トイレから教会へと続いた静かなる女性パワー@ノルウェー・オーモット市 : FEM-NEWS (exblog.jp)


