2023年 08月 29日
速報「ノルウェー地方選:二大政党党首と市民とのTV政治討論会@トロムソ」



8月28日、NHKにあたるノルウェー公共放送NRKの政治討論番組を見た。夜8時から10時10分前まで、ほぼ2時間だった。
場所は、北極圏にある大学町トロムソ。その図書館からのライブ放送だった。私は、8時からテレビにかじりついた。
公募に申し込んだ市民で会場は満席。立ち見もたくさんいた。現首相の労働党党首と、前首相の保守党党首を交えて、2時間ぶっ通しで続けられた。
ノルウェーは9月11日が統一地方選の投票日。とはいえ1か月前から投票でき、8月末には事前投票所で投票する人が増えてくる。9月に近づくと、メディアは選挙報道に余念がない。NRKのTV討論会はハイライトのひとつだ。
ノルウェーの国会・地方議会の議員は全て比例代表制選挙で選ばれる。有権者は自分の気に入る政党をひとつ選んで投票する。日本のような候補者個人を選ぶ選挙ではない。だから、メディアの役目は「どの政党を選んだからいいか」を市民に知らせることだ。
昨夜のNRK番組は、次のような4部構成で、男女2人の司会によって進められた。用意周到ともいえる工夫をこらされた流れに、最後まであきなかった。
① 重要課題について市民と2党首との討論
②他の課題を持つ市民の質問に党首が答える
③ 市民とトロムソ市2大政党党首との討論
④主要9政党の代表によるYes No態度表明
かいつまんでまとめると、こんな具合だ。
① 「学校教育」、「軍備」、「出産と看護師・助産師」などがテーマだった。特に出産については、世界有数の安全な出産の国で起こった悲劇が会場を震撼させた。全体として、地方に住む人がかかえる深刻な問題と国の政策の関連が浮き彫りにされた。
② 安楽死の合法化を望む91歳の男性の発言が強烈だった。しかし、左派(労働党)も右派(保守党)も「安楽死をほどこすことになる病院職員の観点から反対」と答えていた。
③省略
④ フロアにYesとNoと書かれた陣地があり、テーマごとに主要9政党の代表者たちが、パッと移動する。Yes陣地とNo陣地で半々のことが多いが、全党がYesのこともあった。ちなみに、安楽死をYesとした政党は極右と言われる進歩党だけだった。2時間の最終場面ということもあってか、エンタメに近い印象だった。とはいえ、全政党を集めて、政治を遊びにしてしまう技にむしろ感心した。
テレビを見たノルウェーの友人たちに番組の感想を聞くと、「非難の応酬がほとんどなく、なかなかよい討論でした」と言った。
驚いたのは、首相と前首相に前もって質問は知らされていない、と報道されていたことだ。
【写真はテレビからの接写。3枚目は「固定資産税に賛成か反対か」と聞いている】
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