2023年 08月 27日
ノルウェー自転車レース「ビルケバイナー」に見る多様性と平等


▲「子ども記者」になって完走者(右)にインタビューする地元の中学生たち
2023年8月26日、ノルウェーのレーナ。恒例の自転車レース「ビルケバイナーBirkebeiner」(注)がある。
レーナのオーモット市庁舎前からスタートして、リレハンメルまで84キロを走り切る。今年は国内外から4000人の男女が参加登録した。
人口4500人ほどのオーモット市は、町中が大賑わい。数えきれないほどの市民がボランティアで準備してきた。
こうした町をあげての大々的なイベントだと、日本ではまだ女性の存在感は希薄だが、ノルウェーは違った。
前日25日は、「子どもレース」。0歳から11歳まで男女159人が、町の中心部を完走した。親に付き添われて、地面に足をつけたりはなしたりしてヨチヨチ前に進む女の子は「1歳になったばかり」と、母親がちょっと自慢した。ハンディをかかえた女の子は、同年らしい3人にサポートしてもらいながら、大きな笑顔で完走した。
ゴールで、次々に到着する選手たちをメダルを持って迎えるのは大のスポーツ好きのソールベイグ・ニューバーグと、警察官を退職したビヨルグ・スタイネ。
ソールベイグは御年84歳と聞いて驚いた。日々、ジムに通ってからだを鍛えている。誰もが知るスポーツ万能の年金生活者だ。一方、真っ赤なウエアが素敵なスタイネは、元警察官。このイベントを企画運営する委員会の委員であり、オーモット市議会議員。
一番でもビリでも、子どもたちには同じメダルがかけられる。ちなみにノルウェーのほとんどの小学校には成績というものがない。つまりテストはない。
レースに参加した子どもたちにインタビューするのは、地元オーモット中学の女子生徒たち。こんな具合だ。
「今日のレースのために、何か準備しましたか?」
「うーん、家からここまで自転車に乗ってやってきたから、練習になりました」
日本から来たと自己紹介したら、中学生記者たちは私に、「私たちは、子どもプレスです。これからすぐ編集して、動画をユーチューブで流します。見てくださいね」
ノルウェーの多様性と平等を見た一日だった。
【注】ビルケバイナーとは、樺(カバ)でつくった長靴のこと。昔、貧しかった人たちは、木のカバで手製の靴をつくったという。スキーにビルケバイナーをはいた勇士が、幼い王を抱きかかえて険しい冬山を超えて敵から逃れたという伝説がもとになっている。レースは冬にスキー、夏に自転車。どちらも、幼い王の重さ(実際は少し軽くして)3.4キロの荷物を背負うこともルールのひとつ。12歳~16歳は、リレハンメルから始まる「若者グループ」となる。

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