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『ノルウェーを変えた髭のノラ――男女平等社会はこうしてできた』読後レポート(下)by おのみずき

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ノルウェー女性運動の歴史と変化は絶望を希望に変える


ノルウェーは、ジェンダー・ギャップ指数世界ランキング2だ。


『ノルウェーを変えた髭のノラーー男女平等社会はこうしてできた』(三井マリ子著、明石書店、以下『髭ノラ』)は、この平等先進国ノルウェーにおいて男女平等施策、特にクォータ制がどのような歴史的経緯をたどって、結果どのような変化がもたらされたのかを明らかにる。


前回書いた「5つの抑圧テクニック」提唱者ベリット・オースは、ノルウェー初の女性党首だった。その時、彼女が「党内の決定機関は50%を女性にすること」と要求して、綱領制定させたという事に、私は衝撃を受けた。半世紀前の1973年のことだ。


ベリットの他、『髭ノラ』には、数多くの女性たちの闘いの歴史が紹介されている。自由党初の女性党首であり国連における女性の人権政策を内部から動かしたエヴァ・コルスタ1884年設立の女性運動組織「ノルウェー女性の権利協会」の創設者ギーナ・クローグ、ギーナとともに尽力したフレドリッケ・マリエ・クヴァムとラグナ・ニールセン、ノルウェー女性解放運動の母と呼ばれる小説家カミラ・コレット、などなど・・・


『髭ノラ』には、こうした歴史とともに、政治分野、経済・産業分野をはじめあらゆる領域で女性たちが活躍している現在の様子が詳述されていて、私は「ジェンダー平等社会は決して夢物語ではない!」と希望を感じた。


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一方、自分が暮らしている国との差に絶望を感じざるを得なかった。同じ時間軸で世界は回っているのに、どうしてここまで違うのか。「もしやヘルジャパンとは交わることのない別世界の話なので?」とでも思わないと、とてもじゃないがやってられない! 


とはいえ、ノルウェーだって、130年ほど前は男尊女卑の社会だった。それがよく分かる男性たちの発言が、『髭ノラ』P.60に記載されている。


「両性はそれぞれ自然な役割を持っており、男女平等になると不幸になる」

「女性が投票するようになると、家庭崩壊を招く。自然の摂理に反する」


2020年代の日本でよく耳にするようなワードだ。私たちは“19世紀引きずっているのかもしれない。思わず戦慄する。


絶望しつつ読み進むと、第5「ルポ・国政選挙2009」には、絶望を希望に変えていくためのヒントが散りばめられている。お金のかからない選挙運動、高校生のスクール・エレクション(模擬投票)、外国人参政権の導入等また、3章「女性の政治進出でこう変わった」のP. 135に紹介されているヘードマルク県オーモット市での女性2名による市長ワークシェアリングは、すごくいい!と思った。


ヘルジャパンは、ジェンダー不平等国世界トップをめざして絶賛爆走中だ(白目)。ノルウェーとの間の130年分の差に、絶望していても始まらない。地方からなら変えられると、私は区議会議員になった。いまだ残る家父長制にストップをかけ、ジェンダー平等に向けて変革を起こしていくために、フェミニストのお姉さまたちからバトンを受け取り、連帯しながら、地域から行動していきたい。



おの みずき(世田谷区議会議員)



スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー) : FEM-NEWS (exblog.jp)

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by bekokuma321 | 2023-08-20 14:27 | ノルウェー