2023年 08月 16日
速報:2023年ノルウェー地方議会候補の42%は女性

「女性は立候補者の42%しかいません」
「えっ、女性は立候補者の42%もいます、の間違いでしょ」と日本人なら思ってしまうが、話はノルウェーだ。
ノルウェーは、この9月、4年に1回の統一地方選を迎える。報道によると今回は、全土で53300人が立候補し、そのうち女性は23260人、42%。前回の2019年より0.7%減った、と嘆いているのだ。
23260人のなかに、私の友人、リングダール裕子さんがいる。ノルウェーに移住して30年余り。ベルゲン大学講師の職のかたわら、ベルゲン労働党に入党して活動してきた。
今回、裕子さんはベルゲン市を含むヴェストラン県の県会議員に立候補した。ヴェストラン県は議員65人と代理議員97人が選ばれる(注)。前回、ベルゲン労働党からは議員14人、代理議員16人が選ばれた。
裕子さんのフェイスブックには、裕子さん自身の顔と、ベルゲン労働党の候補者リストが載っている。ベルゲン労働党の県議候補は71人。議会の議員プラス6人までリストに載せられるため、どの党もめいっぱい候補者を募ってリストをつくる。ヴェストラン県議会は65人なので、どの政党も理屈では71人の候補者を出せる。でも、ミニ政党は苦労すると聞いた。
裕子さんは「71人中40番目」だから、ちょっと大変そうだ。でも、裕子さんは、あきらめず、「投票所では、私の名前に×(クロス)をつけてください」と呼びかける。
というのも、ノルウェーは国政も地方も比例代表制選挙で、政党の得票率に従って、政党の当選数が決まる。当選者は、政党のつくった候補者リストの上から1番、2番・・・と決まっていく。地方選挙の場合、リストの名前の前の空欄に、×(クロス)をつけると、その候補者個人の票が加算されるしくみになっている。加算数が多いと順番が上にあがるのだ。昔は、この「名簿変更権」を使う人は多くなかったが、最近は増えてきたらしい。
思い出すのは、2015年の地方選挙。
ノルウェー政界の重鎮、元外務大臣トールヴァル・ストルテンベルグの名が、オスロ市議会議員選労働党リストの65番目に載っていた。すでに彼は80代半ばだった。選挙では、彼に×(クロス)をつけた人が多く、3857票も加算されて、14番に跳ね上がった。その数年後、彼は亡くなった。最後の最後まで労働党の一党員として生き抜いた姿を思って、感無量だった。

【写真:上は2019年のオスロ市事前投票風景。1か月前から投票できる。中は2023年ヴェストラン県議会のベルゲン労働党候補者リスト。下は2023年ベルゲン労働党の選挙運動風景。政党ごとにテントを立ててチラシやケーキなどを配る。サングラス姿がリングダール裕子候補】
【注:代理議員は、育休、病欠、教育休暇などで議会を休む議員のピンチヒッター】
■ノルウェーの政治についての非常に詳しく入念な著書(『さよなら!一強政治』読後感 by リングダール裕子) : FEM-NEWS (exblog.jp)
■ノルウェーの2013年国政選挙 by リングダール裕子 : FEM-NEWS (exblog.jp)


