2023年 08月 02日
高校生徒会が主催する選挙前の政党討論会:『さよなら!一強政治』を読んで by 石田まなみ
『さよなら!一強政治――小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー』を読みました。
著者の三井マリ子さんを知ったのは、3月の福岡県男女共同参画センターあすばるでの「みらいねっとフォーラム2023基調講演」がきっかけでした。三井さんは「ノルウェーの女たちは政治を舞台に社会を変えた」というタイトルで講演しました。男女平等先進国として名高いノルウェーですが、1960年代までは男性議員ばかりで、女性議員はとても少なかったそうです。そこで女性たちは、女性を議会に増やすために「クーデター」を起こしたそうです。党派会派を超えて、知恵と力を結集して成し遂げたという話には、ドキドキしながらギュッと握りこぶしを握って、聞きました。
講演での話は三井さんの前の本にあるようですが、私が読んだ『さよなら!一強政治』の中には、極北の地で闘った女性革命家や、サーミの女性先駆者の話が書かれています。
驚いたのは、ノルウェーの高校生たちが行う「模擬選挙」の様子です。日本でも、ほとんどの学校に「生徒会選挙」(小学校は児童会選挙)があり、 生徒会役員候補に選ばれた生徒は、たすきをかけて、校門であいさつ運動をしたり、演説をしたりして、投票で決まります。これも子どもたちの主権者教育といえなくもないですが、公職選挙法の実際の選挙となると、18歳になって初めてですから、なかなか勝手が違うのではないかと思います。
ノルウェーでは、高校で、実際の国会選挙、地方議会選挙と同じ要領で、政党討論会があるのです。校内にやってきたそれぞれの政党が、本番さながらに選挙公約を高校生の前で演説、その後、生徒はカフェテリアで政党党員との意見交換までするというから驚きです。
そしてここが大事。この模擬選挙は高校の生徒会主体で行われているということです。教員など大人は、あくまでも「お手伝い」なのです。高校生だけでこういうイベントをすることで、政治が身近に感じられるようになるのは間違いありません。教育の中に政治が溶け込んでいる姿――これが私たちの国には足りないのでないかと改めて感じました。
この本を読んで、選挙についても気づかされました。小選挙区制選挙の今の日本では、志を持って国選に挑戦しようとしても、選挙区によってはいわゆる「死に票」になるだけで終わってしまうということです。仕事を辞めて、借金をしなければならない場合も多く、立候補を躊躇するのも当然でしょう。
私たちの生活には、政治のなかで変えなければならないことがたくさんあります。女性議員を増やしたいと考えている方、声をあげてみたいと思っている方、何かできる事を探している方、こうすれば少し明るい方に行けるかもしれないと思っている方、この本を一度読んでみてください。そして一緒に話し合いませんか?いつでもお待ちしています。
石田 まなみ(福岡県福津市議会議員)
https://www.facebook.com/manami.51016
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