2023年 05月 02日
「女性ゼロ議会」を「女性30%議会」に変えた女性3人は語る
宮崎県高原町で、女性が3人当選した。3人は特別多くはないが、この町が長い間、男性だらけの「女性ゼロ議会」だったとわかると話は別だ。
高原町は人口約8000人、議員定数10人。神話の町として知られ、町にはあちこちに神社がある。当選したのは岩元礼子(57)、西嶋陽代(51)、山下香織(42)の3候補。3人とも地区推薦ではなく、町内全域から票を集めたようだ。しかし、地区から出した候補を地区あげて応援する慣行は残っている、という。当選を決めたばかりの3人に、立候補の動機を聞いた
西嶋陽代さんは、保育園の副園長。子どもたちの親から、経済的にやっていけないという切実な声をよく聞く。「たとえば歯科医療。園児は無料ですが、小学校にはいるとお金がかかります」。
保育園の職員数など解決されない問題も山積みだ。町議会は、町長提案に反対の意見を言う人は共産党を除いて誰もおらず、オール与党だ。その男性議員が引退することになって、町政審議に反論する人がせめてひとりはいなければ、と立候補を決意した。共産党を支持する人たちや、保育園の関係者などが応援してくれた。
山下香織さんは美容師の仕事のかたわら、動物愛護事業を15年間率いてきた。「猫一匹から近所トラブルになることがあります。でも多くの男性は家のことだと女性任せなんです。すると女性が渦中におかれます」。犬猫トラブルひとつでも行政を動かさなければ解決しない。ところが、女性の声を行政に届けても「小さなこと」と軽視されるばかり。だから議員になって変えてやろう、と一大決心した。
選挙については町の選管に聞いた。供託金15万円は貯金をはたいた。「将来は首相になって、日本を変えたい」と明るい声がかえってきた。
日本列島には、町村を中心に「女性ゼロ議会」がまだ200以上ある。高原町の結果が、全国に波及してほしい。
【写真:3人より提供】
■2023年統一地方選:女性議員率1位白井市 2位宝塚市の背景 : FEM-NEWS (exblog.jp)
■愛知県みよし市「女性ゼロ議会」から「女性25%議会」に : FEM-NEWS (exblog.jp)
■ルポ 六ヶ所村選挙 by野村保子 : FEM-NEWS (exblog.jp)
■どのくらい減るか「女性ゼロ議会」:2023年統一地方選後半 : FEM-NEWS(exblog.jp)