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「女性ゼロ議会」を「女性30%議会」に変えた女性3人は語る

宮崎県高原町で、女性が3人当選した。3人は特別多くはないが、この町が長い間、男性だらけの「女性ゼロ議会」だったとわかると話は別だ。


高原町は人口約8000人、議員定数10人。神話の町として知られ、町にはあちこちに神社がある。当選したのは岩元礼子(57)、西嶋陽代(51)、山下香織(42)の3候補。3人とも地区推薦ではなく、町内全域から票を集めたようだ。しかし、地区から出した候補を地区あげて応援する慣行は残っている、という。当選を決めたばかりの3人に、立候補の動機を聞いた


「女性ゼロ議会」を「女性30%議会」に変えた女性3人は語る_c0166264_12454516.jpg岩元礼子さんは、町の酪農関係の組合に勤務していて、えさ代の高騰や後継者不足を見てきた。酪農業をやめたくても借金があってやめられない人もいる。それに、町の高齢化は深刻だ。一人暮らしのお年寄りが多い。居宅を訪ねたら「何日も他人と口を聞いてない」と涙を流しながら内情を話してくれたという。ゴミの分別作業もお年寄りには酷で、ゴミ出しができないこともある。「老人をひとりにさせない」が彼女の信念となった。

2回目の挑戦。同じ地区から男性が出て、自分のような「コネも何もない人は難しいのでは」と悩んだが、それでも地道に頑張って、みごと初当選した。



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西嶋陽代さんは、保育園の副園長。子どもたちの親から、経済的にやっていけないという切実な声をよく聞く。「たとえば歯科医療。園児は無料ですが、小学校にはいるとお金がかかります」。


保育園の職員数など解決されない問題も山積みだ。町議会は、町長提案に反対の意見を言う人は共産党を除いて誰もおらず、オール与党だ。その男性議員が引退することになって、町政審議に反論する人がせめてひとりはいなければ、と立候補を決意した。共産党を支持する人たちや、保育園の関係者などが応援してくれた。


「女性ゼロ議会」を「女性30%議会」に変えた女性3人は語る_c0166264_12505219.jpg山下香織さんは美容師の仕事のかたわら、動物愛護事業を15年間率いてきた。「猫一匹から近所トラブルになることがあります。でも多くの男性は家のことだと女性任せなんです。すると女性が渦中におかれます」。犬猫トラブルひとつでも行政を動かさなければ解決しない。ところが、女性の声を行政に届けても「小さなこと」と軽視されるばかり。だから議員になって変えてやろう、と一大決心した。


選挙については町の選管に聞いた。供託金15万円は貯金をはたいた。「将来は首相になって、日本を変えたい」と明るい声がかえってきた。



日本列島には、町村を中心に「女性ゼロ議会」がまだ200以上ある。高原町の結果が、全国に波及してほしい。


【写真:3人より提供】


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by bekokuma321 | 2023-05-02 13:04 | 日本