2023年 04月 23日
どのくらい減るか「女性ゼロ議会」:2023年統一地方選後半
それに先立つ4月12日、女性議員を増やす運動を続ける「全国フェミニスト議員連盟」は、最新調査結果を発表した。「女性ゼロ議会」の数は254自治体、全基礎自治体の14.6%。その9割は町村である。
連盟は「女性ゼロ議会」を訪問して女性が出にくい理由をさぐってきた。それによると、女性の挑戦を阻む“見えない選挙制度”や、家事育児介護負担が、立候補数の男女格差の背景あるようだ。連盟のPress Release更新版(4/16)から、以下に重要事項を記す。


● 「女性ゼロ議会」は全体の14.6%、その9割以上は町村
連盟の最新調査によると、「女性ゼロ議会」が存在しないのは6府県のみ。「女性ゼロ議会」は、東京都を含む41都道府県の254自治体、全体の14.6%にのぼる。
その9割以上(231)は町村、1割弱(23)は市。社会的弱者である高齢女性住民の多い町村の政策が男性のみで決められている歪んだ現実がある。
市に目を移すと、23市のうち議員数最多22人の北海道岩見沢市、富山県射水市は、過去に女性議員が複数いたにもかからず、ゼロにもどった。他にも女性議員がいたのに「女性ゼロ議会」に戻った市が16もある。歴史の針が巻き戻されたかのようだ。
●女性に立候補をさせない“見えない選挙制度”
女性は今のところ概して当選率が高い。では、なぜ「女性ゼロ議会」がなくならないのか。主な要因は女性が立候補しないことだ。慣習・通念の縛りが女性を消極的にさせていること、家事育児介護を主に背負う女性は選挙に関心を寄せる余裕がないことが背景にある。
たとえば町内会など自治会への入会は世帯主だ。問題は、自治会が候補者擁立機関となることがあり、当然ながら男性限定。こうした“見えない選挙制度”の結果、女性は選挙区の全域から万遍なく集票しなければならず、立候補のハードルは高まる。
また「嫁は家を守るもの」とする社会通念の根強さ。宮城県栗原市初の女性議員が語った「夫は婿養子。私が嫁だったら無理」は象徴的だ。「女性ゼロ議会」に回帰した市を調査すると、家族介護から再選を断念した元女性議員たちの姿が浮かび上がった。
●青森は約 4 割 、奈良・福島は 3 割以上 「女性ゼロ議会」
全基礎自治体に占める「女性ゼロ議会」の割合の高い県は ① 青森 37.5 ② 奈良 33 3 ③福島 30.5 ④ 山梨 29.6 ⑤高知29.4 ⑥ 北海道 29 ⑦鹿児島 27.9 ⑧ 宮崎26.9 ⑨群馬25.7 ⑩和歌山23.3 (単位%)




[女性ゼロ議会訪問記]
■「女性ゼロ議会」嘉麻市に女性の声を届けるために立ち上がった2人 : FEM-NEWS (exblog.jp) (福岡県)
■岐阜県「女性ゼロ議会」瑞穂市に要望書を手渡しました : FEM-NEWS (exblog.jp) (岐阜県)
■報告:徳島県板野町「女性ゼロ議会」を訪問して : FEM-NEWS (exblog.jp) (徳島県)
■報告:高知県土佐町で「女性ゼロ議会」をなくす知恵をしぼった: FEM-NEWS (exblog.jp) (高知県)
■速報「女性ゼロ議会をなくそう@杵築市」 : FEM-NEWS (exblog.jp) (大分県)
■麻生太郎と「女性ゼロ議会」 : FEM-NEWS (exblog.jp) (福岡県)
■速報「女性ゼロ議会」長野県川上村訪問記: FEM-NEWS(exblog.jp) (長野県)
■女性ゼロ議会をなくそう!(岐阜県関市): FEM-NEWS (exblog.jp) (岐阜県)
■今治市に女性議員誕生(愛媛県)
■「安政の大一揆」から「越中の女一揆」へ (富山県)
■女性ゼロ議会「栗原市」を訪問して (宮城県)
■どう変わった「女性ゼロ議会」「紅一点議会」 : FEM-NEWS (exblog.jp)
■女性ゼロ議会、5議会にひとつ : FEM-NEWS (exblog.jp)
■埼玉県女性ゼロ議会「羽生市」を訪問 : FEM-NEWS (exblog.jp) (埼玉県)
■埼玉県女性ゼロ議会「東秩父村」を訪問 : FEM-NEWS (exblog.jp) (埼玉県)
■女性ゼロ議会の背後に夫の嫉妬・理解のなさ (秋田県)
■女性ゼロ議会訪問記:長野県筑北村 (長野県)
■女性ゼロ議会の阿波市・吉野川市を訪ねて (徳島県)
■女性ゼロ議会の直方市訪問 (福岡県)
■女性ゼロ議会の今治市に申し入れ (愛媛県)
■女性ゼロ議会の愛知県阿久比町、飛島村を訪ねて (愛知県)
■沖縄 市町村議の女性ゼロ率ワーストワン (沖縄県)
■1人でもできる「なくせ女性議員ゼロ議会」運動 (長崎県)
■群馬で全国女性議員サミット (2009年群馬で開催されたシンポジウム)