2022年 12月 22日
植田まき高松市議「議員特権をなくすために生涯闘い続けたい」
高松市議の植田まきさん(写真)はホントに忙しそうだ。活動の合間に30分ほどインタビューした。
植田さんは、大学院修了後、渡辺さと子香川県議(当時)のインターンとなった。条例案をつくり、議会傍聴もした。議場には渡辺さんを入れて女性はわずか2人だった。「うわーっ、男性ばかり。けしからん! こんなひとたちで私たちのことが決められているんだ」。怒りのスイッチがはいった。
2003年、高松市議に立候補・初当選した。27歳だった。2期目も当選したが、3期目は立候補しなかった。その後、再挑戦して今、4期目。3期目に立候補しなかったのはなぜだろう? 植田さんはこう口火を切った。
「日本の議員ってすごく特権意識があって、それは議員がお金をもらいすぎているからだと思ったんです。このことが議会を市民から遠ざけ、市民は政治を議員任せにし、結局、住民自治が成熟しない・・・」
話は具体的数字に移った。
「議員報酬は月60万円以上。この歳費とは別に議会に出ただけで手当て(費用弁償)を6000円以上もらう、その上、政務活動費をもらう、議員の報酬をあげる・・・それらを決めるのは議員自身ですよね。お手盛りなんです」
周りの人たち、とりわけ働く女性たちの収入との大きな違い。植田さんは強い疑問を抱いた。とくに昼前に終わるような短い議会でも1日6000円以上をもらえる費用弁償。植田さんは受け取りを拒否した。議会でモメにモメた。「パフォーマンスだ」「若いくせに、女のくせに」などと口汚いいじめも止まなかった。国に供託、という方法となった。
ふりかえれば、植田さん自身もその特権まみれの議員に身を置いていた。葛藤に苦しんだ。「このまま議員を続けてて、いいんか」ーー自問自答する日々。悩んだ末2011年春、3期目の立候補をやめた。
その後、大学院で議員報酬の問題について調査。議員報酬のない北欧のような「ボランティア議員」(注)についても関心をもって調べたという。そして、もう一度立候補しようと決意した。そして当選。
議会には費用弁償に疑問を持つ議員が少し増えてきた。そこで“供託議員”4人は、費用弁償廃止を求めて議員提案をした。廃止に至らなかったものの、1日6000円だった費用弁償が半額の3000円となった。
「ほんの少し改善することができました。住民が納める大事な税金。その税金の使い方をお手盛りで決めてきた事実を明らかにすることにもなりました。議員特権廃止は私の生涯のテーマですね」

植田さんは、市民オンブズ香川代表でもある。事務局長の渡辺さと子さんと二人三脚で、2015年には香川県議会の政務活動費、2017年には議員の海外視察の違法支出について、高松地裁に提訴した。
植田さんは「県議は、自分の選挙区の祭りなどの金一封を、政務活動費から出していました。悪びれるどころか、『意見交換会費』の名目で領収書までもらっていたんです」と。うれしいことに、昨年、高松地裁から「県議の調査研究と関係が薄い」との判決が下った。県議29人は約2050万円を県に返還した。
民事だけにとどまらない。意見交換会費は違法だと刑事告発した。残念ながら不起訴だったが、今夏、検察審査会は「起訴相当」と決めた。
植田まきさんの闘いは続く。
【写真:どちらも、2022年11月高松市内にて撮影】
【注:北欧諸国の地方議員には報酬がない。通常の仕事や学業を続けながら議員職をこなす。下のFEM-NEWS記事に詳しい」
■政治家の出発点は中高時代の政治的関心(ノルウェー): FEM-NEWS (exblog.jp)
■「市民の代表は市民より上にあってはいけない」(ノルウェー): FEM-NEWS (exblog.jp)
■無報酬でも地方議員候補が多い理由(ノルウェー): FEM-NEWS (exblog.jp)
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