2022年 12月 17日
「北欧諸国は男女差別と闘う法律を持っている」by フィンランド大使
12月5日、北欧5カ国の駐日大使館が主催した国際会議があった。タイトルは「日本における新しい資本主義と北欧の視点:男女平等と労働参画、そしてワークライフバランス」。主催者を代表して本会議のねらいを語ったのは、フィンランドのタンヤ・ヤースケライネン大使だった。かいつまんで紹介する。
北欧5カ国を代表してあいさつします。私たちには直面する共通課題があり、その解決に向かって共有すべきことがあります。経済というと重厚長大な話をしがちですが、男女平等、それは北欧社会の中核をなす価値観であり、経済繁栄につながるものです。北欧は、男女平等に深く心を砕いており、男女平等で最も進んだ国々である、と私は考えています。
実際、北欧女性は、仕事と家庭の両方に、男女平等に参加できています。たとえ親になっても、です。大学生のほとんどが女性です。男女ともに、働きつつ、他のこともできるようになっています。北欧諸国は、男女差別と闘う、しっかりした法律をもっているのです。
北欧では、ガラスの天井がつき破られてきたとはいえ、もっと平等を成長させることが必要です。たとえば、いまだはびこる男女賃金格差。これはなかなかしつこいです。
誰もがわかっていることですが、公共の分野で男女平等を確立するには、まずは公正であること、そのうえで経済的パフォーマンスも重要です。女性への投資は、経済発展に寄与し、競争力を高め、(新しい)仕事が生まれ、GDPも伸びます。OECDが動かぬ証拠で示しているではありませんか。いかなる国であっても、労働市場の5割を占める、この可能性を無視できるはずなどありません。
しかし平等は当然には成し遂げられません。たとえ北欧であっても、です。
すべての人々が、自分の人生において自分の持つ可能性を発揮でき、そして労働市場でも発揮できるようになる、その時まで、我々は皆、努力をし続けなければなりません。
本会議を協賛した北欧閣僚理事会は、2030年までに、もっとも持続可能でもっとも統合された(差別などで排斥しないこと)社会にしようというヴィジョンをもっています。それには、日本のようなパーナーと、刺激しあい、ネットワークをつくり、協力しあう必要があります。このセミナーシリーズが、そのための生き生きしたアイデアの交換につながるよう期待します。
2月に予定されている第2弾は、「生き生きしたアイデアの交換」になることを、私も心底望む(注)。
最後になるが、パネリストの1人だった私は、女性のゲットー「非正規雇用」の改善を訴えた。会議が終わって、ホールにいた私のそばにやってきて、私のささやかなスピーチに感想を述べた女性がいた。1人は英国大使館のソフィー・ワーナーフォグ政治部参事官。そして、もう1人は、この力強い挨拶をしたフィンランドのヤースケライネン大使(写真)だった。うれしかった。
【注】12月5日、日本側を代表して男女平等の担当大臣が基調講演をしたが、その内容に失望した参加者が多かった。その声はSNSで拡散されており、一部はFEM-NEWSにも掲載されている(下記)。
■北欧主催「日本における新しい資本主義と北欧の視点」での日本側基調講演の絶望を希望に変えよう: FEM-NEWS (exblog.jp)
■北欧5か国主催国際会議での小倉將信大臣発言に思う: FEM-NEWS (exblog.jp)
■報告:北欧の男女平等政策に学ぶ時間が少なすぎた国際会議「男女平等と労働参画&ワークライフバランス」: FEM-NEWS(exblog.jp)
■速報:日本の羊頭狗肉的政策が明らかになった北欧5か国主催「男女平等と労働参画、そしてワークライフバランス」:FEM-NEWS (exblog.jp)
■RIETI - 日本における新しい資本主義と北欧の視点:男女平等と労働参画、そしてワークライフバランス (←12/5のプログラム、発言者、発言時間)
■日本における新しい資本主義と北欧の視点-Sweden Abroad
■Gender Equality andLGBTI |Nordic cooperation (norden.org)
■第11回 「男の連帯」に一太刀!(北欧理事会)(ionnanoshinbun.blogspot.com) (「叫ぶ芸術」Web版)

