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土佐の「はちきん」から話は始まった(三井マリ子講演会「北欧と日本の男女平等の歩み」報告@高松市)

●日本女性の闘い(明治時代~)

「はちきん」とは男勝りの女性を表す土佐弁。それを体現したかのような高知県の楠瀬喜多(くすのせきた、18361920)は、夫が死んで戸主となり納税義務を負わされた。「義務があるのに選挙権がないのはおかしい」と県に直訴して、自由民権運動に燃えた土地・土佐郡上町で初の女性参政権獲得の歴史をつくった。1880年のことだった。四国から日本初というのが誇らしい


久布白落実(くぶしろおちみ、18821972)は、関東大震災で多くの娼妓の死体を吉原の池に見た翌年の1924年、「婦人参政権獲得期成同盟会」を結成し、女性の選挙権獲得にまい進した。矯風会を礎に力を注いできた廃娼運動を進めるためでもあった。


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久布白は、1928年にノルウェーを訪問。同国の1887年の公娼制廃止につながった絵画「警察医務室前のアルバーティーナ」と出会って衝撃を受けた。廃娼後の情況を視察した久布白は、ノルウェーの社会福祉制度、公的施策を見て、変革には女性の政治参加が必要と、その活動にさらなる情熱を注ぐことになった。


久布白のとどまることのない闘いが、日本女性の参政権獲得や売春防止法制定への道をつくったといえる。くぶしろおちみさんのこと、今回の講演会で初めて知りました



●ノルウェーと日本のその後

日本では1985年の男女雇用機会均等法を始め男女共同参画社会基本法や2022年の困難女性支援法に至るまで法律は次々と制定されたが、1945年の女性参政権成立から今日まで国会の女性議員比率はほとんど変わっていない。


一方ノルウェーをはじめ北欧諸国では、1945年前後には5~10%だった女性議員の比率が、現在45%程度まで伸びた一体この差は何だ!と感じざるを得ない。三井講師の話でその秘密はクオータ制だと感じた)


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ベリット・オース(1928~)は、70年代にクオータ制を自党で実行したノルウェー初の女性党首。彼女は女性差別根絶には女性の政治進出が一番と考え、公職選挙法を駆使した「男を消せ」運動やクオータ制を実施した。


しかし、思うように女性候補者は増えなかった。なぜ?と思案した彼女は「支配者が使う5つの手口」を生み出した。それは男たちの「1無視する、2からかう、3情報を与えない、4どっちに転んでもダメ、5罪をきせ恥をかかせる」という内容。(この発想には大拍手!さすが社会心理学者。ナルホドと感服)


●ノルウェーで女性議員が増えて社会がどうなったか

三井講師はノルウェーのオーモット市を1996年以来、何度も訪問。人口4500人で議員19人中女性は半数を超える。


オーモット市の市長は「社会福祉国家と言われるが、正確には社会福祉地方自治体です。市民の多くは質の高い福祉サービスを望み、その民意を反映させる選挙が鍵を握っています。女性議員が多いことが社会を変えるためには重要です」と指摘している。


民意を反映させる選挙について、小選挙区制の日本と違い、多くの国が採用する比例代表制のメリットを強調して1126日の講演は幕を閉じた。(三井講師の情熱と講演会の内容が心に残った機会に感謝です)          


溝渕 香代子(元公立高等学校長、高松市民)



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【写真上から、ノルウェー公娼制廃止につながった絵画「アルバーティーナ」、ベリット・オース、技術的トラブルがありパワポなしで始まった講演、講演会「女たちの連帯は力強く国境を越えるーー北欧と日本の男女平等の歩み」チラシ】


【更新 2022/11/29 1823;2022/12/2 2100】


by bekokuma321 | 2022-11-29 13:29 | 北欧