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ノルウェー人の長い夏休みと収入

ノルウェー人の多くは長い夏休み(注)を終え、8月から仕事にはいった。


7月、イタリア、スペイン、イギリス、ギリシャ、アフリカ、ノルウェー国内・・・で休暇をすごしている楽しそうな写真が、フェイスブックにはいってきた。学生、年金生活者、ジャーナリスト、公務員、政治家、農業・・・職種はさまざまだが、楽しみ方はみなダイナミックだ。


では、いったい、ノルウェー人はどのくらい収入があるのか。


ディビッド・ニッケルの人気サイト「ノルウェー人の暮らし」に掲載された金額を日本円に直してみた。それによると、ノルウェー人の平均月収は、納税前、平均705,663円(50790クローネ)だ。日本人の平均月収は約36万円程度らしいから、倍近い。


日本と同様、非正規職の人もいるし、土地や資産を持っている人もいて、正確に把握することは難しい。とはいえ、だいたいの様子はわかる。


男性746,233円(53710クローネ)、女性655,553円(47190クローネ)で、女性は男性の88%、12%低い。移民1世は627,654円(45130クローネ)で、ノルウェー平均の89%、11%低い。なるほど平等の国だ。格差はあるものの、差は日本に比べて非常に小さい。基本的に平等でなければ、これだけあけっぴろげに「イタリアに行ってきた」「スコットランドに行ってきた」と公にはできない、と思う。


国家公務員は760,019円(54710クローネ)、地方公務員は639,79946070クローネ)、私企業は714,185円(51460クローネ)。


産業別月収を和訳して、表におとしてみた。「手当やボーナスは含まれるが、残業代は含まれない」という。


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        ディビッド・ニッケルの「ノルウェー人の暮らし」より和訳・円換算した


では、ノルウェーの税金はどうなっているか。


直接税と間接税があり、各々、国税と地方税にわかれる。直接税は、所得税、富裕税、国民保険料で、源泉徴収される。所得税は通常23%(国税と地方税)だと言われている。フィンマルクなどノルウェー北部の住民は特別に軽減され19.5%である。国民保険料は、給与所得の8.2%。ほかに、自動車税、市町村税、固定資産税がある。日本で選挙のたびに問題になる消費税(=物品税)は、普通の品物が25%、生鮮食品など必需品が15%である。日本よりかなり高い。


友人が、「収入から納税分を引くと、手取りは半分ね」と言っていた。


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▲ノルウェー西海岸。海の家に宿泊しボートを出して釣りをしたり無数にある島めぐりを楽しむ(by Ole G.Narud)



【注】ノルウェーには「休日法」Holiday Law - Law Data(lovdata.no)がある。この法が全ての働く者の休暇の権利を定める。たとえば、労働者は年に4週間とプラス1日とることできる。60歳以上になると、それに1週間プラスされる。夏季は 3 週間続けて休暇を取ることができる。パートタイム労働者も年4週間の休暇をとることができるが、休暇手当はフルタイムとは別だ。かつてノルウェーの私企業における男女平等を調査していた頃、ノルウェー経団連会長に取材した。彼は「僕も夏休みは1ヶ月とります。とらないと違法なんです」と私に言った】





by bekokuma321 | 2022-08-17 19:58 | ノルウェー